■アメリカJCC(GII・中山芝2200m)フルゲート16頭/登録13頭
【コース基本情報】中山芝2200m Cコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝67%・複勝73% 超大穴も来るが基本的には堅め決着
・馬連万馬券出現率
[低め] 6.3%(平均値▼5.7% 馬連平均配当3595円)
・枠番別連対率(16頭立て以上)
[内やや有利] 内枠15.5%・中枠10.2%・外枠13.2%
・脚質別信頼度
先行>逃げ>>差し>>>追込 イメージ以上に前が残るコース
・推定ラップ&タイム
[後傾] 36.4-61.9-35.2=2.13.5 序盤が遅く上がりが速い後傾の流れに
スタート直後から坂を上るコース形態もあって、序盤はゆったりした流れになることが多いコース。とはいえ、終盤で一気にペースが上がるわけではなく、中盤から徐々に加速していくようなレースになる。仕掛けどころが早いので、いわゆる「長くいい脚を使えるタイプ」に向くコースと言えるだろう。
中山にしては紛れも少なく、能力通りにキッチリ決まる傾向の強いコース。16頭立て以上で行われたレースに限定しても、10番人気以下馬はトータル[2-1-1-149]で連対率2.0%、複勝率2.6%と、その激走率はかなり低めだ。馬連万馬券の発生率も、基準値からマイナス5.7ポイントと、かなり低めの数値。穴を狙いすぎるのは禁物である。
枠番についてはそれほど気にする必要はないが、内枠のほうがベターであるのは確か。また、序盤〜中盤の流れが速くならないため、逃げ・先行勢が最後まで踏ん張れるのも押さえておきたいポイントだ。軸馬は、中団よりも前のポジションを取れそうな馬からチョイスするように心がけたい。
【レース基本情報】アメリカJCC(GII) 過去10回
・レース平均配当
単勝450円 馬連2723円 3連複6827円
・1番人気馬成績
[4-0-0-6] 勝率40.0% 連対率40.0%・複勝率40.0%
・3番人気以内馬成績
[7-6-3-14] 勝率23.3% 連対率43.3%・複勝率53.3%
・10番人気以下馬成績
[0-0-0-31] 連対率0%・複勝率0%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 20.0% [先行] 50.0% [差し] 30.0% [追込] 0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 13.3% [先行] 43.3% [差し] 36.7% [追込] 6.7%
・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
[牡馬] 10-10-10-87 連対率17.1% 複勝率25.6%
[牝馬] 0-0-0-4 連対率0% 複勝率0%
・年齢別成績
[4歳馬] 1-5-0-12 連対率33.3% 複勝率33.3%
[5歳馬] 4-1-3-16 連対率20.8% 複勝率33.3%
[6歳馬] 1-0-3-28 連対率 3.1% 複勝率12.5%
[7歳以上馬] 4-4-4-35 連対率17.0% 複勝率25.5%
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[5歳以下馬] 5-6-3-28 連対率26.2% 複勝率33.3%
[6歳以上馬] 5-4-7-63 連対率11.4% 複勝率20.3%
・枠番別成績
[1枠] 0-1-0-10 連対率 9.1% 複勝率 9.1%
[2枠] 0-0-4-7 連対率 0% 複勝率36.4%
[3枠] 3-1-0-7 連対率36.4% 複勝率36.4%
[4枠] 0-2-0-13 連対率13.3% 複勝率13.3%
[5枠] 2-1-2-10 連対率20.0% 複勝率33.3%
[6枠] 2-2-0-14 連対率22.2% 複勝率22.2%
[7枠] 2-2-2-14 連対率20.0% 複勝率30.0%
[8枠] 1-1-2-16 連対率10.0% 複勝率20.0%
・厩舎所属別成績
[美浦] 6-8-8-62 連対率16.7% 複勝率26.2%
[栗東] 4-2-2-29 連対率16.2% 複勝率21.6%
・前走クラス別成績
[前走G1] 4-4-2-14 連対率33.3% 複勝率41.7%
[前走GII] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%
[前走G3] 5-4-3-30 連対率21.4% 複勝率28.6%
[前走OP特別] 0-1-3-17 連対率4.8% 複勝率19.0%
[前走条件戦] 1-1-2-19 連対率8.7% 複勝率17.4%
・注目出走パターン
[買い] 前走5番人気以内だった斤量56キロ馬(連対率40.0%)
[買い] 前走1ケタ着順の5歳以下馬(複勝率42.4%)
[不振] 前走6着以下だった斤量57キロ馬(連対率4.4%)
[不振] 前走で重賞以外に出走して2着以下(連対率0%、複勝率6.9%)
1番人気馬は[4-0-0-6]と意外にアテにならないのだが、それでも平均配当は単勝450円、馬連2723円という猛烈な低さ。少頭数で行われることが多いレースとはいえ、過去10年の勝ち馬がすべて5番人気以内で、10番人気以下馬が1頭も馬券に絡めていないというのは、なかなか珍しい。堅め決着傾向がきわめて強いレースなのは間違いない。
なかでも特に強いのが斤量58キロ以上馬なのだが、残念ながら今年の登録馬には該当なし。となると、次に重い斤量57キロ馬が期待できそうなものだが、こちらはトータル[5-3-8-66]で連対率9.8%と、正直なところイマイチ。前走6着以下だった斤量57キロ馬になると、その連対率はたったの4.4%。つまり、これに該当するナカヤマナイト、ネコパンチ、ルルーシュの3頭は、たとえ人気でも額面通りには信頼できないのである。
また、5歳以下馬と6歳以上馬で信頼度に大きな差が出ているのも、攻略の糸口になりそう。連対率ベースの比較で2倍以上もの大差が出ているように、ここは5歳以下馬を高く評価すべきだ。なかでも信頼に値するのが「前走で重賞に出走して1ケタ着順だった5歳以下馬」で、今年はアドマイヤラクティ、ダノンバラード、ナカヤマナイト、ルルーシュの4頭がこれに該当する。
また、コースデータとは違って、1枠〜2枠に入った馬が[0-1-4-17]と不振なのも、気になるポイント。芝の傷んだ部分を走らされる影響が大きいと考えられるため、少し割り引いて考えたほうがいいのかもしれない。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
前残り傾向が徐々に加速してきている印象。かなり前有利の馬場となる可能性アリ
・天候予測
週末はかなり冷え込むが天候は土日ともに晴れ予報。良馬場前提でオーケー。
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率13.5% 連対率24.3%
・著者の注目血統
ステイゴールド産駒、ネオユニヴァース産駒、母父ノーザンテーストの配合馬
土曜日から日曜日にかけて、徐々に前残り傾向へとシフトしてきている印象を受けた、中山芝コース。今週末もかなり冷え込むため、硬い路盤の良馬場でレースが行われると予測される。ただでさえ前有利のコース&流れであることを考えると、中団から差してアタマまで突き抜けるのは、かなり難しいと考えるべきだろう。
血統面で目立っているのが、ディープインパクト産駒の不振。対照的にネオユニヴァース産駒、シンボリクリスエス産駒などが好成績をおさめていることから、キレよりもパワーが要求されるコースだと考えられる。瞬発力型に偏った血統よりも、適度なパワーを含有した血統のほうが向くと言えるだろう。
当コースで特注なのが「母父ノーザンテースト」の配合馬で、のべ17頭が[5-6-3-8]で連対率50.0%、複勝率63.6%という驚異的な成績を残している。唯一の該当馬はマルカボルト。母父ノーザンテースト、父ネオユニヴァースは最良と言える組み合わせであり、この血統だけで「買い」と言いたくなるほど。高く評価してしかるべきである。
★総論×各論
有馬記念からの臨戦となるナカヤマナイト、ルルーシュが人気の中心となりそうだが、レースデータの項目で解説したように、この2頭はプラス材料もあるがマイナス材料もあるという、扱いの難しい馬。斤量58キロ以上であれば積極的に買うべきなのだが、ここは「押さえ」程度の扱いが適当であると考える。
高評価となったのはアドマイヤラクティ、ダノンバラードの2頭だが、こちらも脚質面で一抹の不安アリ。ならば、地力や臨戦過程で見劣るが、脚質面と血統で大きなプラス材料を持つマルカボルトから狙う手もありそう。ここまでの3頭を、現段階における上位評価組としておきたい。
以下は、サトノアポロ、ルルーシュ、ナカヤマナイトといった評価順。休養明けでの出走となるゲシュタルトとネコパンチ、脚質が大きなマイナスとなるトランスワープは、無印評価が適当だろう。少頭数のレースでもあり、このあたりはサクッと消していきたいところだ。
いずれにせよ、大きく荒れることは考えづらいレース。マルカボルト、サトノアポロがどの程度の人気になるかを確認した上で、かなり絞り込んだ買い目を構築したい。
■東海S(GII・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録24頭
今年から舞台が中京ダ1800mにチェンジし、開催時期も1月となった東海S。事実上の新設重賞であり、中京ダ1800mで行われた1000万下〜重賞も、これまでにたったの4レースしかない。要するに、分析らしい分析は不可能ということだ(逃げ口上)。
……というわけで、ここはかなりひねった方向からアプローチ。当コースで目立っているのが「母父サンデー」ならびに「母父トニービン」の不振だ。直線の長いコースで持ち前の瞬発力が生かせそうなものだが、母父サンデーの配合馬は勝率3.0%、単勝回収率14%という超低空飛行。母父トニービンの配合馬は連対ゼロと、当コースをかなり苦手としている。
対照的に絶好調なのが「母父Mr. Prospector系」の配合馬で、こちらはトータル複勝率25.6%、複勝回収率110%と、信頼度と爆発力を兼ね備えている印象である。また、父系別に見ても、サンデー系よりもVice Regent系やRoberto系などのほうが高信頼度。全体的に、北米ダート血統に向くコースと言えそうだ。
また、直線の長いコースながら、かなり先行優勢であるのも特徴。「先行力と持久力を併せ持つアメリカンな血統の馬を高評価すべし」という観点から、ナムラタイタン、ホッコータルマエ、ミラクルレジェンド、タカオノボル、バックトゥジエースの5頭を上位評価組としたい。
■京都牝馬S(G3・京都芝1600m)フルゲート16頭/登録15頭
牝馬限定戦におけるセオリーと言えるのが、近走における牡馬との混合戦における成績。牝馬限定戦で戦ってきた馬よりも、混合戦を戦ってきた馬のほうが信頼できるのは間違いない。この京都牝馬Sでも、「前走混合戦で1ケタ着順」だった馬は、複勝率27.0%、複勝回収率103%という高期待値。とくに目立っているのが、前走京都金杯出走馬の巻き返しである。このパターンに合致するエーシンリターンズは、高く評価してしかるべき1頭と言えるだろう。
牝馬限定戦からの臨戦となる馬は、前走着順をチェック。前走4着以内馬と前走5着以下馬で信頼度に大きな差が出ており、前走5着以下だったアカンサスやアスカトップレディ、レディアルバローザなどは、人気でも過信は禁物だ。また、距離延長組が[0-2-3-26]とイマイチな成績に終わっているのも、しっかり吟味しておきたいポイント。アプリコットフィズやアンチュラス、ベストクルーズなども怪しい。
そうなると残るのは、エーシンメンフィス、エーシンリターンズ、サクラクローバー、ハナズゴール、フラワーロックくらいのもの。もともと堅く決着する傾向が強いレースでもあり、ここは順当に決まる公算が高そうだ。
■京成杯(G3・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録23頭
レース全体の単勝回収率が34%と異様なまでに低い京成杯。それもそのはず、2番人気以内馬が[8-3-3-6]とメチャクチャ強いのである。10番人気以下の超人気薄が馬券に絡んだケースもなくはないのだが、基本的にはきわめて堅め。6番人気以下馬のトータル成績は[0-2-5-73]で、その連対率はわずか2.5%に過ぎない。
馬券絡みの必要条件と言えるのが、前走で5着以内に入っていること。この条件を満たせないノウレッジ、ラウンドワールドなどは、たとえ人気であってもコロッと負ける可能性アリだ。また、前走での単勝オッズが10.0倍以上だった馬も、信頼度はかなり低め。前走で重賞に出走していた馬以外は「消し」評価が妥当だ。そうなると、クロスボウやジャングルパサー、フェイムゲーム、マイネルストラーノ、マイネルマエストロあたりはけっこう怪しい。
さらに、前走1600m以下戦出走馬よりも1800m以上戦出走馬のほうが格段に信頼できることなどを加味すると、確実に出走できる馬で信頼できるのはフラムドグロワールくらいのもの。抽選待ちの組では、アクションスター、アンブリッジローズ、ケイアイチョウサン、リグヴェーダ、リヤンドファミユの5頭が候補となる。
あとは当日の人気次第だが、大きく荒れることはないレースなので、フラムドグロワールに主軸に置いたミートバッティングがオススメ。また、再度の輸送となる関西馬の扱いにも注意すべきだ。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象