競輪
混戦ムードも実は一強!?/アルゼンチン共和国杯
- 2012年10月31日(水) 18時00分
■アルゼンチン共和国杯(G2・東京芝2500m）フルゲート18頭/登録19頭
【コース基本情報】東京芝2500m Bコース使用
・コース回収率
[低め] 単勝59％・複勝75％ 上位人気馬の1着率が高く堅い決着が多め
・馬連万馬券出現率
[やや高め] 20.0％(平均値△8.0％ 馬連平均配当4756円）
・枠番別連対率(18頭立て)
[中枠優勢] 内枠9.4％・中枠14.3％・外枠8.3％
・脚質別信頼度
先行＞＞逃げ＞差し＞＞＞追込 逃げ・先行勢が圧倒的なまでの強さ！
・推定ラップ＆タイム
[持久戦] 36.2-78.5-35.5＝2.30.2 勝負所から長く脚を使わされる持久力勝負
アルゼンチン共和国杯と目黒記念、あとは春開催の未勝利戦と、年間3回しか開催されていない、東京芝2500mでのレース。データの分母となる数字が非常に少ないため、正直なところコースデータはあまりアテにしないほうが良さそうだ。
とはいえ、参考になりそうなデータもちゃんとある。最も興味深いのが、脚質別成績。東京芝の長距離戦なので差しが決まりそうなイメージなのだが、逃げ＆先行脚質がトータル連対率30.6％、単勝回収率212％、複勝回収率111％という高期待値であるのに対して、差し＆追い込み脚質は連対率4.7％、単勝回収率5％、複勝回収率57％という低調な成績。もう、完全に先行優勢なのである。
よりイメージしやすいように4角通過順位で見ても、それは明白。4コーナーを7番手以下で回った馬のトータル成績は、なんと[1-2-6-78]で勝率1.1％、連対率3.4％と大不振。「3着が精一杯」という結果に終わっているのは、絶対に覚えておきたい。
最初のコーナーまでが長いコース形態でもあり、枠番についてはさほど気にする必要ナシ。ただし、道中のポジションと、何番手で最後の直線へと向かえるかは、徹底的に考えるべきコースだといえるだろう。
【レース基本情報】アルゼンチン共和国杯(G2) 東京過去9回
・レース平均配当
単勝949円 馬連4997円 3連複2万6177円
・1番人気馬成績
[2-2-1-4] 連対率44.4％・複勝率55.6％
・3番人気以内馬成績
[7-5-3-12] 連対率44.4％・複勝率55.6％
・10番人気以下馬成績
[1-2-1-63] 連対率4.5％・複勝率6.0％
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 3.7％ [先行] 29.6％ [差し] 55.6％ [追込] 11.1％
・年齢別成績
[3歳馬] 0-2-1-7 連対率20.0％ 複勝率30.0％
[4歳馬] 4-3-4-22 連対率21.2％ 複勝率33.3％
[5歳馬] 3-2-1-33 連対率12.8％ 複勝率15.4％
[6歳馬] 2-2-2-31 連対率10.8％ 複勝率16.2％
[7歳以上馬] 0-0-1-28 連対率0％ 複勝率3.4％
・斤量別成績
[51�前焚�] 0-1-2-15 連対率5.6％ 複勝率16.7％
[52〜53��] 1-1-1-28 連対率6.5％ 複勝率9.7％
[54〜55��] 2-2-2-37 連対率9.3％ 複勝率14.0％
[56〜57��] 3-2-3-27 連対率14.3％ 複勝率22.9％
[57.5�前幣�] 3-3-1-14 連対率28.6％ 複勝率33.3％
・厩舎所属別成績
[美浦] 2-2-4-70 連対率5.1％ 複勝率10.3％
[栗東] 7-6-5-51 連対率18.8％ 複勝率26.1％
・注目出走パターン
[買い] 斤量55�前幣紊料袷�5番人気以内馬（連対率31.3％）
[買い] 前走3番人気以内の関西馬（連対率40.0％）
[全滅] 前走G1以外で6番人気以下かつ5着以下（複勝率0％）
[不振] 7歳以上馬（複勝率3.4％）
1番人気馬は[2-2-1-4]と信頼度イマイチだが、2番人気馬と3番人気馬はトータル[5-3-2-8]と絶好調。11番人気のミヤビランベリが制した09年のデータを含んでいるにもかかわらず、単勝平均配当は949円と、かなり低めの数値となっている。1着には素直に上位人気を狙うべきレースであり、高配当を狙うなら「ヒモ荒れ」のパターンがオススメである。
コースデータとは真逆の結果が出ているのが脚質別成績。馬券に絡んだ27頭のうち、半数以上となる15頭が「差し」での勝負だった。とはいえ、1着におけるシェアは逃げ・先行勢のほうが優勢であるため、1着に先行馬、2着に差し馬を置く買い目が有効に機能しそう。差し脚質をアタマ固定で狙うのは、ちょっとリスキーな印象だ。
ハンデ戦なので斤量も気になるところだが、こちらは「背負っている実績馬が強い」というのが結論。斤量が増すにつれて連対率や複勝率がキッチリ上昇する傾向にあるため、軽ハンデの人気薄を狙うのは、かなり効率が悪い。重いハンデは、このレースにおいてはマイナス材料ではなく、プラス材料なのである。
【現在の馬場＆血統情報】
・現在の馬場
先週のBコース替わりで前＆内有利の馬場へとシフト。今週も継続しそう。
・天候予測
週明けまで晴れ予報が続き気温も高め。路盤も堅く速い時計が出るか。
・勝利数トップ種牡馬
オペラハウス 勝率50.0％ 連対率50.0％
・著者の注目血統
データ不足につき該当なし
Bコース替わりで内有利の馬場に一変した東京芝。関東地方では穏やかな天候が週明けまで続くとの予報が出ており、当日はきわめてコンディションのいい馬場でレースが行われそうだ。となれば、先週のバイアスがそのまま継続される可能性は、かなり高め。先行勢や内ラチ沿いを走れる差し馬は、その時点で高く評価しておきたい。
血統面では、母父にSadler's Wellsやマルゼンスキーといったスタミナの核となりうる血統を持つ配合馬の好走が目立っている。コースデータが少ないのでは何ともいえない部分はあるが、母父サンデーの配合馬が[1-1-2-11]といまひとつの成績であったり、Roberto系種牡馬の産駒が高い複勝回収率をマークしていることからも、相応にスタミナを要求されるコースなのは確実だ。
また、サンデー系種牡馬の産駒は、アルゼンチン共和国杯では[1-2-4-43]で連対率6.0％、複勝回収率42％と大不振。出走頭数が多いので馬券には絡んでくると思うが、その適性については懐疑的である。血統の字面だけでいえば、マヤノトップガン×マルゼンスキーのキングトップガンや、Sadler's Wells系×Mill Reef系のメーヴェに向きそうな印象。
★総論×各論
注目出走パターンで「前走G1以外で6番人気以下かつ5着以下」という項目をあげたが、これに該当しないことが、アルゼンチン共和国杯を勝ち負けする上での必要条件。トウカイパラダイスやマイネルキッツなど、登録馬19頭のうち9頭がここで脱落する。残った10頭のうち、プラス材料を複数持つのが、オーシャンブルー、ギュスターヴクライ、ムスカテール、ルルーシュの4頭である。
トップ評価は、京都大賞典からのローテを評価してのギュスターヴクライ。実績上位であるのは言うまでもなく、3着に敗れた前走は、自分から動いて勝ちに行っての結果。しかも休養明けだったことを考えると、この相手ならば勝ち負け必至だ。ハンデ58キロもプラス材料で、なんら気にする必要ナシ。馬券は、素直にここから勝負といきたい。
以下は、ムスカテール、ルルーシュ、オーシャンブルーといった順位付け。あとは、確実に先行できるビートブラックと、大穴マイネルマークまで押さえておきたい。
■みやこS(G3・京都ダ1800m）フルゲート16頭/登録25頭
今回で3回目となるみやこSだが、過去2回はいずれも順当な決着。トランセンド、エスポワールシチーといった実績馬が順当に制したように、ここも大きく荒れることは考えづらい。あるとしても、3着に人気薄が突っ込んでくるケースくらいで、1着馬と2着馬については堅く決着する可能性がきわめて高そう。前走大敗からの巻き返しは、正直なところ期待薄だ。
となると、馬券の中心となるのはグレープブランデー、ナイスミーチュー、ニホンピロアワーズ、ハタノヴァンクール、ホッコータルマエ、ローマンレジェンドといった、前走でもしっかり結果を残している馬たち。そこに近走における対戦成績や、「完全に前有利」である京都ダ1800mというコースの特性などを加味した上で考えると、ローマンレジェンド、ニホンピロアワーズ、ハタノヴァンクールの3頭が上位評価組という、順当きわまりない結論となってしまう。
さすがにそれではつまらないので、ここは妙味を追求してニホンピロアワーズを筆頭評価。京都ダートの適性はバツグンであり、他馬よりも前々でレースを進められそうなことや、昨年の3着馬であるのも大きな強みだ。データでのプラス評価の多さなら、ローマンレジェンドと比較してもまったく遜色ナシ。ローマンレジェンドやハタノヴァンクールが過剰なほどの人気を集めそうな今回、盲点となるのはこの馬である。
■アルテミスS(重賞・東京芝1600m）フルゲート18頭/登録27頭
今年から新設されたレースだが、開催コースや時期から「いちょうSが牝馬重賞になりました」的なイメージで捉えて問題なさそう。東京芝1600mは総合力が問われる厳しいコースなので、強い勝ち方をした馬なら、来年のクラシックでも十分期待が持てそうだ。
出走馬をふるいにかけるファクターとして最重要なのが前走距離で、これはもう徹底的に「前走マイル以上戦出走組」を上に評価すべき。マイル以上で走れる適性を要求されるコースであるため、スプリンター寄りの資質を持つ馬では力を発揮できないからである。
実際に、東京芝1600mで行われた2歳500万下〜オープンを対象にデータを集計してみると、距離延長組は[1-3-3-41]で勝率2.1％、連対率8.3％と超低空飛行。それに対して同距離〜距離短縮組は[8-6-6-50]で勝率11.4％、連対率20.0％と、信頼度に大きな違いがあるのは明白。たとえ人気馬であっても、距離延長組は積極的に嫌っていきたい。
また、中央4場からのローテほうが格段に信頼できることや、前走で先行して結果を残している馬のほうが期待値が高いことも、押さえておきたいポイント。つまり、上位人気となるであろうエイシンラトゥナやバリローチェは、データ的にはかなり危なっかしいのである。
ざっくり「買い」候補をあげておくと、アガサ、ジーニマジック、セキショウ、テンシンランマン、トロワボヌール、トーセンレディ、ファンアットコート、ラヴネヴァーダイズの8頭。前走が好内容だったジーニマジックを、一応のトップ評価としておきたい。
※コース＆血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象
【コース基本情報】東京芝2500m Bコース使用
・コース回収率
[低め] 単勝59％・複勝75％ 上位人気馬の1着率が高く堅い決着が多め
・馬連万馬券出現率
[やや高め] 20.0％(平均値△8.0％ 馬連平均配当4756円）
・枠番別連対率(18頭立て)
[中枠優勢] 内枠9.4％・中枠14.3％・外枠8.3％
・脚質別信頼度
先行＞＞逃げ＞差し＞＞＞追込 逃げ・先行勢が圧倒的なまでの強さ！
・推定ラップ＆タイム
[持久戦] 36.2-78.5-35.5＝2.30.2 勝負所から長く脚を使わされる持久力勝負
アルゼンチン共和国杯と目黒記念、あとは春開催の未勝利戦と、年間3回しか開催されていない、東京芝2500mでのレース。データの分母となる数字が非常に少ないため、正直なところコースデータはあまりアテにしないほうが良さそうだ。
とはいえ、参考になりそうなデータもちゃんとある。最も興味深いのが、脚質別成績。東京芝の長距離戦なので差しが決まりそうなイメージなのだが、逃げ＆先行脚質がトータル連対率30.6％、単勝回収率212％、複勝回収率111％という高期待値であるのに対して、差し＆追い込み脚質は連対率4.7％、単勝回収率5％、複勝回収率57％という低調な成績。もう、完全に先行優勢なのである。
よりイメージしやすいように4角通過順位で見ても、それは明白。4コーナーを7番手以下で回った馬のトータル成績は、なんと[1-2-6-78]で勝率1.1％、連対率3.4％と大不振。「3着が精一杯」という結果に終わっているのは、絶対に覚えておきたい。
最初のコーナーまでが長いコース形態でもあり、枠番についてはさほど気にする必要ナシ。ただし、道中のポジションと、何番手で最後の直線へと向かえるかは、徹底的に考えるべきコースだといえるだろう。
【レース基本情報】アルゼンチン共和国杯(G2) 東京過去9回
・レース平均配当
単勝949円 馬連4997円 3連複2万6177円
・1番人気馬成績
[2-2-1-4] 連対率44.4％・複勝率55.6％
・3番人気以内馬成績
[7-5-3-12] 連対率44.4％・複勝率55.6％
・10番人気以下馬成績
[1-2-1-63] 連対率4.5％・複勝率6.0％
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 3.7％ [先行] 29.6％ [差し] 55.6％ [追込] 11.1％
・年齢別成績
[3歳馬] 0-2-1-7 連対率20.0％ 複勝率30.0％
[4歳馬] 4-3-4-22 連対率21.2％ 複勝率33.3％
[5歳馬] 3-2-1-33 連対率12.8％ 複勝率15.4％
[6歳馬] 2-2-2-31 連対率10.8％ 複勝率16.2％
[7歳以上馬] 0-0-1-28 連対率0％ 複勝率3.4％
・斤量別成績
[51�前焚�] 0-1-2-15 連対率5.6％ 複勝率16.7％
[52〜53��] 1-1-1-28 連対率6.5％ 複勝率9.7％
[54〜55��] 2-2-2-37 連対率9.3％ 複勝率14.0％
[56〜57��] 3-2-3-27 連対率14.3％ 複勝率22.9％
[57.5�前幣�] 3-3-1-14 連対率28.6％ 複勝率33.3％
・厩舎所属別成績
[美浦] 2-2-4-70 連対率5.1％ 複勝率10.3％
[栗東] 7-6-5-51 連対率18.8％ 複勝率26.1％
・注目出走パターン
[買い] 斤量55�前幣紊料袷�5番人気以内馬（連対率31.3％）
[買い] 前走3番人気以内の関西馬（連対率40.0％）
[全滅] 前走G1以外で6番人気以下かつ5着以下（複勝率0％）
[不振] 7歳以上馬（複勝率3.4％）
1番人気馬は[2-2-1-4]と信頼度イマイチだが、2番人気馬と3番人気馬はトータル[5-3-2-8]と絶好調。11番人気のミヤビランベリが制した09年のデータを含んでいるにもかかわらず、単勝平均配当は949円と、かなり低めの数値となっている。1着には素直に上位人気を狙うべきレースであり、高配当を狙うなら「ヒモ荒れ」のパターンがオススメである。
コースデータとは真逆の結果が出ているのが脚質別成績。馬券に絡んだ27頭のうち、半数以上となる15頭が「差し」での勝負だった。とはいえ、1着におけるシェアは逃げ・先行勢のほうが優勢であるため、1着に先行馬、2着に差し馬を置く買い目が有効に機能しそう。差し脚質をアタマ固定で狙うのは、ちょっとリスキーな印象だ。
ハンデ戦なので斤量も気になるところだが、こちらは「背負っている実績馬が強い」というのが結論。斤量が増すにつれて連対率や複勝率がキッチリ上昇する傾向にあるため、軽ハンデの人気薄を狙うのは、かなり効率が悪い。重いハンデは、このレースにおいてはマイナス材料ではなく、プラス材料なのである。
【現在の馬場＆血統情報】
・現在の馬場
先週のBコース替わりで前＆内有利の馬場へとシフト。今週も継続しそう。
・天候予測
週明けまで晴れ予報が続き気温も高め。路盤も堅く速い時計が出るか。
・勝利数トップ種牡馬
オペラハウス 勝率50.0％ 連対率50.0％
・著者の注目血統
データ不足につき該当なし
Bコース替わりで内有利の馬場に一変した東京芝。関東地方では穏やかな天候が週明けまで続くとの予報が出ており、当日はきわめてコンディションのいい馬場でレースが行われそうだ。となれば、先週のバイアスがそのまま継続される可能性は、かなり高め。先行勢や内ラチ沿いを走れる差し馬は、その時点で高く評価しておきたい。
血統面では、母父にSadler's Wellsやマルゼンスキーといったスタミナの核となりうる血統を持つ配合馬の好走が目立っている。コースデータが少ないのでは何ともいえない部分はあるが、母父サンデーの配合馬が[1-1-2-11]といまひとつの成績であったり、Roberto系種牡馬の産駒が高い複勝回収率をマークしていることからも、相応にスタミナを要求されるコースなのは確実だ。
また、サンデー系種牡馬の産駒は、アルゼンチン共和国杯では[1-2-4-43]で連対率6.0％、複勝回収率42％と大不振。出走頭数が多いので馬券には絡んでくると思うが、その適性については懐疑的である。血統の字面だけでいえば、マヤノトップガン×マルゼンスキーのキングトップガンや、Sadler's Wells系×Mill Reef系のメーヴェに向きそうな印象。
★総論×各論
注目出走パターンで「前走G1以外で6番人気以下かつ5着以下」という項目をあげたが、これに該当しないことが、アルゼンチン共和国杯を勝ち負けする上での必要条件。トウカイパラダイスやマイネルキッツなど、登録馬19頭のうち9頭がここで脱落する。残った10頭のうち、プラス材料を複数持つのが、オーシャンブルー、ギュスターヴクライ、ムスカテール、ルルーシュの4頭である。
トップ評価は、京都大賞典からのローテを評価してのギュスターヴクライ。実績上位であるのは言うまでもなく、3着に敗れた前走は、自分から動いて勝ちに行っての結果。しかも休養明けだったことを考えると、この相手ならば勝ち負け必至だ。ハンデ58キロもプラス材料で、なんら気にする必要ナシ。馬券は、素直にここから勝負といきたい。
以下は、ムスカテール、ルルーシュ、オーシャンブルーといった順位付け。あとは、確実に先行できるビートブラックと、大穴マイネルマークまで押さえておきたい。
■みやこS(G3・京都ダ1800m）フルゲート16頭/登録25頭
今回で3回目となるみやこSだが、過去2回はいずれも順当な決着。トランセンド、エスポワールシチーといった実績馬が順当に制したように、ここも大きく荒れることは考えづらい。あるとしても、3着に人気薄が突っ込んでくるケースくらいで、1着馬と2着馬については堅く決着する可能性がきわめて高そう。前走大敗からの巻き返しは、正直なところ期待薄だ。
となると、馬券の中心となるのはグレープブランデー、ナイスミーチュー、ニホンピロアワーズ、ハタノヴァンクール、ホッコータルマエ、ローマンレジェンドといった、前走でもしっかり結果を残している馬たち。そこに近走における対戦成績や、「完全に前有利」である京都ダ1800mというコースの特性などを加味した上で考えると、ローマンレジェンド、ニホンピロアワーズ、ハタノヴァンクールの3頭が上位評価組という、順当きわまりない結論となってしまう。
さすがにそれではつまらないので、ここは妙味を追求してニホンピロアワーズを筆頭評価。京都ダートの適性はバツグンであり、他馬よりも前々でレースを進められそうなことや、昨年の3着馬であるのも大きな強みだ。データでのプラス評価の多さなら、ローマンレジェンドと比較してもまったく遜色ナシ。ローマンレジェンドやハタノヴァンクールが過剰なほどの人気を集めそうな今回、盲点となるのはこの馬である。
■アルテミスS(重賞・東京芝1600m）フルゲート18頭/登録27頭
今年から新設されたレースだが、開催コースや時期から「いちょうSが牝馬重賞になりました」的なイメージで捉えて問題なさそう。東京芝1600mは総合力が問われる厳しいコースなので、強い勝ち方をした馬なら、来年のクラシックでも十分期待が持てそうだ。
出走馬をふるいにかけるファクターとして最重要なのが前走距離で、これはもう徹底的に「前走マイル以上戦出走組」を上に評価すべき。マイル以上で走れる適性を要求されるコースであるため、スプリンター寄りの資質を持つ馬では力を発揮できないからである。
実際に、東京芝1600mで行われた2歳500万下〜オープンを対象にデータを集計してみると、距離延長組は[1-3-3-41]で勝率2.1％、連対率8.3％と超低空飛行。それに対して同距離〜距離短縮組は[8-6-6-50]で勝率11.4％、連対率20.0％と、信頼度に大きな違いがあるのは明白。たとえ人気馬であっても、距離延長組は積極的に嫌っていきたい。
また、中央4場からのローテほうが格段に信頼できることや、前走で先行して結果を残している馬のほうが期待値が高いことも、押さえておきたいポイント。つまり、上位人気となるであろうエイシンラトゥナやバリローチェは、データ的にはかなり危なっかしいのである。
ざっくり「買い」候補をあげておくと、アガサ、ジーニマジック、セキショウ、テンシンランマン、トロワボヌール、トーセンレディ、ファンアットコート、ラヴネヴァーダイズの8頭。前走が好内容だったジーニマジックを、一応のトップ評価としておきたい。
※コース＆血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象
