■シルクロードS(G3・京都芝1200m)フルゲート16頭/登録24頭
【コース基本情報】京都芝1200m Bコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝67%・複勝82% 10番人気以下馬の勝率3.9%で堅め傾向
・馬連万馬券出現率
[高め] 18.4%(平均値△6.4% 馬連平均配当8006円)
・枠番別連対率(16頭立て以上)
[公平] 内枠11.6%・中枠12.8%・外枠10.4%
・脚質別信頼度
逃げ>>先行>差し>>追込 上級戦でも逃げ馬の強さは破格
・推定ラップ&タイム
[平均] 34.6-33.7=1.08.3 短距離戦ながら近年は前傾の流れになりにくい
コース全体の回収率は単勝67%、複勝82%とけっして高くないのだが、馬連万馬券の出現率は18.4%とかなり高め。馬連平均配当も8006円と高い水準にあり、ある程度の波乱を見越して予想を組み立てるべき“荒れる”コースだと言える。
枠番は、内でも外でも大きな影響はナシ。ただし、内回りでコースの起伏もそれほど大きくはないためか、前に行ける馬に圧倒的有利となっている。この傾向が顕著なのがAコースまたはBコースで開催される場合で、4コーナーを7番手以下で回った馬であっても[17-17-23-410]で勝率3.6%、連対率7.3%と大不振。前に行ける脚質かどうかが、勝敗を分ける大きなキイとなりそうだ。
また、スプリント戦ながら序盤がそう速くならないのも特徴。近年は前後半が均等、もしくは上がりのほうが速くなるケースが増えてきている。個人的には、コレが前残り傾向を助長しているのではないか──という印象を受ける。
【レース基本情報】シルクロードS(G3) 過去10回
・レース平均配当
単勝666円 馬連6535円 3連複2万3132円
・1番人気馬成績
[4-0-2-4] 勝率40.0% 連対率40.0%・複勝率60.0%
・3番人気以内馬成績
[6-3-2-19] 勝率20.0% 連対率30.0%・複勝率36.7%
・10番人気以下馬成績
[0-2-2-64] 連対率2.9%・複勝率5.9%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 30.0% [差し] 40.0% [追込] 30.0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 13.3% [先行] 16.7% [差し] 50.0% [追込] 20.0%
・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
[牡馬] 9-9-9-96 連対率14.6% 複勝率22.0%
[牝馬] 1-1-1-32 連対率 5.7% 複勝率 8.6%
・年齢別成績
[4歳馬] 1-2-2-28 連対率 9.1% 複勝率15.2%
[5歳馬] 5-4-4-19 連対率28.1% 複勝率40.6%
[6歳馬] 3-2-2-34 連対率12.2% 複勝率17.1%
[7歳以上馬] 1-2-2-47 連対率5.8% 複勝率9.6%
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[5歳〜6歳] 8-6-6-53 連対率19.2% 複勝率27.4%
[上記以外] 2-4-4-75 連対率 7.1% 複勝率11.8%
・枠番別成績
[1枠] 1-0-1-17 連対率 5.3% 複勝率10.5%
[2枠] 0-3-0-16 連対率15.8% 複勝率15.8%
[3枠] 0-1-2-17 連対率 5.0% 複勝率15.0%
[4枠] 3-1-1-15 連対率20.0% 複勝率25.0%
[5枠] 2-0-3-15 連対率10.0% 複勝率25.0%
[6枠] 4-3-0-13 連対率35.0% 複勝率35.0%
[7枠] 0-2-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0%
[8枠] 0-0-2-18 連対率 0% 複勝率10.0%
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[1〜3枠] 1-4-3-50 連対率 8.6% 複勝率13.8%
[4〜6枠] 9-4-4-43 連対率21.7% 複勝率28.3%
[7〜8枠] 0-2-3-35 連対率 5.0% 複勝率12.5%
・厩舎所属別成績
[美浦] 2-5-6-30 連対率16.3% 複勝率30.2%
[栗東] 8-5-4-98 連対率11.3% 複勝率14.8%
・前走クラス別成績
[前走G1] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
[前走G2] 1-4-2-12 連対率26.3% 複勝率36.8%
[前走G3] 2-2-3-27 連対率11.8% 複勝率20.6%
[前走OP特別] 5-3-2-69 連対率10.1% 複勝率12.7%
[前走条件戦] 2-1-3-12 連対率16.7% 複勝率33.3%
・斤量別成績
[51kg以下] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
[52〜53kg] 0-0-2-30 連対率 0% 複勝率 6.3%
[54〜55kg] 3-5-4-49 連対率13.1% 複勝率19.7%
[56〜57kg] 5-4-3-34 連対率19.6% 複勝率26.1%
[57.5kg以上] 2-1-1-7 連対率27.3% 複勝率36.4%
・注目出走パターン
[特注] 前走重賞以外に4番人気以内で出走の牡馬(連対率32.3%、複勝率45.2%)
[買い] 4枠〜6枠に入った馬(複勝率28.3%、複勝回収率104%)
[不振] ハンデ53キロ以下(連対ゼロ、複勝率5.0%)
[全滅] 前走3番人気以下の4歳馬(複勝率0%)
コースデータよりも波乱傾向は低めだが、それでも3連複の平均配当は2万円オーバー。「アタマはそれなりに堅いのだがヒモが荒れる」という決着パターンが多く、上位人気馬によるワンツースリー決着などは非常に考えづらい。2着か3着に1頭以上は穴馬が混じるという前提で馬券を組み立てるのが、好結果を呼び込みそうなレースである。
コースデータとは真逆の結果が出ているのが脚質面で、馬券に絡んだ馬の70.0%が差し&追い込み脚質と、かなり差し優勢の結果に。ここまで結果が偏るとなると、イメージ以上に差せるレースだと考えるべきなのだろう。しかし、やはり人気薄の前残りには警戒しておくべきだ。
また枠番についても、4〜6枠が圧倒的に優勢という、かなり偏った結果が出ている。開催時期の影響を受けての結果と思われるので、こちらは素直に「センター枠番重視」の方向で攻めるべき。センター枠に入った馬は、評価を一段も二段も引き上げたい。
その他にも特徴的なデータが数多く出ているが、注目出走パターンの筆頭にあげた「前走重賞以外に4番人気以内で出走の牡馬」はかなりオススメ。他にもプラス材料を併せ持っているようなら、かなりアツい。具体的に名前をあげるなら、アフォード、エーシンホワイティ、サドンストーム、スギノエンデバーだ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
差し有利なバイアスという印象もBコース替わりでフラットになりそう。
・天候予測
土曜日〜日曜日が今季最大の冷え込み。積雪の可能性もあり要注意。
・勝利数トップ種牡馬
サクラバクシンオー 勝率11.2% 連対率26.5%
・著者の注目血統
登録馬の血統が偏っているため該当馬なし
今週末の京都競馬場周辺は現在のところ、最低気温が氷点下という厳しい冷え込み。土曜日から雪が降る可能性もあり、馬場状態についてはかなり悩まされそうだ。降雪や積雪がなくとも、硬い路盤でのBコース替わりとなれば、馬場バイアスに変化があって当たり前。馬券は、土曜日の結果をしっかりチェックした上で考えるべきだ。
血統面は、サクラバクシンオー産駒が勝ち星を量産しており、勝利数は断然。内容的にはキングカメハメハ産駒に食指が動くのだが、残念ながら登録馬に見当たらない。となればバクシンオー産駒、クロフネ産駒、フジキセキ産駒あたりを素直に評価すべきところだが、該当馬が多すぎてこれはこれで無意味。従って、ここはあまり血統を気にしない方向で行きたい。
★総論×各論
重いハンデを背負った馬がキッチリ結果を出す傾向にある、シルクロードS。となれば、今年も実績上位であるダッシャーゴーゴー、ドリームバレンチノを信頼したくなる。しかし、シルクロードSに中9週以上の間隔で出走した馬は[1-0-1-19]と結果を残せておらず、この2頭についてはローテ面で不安が残る。
それに対して、中6週での出走でハンデ57キロ、5歳馬で前走オープン特別を3番人気1着で快勝……などなど、買い材料しか出てこない勢いなのがスギノエンデバー。同じ5歳のサクラバクシンオー産駒であるアフォードとの比較でも、プラス評価となった項目は格段に多い。なかなか難解なメンバー構成であるのは承知の上で、ここは同馬に「アタマ鉄板」級の評価を与えたい。もし4枠〜6枠に入ったならば、なおさら買いだ。
以下は、エーシンホワイティ、マジンプロスパーまでが上位評価組。押さえにドリームバレンチノ、アフォード、ダッシャーゴーゴー、サドンストーム、キングレオポルド。あとは枠番や馬場状態などを加味した上で結論を出したいが、スギノエンデバー軸という方針に関しては、最後まで貫き通す所存である。
■根岸S(G3・東京ダ1400m)出走16頭
東京コースながら、ダ1400mは前がしっかり残るコース。データを16頭立ての1000万下〜重賞に限定すると、逃げ・先行脚質がトータル[31-28-18-167]で複勝率31.6%、複勝回収率164%と高期待値であるのに対して、差し・追い込み脚質は[22-25-35-518]で複勝率13.7%、複勝回収率57%と、あきらかに見劣る。
また、現在の施行条件となってからのレースデータから浮かび上がってくるのが、人気馬のアテにならなさだ。3番人気以内馬はトータル[3-4-2-18]と3勝しかあげておらず、その勝率は11.1%という低さ。ちなみに、思わず絶句してしまうほど不振なのが「前走2着以下の3番人気以内馬」で、[1-0-1-11]で連対率7.7%、複勝率15.4%。これに該当する可能性があるエーシンウェズン、テスタマッタの2頭の扱いには、かなり注意すべきだ。
7歳以上の高齢馬も[1-0-3-39]と大不振。4歳馬〜6歳馬についてはとくに気にする必要はないが、7歳以上馬は大きく割り引いて考えるべきだろう。またローテ面では、前走で地方競馬のレースに出走していた馬が[0-0-2-22]と苦戦していること、中9週以上のローテで出走する馬は前走1着馬くらいしか信頼できないこと(前走2着以下馬は[1-0-0-11]という結果)なども、ぜひ考慮しておきたいポイントである。
となると、中11週での出走で前走が地方での5着、さらに7歳以上で人気確実というテスタマッタは、きわめて危険な存在。もし3番人気以内に推された場合は、前述の超危険馬条件にも合致することになる。フェブラリーSの勝ち馬であろうと何であろうと、ここは徹底的に軽視をオススメしたい。
データ分析からは、マイナス材料がまったく見当たらないガンジスを筆頭に評価。人気の中心となりそうだが、それにふさわしいプロフィル&実績を備えた馬だと言える。あとは、トウショウカズン、タイセイレジェンドの2頭も上位に評価。以下、エーシンウェズン、ダノンカモン、トシキャンディまでを押さえ評価としたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象