「去年の思い出は、やっぱり阪神大賞典が1番ですね。今年の目標はオルフェーヴルとダノンバラードを真っ直ぐ走らせることです」(最多賞金獲得の池江泰寿調教師)
「去年1番印象に残っているのは、ルーラーシップが有馬記念のゲートで立ち上がったこと。ゲートの中で種馬の練習をしないでほしい」(最多勝利の角居調教師)
「(自分は)2012年最多審議対象騎手だと思う。今年の抱負は、斜行・蛇行しないで馬たちをゴールまでエスコートすることです」(最多勝利と最多賞金獲得の岩田騎手)
これらはすべて、先日のJRA賞表彰式で、ご本人が語った言葉(一部省略)です。
でもこれ、裏を返せば、去年の中央競馬は、真っ直ぐ走らなかったりまともにゲートを出なかったりする馬と、馬を真っ直ぐ走らせられない騎手によって席巻されていた、ってことになりませんか?
アッ、私は決して3人の方々をケナそうとしているわけではありませんよ(私だって“よく噛む”アナウンサーですから)。阪神のマートン選手が「アイ・ドント・ライク・ノウミサン」と語って“問題”となり、さらにこれが大学の“入試問題”に引用されて話題になりましたね。それと同じく、先の私の話もちょっとした“ジョーク”。なので、サラッと流してくださるようお願いします。
それはさておき、「癖ある馬に能あり」ということわざがあります。他者とは違う“フツウじゃないところ”があるからこそ、卓越したパフォーマンスを披露できる。今の競馬は、そういう“能ある癖馬”がいるからおもしろい、とも言えるはずです。
ただ、真っ直ぐ走らないこともある馬と、それを御しきれないこともある騎手(どんなに注意していても、という場合も含みます)がいるかぎり、今年のAJCCみたいなことは今後も起きると覚悟しなければなりません。そこであえて“問題発言”級の大胆な提言をさせていただきます。
馬券の払戻は、“後検量”に問題がなければ、走行妨害による降着、失格の有無にかかわらず、すべて到達順位に従って行う、としたらいかがでしょう?
レース確定後に禁止薬物の検出で着順変更があっても、馬券の払戻は当初の着順をもとに行われますよね?走行妨害も、これと同じ扱いにしちゃうんです。
他馬の進路をふさぐような斜行があった場合はひとまず審議の対象とし、それが着順変更または失格にあたるものかどうかは、あとでじっくり時間をかけて結論を出す。そのほうがスムーズに事が運ぶんじゃないですか?
「それじゃぁ、日本ダービーの後、すぐに表彰式が行われない時もある?」。そう、それは仕方ありません。表彰式のためにレースをやっているわけじゃないんですから。まぁこれって、“問題発言”どころか、“天下の暴論”なんですけどね。