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トーセンレーヴの人気vs毎日王冠のフルゲート

  • 2012年10月04日(木) 12時00分
日本人にはプレッシャーを感じるとマイナスモードになる人が多いんだとか。いわゆるそういう国民性があるのだとか。

逆にここ一番でプラスモードに移行しやすい国の人もいるのだとか。どこの国だったかは忘れてしまった。ただオリンピックで自己ベストが出せる選手は日本人より外国人の方が多いように思う。特に個人競技で思う。だからあながち否定できない気がする。

たとえばプロ野球で家族が来日すると活躍する外国人がいる。確実にいる。
たしかクロマティが大活躍してた記憶あり。
そういえばミルコ・デムーロも家族が来てるからと張り切っていた日があった。

日本人がダメと言ってるのではない。はじまりのマイナスモードをプラスのモードに持って行ければいいだけだからだ。ただ少し時間がかかるかもしれない。オリンピックではその時間が短いのかもしれない。

実際、今日は家族が来てるから頑張りました! という談話を日本人からはほとんど聞かないのも事実。外国人はそれをけっこう口にする。口にしないだけで中身はいっしょ!という考え方もある。そもそもそれこそが国民性だ!という言い方もある。

そう国民性なのだ。大舞台で張り切れる国民性ならば、インタビューとかで家族のことを黙っちゃいられないのだ。喋りたくってしょうがないのだ。黙っていられる時点で、やっぱりちょっと違うのだろう(いい悪いの問題ではありません)。

受け取る我々もそう思ってるフシがある。
「岩田騎手の家族が来場してます」情報と「デムーロ騎手の家族が来場してます」情報の2つが流れたら、どっちをプラスの材料と認識するか?

おそらくデムーロではないか。反射的に思う。
それだけ「外国人選手は家族が来ると頑張る」イメージが染み付いているということだろう。

「極東のちっぽけな島国」まではるばる来てくれるのだから、頑張るのは当然かもしれない。おっと車田正美漫画っぽい言い方をしてしまった。リンかけと星矢の打ちすぎかな? バゴーン!
だとしても、それを好成績につなげるのは技術もさることながら、それで著しく燃え上がれる気質がそもそもあるからなんだろう。

つまり! 
外国人騎手の家族情報は馬券的攻略情報足りえる!
だから、馬柱に記載される「ブリンカー」「連闘」と同じように外国人騎手の「家族来日」も馬柱に記載しよう!
今年も、これからきっと何人かの名手級騎手が来日するはず。
それにあわせて、新聞各紙、もちろんnetkeiba.comも「家族来日」「恋人来日」等を馬柱に記載しよう!

と言いたいわけではない!
(面白い。けど出オチかな?)

毎日王冠だ。

毎日王冠のトーセンレーヴの競走成績を見てて、そう思った。

騎手を見てではない。

トーセンレーヴがデビューしてからずっと外国人騎手を騎乗させつづけている馬であることは、今さらだろう。

今さらだけど、一応記入してみる。新馬から順番に記入してみる。

新馬 リスポリ 1人気1着
アルメリア リスポリ 1人気1着
毎日杯 リスポリ 1人気3着
青葉賞 ウィリアムズ 1人気3着
プリンシパル ウィリアムズ 1人気1着
ダービー ウィリアムズ 5人気9着
アイルランド ピンナ 1人気1着
AJC ルメール 3人気5着
洛陽S クウィリー 1人気1着
マイラーズ ピンナ 2人気8着
エプソムC ウィリアムズ 1人気1着

そして今回騎乗はピンナ。

もはや天晴れだ! イギリス人だったら、すぐに「トーセンレーヴに初めて跨る日本人騎手は誰か?」とブックメーカーすることだろう。
それはそれで面白い。ただ自分が上記の成績を見てて感じたことは、前記したように騎手のことではない。
もちろん騎手も遠因でリンクしてはいるけど、それだけではない。

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トーセンレーヴは1番人気に支持されたときしか頑張らない。
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自分が興味を持ったのはむしろこっち。

1番人気[6-0-2-0]
2番人気以下[0-0-0-3]

1番人気でしか頑張ってない。トーセンレーヴのもってる資質か?

世の中には1番人気でないとスネるタイプの人間がいる。
一番わかりやすいのは野球のドラフトか(AKBでたとえる方が今っぽいんだろうけど…)。
1位指名でないと著しくテンションが下がる選手がいる。確実にいる。
1位が大成する手形ではないことをデータ的には十分認識してるはずなのに、それでもいる。
データの問題ではない。プライドの問題か。
そういえば、お蝶夫人もそういうタイプだった気がする(AKBでたとえればいいんでしょうけど、そちらは各自センスでお願いします)。

トーセンレーヴもそういうタイプか?

パドックを歩きながら、横目でちらり。馬は視野が広いから、チラリせずともじっと電光掲示板は目に入っているか?
で、1番人気ならば、ひひ〜〜〜ん!!!
1番人気じゃないと、ひひ〜〜〜ん!??

(テンション、ダダサガリッス!)

トーセンレーヴをそういうタイプと見越して、それゆえに外国人騎手にこだわりつづけてきてるのだとしたら、
厩舎もすごい!ブラボーだ!

前述したように外国人選手はいい意味で特別なシチュエーションに遭遇すると持ってる力を最大限発揮する傾向がある。

期待を超えていくことでしか生まれないカタルシスもある。期待を超えるとはもちろん1番人気。
「家族来日」とはちょっと意味は違うかもしれないけど、カタルシスという意味では「1番人気」も十分テンションアップの材料だろう。

1番人気でないと頑張れない馬だから、1番人気に喜びを感じ、なおかつ、結果も出せる騎手に依頼する必要がある。

だから外国人騎手!

だとしたら、しごく納得だ! 

正直、日本での経験の浅いピンナやクウィリーよりは、岩田や蛯名の方がよい騎手に思える。少なくとも日本では上だ。だけど、ピンナもクウィリーもトーセンレーヴの1番人気では期待に応えていた。今回もピンナ。
こうなると技術ではなく、テンションを大事にしてる気がしてならない。

いやいやいや。レーヴは単なる外タレ好きなミーハーでは? いやいやいや、そこに行くと破綻してしまう!(そもそも破綻だろ!いやいやいや…)だからそこには触れないで!

問題は今週の毎日王冠でトーセンレーヴは1番人気になれるのか? そこだ!

ここはけっこう大事なところだ。
この秋の未来が決まってしまうかもしれないからだ。

もしここで1番人気に支持されないと、そして1番人気に相応しい競馬をしないと、
この秋のG1は用無しになってしまうからだ。

トーセンレーヴがどこを狙っているのかわからないけど、
天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念、マイルチャンピオン、そこで1番人気になるのは現状では至難だ!
ピンナはもうすぐ帰国だから、おそらくその後はまた別の外国人騎手になるのだろう。
仮にどこぞの超名手が鞍上になったとしても、毎日王冠で度肝を抜かないと、G1での1番人気は至難だろう。

毎日王冠を1番人気で、すごい闘いっぷりを見せるか?
毎日王冠を2番人気以下でテンションの低い闘いを見せるか?

netkeiba.comの予想オッズを見ると、トーセンレーヴは現在3番人気。

おっと!ヤバイぞ!スネるぞ! ピンナの家族来日情報ない!?

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毎日王冠のフルゲートは18頭立て
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フルゲート11頭ではない
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11頭立てが基本で、ときどきフィーリングで増枠したり減枠したりするのが毎日王冠です。

と言いたくなるほどフルゲートにならないのが毎日王冠だ。もはや伝統か。
いつから18頭立てフルゲートになったのかはわからないけど、この20年で18頭立てになったことは一度もない。

11頭立て 7回
9頭立て 3回
10頭立て 2回
12頭立て 2回
14頭立て 2回
16頭立て 2回
13頭立て 1回
17頭立て 1回

ほら、11頭立てが基本と言いたくなるでしょ。
そんな毎日王冠の伝統が今年は崩れるか?
そんなムードが想定版から漂っている。

仮に今年本当に18頭立てになったらどう考えたらいいのか?
毎日王冠の18頭立てのデータはない。
東京競馬場のフルゲート1800は8枠の馬に決して有利とは言えない。
毎日王冠の過去のデータでは8枠は来てるけど、それは頭数が少ないからで馬番は若い。

開幕の角2.5の東京芝1800フルゲート。
今回は例年以上に枠の有利不利を気にしていいと思う。
思うけれど、それは枠番が出て、気にすればいい。

今回、参考にしたいのは人気。
一応、過去1回あった17頭立てと2回あった16頭立てのレースを参考にすると、
1番人気が敗れていることがわかる。

そう自分が引っ張り出したかったのがそれ。

17頭立て(05年)
1着 9番人気(サンライズペガサス)17.9(単オッズ)
2着 6番人気(テレグノシス)9.6
3着 13番人気(ケイアイガード)74.3

1番人気 5着(ダイワメジャー)4.6

16頭立て(06年)
1着 3番人気(ダイワメジャー)6.4
2着 2番人気(ダンスインザムード)5.5
3着 9番人気(ローエングリン)16.7

1番人気 13着(アサクサデンエン)4.1

16頭立て(08年)
1着 2番人気(スーパーホーネット)10.7
2着 1番人気(ウオッカ)1.5
3着 10番人気(アドマイヤフジ)33.9

今年はウオッカのように単オッズ1倍台に支持されるような馬はいない(はず)。
参考にすべきは1番人気が4倍台で、10番人気までが単オッズ20倍以内にほぼいた05年と06年か。
(05年は10番人気は20.3、06年は10番人気18.5)

この2年で共通することは、
1番人気が圏外に敗れ、単オッズ20倍以内の9番人気、10番人気が馬券に絡んでいること。

というわけで、こういう仮説が成り立つ。

もし毎日王冠がフルゲートになって(この際16頭以上でよし)、
1番人気の単オッズが4倍前後で、10頭くらいが単20倍以内でひしめくような混戦ムードが漂ったら、
1番人気は馬券圏外に敗れる。

ちょっとセセコマしいな。よし、もっと飛ばそう。
どうせウオッカのような馬はいないのだし。

もし、毎日王冠が16頭以上になったら、
1番人気は圏外に敗れる。

いやまださっぱり感がないな。
どうせ16頭以上になるでしょ、今年は。

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今年の毎日王冠の1番人気は馬券圏外! わー!
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つまり、とどのつまり、

トーセンレーヴが1番人気になれず、
毎日王冠が16頭立て以上になったら、

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トーセンレーヴと1番人気、両方馬券圏外に飛ばせる! わー!
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上位人気2頭をまとめて飛ばせる!やったー!素敵だ!

では、

トーセンレーヴが1番人気になって、
毎日王冠が16頭立て以上になったら、どうなのか?

え?

「トーセンレーヴが1番人気になったら、馬券圏内」と書いた。

「16頭立て以上になったら1番人気は馬券圏外」と、ほんの数行前に書いた。

わー!わー!わー!

わー!わー!わー!

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毎日王冠
矛の祈り トーセンレーヴの1番人気
盾の祈り 16頭立て以上
あ〜矛盾したい!矛盾しまくりたい!

注目オッズ 単オッズ20倍前後の馬
一生懸命見る枠 1番〜6番までの馬

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京都大賞典もフルゲートは10頭ではない
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このレースも毎日王冠といっしょ。本当は18頭立てだけど、18頭立てなんて見たことない。
今のところ、今年は12〜14頭くらいになりそう。これだって京都大賞典としては多いけれど、フルゲートになるわけではないから、そのアプローチはやめておく。

もはや完全に京都2400専用ホースと化したと思われるオウケンブルースリ。
とはいえ、京都大賞典、
4歳 1着
5歳 2着
6歳 3着
となると、7歳の今年はちょっと買いにくい。

だったら他の2400ホースを探した方が倹節か。

ギュスターヴクライ 芝24[2-1-2-1]京都24[0-1-1-0]
ローズキングダム 芝24[3-1-2-1]京都24[1-0-1-0]
ビートブラック 芝24[3-1-0-2]京都24[0-1-0-2]

こんなとこか。
ただ去年、1着ローズ、2着ビート、3着オウケンで決まっただけに、
今年の第一本戦は、
4歳ギュスターヴクライVS5歳ローズキングダムでよろしいか。

京都大賞典注目どころ。
ギュスターヴクライ対ローズキングダムに敬意を表しつつ、
和田騎乗のコスモラピュタの逃げ、もしくは番手からの粘り込みに期待。

コスモラピュタは5歳の秋にして、逃げではなく番手競馬も少しだけ理解してきた(気がする)。
逃げ先行馬を3着くらいに残すのが上手い和田のナムラクレセントっぽい操縦に期待。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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