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ネコパンチはナカヤマナイトを救う?

  • 2013年01月17日(木) 12時00分
ネコパンチはナカヤマナイトを救う? 追記版

アメリカJCCの上位人気馬は、みな馬券になる確率50:50(フィフティ:フィフティ)で楽しむべし。
と去年のここで記した。

ルーラーシップ、トーセンレーヴ、ナカヤマナイトの上位人気3頭にスポットを当てて、みな50:50だから、3頭で1、2、3着独占はないと決めつけ、一角崩しにゲシュタルトを推定してみた。

実際、1着ルーラーシップ、2着ナカヤマナイト、3着ゲシュタルトで、3番人気のトーセンレーヴは5着に負けた。
(今ならトーセンレーヴは1番人気じゃなきゃ走らないと言えるけど、当時はまだトーセンレーヴの1番人気じゃないとやる気の出ない気質については気づかなかった)

去年は1、2、3番人気がわかりやすく想定できた。だから50:50への道程も容易かった(気がする)。50:50が3頭いるならば1頭は崩れる算段もスムーズに出来て、馬券もカンタンだった(気がする。カンタンは気のせいの可能性もある。思い出にありがちなオーバーメモリーの可能性もあるけど、そこはもう忘れた)。

では今年はどうだろう。
おそらく1番人気はナカヤマナイト。
2番人気はルルーシュ。
ここまでは確定的で3、4番人気をアドマイヤラクティとダノンバラードが争う。
そう見立ててみたけどどうだろう?

netkeiba.comの予想を見ると、
ナカヤマナイト
ルルーシュ
アドマイヤラクティ
ダノンバラード

うむ。だいたい見立てどおり。今年のアメリカJCCも上位人気の構成はわかりやすい。
ヤッター! これなら今年も50:50のアプローチが出来る!

と考えてみたものの、去年は上位人気に50:50の要素がいっぱいあったから成立したのであって、今年もそれが成立するとはかぎらない。あくまでも馬ありきだからだ。

ただ馬ありきならば少なくともナカヤマナイトは今年も50:50が成立するはずだ。なんせ去年の50:50ホースだからだ。

ナカヤマナイトは予想1番人気。
この馬の取捨ができるだけでもけっこうなことだ。しかも去年は3番人気と見立てて50:50してみた(実際は2番人気だった)。
1番人気ならばまた違う可能性もある。

っていうかアメリカJCCは1番人気が切れれば、ささやかなファンタジーに出会えるレースでもある(あくまでもプチ。それほどゴージャスには荒れない)。

1番人気成績[4-0-0-6]。
大事なことは1番人気は勝つか着外である点。ここは素敵どころだ。
来ないと見きれれば、ビタ一文買わなくてよくなるからだ。
逆に1番人気でどうしようもないと悟れれば、もはやなんも考えることなし。
1着付けで静かに馬券を買えばいい。
静かとはもちろん相手も静かということだ。2〜6番人気で何頭か見繕って、ちょいちょいと買って、静かに観戦すればいい。

つまりナカヤマナイトを一生懸命考えればあとはどうとでもなるということだ。

■今年もナカヤマナイトは50:50か? それとも…………。

ナカヤマナイトはなぜ想定で1番人気なのか?

理由1 去年2着したから。
「アメリカJCCはそもそもエアシェイディ、ネヴァブション、トウショウシロッコ等の連続好走でご当地ホース色が根付いている。去年2着したナカヤマナイトが1番人気に支持されるのも当然」

理由2 中山芝2200のオールカマーで1着→天皇賞秋9着→有馬記念7着→中山芝2200のアメリカJCCだから。
「このローテと着順を見せられたら1番人気に支持されるのもむべなるかなだ」

理由3 中山成績[3-2-0-1]、中山2200[1-1-0-0]だから。
「着外は前走の有馬記念7着1回のみ。中山の鬼とみんなが思わない方がおかしい!」

たとえば、想定2番人気のルルーシュは中山[0-0-0-2]。ここだけの比較でも頼もしさはぜんぜん違う! 
たとえば、想定2番人気のルルーシュの鞍上はマクドノー。初騎乗。主戦と思われた横山典騎手は当日、東海Sでサイレントメロディに騎乗する。諸事情あってのことだろうけど、デビュー以来一貫してナカヤマナイトに騎乗し続ける柴田の善さんのそれと比較するとやっぱり頼もしさはぜんぜん違う!(なんせフランスまで騎乗しに出かけたし)

今年のナカヤマナイトは50:50どころではない。
連対という観点でみればもはや100:0だ。

あれ? おかしいな? だとしたらなぜ去年は50:50だったんだろう?
っていうか、去年はルーラーシップは本来70:30のところをあえて厳しく評価して50:50にして、ナカヤマナイトはちょっとおまけに気味に50:50にした記憶がある。
そうだ! ルーラーシップとトーセンレーヴのそのときの中山実績とを比較してナカヤマナイトは一番優秀だったから50:50にしたんだ。トーセンレーヴが50:50ならナカヤマナイトも50:50にしないとおかしくなる! そんな横の比較からだった。

その後もナカヤマナイトは中山では堅実に頑張った。去年のこの時点で(2-1-0-0)だった中山成績が,今は前記したように[3-2-0-1]になった。ここだ! ここに頼もしさを感じてるんだ。

頼もしいな〜今年のナカヤマナイトは。

善さん騎乗だし、もう100:0でいいんだけれど、一応去年ルーラーシップに施した1番人気専用マシーンにかけてみる。

■ナカヤマナイトは過去に1番人気に応えたことはあるか?

1番人気心配指数判定機
過去11年で1番人気は(4-0-0-7)。
期待に応えてる馬は過去のレースでも1番人気に応えているのではないか?
以下は、過去11年のAJCCで、1番人気になった馬の着順と1番人気で1着した経験の有無(新馬・未勝利は除く)

02年:エアスマップ・9着、有(若鮎賞500万、1着)
03年:マグナーテン・1着、有(関屋記念GIII、1着)
04年:ワールドスケール・7着、有(夏木立賞500万、1着)
05年:クラフトワーク・1着、有(中山金杯GIII、1着)
06年:グラスボンバー・5着、無
07年:インティライミ・4着、有(京都新聞杯GII、1着)
08年:ドリームパスポート・5着、無
09年:ドリームジャーニー・8着、有(朝日チャレンジGIII、1着)
10年:キャプテントゥーレ・11着、有(朝日チャレンジGIII、1着)
11年:トーセンジョーダン・1着、有(アルゼンチン共和国GII、1着)
12年:ルーラーシップ・1着 有(金鯱賞GII、1着他)


1番人気で勝ったことのない馬は全敗(2頭該当)
勝ったことはあってもそれが500万レースの馬は全敗(2頭該当)
G3を1番人気で勝ったことある馬は2勝(4頭該当)
GIIを1番人気で勝ったことのある馬は2勝(3頭該当)

過去に重賞で1番人気の期待に応えたことのある馬は[4-0-0-3]。ほぼ50:50。
それ以外の馬は[0-0-0-4]。重賞で1番人気になったことのないような馬が1番人気になったらアメリカJCCでは勝てないことがわかる。
それが別定GIIの重みってやつか!?

ナカヤマナイトは過去重賞で1番人気になったことが……ない!
そもそも未勝利戦以外で1番人気になったことは一度もない!(フランスでは推定1番人気以外と想定)
1着した500万のベゴニア賞も、1着したオープンのディセンバーSも2番人気だった。

新馬・未勝利以外での
1番人気成績[0]
2番人気成績[3-2-0-1]
3番人気成績[1-1-0-1]
4番人気以下の成績[0-0-0-5]

おっと!2番人気大好きホースじゃないか!!
3番人気も好き。だけど2、3番人気以外では走らない。
(そういえば去年のこのレースも2番人気だった)
1番人気は経験がないからなんとも言えない。
けれどアメリカJCCはそういう馬は未勝利。そもそも馬券圏内もなし。

つまりナカヤマナイトの適性心配指数は2〜3番人気とも判定できる。
1番人気だと心配指数は上がる!上がってしまう! アブナーイ!
とはいえ、経験がないということは「まだわからない」とも言えなくもないということ。第一、去年2着してるのだから、オマケしてあげたっていいはず(おっと!今年も甘めの50:50か!?)。

では別の角度からナカヤマナイトの頼もしい部分を探してみる。
それは中山2200(1-1-0-0)を代表とする中山実績[3-2-0-1]に関する部分。

ナカヤマナイトは去年アメリカJCCを2着した。
不良馬場を5-5-4-4の勝ちに行くような位置取りでルーラーシップの2着した。

ナカヤマナイトは去年オールカマーを1着した。
重馬場を出負けしたけど9-7-4-2のこれまた王者の競馬っぷりで1着した。

どちらもGIIの中山2200ではある。
けれどどちらも重馬場以上だった。ここはたいそう気になる。
なぜなら、良馬場では走れないのではないか? そんな新たな心配事が生まれるからだ。

思えばナカヤマナイトが良馬場で勝ったレースは4つ。
未勝利・中山1800
ベゴニア賞・東京1600
共同通信杯・東京1800
ディセンバーS・中山1800

もしかしたら良馬場では1800ホースではないのか?
で、重馬場になると距離がこなせるようになる。
そういうことではないのか?

これは別段珍しいことではない。
折り合いに難しさのある馬は、馬場がシブると掛かりにくくなる場合が多いと言われる。
ナカヤマナイトは折り合い面に不安のある馬だとよく聞く。
そう思うと、この成績は合点がいく。
2200を肉体的に走れるスタミナはあるけど、精神的に走れるスタミナはないのかもしれない。

「1番人気経験の乏しさと2番人気大好物度」
「良馬場では1800ホース疑惑」

うむ!心配だー!

もちろん今週の天気が先週同様に崩れるならば、なんの心配もない。
しかし関東の冬空に毎週雨を期待するのも難しい注文だ。実際、週間予報でも週末まで「晴れときどき曇り」。

だとするとナカヤマナイトの心配指数は急激に上がる。
この10年での1番人気[4-0-0-6]を考慮すると、
50:50ではなく、40:60(フォーティ:シックスティ)か?
ここに良馬場心配指数を加えると、30:70(サーティ:セブンティ)でもよろしいか?
いや、勝ちか圏外かの1番人気の特性と1番人気の馬券的見返りを考慮すると、「買う」か「買わない」かはっきりさせた方がいい。
つまり0:100か100:0。

■ネコパンチはナカヤマナイトを救う?
カギを握るのはネコパンチではないか。
この馬が逃げる。ニャオーンと素早く逃げる。
日経賞みたいにニャオーーンとハイペースで逃げる。
そこを番手マクドノーさんがルールルルル……ルールルルルーシュ…と追いかける。
逃げるネコをキツネみたいに追いかける。
(思いつくままに書いてます。オチとかなんもありません。)
2番人気が追いかけたら、後続もそのペースに乗っかっていく。

そうなると良馬場でも1800みたいになる可能性もある。
ナカヤマナイトにとってはお誂え向き。力を発揮しやすくなる。

はたしてネコパンチは日経賞みたいに後続を離すような逃げをしてくるのか?
あくまでも休み明けということでゴロニャンなスロー逃げをしてくるのか?
そもそも逃げるのか?
そこは逃げると決めつけたい。ネコパンチが逃げなかったら、もはや許されない気がする。

ネコパンチが大きく、素早く逃げて、それをルルーシュが射程圏内に捉えつつ、追いかければ、全体的にペースは上がる(はず)。マルカボルトが番手でルルーシュが3番手でも同じ。ルルーシュがネコを射程圏内に捉えてさえいれば、後続の注意は前方に向く。

有馬記念で攻めて、最後に垂れたルルーシュが今度はちょっと控えたら、後続のペースは上がらなくなる可能性大。そうなるとナカヤマナイトにはよろしくない。おっと、いい感じに着陸できそうだぞ。

週の真ん中水曜日〜木曜日。
ナカヤマナイトの1番人気は重馬場以上で、いやオマケして稍重以上で100:0。
つまり買いの買いの買い。
しかし良馬場だったら0:100……で消しとしたいとこ…だけど、これまたオマケしてネコパンチの素早い逃げ込みで50:50。
ヤッター!最終的に50:50(フィフティ:フィフティ)に落とし込めた!

アメリカJCCふつうに注目馬
ダノンバラード・アドマイヤラクティ
3番人気・4番人気を争う馬がディープインパクト産とハーツクライ産。
どっちかに向く流れになるのではないか?
ディープかハーツか、これぞ隠れた50:50と見た!

-----追記------

と、ここまで書いて、アップしてもらって、オヤツでも買いに行こうかな? と思っていたら、ナカヤマナイト回避の報が。

おっととっと!

こうなると、1番人気になりそうなルルーシュへの注目度はより高まってくる。
おそらく展開のカギはよりいっそうルルーシュが握るはず。

おそらく勝ち負けを狙うであろう他陣営もルルーシュの位置やルルーシュの仕掛けを見て、
動きを決めるはず。
ナカヤマナイトがいるときよりもむしろわかりやすくなったか。

前で流れに乗りすぎた有馬記念での反省から、今回前半少しでも抑えてくれば、前にやさしくなる。
有馬はあくまでもGIで、GIIのこことはメンバーの質も違うから、今一度攻めてくるのならば、ペースは必然的に上がってくる。

どっちだろう。
やっぱりここは50:50か。

ネコパンチを少しでも放し飼いしてくれれば、ネコにも少しは目がある。

なぜなら、アメリカJCCが高齢馬の逃げにやさしいからだ。

この10年で逃げた馬が馬券になったのは4回。これは1番人気が馬券になった回数と同じ。

03年 マグナーテン セン7歳 1人気 1着
06年 シルクフェイマス 牡7歳 5人気 1着
10年 シャドウゲイト 牡8歳 9人気 2着
11年 ミヤビランベリ 牡8歳 6人気 2着

みんな7歳以上。
しかもシルクフェイマスを除いては逃げにお約束感のあるメンバーでもある。
お約束でも通用するのなら、ネコパンチでも十分通用するはず。
ネコパンチは7歳馬。年齢的にも合格だ。

マクドノーさんはまだ日本経験の浅い騎手だから、江田照騎手の戦法に引っかかる可能性もある。警戒せよとアドバイスされていたとしても、実戦では距離感が狂う可能性もある。

逆にマクドノーさんゆえに今回も攻めてくる可能性もある。
そうなると2番人気、3番人気が予想される馬も行動を共にするはず。
3コーナーあたりからペースアップせざるを得ない展開になってくれれば、
差し系の高齢馬8歳のトランスワープでも足りるのではないか?

逃げは高齢馬と書いたけど、差しも高齢馬だからだ。特に8歳は差しもいい。

05年:ユキノサンロイヤル・8歳・12-10-8-5・3着(5人気)13頭立て
09年:エアシェイディ・8歳・8-6-6-6・2着(2人気)13頭立て
10年:シャドウゲイト・8歳・1-1-1-1・2着(9人気)13頭立て
11年:ミヤビランベリ・8歳・1-1-1-1・2着(6人気)11頭立て
   ネヴァブション・8歳・10-10-10-7・3着(3人気)11頭立て

8歳は逃げか差し。

おそらく今回は12頭立て。
函館記念のような8-10-7-8な競馬ができれば、ちょっと前にアドマイヤラクティやダノンバラードといった2、3番人気の馬を視界に入れられそう(人気2頭はいつもよりちょっと前につけるという見立て)。
内田博騎手やベリーさんの直後で競馬ができれば、これまたハマル可能性もある。

逃げの高齢馬か差しの高齢馬か。
これまた50:50!!!

ただしこちらは確率ではなくて、50歳:50歳。ひゃっほー!

アメリカJCC・やっぱりふつうに注目馬
ダノンバラード・アドマイヤラクティ
2番人気・3番人気を争う馬がディープインパクト産とハーツクライ産。
どっちかに向く流れになるのではないか?
ディープかハーツか、これぞ隠れた50:50と、やっぱり見た!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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