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バンタム級と決めつけて始める激突競馬。

  • 2013年01月24日(木) 12時00分
毎年根岸Sの週になると手持ちの競馬週刊誌をパラパラとめくりたくなる。
パラパラとはもちろん東西同日にある重賞レースの想定ページをパラパラとめくり、行き来すること。
出走希望の馬だけでなく、有名ジョッキーがどっちのレースのどの馬に騎乗するのかを見るためだ。

去年もそうだった。
パラパラとめくって、騎手の動向を自分なりに壇蜜……じゃなくて悩殺……じゃなくて、妄察してみる。
競馬関係者の思惑という名の壇蜜……じゃなくて毒薬……じゃなくて媚薬に触れたくてあれこれ察してみるわけだ。
で、たいていは妄殺になる。あれこれ考えすぎて、意味不明、理解不能の迷宮に自分が入り込んで、出られなくなる。

人呼んで、パラパラ・コンフィデンシャル。
(誰も呼んでません。独り言です。ただコンフィデンシャルという響きがカッコイイと思って)

今年の該当レースは西のシルクロードSと東の根岸S。
去年は同日に京都牝馬Sと根岸Sが組まれていた。
シルクロードSと根岸Sの組み合わせはおそらく初めてではないか? ヤッター初コンビ!
だからって、どうということもない。
ただシルクロードは高松宮に、根岸Sはフェブラリーにつながると思えなくもない。
っていうかむしろつながってほしい。
そう思えれば、パラパラの意味も立つ気がする。

(そもそもなぜ根岸Sの週にそういう気持ちになるのかわかりません。クリスマスやお正月というニギニギしいシーズンも終わり、仕事を再会して一か月……おっと2月病かもしれません。それを回避する処方箋がパラパラ……う〜ん逃避的すぎる。ここはぜひともフェブラリーSと高松宮の始まりのゴングを感じ、いてもたってもいられなくて、ついついパラパラさせてしまう方向でお願いします)

で、パラパラしてみる。
根岸Sの想定とシルクロードSの想定をパラパラ。
今年はP2〜3、P26〜28を往来だ!

根岸Sはフルゲート16頭に43頭が登録。
シルクロードSは16頭に24頭が登録。

除外馬続出。
なんだか媚薬の匂いがしてきたぞ……。

騎手未定の馬も多くて当然だ。
逆に言えば、名手クラスも出走が確定的なところに集まるはず。
となると、社台系優先契約の外国人騎手といえども、場合によっては社台系以外の馬に騎乗するかもしれない。

おそらく非社台系の馬の関係者も同じように根岸SとシルクロードSをパラパラっぽくさせて、名手系の動向を探り、騎乗チャンスを狙っていたに違いない。

シルクロードSには上位人気が予想される馬に社台系の馬はいない。
であるからか、外国人騎手は根岸Sに集結している。

ストローハット:社台F生産、ベリー代役・田辺?(堀厩舎だし、本当はベリー騎手だったのではないか)
ダノンカモン:ノーザンF生産、ビュイック(池江寿厩舎だし当然か)
テスタマッタ:ノーザンF系 、マクドノー(岩田騎手は本番ではローマンレジェンド騎乗のためか?)
トウショウカズン:トウショウ牧場、ルメール

おっと、トウショウカズン……ルメールって、

見えた!
嗅げた!
蜜かった!
っていうか超わかりやすい!

ルメール=トウショウカズン

外国人騎手に非社台系の馬を重賞で騎乗させようと思ったら、けっこうハードルは高いと思う。
平場は「たまたま空いてるから」で騎乗してもらえることはあっても、重賞ともなれば、たまたま空いていたとしても、デキに自信もないと頼めないと思うからだ。
失礼な馬を頼んだら、次はない。
それは外国人騎手に限らず日本人名手系でも同じだろう。
武豊騎手に騎乗してもらう以上は、失礼なデキでは頼めない! 少なくとも全盛期の頃の武豊騎手にはみんなそうだったのではないか?

招聘感が違う。
おつきあいの濃い社台系の馬なら今ひとつのデキでも許されることはあっても、非系の馬では許されないのではないか? いや許すとか許されないの問題ではなく、騎乗依頼する方のプライドが許さないのではないか。
ゆえにこのトウショウカズン=ルメールには招聘感が漂う。

根岸Sには前走ルメールの馬はいない。ではシルクロードSの方はどうか?

パラリとシルクロードSをめくると、サドンストームの名前がある。この馬は非系だけれどもダーレーの馬。世界のダーレーの馬。
この馬の前走にルメールは騎乗し、2番人気で3着した。
今回の鞍上は池添。社台系の有力馬はいないのだから、もう一度頼める可能性はあった。
ここの乗り替りのいきさつはわかんない(ちょっとしたコンフィデンシャル・ポイントだけどワカンナイままでいい)。

どんないきさつであれ、トウショウカズン陣営にとっては、サドンストームに騎乗するより、魅力的である必要はあった(ふつうに考えたら、トウショウ陣営はデキにも東京1400ダートにも自信があって、それゆえにルメールに依頼したと読める)。

うむ、招聘感が漂う。プンプンだ。
しかも社台F系で出走が確定的な馬で、上位人気になりそうな馬は根岸SにもシルクロードSにもいない。
そういう幸運もある。

トウショウカズンは明らかにダート1400ホース。
12ダ[0-1-1-0]
14ダ[6-5-1-4]
16ダ[0-0-0-1]

東京14ダは[0-1-0-1]。2着は去年の根岸Sでのもの。
主戦と思しき川田騎手ではなくルメールに騎乗依頼(川田騎手はシルクロードでダッシャーゴーゴーに騎乗)したことや、
6歳という年齢等を考えると、
ここは誰もが感じるように大勝負で間違いない。

うむ、爆発だ! 招聘感がスパークしてる。
というわけで、今年のパラパラ・ホースはトウショウカズンに決定だ。

他にも媚薬的な状況下にいる馬はいるかもしれない。しかしこれ以上パラパラさせると、媚薬も壇蜜も毒薬になりかねない。だからもう決定付ける。

で、改めて、根岸Sを覗き見してみる。

ガーネットSがなくなり、ジャパンCダートが東京21から阪神18に替って、少し様相も替ってきているのが根岸S。
なんせ前走ガーネットS組は毎年1頭必ず馬券圏内にいたし、前走東京21のジャパンCダートの馬もときどき馬券に絡んでいたからだ。

で、それに伴いさらに激突感が増した気がする。

カペラSの時にも書いた気がするけれど、
カペラSや根岸Sって激突感があるレースだ。

別のレースで1着した馬たちが激突し合う。そんなレース。
それは根岸Sの過去10年の1着〜3着馬の前走を見れば一目瞭然だ。
前走がほんとかぶらない。
これはガーネットSの有無やジャパンCダートの距離に関係なくずっとそう。

03年
1着:前走クラスターC、1着
2着:前走ガーネット、1着
3着:前走全サC、5着

04年
1着:ガーネット、3着
2着:ガーネット、6着
3着:兵GT、5着

05年
1着:ガーネット、1着
2着:ジャパンCダート、8着
3着:ギャラクシ、2着

06年
1着:ガーネット、1着
2着:師走S、1着
3着:霜月S、1着

07年
1着:京都金杯、14着
2着:ギャラクシ、1着
3着:ガーネット、4着

08年
1着:JCD、5着
2着:ガーネット、1着
3着:霜月S、1着

09年
1着:エルムS、1着
2着:ジャニュアリ、1着
3着:サンタクロース、1着

10年
1着:エニフS、1着
2着:初日の出、1着
3着:大和S、1着

11年
1着:カペラS、1着
2着:大和S、1着
3着:師走S、9着

12年
1着:ギャラクシ、3着
2着:大和S、1着
3着:東京大賞、3着

かぶったのは04年のガーネットS組のワンツー1回のみ。
それ以外はきれいさっぱりカブリなし。
ガーネットSがなくなり、JCDが変更になった09年からは、それがさらに研ぎすまされた感じだ。
勝ち馬の前走もすべて違う。
特に09年からは、前走で1着してることが最重要にも思える。2連レベルでは最低でも3着に好走してないと話にならない感じだ。

ここ3年は大和S1着馬が必ず馬券に絡んでいる。ここは注目に値する。なぜなら、この10年で必ず1月に使われた馬が1頭は馬券圏内に入ってきているからだ。
ガーネットSは1月に行われたレースで、その替りに台頭してきたのが1月開催の大和Sかもしれないからだ。

しかし今年の大和S組は特筆材料がない。1着馬は出走しないし、登録の2着4着5着馬も除外濃厚だからだ(最先着の2着エアウルフは30位)。

というわけで、今年の激突候補をあげると、こんな感じになる。

ギャラクシーS組
1着:ガンジス、4歳、55
2着:トウショウカズン、6歳、56
3着:メイショウマシュウ、5歳、56
(5着 ストローハット、4歳、56)←念のため

カペラS組
2着:エーシンウェズン、6歳、56

ジャニュアリーS組
2着:ケイアイテンジン、7歳、56

兵庫GT組
2着:ダイショウジェット、10歳、56

JBCスプリント組
1着:タイセイレジェンド、6歳、59

JBCクラシック組
5着:テスタマッタ、7歳、59 

59キロや高齢馬は3着までの過去を重視すると、2連レベルではサゲられる。

となると、以下の5頭に絞られる。

ギャラクシーS組
1着:ガンジス、4歳、55
2着:トウショウカズン、6歳、56
3着:メイショウマシュウ、5歳、56
(5着:ストローハット、4歳、56)←念のため

カペラS組
2着:エーシンウェズン、6歳、56

ジャニュアリーS組
2着 ケイアイテンジン、7歳、56

パラパラ・ホースのトウショウカズンは残った!

しかし、特待生ものの「前走1着馬」は同じギャラクシーSのガンジスしかいない。
前走1着馬は必ず1頭は連対する。
激突感を重視するならば、ガンジスからカペラSのエーシンウェズンと1月開催のジャニュアリーSのケイアイテンジンに流す方がスジだ。

いや! そもそも今年は激突のレベルが軽い可能性もある。
大和S1着馬もカペラS1着馬もジャニュアリーS1着馬も出走してきていないからだ。

というわけで、今年の根岸Sの激突レベルは3と見た。例年がミドル級なら、今年はバンタム級と見た。ならば同じギャラクシーS組の再激突もありえるはず!

残った! やっぱり残ったトウショウカズン! いやっほー!

(激突感が軽いのならば、今年は何もかもが例外の年になるのではないか?)

たしかに。

そういうのも見越して、「59」キロの馬や「念のため」の馬もあげてみた。

59のテスタマッタは重量問題より折り合い問題の可能性もある。騎手マクドノーで折り合えたら、まだわからない。
59のタイセイレジェンドは逃げのライバルがいない。まだわからない。
ギャラクシーS5着のストローハットは堀厩舎の馬だから東京でガラリ一変する可能性もある。4歳だし、まだわからない。

さらに念のため上記した馬を少し並べ替えてみる。

ノーザンF系=ガンジス(内田博)・タイセイレジェンド(石橋脩)・テスタマッタ(マクドノー)
社台F系=ストローハット(代打・田辺)
非系=トウショウカズン(ルメール)・エーシンウェズン(蛯名)・ケイアイテンジン(タナカツ)・メイショウマシュウ(未定)

「4歳&59キロの社台系」VS「1400特選ホースの非系」
オ〜〜〜!!
こっちの激突感は十分だ。

最後に念のため予想オッズを見ておこう。

トウショカズン 6人気 ↑↑ちょーどいい!
ガンジス 1人気 →→しょーがない。
メイショウマシュウ 11人気 ↑↑3着でどうだ!?
エーシンウェズン 2人気 ↓↓もうちょっと下がって!
ケイアイテンジン 14人気 ↑↑おっと!!(スルー気味だったけどこの人気でやる気出ちゃった!)

(予想ではあるけれど)上下のバランスの取れた人気でこちらの激突感も十分だ。

今年、パラパラして、クンクンした匂いが媚薬でありますように〜〜。

根岸Sコンフィデンシャル・ホース
トウショカズン

希望バトルロイヤル参加ホース
ガンジス・トウショウカズン・メイショウマシュウ・エーシンウェズン・ケイアイテンジン 

希望場外待機ホース
ストローハット・タイセイレジェンド・テスタマッタ

あとは枠を見て、押し出したり引き出したり。リングに上げたり、落としたり。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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