“今年の漢字”は「金」。金環日食、オリンピックの金メダル、お金にまつわる話題など、今年を象徴する一文字として選ばれたとのことです。
「だったら、今年の有馬記念はゴールドシップで決まりだな」。おそらく大勢の競馬ファンがそう考えたはず。私もその1人でしたからね。でも、そんなに簡単にいくものでしょうか?
1995年に始まったという“今年の漢字”。その一文字と有馬記念優勝馬の一覧をまとめてみました。
95年 震 マヤノトップガン
96年 食 サクラローレル
97年 倒 シルクジャスティス
98年 毒 グラスワンダー
99年 末 グラスワンダー
00年 金 テイエムオペラオー
01年 戦 マンハッタンカフェ
02年 帰 シンボリクリスエス
03年 虎 シンボリクリスエス
04年 災 ゼンノロブロイ
05年 愛 ハーツクライ
06年 命 ディープインパクト
07年 偽 マツリダゴッホ
08年 変 ダイワスカーレット
09年 新 ドリームジャーニー
10年 暑 ヴィクトワールピサ
11年 絆 オルフェーヴル
こうして見ると、“今年の漢字”が優勝馬のヒントになっていたケースは、ほとんどありません。去年のオルフェーヴルは、デビュー以来池添騎手しか乗ったことがなく、絆という字にふさわしい馬でした。これは美しい例。09年の新は「ニー」と読めるので、ドリームジャーニーにそれが隠されている、とか、07年の偽は絵画に贋作というのがあるから、マツリダゴッホにつながる、なんていうのは、少々苦しいこじつけ例です。
というわけで、“今年の漢字”から有馬記念優勝馬を探すのは難しそう。簡単に見つかったら、みんな当たっちゃいますからね。
でも、せっかくですからもう少し踏み込んでみましょう。「金」は、2000年にも“今年の漢字”に選ばれています。それじゃぁ2000年の有馬記念で、「金」がヒントになっていたことは何かあったのでしょうか?
よく調べてみると、2着のメイショウドトウはその年の金鯱賞優勝馬、3着のダイワテキサスは中山金杯に出走していました(5着)。ここに「金」が隠れていたようです。ちなみにこの年の有馬記念にはステイゴールドが出ていて7着、マチカネキンノホシが12着に敗れています。漢字を名前に当てはめるのはよくないのかも。そこがミソです。
ならば今年は、金鯱賞を勝ったばかりのオーシャンブルー(父はステイゴールド!)、1月の中山金杯で2着だったダイワファルコンはいかがでしょう? この2頭が来たら、配当は「ワイルドだろぉ!」ですよ。