スマートフォン版へ

秋のG1シリーズでも屈指の大混戦!/マイルCS

  • 2012年11月14日(水) 18時00分
■マイルチャンピオンシップ(G1・京都芝1600m)フルゲート18頭/登録22頭
【コース基本情報】京都芝1600m(外) Cコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単勝76%・複勝69% 中穴ゾーンの期待値が高く狙い目

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 13.8%(平均値△1.8% 馬連平均配当5837円)

・枠番別連対率(16頭立て以上)
 [内枠優勢] 内枠14.9%・中枠12.5%・外枠8.2%

・脚質別信頼度
 逃げ>先行>差し>追込 道中のポジションがそのまま信頼度に反映される

・推定ラップ&タイム
 [底力] 34.4-23.5-34.6=1.32.5 前半〜中盤、上がりまで速い底力ラップ

 とくにクセのないコースなのだが、かなり厳しいラップが刻まれる影響なのか、意外に人気馬の信頼度が低い。16頭立て以上で行われたレースでの1番人気馬はトータル[5-9-6-17]で連対率37.8%という低さであり、なんと「2番人気馬のほうが格段に信頼度が高い」という驚きの結果が出ているのだ。

 13番人気1着や14番人気2着など、超人気薄の激走例も枚挙にいとまがないほど。人気サイドではなく、中穴〜大穴を狙ったほうがベターなコースであるのは間違いない。あとは「内枠>中枠>外枠」の順で期待値が高いことや、道中で前のポジションにいればいるほど信頼度が高いなど、いわば「競馬の基本」に忠実なコースであるのも覚えておきたい。

【レース基本情報】マイルCS(G1) 京都過去10回
・レース平均配当
 単勝1276円 馬連6064円 3連複5万6092円

・1番人気馬成績
 [4-2-0-4] 連対率60.0%・複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [5-5-2-18] 連対率33.3%・複勝率40.0%

・10番人気以下馬成績
 [2-2-3-80] 連対率4.6%・複勝率8.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 16.7% [差し] 50.0% [追込] 26.7%

・性別成績
 [牡馬] 連対率11.0% 複勝率15.8%(セン馬を含む)
 [牝馬] 連対率12.9% 複勝率22.6%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-1-3-33 連対率2.7% 複勝率10.8%
 [4歳馬] 3-5-3-28 連対率20.5% 複勝率28.2%
 [5歳馬] 4-4-3-40 連対率15.7% 複勝率21.6%
 [6歳馬] 2-0-1-28 連対率6.5% 複勝率9.7%
 [7歳以上馬] 1-0-0-18 連対率5.3% 複勝率5.3%

・枠番別成績
 [1枠] 0-1-3-16 連対率5.0% 複勝率20.0%
 [2枠] 1-0-1-18 連対率5.0% 複勝率10.0%
 [3枠] 2-1-0-17 連対率15.0% 複勝率15.0%
 [4枠] 3-3-1-13 連対率30.0% 複勝率35.0%
 [5枠] 2-0-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [6枠] 1-1-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0%
 [7枠] 1-1-3-24 連対率6.9% 複勝率17.2%
 [8枠] 0-3-1-24 連対率10.7% 複勝率14.3%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 3-5-2-52 連対率12.9% 複勝率16.1%
 [栗東] 7-5-6-86 連対率11.5% 複勝率17.3%

・注目出走パターン
 [買い] 前走G1ひとケタ着順(複勝率32.4%)
 [大不振] 前走でG1以外に2番人気以下で出走して2着以下(連対率2.7%)
 [不振] 騎手が乗り替わりとなる前走2番人気以下馬(連対率4.3%)
 [不振] 3歳馬(連対率2.7%)
 [不振] 馬体重500キロ以上の前走2着以下馬(勝率3.2%)

 コースデータとの大きな相違点となるのが脚質面。道中のペースが厳しいG1なので当然といえば当然なのだが、差し&追込脚質の好走が目立っている。馬券に絡んだ馬の75%以上が差し&追込脚質となると、差し優勢を疑う余地なし。今年も、中団待機組を最も上に取りたいところだ。

 また、年齢別で3歳馬がイマイチな成績なのも気になるポイント。古馬を相手にかなりの活躍を見せている現3歳世代だが、ここでは相応に割り引いて考えたほうがよさそうだ。そして注目出走パターンで、唯一「買い」として評価したのが、前走G1ひとケタ着順組。人気を問わず安定して好走が期待できる優秀なパターンで、今年の該当馬がアイムユアーズとサダムパテックしかいないのも、狙いやすくていいカンジである。

 意外なところでは「馬体500キロ以上の大型馬の成績がふるわない」とうデータもあげておきたい。小型馬よりも大型馬のほうが期待できそうなレースだが、前走2着以下の馬体重500キロ以上馬はトータル成績[1-2-1-31]で勝率2.9%、連対率8.6%。この条件に該当していながら好走したのは、あのダイワメジャーくらいのもの。かなりの能力馬でないと期待薄と考えていいだろう。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 特殊なバイアスは感じられないが今週からCコース替わり。内&前やや有利か。

・天候予測
 木曜日と土曜日の降水確率が高く馬場悪化が濃厚。ある程度は確実に渋る。

・勝利数トップ種牡馬
 アグネスタキオン 勝率12.0% 連対率21.3%

・著者の注目血統
 マンハッタンカフェ産駒、母父Roberto系の配合馬

・瞬発力要求度
 50.0(基準値±0)※注

 ちょっと驚くほどの好成績を残しているのがマンハッタンカフェ産駒で、連対率40.0%、複勝回収率122%と内容もバツグン。20頭もの馬によって出された結果だけに、その適性の高さを疑う必要はまったくない。この要素だけでガルボに重いシルシを回してしまいたくなるほど、その期待値は高い。

 そのほかにはキングカメハメハ産駒、ディープインパクト産駒といったメジャーどころが、順当に好成績。意外なところではSadler's Wells系種牡馬やリファール系種牡馬の産駒もコースと相性がよく、血統の字面だけならテイエムアンコールもかなりやれそう……だが、さすがに3年近くの長期休養明けでは厳しいか。

★総論×各論
 かなりの混戦となりそうな、今年のマイルCS。グランプリボス、ストロングリターンなどが人気の中心となりそうだが、それ以下については人気も非常に読みづらく、大波乱決着となってもおかしくない気配だといえる。

 データ面から高い評価となったのは、ドナウブルーガルボサダムパテックの3頭。割引材料がまったくないドナウブルーを、一応はトップの評価とした。とはいえ、強調材料の多さはガルボ、サダムパテックのほうが上で、この3頭の評価は事実上、横並びだ。

 グランプリボスは、これらに続く4番手評価。最大の懸念材料が「サクラバクシンオー産駒」であることで、バクシンオー産駒の当コースでの成績は[1-0-1-24]と大不振。通常とはかなり毛色の異なるバクシンオー産駒なのも事実だが、ここでは「押さえの筆頭」程度の評価としておきたい。

 以下、ストロングリターン、アイムユアーズ、フィフスペトル、コスモセンサー。3歳馬であるファイナルフォームとレオアクティブは、それ以外にもマイナス材料が散見されるため、ここは無印とした。

■福島記念(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録27頭
 穴党なら、みんな大好き福島記念。毎年のようにふたケタ人気馬が馬券に絡む超難解なレースだが、それだけに的中できたときの喜びはひとしおである。

 人気馬がアテにならないのは言うまでもなく、1番人気馬の連対率は22.2%という異常なまでの低さ。3番人気以内馬のトータル連対率も同様に22.2%と、人気を裏切りまくっている。また、ハンデ57キロ以上馬の弱さも相当なもので、そのトータル連対率はわずか8.0%。この組は実績など気にせず、ノータイムで消してしまうのがいい。狙いは、ハンデ55キロ〜56キロあたりの「適度に」背負う馬たちだ。

 また、距離短縮組や前走でも2000m戦に出走していた馬も、大幅割引の対象。要するに、距離延長組が圧倒的に「買い」なのである。それ以外にも「継続騎乗>乗り替わり」といった要素やローテ面など、さまざまな側面から分析を進めていったところ……買うべきは断然ネオサクセスという、実に福島記念らしい結論に達した。

、次点はキョウエイストームサトノタイガーダンツホウテイの3頭。さすがにやり過ぎ感はあるが、そこはなんといっても福島記念。ここに名前をあげた馬だけで決まってもおかしくはない。

■東京スポーツ杯2歳S(G3・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録18頭
 1番人気馬が勝率66.7%という素晴らしい成績をあげている一方で、9番人気馬が2勝をあげるなど穴馬も走ってくる東京スポーツ杯2歳S。まずは、前走で初勝利をあげた組からデータでふるいにかけていこう。

 新馬勝ち組が[6-1-2-26]で連対率20.0%と好調なのとは対照的に、未勝利勝ち組は[1-2-3-22]で連対率10.7%と信頼度は半減。まったく好走例のない「前走2番人気以下の未勝利勝ち組」などは、このレースではその時点で消してしまっていい。ここで選ぶべきは圧倒的に、新馬勝ち組である。

 残るは、すでに勝ち上がっており前走で500万下〜オープンで出走していた馬。ところが、この組というのはトータル[2-6-4-54]で連対率12.1%と、意外にアテにならない。とくに不振なのが前走2着以下馬で、連対率6.7%、複勝回収率は24%という期待値の低さ。これなら、腹をくくってばっさり切り捨ててしまったほうがいい。

 となると、残るのはグレイスフルデイズ、コディーノ、ザラストロ、タガノハーバー、ダービーフィズ、ミヤジタイガ、レッドレイヴンの7頭。レースと相性のいい「前走1600m〜1800m戦出走馬」であることや重賞勝ち実績、そしてレースの傾向から考えて、素直にコディーノからほかの6頭に流す馬券を、この時点ではオススメしておきたい。

※コース&血統データは2009年以降、レースデータは2002年以降が集計対象

※注 特定の種牡馬成績を用いて、そのコースで要求されるものが「軽さ」や「瞬発力」なのか、それとも「重さ」や「持久力」であるのかを筆者がポイント化したもの。50を中央値として、低い数値になればなるほど持久力寄りの、高い数値になればなるほど瞬発力寄りのコースとなる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング