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例年とは違い今年は穴党の出番!?/日経新春杯

  • 2013年01月09日(水) 18時00分
■日経新春杯(G2・京都芝2400m)フルゲート16頭/登録25頭

【コース基本情報】京都芝2400m Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝95%・複勝77% 1着馬の96%が7番人気以内と堅め傾向

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 8.0%(平均値▼4.0% 馬連平均配当4059円)

・枠番別連対率(16頭立て以上)
 [内枠優勢] 内枠14.3%・中枠12.5%・外枠8.1%

・脚質別信頼度
 先行>差し>逃げ>>>追込 4角10番手以下馬は全滅

・推定ラップ&タイム
 [平均] 34.5-75.0-35.2=2.24.7 意外なほど序盤が速く持久力が必須

 ホームストレッチ側の引き込み線から発走するので、最初のコーナーまでの距離はかなり長め。となると枠番の影響はあまりなさそうなのだが、意外なほど内枠優勢のデータが出ている。集計対象となるレース数が少ないので何とも言えない部分はあるが、取捨で迷った際は内枠を選んだほうがベターだ。

 また、序盤が速くなりやすいコース形態でもあるためか、いわゆる「上がり勝負」の流れになりにくいのも特徴。スタート直後からスタミナを消費するため、最後まで止まらずに駆け抜ける持久力や底力が要求される。地力の見劣る馬が展開のアヤで突っ込んでくる……といったケースが起こりづらい条件と言えるだろう。

 そういった理由もあってか、全体的に堅め決着。コース全体の単勝回収率が95%と高くなっているが、これは16番人気馬による大激走(単勝171.9倍)の影響が大。1着馬の96.0%が7番人気以内、3着以内馬の94.4%が8番人気以内であることから考えても、波乱度は低めである。

【レース基本情報】日経新春杯(G2) 過去10回
・レース平均配当
 単勝831円 馬連3526円 3連複1万7149円

・1番人気馬成績
 [2-2-2-4] 勝率20.0% 連対率40.0%・複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-6-4-13] 勝率23.3% 連対率43.3%・複勝率56.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-0-2-37] 連対率2.5%・複勝率7.5%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 20.0% [差し] 60.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 30.0% [差し] 40.0% [追込] 23.3%

・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
 [牡馬] 8-10-8-91 連対率15.4% 複勝率22.2%
 [牝馬] 2-0-2-9 連対率15.4% 複勝率30.8%

・年齢別成績
 [4歳馬] 3-4-6-20 連対率21.2% 複勝率39.4%
 [5歳馬] 5-5-3-18 連対率32.3% 複勝率41.9%
 [6歳馬] 1-0-1-25 連対率3.7% 複勝率7.4%
 [7歳以上馬] 1-1-0-37 連対率5.1% 複勝率5.1%
 ────────────────────────
 [5歳以下馬] 8-9-9-38 連対率26.6% 複勝率40.6%
 [6歳以上馬] 2-1-1-62 連対率4.5% 複勝率6.1%

・枠番別成績
 [1枠] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [2枠] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [3枠] 3-0-0-10 連対率23.1% 複勝率23.1%
 [4枠] 2-1-2-10 連対率20.0% 複勝率33.3%
 [5枠] 1-1-3-14 連対率10.5% 複勝率26.3%
 [6枠] 1-3-0-15 連対率21.1% 複勝率21.1%
 [7枠] 0-3-2-15 連対率15.0% 複勝率25.0%
 [8枠] 1-2-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-1-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [栗東] 10-9-9-93 連対率15.7% 複勝率23.1%

・前走クラス別成績
 [前走G1] 2-1-3-7 連対率23.1% 複勝率46.2%
 [前走G2] 0-0-0-14 連対率0% 複勝率0%
 [前走G3] 4-5-0-34 連対率20.9% 複勝率20.9%
 [前走OP特別] 1-1-3-27 連対率6.3% 複勝率16.7%
 [前走条件戦] 3-3-4-17 連対率22.2% 複勝率37.0%

・斤量別成績
 [51kg以下] 1-0-2-11 連対率 7.1% 複勝率21.4%
 [52〜53kg] 0-0-4-18 連対率 0% 複勝率18.2%
 [54〜55kg] 5-6-0-36 連対率23.4% 複勝率23.4%
 [56〜57kg] 3-3-3-24 連対率18.2% 複勝率27.3%
 [57.5kg以上] 1-1-1-11 連対率14.3% 複勝率21.4%

・注目出走パターン
 [特注] 前走で重賞以外に出走していたハンデ53キロ以下の5歳以下馬(複勝率50.0%)
 [買い] ハンデ56キロ以上の前走G1出走馬(複勝率54.5%)
 [買い] 5歳以下馬(複勝率40.6%)
 [全滅] 前走で1800m以下戦に出走して3着以下(複勝率0%)
 [不振] 6歳以上馬(複勝率6.1%)

 単勝831円、馬連3526円という平均配当を見てもわかるように、1着馬が紛れることは非常に少ないレース。09年テイエムプリキュア以外はすべて単勝3ケタ配当であり、ソコソコ高配当になった年もヒモ紛れ。これはコースデータ同様の傾向であり「あって中波乱」程度の前提で馬券を組み立てるべきだろう。

 最も注目すべきは年齢別成績。5歳以下馬が圧倒的に強く、対照的に6歳以上馬はトータル[2-1-1-62]で複勝率6.1%という大不振。今年は6歳以上馬のメイショウウズシオ、メイショウカンパク、トウカイパラダイスといったところが人気を集めそうだが、過信は絶対に禁物だ。あくまで、5歳以下馬重視の姿勢を貫きたい。

 ハンデに関しては重すぎても軽すぎてもダメといった印象だが、軽ハンデで絶好の狙い目となるのが、注目出走パターンで特注項目として取りあげた「前走で重賞以外に出走していたハンデ53キロ以下の5歳以下」馬。今年の登録馬で出走が叶いそうなところでは、エキストラエンド、カポーティスター、カルドプレッサ、サトノシュレン、トラストワン、ホッコーガンバの6頭が、この条件を満たしている。

 あとは小ネタになるが、前走馬体重459キロ以下がやたらと3着に来るのも特徴。こちらはオールザットジャズ、マイネルマークの2頭しか該当しない。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 傷みが目立つ馬場だが、それなりに前が残りそれなりに差せるフラットな状況。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率23.3% 連対率46.7%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒、母父サンデー

 芝の見た目が痛んでおり内ラチ沿いのほうが走りやすそうだが、芝の根付きがいいのかけっこう差せる印象。極端なバイアスの変化でもないかぎり、馬場状態に関してはそれほど気を配る必要はなさそうに思える。

 血統面では、素晴らしい成績を残しているのがディープインパクト産駒。連対率46.7%、複勝率60.0%という数値は尋常ではなく、非常に高いコース適性を持ち合わせているのは間違いない。その他も、ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒、スペシャルウィーク産駒など、サンデー系の特性を色濃く出す血統が好成績。ざっくり言えば「いかにも末脚のキレそうなサンデー系」に向くコースなのだ。

★総論×各論

 堅め決着の傾向が強いコース&レースながら、6歳以上馬に人気が集まりそうな今回は、例年よりも波乱度の高いレースとなりそう。メイショウカンパク、メイショウウズシオ、トウカイパラダイスの3頭を積極的に消して、5歳以下馬から攻めた予想をしたほうが、好結果を呼び込めそうな雰囲気だと言える。

 混戦だが、人気サイドで評価が高くなったのはダコールムスカテールオールザットジャズの3頭。いずれもプラス材料をそれなりに有しており、大きく割り引くべき材料はとくに見当たらない。大プッシュというわけではないが、地力や実績から考えて、買っておくべき馬であるのは間違いない。

 面白そうなのが人気薄で、こちらはカポーティスタートラストワンサトノパンサーの3頭がオススメ。もし出走してくるのであれば、カルドプレッサも高く評価しておくべき1頭だ。とくにアツいのがカポーティスターで、前走で1000万下を勝ったばかりの格下ながら、前述の特注条件をクリア。ハーツクライ産駒であること、京都芝コースでの実績があることも推奨の理由である。

 いずれにせよ、このレースで軸足を置くべきは5歳以下馬。格上の実績馬がそれほど出走してこない今年の日経新春杯は、「格」よりも「勢い」を重視すべきレースになると予測する。若くてイキのいい馬から、張り合いのある配当を仕留めたいところだ。

■京成杯(G3・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録15頭
 レース全体の単勝回収率が34%と異様なまでに低い京成杯。それもそのはず、2番人気以内馬が[8-3-3-6]とメチャクチャ強いのである。10番人気以下の超人気薄が馬券に絡んだケースもなくはないのだが、基本的にはきわめて堅め。6番人気以下馬のトータル成績は[0-2-5-73]で、その連対率はわずか2.5%に過ぎない。

 馬券絡みの必要条件と言えるのが、前走で5着以内に入っていること。この条件を満たせないノウレッジ、ラウンドワールドの2頭は、たとえ人気であってもコロッと負ける可能性アリだ。また、前走での単勝オッズが10.0倍以上だった馬も、信頼度はかなり低め。前走で重賞に出走していた馬以外は「消し」評価が妥当だ。そうなると、クラウンロゼやクロスボウはもちろんのこと、フェイムゲーム、マイネルストラーノ、マイネルマエストロの3頭もけっこう怪しい。

 さらに、前走1600m以下戦出走馬よりも1800m以上戦出走馬のほうが格段に信頼できることなどを加味すると、浮かび上がってくるのはアクションスターリグヴェーダフラムドグロワールの3頭。あとは当日の人気次第だが、大きく荒れることはないレースなので、ここを主軸に置いたミートバッティングがオススメだ。

■フェアリーS(G3・中山芝1600m)フルゲート16頭/登録34頭
 以前からよく荒れるレースだったが、09年に施行条件が変更されて以降も、その傾向は相変わらず。毎年のように10番人気以下馬が馬券に絡むという、波乱度の高い穴党向けのレースであり続けている。とはいえ、3番人気以内馬が[3-1-2-6]で複勝率50.0%とソコソコ馬券に絡んでおり、アテにならなくもないのが余計に悩ましい。

 登録馬のほとんどが抽選待ちで、紅梅Sや白梅賞とのダブル登録馬も多数存在。出走馬がほとんど読めない状況ではあるが、確実なのが「前走1400m以下組」と「前走東京出走組」を割り引くべきという点。また、前走で阪神ジュベナイルFに出走していた馬を素直に買うべきなのも間違いない。新馬&未勝利を勝ったばかりの馬については、前走での人気をチェック。それが1番人気ならば「買い」で、2番人気以下であれば「消し」というのが、取捨選択のポイントだ。

 人気の一角となりそうなスズノネイロは「前走1400m以下組」であり、大幅割引の対象。また、前走東京で出走しているウインプリメーラや、前走2番人気以下で新馬を勝ち上がったイリュミナンス、スイートサルサ、レッドオーヴァルなど、怪しい馬だらけ。ここは素直に、阪神ジュベナイルF組で割引材料が見当たらないサンブルエミューズだけを高く評価して、そこから人気薄のヒモに流す「雑」な馬券をオススメしたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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