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会員制馬主馬大集合(京成杯)を下から見物する。

  • 2013年01月10日(木) 12時00分
サラブレッド_はお値段じゃございません。
それはわかってます。夢のあるお買い物ですから。
最高価格の馬が一番強い馬ではない。
重々承知してます。過去何度もスーパープライスホースの残念な結末を目撃してますから。

でも値段の高いグループと値段の低いグループ、どちらからGI馬の出る確率が高いか? 
言うまでもなく高いほうでしょう。

っていうか、この前提は崩れてはいけないところでしょうからね。
ブレはきっとある。必ずある。
けれど高い馬は高いなりの、低い馬は低いなりのブレのはず。
でないと困ったことになってしまう。お経済とかお経営とかままならなくなってしまうから。

で、ときどき安いところから強い馬が登場する。高い馬を蹴散らすような馬が登場する。
でもやっぱりそれはときどき。確率的にはプレミアム系。でなければ、これまたきっと困ったことになってしまう。

お値段の高い系の馬のほうから強い馬は出現しやすくなくっちゃいけない。

当たり前。

当たり前とちゃんと書くのも恥ずかしい。

ったりめぇー。

これで十分。

そんな、ったりめぇーなことをなぜか京成杯の想定メンバーを見てたら、改めてさらってしまった。

京成杯の出走登録馬は15頭。
この頭数でそのまま確定するとは思えないけど、出走するもんだと仮定して、馬を眺めて、
自分の好みでチョイスして、ちょっと並べ替えてみる。

フェイムゲーム(ベリー・サンデーR・ノーザンF)
クロスボウ(吉田豊・サンデーR・追分F)
フラムドクロワール(横山典・シルク・ノーザンF)
ホワイトフリート(ビュイック・キャロット・ノーザンF)
リグヴェーダ(マクドノー・社台RH・追分F)
サンバジーリオ(大野・吉田照・社台F)
ラウンドワールド(岩田・G1レーシング・白老F)
アクションスター(内田博・個人・白老F)

マイネルマエストロ(和田・ラフィアン)
マイネルストラーノ(柴田大・ラフィアン)
ノウレッジ(蛯名・ダーレー)

社台系をもうちょっとわかりやすく分類してみる。
■生産別
フェイムゲーム・ノーザンF
フラムドクロワール・ノーザンF
ホワイトフリート・ノーザンF
リグヴェーダ・追分F
クロスボウ・追分F
サンバジーリオ・社台F
ラウンドワールド・白老F
アクションスター・白老F

ノーザンF3、追分F2、社台F1、白老F2

■馬主別
フェイムゲーム・サンデーR・ノーザンF
クロスボウ・サンデーR・追分F
フラムドクロワール・シルク・ノーザンF
ホワイトフリート・キャロット・ノーザンF
リグヴェーダ・社台RH・追分F
サンバジーリオ 吉田照 社台F
ラウンドワールド・G1レーシング・白老F
アクションスター・個人・白老F

ノーザンF系4、社台F系2、G1系1、個人1

ヌヌヌ…! おぼろげながら見えてきた。今年の京成杯がうっすらとスモーキーに見えてきた。
(スモーキーに見るのは得意。先週の京都金杯もククレゾーンに2頭の馬が入って、その2頭が2着3着した。怪しい匂いは嗅ぎ取れた。でも馬券はその2頭の単を買ったもんだから、スコーン! 煙に巻かれて終結。ゴホゴホ)

にしても見事だ。
「馬主=生産」で1つとして同じ組み合わせがない!
相変わらず練られている!!(気がする!!!)

しかも京成杯に出走を予定してる社台系の馬はアクションスターを除いて、
すべて会員系馬主(吉田照哉氏名義もオーナーズ会員)!

つまり、
クラシック出走の賞金を早めに確保したい陣営の集結だけではないということだ。
少なくとも、
社台系にとっては、それなりに意味のある、それなりに整理された、それなりに分類された配置であるようにも見受けられる。

追分F系のG1レーシング、ノーザンF系にチェンジしたシルクらが、この世代になって、ようやく出走体勢を整えてきた。
今年はある意味で社台系会員馬主のためのクラシックロードのビジネスモデルになるかもしれない。

う〜ん、やっぱり練られている!!

そこに会員制の老舗マイネル系も加わって、今年の京成杯はクラシック出走賞金をかけた会員制馬主大集合の装いだ!

会員様ということは馬の募集価格もわかるということ。
だからここにお値段を付け加えてみる。

リグヴェーダ:1億、社台RH・世代1位
ラウンドワールド:5000万、G1レーシング・世代1位
フラムドクロワール:4000万、シルク・世代2位
ホワイトフリート:4000万、キャロット
フェイムゲーム:3600万、サンデーR
クロスボウ:2000万、サンデーR
サンバジーリオ:2000万、吉田照

アクションスター:3990万、個人

マイネルマエストロ:5000万、ラフィアン・世代1位
マイネルストラーノ:4200万、ラフィアン・世代2位
ノウレッジ:--、ダーレー

社台RHの世代最高価格!(1億トリオの1頭)
G1レーシングの世代最高価格!
シルクの世代2位!
マイネルの世代最高&2位!

サンデーRという会員制の王者の1位2位はいないけれど、それ以外は会員制馬主の主要どころが集結してきたともいえる。

ちなみに
ラジオNIKKEI杯2歳Sを勝ったエピファネイア(キャロット・2位)は募集価格6000万だった。
朝日杯FSを2着したコディーノ(サンデーR・2位)は募集価格6000万だった。
最優秀2歳牡馬に輝いたロゴタイプ(吉田照・オーナーズ)は募集価格1000万だった!!!

ロゴタイプを見てもわかるように、やっぱり一概にお値段ではない(種付け料にもよるだろうし)。
けれど、それでも6000万ってのは確率をあげると思う。

今回は6000万より1ステージ下の5000万、4000万の闘いか。GIIIの重賞であることを考慮すると意外にちょーどよくも思える。
(1億もいるけど、1億の馬は単枠指定でいいでしょう)

予想オッズからもそれが見えてくる。
(水曜時点、netkeiba.com)

1番人気:フラムドクロワール(4000万、シルク2位)
2番人気:ラウンドワールド(5000万、G1レーシング1位)
3番人気:マイネルマエストロ(5000万、ラフィアン1位)
4番人気:アクションスター(3990万、個人)
5番人気:リグヴェーダ(1億、社台RH1位)

上位3頭は4000万〜5000万。
1億は予想5番人気。

(1億のリグヴェーダはここを勝ったら、一気にダービー候補ではなかろうか? なんせ1戦1勝馬ってこの10年で1度も馬券圏内に入ったことがないから。勝つならば相当なポテンシャルと言えそうだ。
実際、ときどきダービー馬も出現している。キングカメハメハは1番人気3着で、のちにダービーを勝ったし、エイシンフラッシュは1番人気1着で、のちにダービーを勝った。ただポイントはどちらも1番人気だった。)

で、自分が気にしてる馬はもちろん上記5頭にはいない。

っていうか、今年は会員制大集合と化した京成杯を上からじゃなくって、下から覗くって決めている。理由はそのほうが落ち着くからだ。

京成杯は毎年、1番人気か2番人気、どちらかが連対するレースであることはわかる。
けれど、同時に2年に1回くらい8番人気以下の馬が2着か3着にやってくるレースでもある。
去年は2番人気ー5番人気ー1番人気の決着だった。
ならば今年は穴馬が飛び込んでくるはず! 下から覗ける! やったー!!!
って浅い! 我ながら浅い動機だ!

でもいい。
なぜなら、想定でその馬名を見て、ピクついてしまった馬がいるからだ。

フェイムゲーム・サンデーR・ノーザンF・3600万

6000万前後がサンデーRの第1グループの馬だとしたら、フェイムゲームは第2、いや第3グループの馬か?
でもそのくらいの馬がGIIIの京成杯で2着か3着するのもちょーどいい気がする。
勝つのは5000万、4000万、2着か3着は3000万クラスの人気薄。

実際、上記した価格で並べてみると、フェイムゲームは8番目。
予想オッズも現在8番目。
いい評価だ。

フェイムゲームは前走未勝利を勝ち上がった3戦1勝馬。
さきほど1戦1勝馬は馬券圏内に入らないと書いたけど、前走未勝利馬はそうでもない。
この10年で3回馬券になった。
1戦1勝のセンスよりも3戦1勝、4戦1勝の経験がものをいうレースなのかもしれない。

03年スズカドリーム:1着、3戦1勝
06年トウショウシロッコ:2着、5戦1勝
11年デボネア:2着、4戦1勝

フェイムゲームは3戦1勝馬。

2年に1回くらい8番人気以下の馬が来て、3年に1回くらい前走未勝利の馬がやってくるのならば、
今年フェイムゲームを狙ったっていいはず。

なんていっても馬名がピクつかせる。

「フェ」ってつくだけで、京成杯では頑張れちゃう気にさせられる。

09年ナカヤマ「フェ」スタ、2着
11年「フェ」イトフルウォー、1着

ここ4年で2回! 1年置き。ならば今年もフェの字!
安い! 我ながら圧倒的にチープな動機だ。

まあいい。今年は会員制大集合と化した京成杯を下から突っつくと決めたのだ。
5000万、4000万らの人気馬が激突しあって、そのおこぼれを下位人気の馬で拾う。
そんなイメージ。ギャンブルとしてぜんぜん無理のない作戦のはず。

京成杯は4角先頭、4角2番手の馬もけっこう馬券圏内に残りやすいレースでもある。
マイネルの2頭、5000万馬、4200万馬は過去の成績からは、逃げ・番手を取りにきそうでもある。
もしこの2頭でペースを作ってきたら、
そのまま〜なんてこともないとは言えない。

ノウレッジは、ダーレー生産の王様の馬。だから価格の想像はつかないけれど、いったいいくらくらいの馬なんだろう。3000万? 4000万? 1000万? 
デビューから4戦、ずっと蛯名騎手が騎乗し続けてるのだから、きっとまだ見限れない何かがあるのだろう。
どこまでつき合うかだけど、人気がないならもう1回くらい付き合いたい。
現在、予想6番人気……少し微妙だ。

というわけで、会員制馬主馬大集合の今年の京成杯は、募集価格の高い馬に敬意を払いながら、下からアプローチできたらいいなぁと思っている。

サンデーRの何位馬かよくわかんない3600万のフェの字
マイネル=マイネルのセット
会員とはまったく関係ないダーレーのノウレッジ

この3頭でおそらく8〜6番人気。

もうちょっと下から覗けるかな…そのあたりは出走馬が確定してから考えよう。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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