競輪
明暗が分かれる人気馬の評価！/中山金杯
- 2012年12月26日(水) 18時00分
■中山金杯(G3・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録24頭
【コース基本情報】中山芝2000m Cコース使用
・コース回収率
[低め] 単勝55％・複勝67％ 1着馬の9割近くが5番人気以内とアタマ堅め
・馬連万馬券出現率
[やや低め] 10.7％(平均値▼1.3％ 馬連平均配当5191円)
・枠番別連対率(16頭立て)
[外枠割引] 内枠13.0％・中枠13.4％・外枠10.4％
・脚質別信頼度
先行≧差し＞逃げ＞＞＞追込 好位〜中団がベストポジション
・推定ラップ＆タイム
[平均] 36.2-48.4-35.0＝1.59.6 中盤〜後半は一貫して速く持久力が必要
皐月賞の舞台にもなる中山の芝2000m。そう聞くと波乱傾向といった印象を受けるが、コース全体の単勝回収率55％、複勝回収率67％と低めの数値。16頭立て以上のレースに限定すると、回収率はさらに下がってしまう。それに、馬連万馬券の出現率や平均配当も、標準値より低め。つまり、イメージよりも格段に「堅い」コースなのである。
また、中山にしては外枠がそれほど不利ではないというのも、当コースの特徴。確かに内枠や中枠のほうがベターではあるが、外枠に入ったからといって「消し」とまでは言えない。1月のレースに関しては1枠や3枠の不振も目立っており、下手するとこちらのほうが危険。最も信頼できそうなのは、4枠〜6枠のセンター勢だ。
脚質面はそれほど気にする必要がなさそうだが、追い込み馬だけは徹底的に嫌いたいところ。最後方から馬券に絡むなどというのは、よほどの能力差がないとできない芸当。有馬記念のゴールドシップやルーラーシップは、あくまで例外である。4角10番手以下からの好走は厳しいという前提で、予想を進めていただきたい。
【レース基本情報】中山金杯(G3) 過去10回
・レース平均配当
単勝639円 馬連4605円 3連複2万9500円
・1番人気馬成績
[4-0-0-6] 勝率40.0％ 連対率40.0％・複勝率40.0％
・3番人気以内馬成績
[7-2-2-19] 勝率23.3％ 連対率30.0％・複勝率36.7％
・10番人気以下馬成績
[0-3-3-61] 連対率4.5％・複勝率9.0％
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 10.0％ [先行] 40.0％ [差し] 50.0％ [追込] 0％
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 13.3％ [先行] 26.7％ [差し] 46.7％ [追込] 13.3％
・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
[牡馬] 10-9-10-116 連対率13.1％ 複勝率20.0％
[牝馬] 0-1-0-11 連対率8.3％ 複勝率8.3％
・年齢別成績
[4歳馬] 1-3-2-23 連対率13.8％ 複勝率20.7％
[5歳馬] 3-2-4-25 連対率14.7％ 複勝率26.5％
[6歳馬] 4-1-3-33 連対率12.2％ 複勝率19.5％
[7歳以上馬] 2-4-1-46 連対率11.3％ 複勝率13.2％
・枠番別成績
[1枠] 1-0-0-17 連対率 5.6％ 複勝率 5.6％
[2枠] 3-2-2-13 連対率25.0％ 複勝率35.0％
[3枠] 1-0-1-18 連対率 5.0％ 複勝率10.0％
[4枠] 1-1-0-18 連対率10.0％ 複勝率10.0％
[5枠] 1-2-3-14 連対率15.0％ 複勝率30.0％
[6枠] 1-3-3-13 連対率20.0％ 複勝率35.0％
[7枠] 2-1-0-17 連対率15.0％ 複勝率15.0％
[8枠] 0-1-1-17 連対率 5.3％ 複勝率10.5％
・厩舎所属別成績
[美浦] 5-7-4-87 連対率11.7％ 複勝率15.5％
[栗東] 5-3-6-40 連対率14.8％ 複勝率25.9％
・前走クラス別成績
[前走G1] 1-1-0-13 連対率13.3％ 複勝率13.3％
[前走G2] 0-0-1-6 連対率 0％ 複勝率14.3％
[前走G3] 6-3-6-56 連対率12.7％ 複勝率21.1％
[前走OP特別] 1-5-2-40 連対率12.5％ 複勝率16.7％
[前走条件戦] 2-1-1-12 連対率18.8％ 複勝率25.0％
・斤量別成績
[51kg以下] 0-1-0-7 連対率12.5％ 複勝率12.5％
[52〜53kg] 1-1-2-30 連対率 5.9％ 複勝率11.8％
[54〜55kg] 2-2-4-38 連対率 8.7％ 複勝率17.4％
[56〜57kg] 5-5-2-39 連対率19.6％ 複勝率23.5％
[57.5kg以上] 2-1-2-13 連対率16.7％ 複勝率27.8％
──────────────────────────
[55kg以下] 3-4-6-75 連対率 8.0％ 複勝率14.8％
[56kg以上] 7-6-4-52 連対率18.8％ 複勝率24.6％
・注目出走パターン
[買い] 今回斤量増となる馬(複勝率37.0％)
[全滅] 前走ディセンバーSで3番人気以下(複勝率0％)
[不振] 前走で2000m戦に出走して3着以下(連対率2.2％)
[不振] 斤量の増減がないハンデ55kg以下(複勝率5.0％)
[不振] 今回斤量減となる前走重賞出走組(連対率3.3％)
1番人気馬は[4-0-0-6]と、かなりアテにしづらい成績。とはいえ、06年をのぞきすべて4番人気以内馬が制しており、単勝平均配当は639円と低め。1着に大穴が突っ込んでくるようなパターンは、あまり考えづらい。しかし、3連複が5000円以下の配当となったことは一度もなく、過去10年のうちじつに8回までが万馬券決着。つまり「ヒモが荒れる」タイプの重賞だと言える。
ハンデ戦らしく、大きなカギとなっているのが斤量。ハンデ55キロ以下馬と56キロ以上馬では、信頼度に倍近くの差があると考えていい。中でも信頼に値するのが「今回斤量増となるハンデ56キロ以上馬」で、トータル連対率32.0％、複勝率44.0％。これに該当するジャスタウェイ、タッチミーノットは、やはり高く評価すべきだろう。
注目出走パターンは5つあげたが、買いパターンよりも消しパターンのほうが圧倒的に多いレース。つまり、来ない馬はかなり絞り込めるのだが、来る馬のほうは年齢や脚質、前走で出走しているレースの�牾吻瓩覆匹�構いなし。「前走条件戦組が最も高信頼度」という点にも、それがよく現れている。
【現在の馬場＆血統情報】
・現在の馬場
かなり差せる馬場状態も、Cコース替わりでフラットになる可能性アリ
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率14.0％ 連対率24.7％
・著者の注目血統
ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒、人気薄の母父トニービン
連続開催で、芝コースにかなり傷みが出てきている状況。とはいえ、前年の開催最終日から10日も間隔が開き、さらにCコース替わり。堅い路盤で一気に前有利の馬場バイアスとなる可能性もあるので、そういった点には気をつけておきたい。
勝利数トップはキングカメハメハ産駒で、内容的にもきわめて優秀。さらにその上を行くのがハーツクライ産駒で、連対率30.0％、複勝率46.0％というケタ違いに高い適性を見せている。ディープインパクト、アグネスタキオン、ネオユニヴァース、ステイゴールドといったSS系上位種牡馬も悪くないが、キンカメやハーツとの比較ではやや見劣るといった印象だ。
あとは、複勝率が27.6％とソコソコ高く、それでいて回収率が非常に高い「母父トニービン」も推しておきたいところ。ネオユニヴァース×トニービンの配合馬であるネオヴァンドームは、人気薄でも侮れない1頭である。
★総論×各論
京都金杯との重複登録馬が多いが、そのあたりはあまり気にせず解説を進めさせていただく。想定段階で高い評価となっているのは、ダイワマッジョーレ、ジャスタウェイ、タッチミーノット、アドマイヤタイシ、モンテエン、ヒットザターゲットといった面々。この中で危険な気配を感じるのが、金鯱賞2着のダイワマッジョーレである。
オーシャンブルーの有馬記念好走で人気が加速しそうだが、同馬は「斤量の増減がないハンデ55kg以下」であり、この条件の該当馬は過去10年で[0-0-1-19]と結果を残せていない。12年のエクスペディションのように人気に推された馬でも、結果は5着。脚質、血統などプラスに評価できる部分もあるが、大きく割り引いて考えたい。これは、アドマイヤタイシもまったく同じだ。
対照的にプラス材料が目立つのがジャスタウェイとタッチミーノット。タッチミーノットはトップハンデ(57キロ)、ジャスタウェイはローテ面に一抹の不安はあるが、そういったマイナス材料を補ってあまりあるプラス材料を備えている。筆頭評価は、血統面での後押しがあるジャスタウェイとした。
人気薄では、セイクリッドバレー、ドリームセーリング、ネオヴァンドームの3頭が面白そうな存在。いずれも割り引くファクターがとくに見当たらない、十分に好走可能なプロフィールの持ち主。中山金杯らしい「ヒモ荒れ決着」を演出してくれることに期待したい。
■京都金杯(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録39頭
大挙39頭が登録しており、出走予定馬のハンデも48キロ〜58キロと幅広い大混戦となりそうな京都金杯。とはいえ、来る馬の傾向がハッキリしているレースでもあるので、好走が期待できる馬は現段階でもかなり絞り込めそうである。
まずはハンデで、これは重すぎても軽すぎても期待薄。牡馬なら「斤量54キロ〜57キロ」、牝馬なら「斤量53キロ〜55キロ」であるのが望ましい。とくに目立っているのが斤量57.5キロ以上馬の不振で、その多くが人気に推されていながら[0-2-1-13]と未勝利。連対率も12.5％に過ぎず、信頼できるのはマイルCSからのローテで出走する馬くらいのものだ。
また、中6週よりも長いローテで出走する馬や、[0-2-1-41]と不振な7歳以上馬も期待薄。前走10番人気以下、または前走10着以下からの巻き返しも期待しづらい。さらに、前走1400m以下戦や2000m以上戦の出走組もイマイチ。あとは、サンデー系種牡馬の産駒が[1-7-6-47]と過去10年で1勝しかあげられていないのも、大きな特徴と言えるだろう。
こういったマイナス条件にまったく引っかからないのがショウリュウムーンで、ここを筆頭評価。あとはダノンシャーク、サウンドオブハート、ダローネガ、ネオサクセス、フレールジャック、サトノパンサーといったところが相手候補となる。逆に、人気を集めそうなトーセンレーヴやエクスペディション、エーシンリターンズなどは、積極的に消していきたい。
■シンザン記念(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録29頭
このレースで最も特徴的なのが、勝ち負けした馬のほとんどが「順調に使われてきている組」であるということ。中2週〜中4週での出走馬が[9-8-6-78]と好走馬のほとんどを占めており、タマモベストプレイ、ヘミングウェイ、ミヤジタイガといった人気を集める可能性のある馬でも、ここは意外に危なっかしいと言えそうだ。
最もアテになるのは朝日杯FSからのローテで、とくに素晴らしい信頼度なのが朝日杯FSでの上位人気馬。近年は出走がなかったパターンだが、朝日杯FSで3番人気以内に推されていた馬は4頭が出走して[3-0-0-1]と非常に強く、このデータだけでエーシントップは「買い」と言えるほど。アットウィル、ザラストロ、ネオウィズダムの巻き返しも十分に期待できそうである。
また、朝日杯FS組以外では、前走で「阪神芝1400m＆阪神芝1600m」で出走していた馬が強いというのも攻略のカギとなりそう。これに該当する登録馬は、カオスモス、ヒルノクオリア、ヘミングウェイ、レッドアリオン、レッドジャイヴの5頭となった。
以上のファクターから総合的に考えると、エーシントップ、カオスモス、レッドアリオン、ヒルノクオリアの4頭が、データ分析からの推奨馬となる。ソコソコ順当ながら、この組み合わせならば悪くない配当が期待できそうだ。
※レースデータは2003年以降、コース＆血統データは2010以降が集計対象
【コース基本情報】中山芝2000m Cコース使用
・コース回収率
[低め] 単勝55％・複勝67％ 1着馬の9割近くが5番人気以内とアタマ堅め
・馬連万馬券出現率
[やや低め] 10.7％(平均値▼1.3％ 馬連平均配当5191円)
・枠番別連対率(16頭立て)
[外枠割引] 内枠13.0％・中枠13.4％・外枠10.4％
・脚質別信頼度
先行≧差し＞逃げ＞＞＞追込 好位〜中団がベストポジション
・推定ラップ＆タイム
[平均] 36.2-48.4-35.0＝1.59.6 中盤〜後半は一貫して速く持久力が必要
皐月賞の舞台にもなる中山の芝2000m。そう聞くと波乱傾向といった印象を受けるが、コース全体の単勝回収率55％、複勝回収率67％と低めの数値。16頭立て以上のレースに限定すると、回収率はさらに下がってしまう。それに、馬連万馬券の出現率や平均配当も、標準値より低め。つまり、イメージよりも格段に「堅い」コースなのである。
また、中山にしては外枠がそれほど不利ではないというのも、当コースの特徴。確かに内枠や中枠のほうがベターではあるが、外枠に入ったからといって「消し」とまでは言えない。1月のレースに関しては1枠や3枠の不振も目立っており、下手するとこちらのほうが危険。最も信頼できそうなのは、4枠〜6枠のセンター勢だ。
脚質面はそれほど気にする必要がなさそうだが、追い込み馬だけは徹底的に嫌いたいところ。最後方から馬券に絡むなどというのは、よほどの能力差がないとできない芸当。有馬記念のゴールドシップやルーラーシップは、あくまで例外である。4角10番手以下からの好走は厳しいという前提で、予想を進めていただきたい。
【レース基本情報】中山金杯(G3) 過去10回
・レース平均配当
単勝639円 馬連4605円 3連複2万9500円
・1番人気馬成績
[4-0-0-6] 勝率40.0％ 連対率40.0％・複勝率40.0％
・3番人気以内馬成績
[7-2-2-19] 勝率23.3％ 連対率30.0％・複勝率36.7％
・10番人気以下馬成績
[0-3-3-61] 連対率4.5％・複勝率9.0％
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 10.0％ [先行] 40.0％ [差し] 50.0％ [追込] 0％
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 13.3％ [先行] 26.7％ [差し] 46.7％ [追込] 13.3％
・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
[牡馬] 10-9-10-116 連対率13.1％ 複勝率20.0％
[牝馬] 0-1-0-11 連対率8.3％ 複勝率8.3％
・年齢別成績
[4歳馬] 1-3-2-23 連対率13.8％ 複勝率20.7％
[5歳馬] 3-2-4-25 連対率14.7％ 複勝率26.5％
[6歳馬] 4-1-3-33 連対率12.2％ 複勝率19.5％
[7歳以上馬] 2-4-1-46 連対率11.3％ 複勝率13.2％
・枠番別成績
[1枠] 1-0-0-17 連対率 5.6％ 複勝率 5.6％
[2枠] 3-2-2-13 連対率25.0％ 複勝率35.0％
[3枠] 1-0-1-18 連対率 5.0％ 複勝率10.0％
[4枠] 1-1-0-18 連対率10.0％ 複勝率10.0％
[5枠] 1-2-3-14 連対率15.0％ 複勝率30.0％
[6枠] 1-3-3-13 連対率20.0％ 複勝率35.0％
[7枠] 2-1-0-17 連対率15.0％ 複勝率15.0％
[8枠] 0-1-1-17 連対率 5.3％ 複勝率10.5％
・厩舎所属別成績
[美浦] 5-7-4-87 連対率11.7％ 複勝率15.5％
[栗東] 5-3-6-40 連対率14.8％ 複勝率25.9％
・前走クラス別成績
[前走G1] 1-1-0-13 連対率13.3％ 複勝率13.3％
[前走G2] 0-0-1-6 連対率 0％ 複勝率14.3％
[前走G3] 6-3-6-56 連対率12.7％ 複勝率21.1％
[前走OP特別] 1-5-2-40 連対率12.5％ 複勝率16.7％
[前走条件戦] 2-1-1-12 連対率18.8％ 複勝率25.0％
・斤量別成績
[51kg以下] 0-1-0-7 連対率12.5％ 複勝率12.5％
[52〜53kg] 1-1-2-30 連対率 5.9％ 複勝率11.8％
[54〜55kg] 2-2-4-38 連対率 8.7％ 複勝率17.4％
[56〜57kg] 5-5-2-39 連対率19.6％ 複勝率23.5％
[57.5kg以上] 2-1-2-13 連対率16.7％ 複勝率27.8％
──────────────────────────
[55kg以下] 3-4-6-75 連対率 8.0％ 複勝率14.8％
[56kg以上] 7-6-4-52 連対率18.8％ 複勝率24.6％
・注目出走パターン
[買い] 今回斤量増となる馬(複勝率37.0％)
[全滅] 前走ディセンバーSで3番人気以下(複勝率0％)
[不振] 前走で2000m戦に出走して3着以下(連対率2.2％)
[不振] 斤量の増減がないハンデ55kg以下(複勝率5.0％)
[不振] 今回斤量減となる前走重賞出走組(連対率3.3％)
1番人気馬は[4-0-0-6]と、かなりアテにしづらい成績。とはいえ、06年をのぞきすべて4番人気以内馬が制しており、単勝平均配当は639円と低め。1着に大穴が突っ込んでくるようなパターンは、あまり考えづらい。しかし、3連複が5000円以下の配当となったことは一度もなく、過去10年のうちじつに8回までが万馬券決着。つまり「ヒモが荒れる」タイプの重賞だと言える。
ハンデ戦らしく、大きなカギとなっているのが斤量。ハンデ55キロ以下馬と56キロ以上馬では、信頼度に倍近くの差があると考えていい。中でも信頼に値するのが「今回斤量増となるハンデ56キロ以上馬」で、トータル連対率32.0％、複勝率44.0％。これに該当するジャスタウェイ、タッチミーノットは、やはり高く評価すべきだろう。
注目出走パターンは5つあげたが、買いパターンよりも消しパターンのほうが圧倒的に多いレース。つまり、来ない馬はかなり絞り込めるのだが、来る馬のほうは年齢や脚質、前走で出走しているレースの�牾吻瓩覆匹�構いなし。「前走条件戦組が最も高信頼度」という点にも、それがよく現れている。
【現在の馬場＆血統情報】
・現在の馬場
かなり差せる馬場状態も、Cコース替わりでフラットになる可能性アリ
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率14.0％ 連対率24.7％
・著者の注目血統
ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒、人気薄の母父トニービン
連続開催で、芝コースにかなり傷みが出てきている状況。とはいえ、前年の開催最終日から10日も間隔が開き、さらにCコース替わり。堅い路盤で一気に前有利の馬場バイアスとなる可能性もあるので、そういった点には気をつけておきたい。
勝利数トップはキングカメハメハ産駒で、内容的にもきわめて優秀。さらにその上を行くのがハーツクライ産駒で、連対率30.0％、複勝率46.0％というケタ違いに高い適性を見せている。ディープインパクト、アグネスタキオン、ネオユニヴァース、ステイゴールドといったSS系上位種牡馬も悪くないが、キンカメやハーツとの比較ではやや見劣るといった印象だ。
あとは、複勝率が27.6％とソコソコ高く、それでいて回収率が非常に高い「母父トニービン」も推しておきたいところ。ネオユニヴァース×トニービンの配合馬であるネオヴァンドームは、人気薄でも侮れない1頭である。
★総論×各論
京都金杯との重複登録馬が多いが、そのあたりはあまり気にせず解説を進めさせていただく。想定段階で高い評価となっているのは、ダイワマッジョーレ、ジャスタウェイ、タッチミーノット、アドマイヤタイシ、モンテエン、ヒットザターゲットといった面々。この中で危険な気配を感じるのが、金鯱賞2着のダイワマッジョーレである。
オーシャンブルーの有馬記念好走で人気が加速しそうだが、同馬は「斤量の増減がないハンデ55kg以下」であり、この条件の該当馬は過去10年で[0-0-1-19]と結果を残せていない。12年のエクスペディションのように人気に推された馬でも、結果は5着。脚質、血統などプラスに評価できる部分もあるが、大きく割り引いて考えたい。これは、アドマイヤタイシもまったく同じだ。
対照的にプラス材料が目立つのがジャスタウェイとタッチミーノット。タッチミーノットはトップハンデ(57キロ)、ジャスタウェイはローテ面に一抹の不安はあるが、そういったマイナス材料を補ってあまりあるプラス材料を備えている。筆頭評価は、血統面での後押しがあるジャスタウェイとした。
人気薄では、セイクリッドバレー、ドリームセーリング、ネオヴァンドームの3頭が面白そうな存在。いずれも割り引くファクターがとくに見当たらない、十分に好走可能なプロフィールの持ち主。中山金杯らしい「ヒモ荒れ決着」を演出してくれることに期待したい。
■京都金杯(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録39頭
大挙39頭が登録しており、出走予定馬のハンデも48キロ〜58キロと幅広い大混戦となりそうな京都金杯。とはいえ、来る馬の傾向がハッキリしているレースでもあるので、好走が期待できる馬は現段階でもかなり絞り込めそうである。
まずはハンデで、これは重すぎても軽すぎても期待薄。牡馬なら「斤量54キロ〜57キロ」、牝馬なら「斤量53キロ〜55キロ」であるのが望ましい。とくに目立っているのが斤量57.5キロ以上馬の不振で、その多くが人気に推されていながら[0-2-1-13]と未勝利。連対率も12.5％に過ぎず、信頼できるのはマイルCSからのローテで出走する馬くらいのものだ。
また、中6週よりも長いローテで出走する馬や、[0-2-1-41]と不振な7歳以上馬も期待薄。前走10番人気以下、または前走10着以下からの巻き返しも期待しづらい。さらに、前走1400m以下戦や2000m以上戦の出走組もイマイチ。あとは、サンデー系種牡馬の産駒が[1-7-6-47]と過去10年で1勝しかあげられていないのも、大きな特徴と言えるだろう。
こういったマイナス条件にまったく引っかからないのがショウリュウムーンで、ここを筆頭評価。あとはダノンシャーク、サウンドオブハート、ダローネガ、ネオサクセス、フレールジャック、サトノパンサーといったところが相手候補となる。逆に、人気を集めそうなトーセンレーヴやエクスペディション、エーシンリターンズなどは、積極的に消していきたい。
■シンザン記念(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録29頭
このレースで最も特徴的なのが、勝ち負けした馬のほとんどが「順調に使われてきている組」であるということ。中2週〜中4週での出走馬が[9-8-6-78]と好走馬のほとんどを占めており、タマモベストプレイ、ヘミングウェイ、ミヤジタイガといった人気を集める可能性のある馬でも、ここは意外に危なっかしいと言えそうだ。
最もアテになるのは朝日杯FSからのローテで、とくに素晴らしい信頼度なのが朝日杯FSでの上位人気馬。近年は出走がなかったパターンだが、朝日杯FSで3番人気以内に推されていた馬は4頭が出走して[3-0-0-1]と非常に強く、このデータだけでエーシントップは「買い」と言えるほど。アットウィル、ザラストロ、ネオウィズダムの巻き返しも十分に期待できそうである。
また、朝日杯FS組以外では、前走で「阪神芝1400m＆阪神芝1600m」で出走していた馬が強いというのも攻略のカギとなりそう。これに該当する登録馬は、カオスモス、ヒルノクオリア、ヘミングウェイ、レッドアリオン、レッドジャイヴの5頭となった。
以上のファクターから総合的に考えると、エーシントップ、カオスモス、レッドアリオン、ヒルノクオリアの4頭が、データ分析からの推奨馬となる。ソコソコ順当ながら、この組み合わせならば悪くない配当が期待できそうだ。
※レースデータは2003年以降、コース＆血統データは2010以降が集計対象
