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ハッキリ買いと言える人気馬は1頭だけ!?/東京新聞杯

  • 2013年01月30日(水) 18時00分
■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)フルゲート16頭/登録25頭
【コース基本情報】東京芝1600m Dコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単勝79%・複勝80% 中穴〜人気薄の好走率高めで波乱傾向アリ

・馬連万馬券出現率
 [高め] 11.8%(平均値▼0.2% 馬連平均配当7743円)

・枠番別連対率(16頭立て以上)
 [やや内枠有利] 内枠13.4%・中枠11.9%・外枠9.9%

・脚質別信頼度
 先行>差し>逃げ>追込 後方からでも届くが1着に来るのは厳しい

・推定ラップ&タイム
 [平均] 34.7-23.9-34.0=1.32.6 中盤〜上がりが継続して速く総合力が問われる

 16頭立て以上での3番人気以内馬は、トータル連対率32.7%、複勝率43.9%とマズマズの成績。ここを狙うよりも、4番人気〜10番人気あたりを狙うほうが期待値的には美味しいコースだと言える。期待できそうな中穴を探すことに、まずは全力を傾けたい。

 マイルの王道コースだけあって枠番による成績の大きな偏りは見られないが、内枠(1枠〜2枠)から中枠(3枠〜6枠)、外枠(7枠〜8枠)と外へ行くに従って、連対率は1.5%から2%程度下落する。外枠に入ったからといって大きく割り引く必要はないが、内枠のほうがベターなのも事実。最終的な結論を出す際に、多少は考慮しておこう。

 直線の長い東京マイルだけに差し&追込タイプに有利なイメージだが、意外にそうでもないのがこのコース。1着軸ならば差し脚質のほうが望ましいが、連軸としては先行脚質のほうが信頼できる。また、追い込み馬については「1着では狙わない」のがセオリー。馬券には絡むのだが1着率はかなり低く、2着か3着のヒモに塗る程度が適当である。

 序盤はそう速くないが、重賞では中盤〜上がりまでが一貫して速くなるため、流れはかなり厳しい。瞬発力だけでも持久力だけでも勝ち負けできない、総合力が問われるコースと言えるだろう。速い時計への対応力も必要不可欠。

【レース基本情報】東京新聞杯S(G3) 過去9回
・レース平均配当
 単勝1384円 馬連1万1660円 3連複8万682円

・1番人気馬成績
 [2-1-1-5] 勝率22.2% 連対率33.3%・複勝率44.4%

・3番人気以内馬成績
 [3-3-2-19] 勝率11.1% 連対率22.2%・複勝率29.6%

・10番人気以下馬成績
 [1-2-1-54] 連対率5.2%・複勝率6.9%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 11.1% [先行] 44.4% [差し] 33.3% [追込] 11.1%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 11.1% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 22.2%

・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
 [牡馬] 9-9-9-102 連対率14.0% 複勝率20.9%
 [牝馬] 0-0-0-10 連対率 0% 複勝率 0%

・年齢別成績
 [4歳馬] 3-2-4-22 連対率16.1% 複勝率29.0%
 [5歳馬] 3-2-4-25 連対率14.7% 複勝率26.5%
 [6歳馬] 3-4-0-27 連対率20.6% 複勝率20.6%
 [7歳以上馬] 0-1-1-38 連対率2.5% 複勝率5.0%
 ────────────────────────
 [6歳以下] 9-8-8-74 連対率17.2% 複勝率25.3%
 [7歳以上] 0-1-1-38 連対率 2.5% 複勝率 5.0%

・枠番別成績
 [1枠] 1-0-5-10 連対率 6.3% 複勝率37.5%
 [2枠] 0-3-2-11 連対率18.8% 複勝率31.3%
 [3枠] 2-1-0-15 連対率16.7% 複勝率16.7%
 [4枠] 1-0-2-15 連対率 5.6% 複勝率16.7%
 [5枠] 1-1-0-16 連対率11.1% 複勝率11.1%
 [6枠] 1-1-0-15 連対率11.8% 複勝率11.8%
 [7枠] 0-2-0-16 連対率11.1% 複勝率11.1%
 [8枠] 3-1-0-14 連対率22.2% 複勝率22.2%
 ────────────────────────
 [1〜2枠] 1-3-7-21 連対率12.5% 複勝率34.4%
 [3〜6枠] 5-3-2-61 連対率11.3% 複勝率14.1%
 [7〜8枠] 3-3-0-30 連対率16.7% 複勝率16.7%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 6-3-1-63 連対率12.3% 複勝率13.7%
 [栗東] 3-6-8-49 連対率13.6% 複勝率25.8%

・前走クラス別成績
 [前走G1] 1-0-2-12 連対率 6.7% 複勝率20.0%
 [前走G2] 1-0-2-9 連対率 8.3% 複勝率25.0%
 [前走G3] 2-3-2-47 連対率 9.3% 複勝率13.0%
 [前走OP特別] 3-5-2-37 連対率17.0% 複勝率21.3%
 [前走条件戦] 2-1-1-5 連対率33.3% 複勝率44.4%
 ────────────────────────
 [前走重賞組] 4-3-6-70 連対率 8.4% 複勝率15.7%
 [前走非重賞] 5-6-3-42 連対率19.6% 複勝率25.0%

・斤量別成績
 [52〜53kg] 0-1-0-6 連対率14.3% 複勝率14.3%
 [54〜55kg] 3-4-3-41 連対率13.7% 複勝率19.6%
 [56〜57kg] 6-4-6-62 連対率12.8% 複勝率20.5%
 [57.5kg以上] 0-0-0-3 連対率0% 複勝率0%

・注目出走パターン
 [特注] 前走重賞以外に出走して3着以内(複勝率50.0%、複勝回収率170%)
 [買い] 前走ひとケタ人気、かつひとケタ着順(複勝率28.6%)
 [買い] 1枠〜2枠に入った馬(複勝率34.4%)
 [不振] 7歳以上馬(複勝率5.0%)
 [不振] 前走1着馬をのぞく馬体重500キロ以上馬(複勝率5.3%)
 [不振] 前走3番人気以下かつ前走上がり順位3位以内(複勝率7.4%)

 単勝3ケタ配当となったのは過去9年で3回しかなく、馬連万馬券4回、3連複10万円以上が2回など、かなり荒れている東京新聞杯。3番人気以内馬の信頼度もトータル[3-3-2-19]で連対率22.2%と、きわめて低い。基本、人気を疑ってかかるべきレースであるのは間違いない。

 順番に見ていくと、まず目につくのが7歳以上馬の不振だ。トータル[0-1-1-38]で複勝率5.0%と、6歳以下馬との比較で明らかに見劣る成績。4歳馬〜6歳馬についてはとくに気にする必要はないが、7歳以上馬は大きく割り引いて考えるべきだ。また枠番別で、1枠〜2枠が非常に高い複勝率となっているのも、注目に値するポイントである。

 続いてローテ面だが、意外にも前走重賞出走組が全体的にイマイチ。前走非重賞組の連対率が19.6%であるのに対して、前走重賞組のそれは8.4%と格段に差がある。狙うべきは明らかに前走非重賞組であり、なかでも期待できるのが注目出走パターンにもあげた「前走重賞以外に出走して3着以内」の馬。登録馬でこれに該当するのは、フレールジャックとマウントシャスタの2頭しかいない。

 それ以外にも、馬体重500キロ以上の大型馬が不振(トータル[3-2-0-41]で複勝率10.9%)なことや、前走ハンデ戦出走馬の激走が目立つこと、前走で速い上がりを使っていた馬は前走でも人気になっているのが好走条件であることなど、取捨選択の材料はかなり豊富。波乱傾向のレースでもあり、事前にしっかり精査しておいて損はない。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 先週は土日ともにかなり差しが決まっていた印象。今週も同様の傾向か。

・天候予測
 土曜日に雨予報があるも降雨量は多くなく、あって稍重程度か。

・勝利数トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率10.8% 連対率20.8%

・著者の注目血統
 キングカメハメハ産駒、ディープインパクト産駒、母父サンデーの配合馬

 勝利数トップはキングカメハメハ産駒だが、内容はディープインパクト産駒のほうが上。連対率28.1%、複勝率40.4%というアベレージは相当なものであり、そのコース適性は文句なしに高いと言える。あとは「母父サンデー」も好調であり、サンデー系らしいキレが前面に出る配合に向く印象を受ける。

 血統の字面だけで判断するなら、ディープ×フレンチデピュティのマウントシャスタ、タニノギムレット×サンデーのスマイルジャックが向きそう。逆に不安を感じるのは、コース相性イマイチなスペシャルウィーク産駒のトライアンフマーチ、ダンスインザダーク産駒のクラレントか。

★総論×各論
 上位人気が予測されるのはドナウブルー、マウントシャスタ、ガルボ、リアルインパクトといった面々。人気馬がきわめてアテにならないレースであり、ここの取捨選択が勝負の分かれ目と言えそうだ。

 まずはドナウブルーだが、こちらは牝馬であることと、出走間隔が中10週と開いているのが懸念材料。実績が実績だけに軽くは扱えないが、かといって全幅の信頼も置きかねるという悩ましい存在となった。それとは対照的に、買い材料が豊富でマイナス面もとくに見当たらないのがマウントシャスタ。前走は勝ち馬のキレに屈したが、「芝マイルのオープン特別を1番人気2着」という臨戦過程は最良と言えるもの。期待に応えられる背景の持ち主だ。

 買い材料もないが消し材料もないのがガルボ。とはいえ、コース適性や地力の高さは証明済みであり、臨戦過程も決して悪くはない。リアルインパクトも同様のパターンだが、こちらは馬体重500キロ以上で出走する可能性が高いのが気がかり。評価に序列をつけると、マウントシャスタ、ガルボ、ドナウブルー、リアルインパクトの順となる。ハッキリ「買い」と言えるのは、マウントシャスタだけである。

 それ以外では、ダイワマッジョーレがデータ分析からの注目馬。マイナス材料はなく、それでいて臨戦過程などプラス材料が目立っている。好位〜中団から差す競馬は安心して見ていられるし、多少なりとも荒れる前提で買うなら、ここから入るのが断然オススメだ。あとは押さえでクラレント、スマートシルエット、トライアンフマーチ、フレールジャックまで。

■きさらぎ賞(G3・京都芝1800m)フルゲート16頭/登録12頭
 登録馬の段階でわずか12頭と、今年は少頭数で開催されそうなきさらぎ賞。ゆりかもめ賞やビオラ賞への重複登録馬がいることを考えると、今年は10頭以下でのレースとなる可能性が高そうだ。

 では、このレースを勝つ上でのいくつかの必要条件を使って、登録馬をふるいにかけていこう。まずは、前走での「単勝オッズ」をチェック。単勝6.9倍以下の人気を集めていた馬はトータル[8-9-6-40]で連対率27.0%という高いアベレージを誇っている。対照的に、前走での単勝オッズが7.0倍以上だった馬はトータル[1-1-4-46]で連対率3.8%と大不振。となると、インパラトールやアドマイヤドバイは意外に怪しい。

 あとは、前走で新馬&未勝利を「2番人気以下」で勝ち上がっていた馬や、前走ダート戦出走馬も期待薄。また、前走での上がり順位が「4位以下」だった馬も、トータル[2-3-3-45]で連対率9.4%とイマイチな結果に終わっている。

 さらに、きさらぎ賞の3番人気以内馬が過去10年[8-6-4-12]と圧倒的な好成績をあげており堅く決まる傾向が非常に強いこと、ラジオNIKKEI杯2歳S組がしっかり結果を残していること、前走マイル以下戦出走馬よりも前走1800m以上戦出走馬のほうが格段に高信頼度であることなども判断材料となる。

 データ分析から推奨するのは、ラストインパクトマズルファイヤーリグヴェーダバッドボーイの4頭。今年も荒れることは考えづらいので、この組み合わせからさらに絞り込んだ買い目で勝負したいところだ。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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