■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録24頭
【特注必見データ!】 〜コースデータから〜
・東京ダ1600m 枠番別成績(16頭立て)
[1枠] 連対率 7.2% 複勝率13.4%
[2枠] 連対率11.0% 複勝率18.3%
[3枠] 連対率11.2% 複勝率16.0%
[4枠] 連対率14.9% 複勝率22.9%
[5枠] 連対率14.8% 複勝率19.5%
[6枠] 連対率14.3% 複勝率20.5%
[7枠] 連対率11.1% 複勝率19.3%
[8枠] 連対率16.4% 複勝率21.1%
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[1枠〜2枠] 連対率 9.1% 複勝率15.8%
[3枠〜6枠] 連対率13.8% 複勝率19.7%
[7枠〜8枠] 連対率13.8% 複勝率20.2%
・東京ダ1600m 上がり3F順位別成績(16頭立て)
[1位] 連対率50.7% 複勝率65.1% 複勝回収率262%
[2位] 連対率39.0% 複勝率56.4% 複勝回収率232%
[3位] 連対率31.5% 複勝率43.2% 複勝回収率183%
ダートとしてはかなり「異色」のコースと言える東京ダ1600m。ここまで瞬発力が要求されるダートコースはきわめてまれで、同じ直線の長いダートであっても、新潟などとは要求される適性が大きく異なっている。まずは、このコースの特徴でもある「芝スタート」の影響から解説しておこう。
バックストレッチの引き込み線にある芝コースの部分からスタートするが、この部分を長く走れるメリットというのはかなり大きく、大外枠である8枠が最も好成績となっている。対照的に最も成績が悪いのが内枠で、中枠や外枠に対して複勝率ベースで5%前後という大差が出ている。外枠の馬が内にプレッシャーをかけながらポジションを取りに行くため、イメージ以上に内がゴチャつくのだろう。これは、同じ芝スタートである中山ダ1200mでも見られる現象だ。
そういったクセの強いコースでありながら、先行力や持久力よりも「瞬発力」を要求してくるのが面白いところである。次項にあげたのは当コースにおける上がり3F順位別成績だが、これを見ればいかに特殊なダートコースかが一目瞭然。机上の空論になるが、要するに「速い上がりを使える馬」を買っているだけで大儲けできるのだ。
つまり買うべきは、中枠〜外枠から好位〜中団のポジションが取れて、それでいて速い上がりを使えるような馬。まずはこのイメージを頭に入れてから、取捨選択を進めていきたい。
【コース基本情報】東京ダ1600m
・コース回収率
[堅い] 単勝58%・複勝79% 1番人気馬が1着馬の33.2%を占める大活躍
・馬連万馬券出現率
[高め] 15.0%(平均値△3.0% 馬連平均配当6591円)
・脚質別信頼度
先行>逃げ>>差し>追込 上級条件でも勝率・連対率ともに先行勢優勢
・推定ラップ&タイム
[底力] 34.8-24.9-35.8=1.35.5 1000m通過が60秒を切る序盤から厳しい流れ
目立っているのが1番人気馬の強烈なまでの強さ。勝率33.2%というのは尋常ではない数値で、コース全体の単勝回収率が58%と低いのも、これが原因となっている。しかし、馬連万馬券の出現率は全体平均よりも格段に高く、「頭は堅いがヒモが荒れる」決着パターンを狙い撃つのがオススメ。逆に、人気薄を1着に固定した馬券はかなり買いづらい。
きわめて瞬発力の要求度が高いコースだというのは、冒頭で解説したとおり。しかし、芝とは違って直線一気はそうそう決まるものではなく、軸馬は最低でも中団の位置を取れる馬からチョイスしたいところ。ちなみに、4コーナーを10番手以内で回った馬の複勝率は23.6%だが、10番手以下で回った馬のそれは10.1%と、信頼度は半分以下である。
序盤から厳しいラップが刻まれるのは、G1なので当然といえば当然。前半3Fよりも上がり3Fのほうが1秒前後は遅くなる前傾の流れとなるため、最後まで踏ん張れる底力が必要不可欠となる。
【レース基本情報】フェブラリーS(G1) 東京過去9回
・レース平均配当
単勝716円 馬連2659円 3連複6271円
・1番人気馬成績
[6-0-1-2] 勝率66.7% 連対率66.7%・複勝率77.8%
・3番人気以内馬成績
[7-5-4-11] 勝率25.9% 連対率44.4%・複勝率59.3%
・10番人気以下馬成績
[0-0-1-60] 連対率0%・複勝率1.6%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 22.2% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 11.1%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 7.4% [先行] 40.7% [差し] 37.0% [追込&まくり] 14.8%
・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
[牡馬] 9-9-9-110 連対率13.1% 複勝率19.7%
[牝馬] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
・年齢別成績
[4歳馬] 3-4-1-28 連対率19.4% 複勝率22.2%
[5歳馬] 4-1-2-18 連対率20.0% 複勝率28.0%
[6歳馬] 2-1-4-34 連対率 7.3% 複勝率17.1%
[7歳以上馬] 0-3-2-35 連対率7.5% 複勝率12.5%
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[5歳以下] 7-5-3-46 連対率19.7% 複勝率24.6%
[6歳以上] 2-4-6-69 連対率 7.4% 複勝率14.8%
・枠番別成績
[1枠] 0-1-1-15 連対率 5.9% 複勝率11.8%
[2枠] 1-2-1-14 連対率16.7% 複勝率22.2%
[3枠] 0-0-2-16 連対率 0% 複勝率11.1%
[4枠] 0-2-0-16 連対率11.1% 複勝率11.1%
[5枠] 1-2-1-13 連対率17.6% 複勝率23.5%
[6枠] 2-0-1-15 連対率11.1% 複勝率16.7%
[7枠] 1-2-0-15 連対率16.7% 複勝率16.7%
[8枠] 4-0-3-11 連対率22.2% 複勝率38.9%
・厩舎所属別成績
[美浦] 0-1-2-21 連対率 4.2% 複勝率12.5%
[栗東] 9-7-7-85 連対率14.8% 複勝率21.3%
・前走クラス別成績
[前走中央G1] 4-0-0-8 連対率33.3% 複勝率33.3%
[前走中央G2] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
[前走中央G3] 3-1-4-75 連対率 4.8% 複勝率 9.6%
[前走交流GR] 2-7-5-21 連対率25.7% 複勝率40.0%
・注目出走パターン
[買い] 前走交流重賞で3番人気以内かつ3着以内(複勝率42.1%)
[買い] 前走で最速の上がりをマーク(連対率30.8%、複勝率46.2%)
[買い] 8枠に入った前走3着以内馬(複勝率55.6%)
[全滅] ダート替わりでの出走(トータル[0-0-0-18])
[不振] 前走1着馬と前走ダートG1出走馬をのぞく6歳以上馬(複勝率4.0%)
[不振] 前走4着以下馬(連対率2.8%、複勝率5.6%)
[不振] 前走6番人気以下馬(連対率0%、複勝率5.3%)
[不振] 騎手の乗り替わり(連対率3.4%)
1番人気馬が[6-0-1-2]ときわめて堅調なのもあって、平均配当は単勝716円、馬連2659円、3連複6271円とかなり低め。近走成績が素直に結果へと結びついている印象で、10番人気以下馬は[0-0-1-60]と壊滅状態だ。前走大敗からの巻き返しは期待薄と考え、シュアなバッティングを心がけたほうがいい。
コースデータ同様に目立っているのが、8枠に入った馬の驚異的な強さ。単なる偏りでは済まされないほどの好成績で、前走3着以内馬が8枠に入った場合の複勝率は55.6%にものぼる。まだ枠番確定前なので何とも言えない部分はあるが、「ひとケタ人気馬はとりあえず押さえる」くらいに思っておいていいくらいだ。
年齢別では、6歳以上馬よりも5歳以下馬のほうが格段に好成績。あとは、関東馬がトータル[0-1-2-21]と期待薄なのも顕著な傾向だと言える。ローテに関しては、最も信頼できるのが「JCダート連対からの直行」なのだが、今年は残念ながら該当馬なし。となると、注目出走パターンにあげた「前走交流重賞で3番人気以内かつ3着以内」の馬を高評価したくなる。今年コレに該当するのは、ワンダーアキュートただ1頭である。
それ以外にも、取捨選択の材料はかなり豊富なレース。「前走3着以内」ならびに「前走5番人気以内」が馬券絡みの必要条件なので、これを満たせないような馬は積極的に消していったほうがベター。ダート替わり、騎手の乗り替わりも大幅割引の対象だ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
ペース次第で前も残るし差しも決まるフラットな状況。
・天候予測
降雪は気にする必要なさそうだが厳しい冷え込み。凍結防止剤の散布状況に注意。
・勝利数トップ種牡馬
クロフネ 勝率9.3% 連対率16.3% 複勝率21.9%
・著者の注目血統
Bold Ruler系種牡馬の産駒、母父サンデーの配合馬
ダートでもあり馬場のバイアスをそれほど気にする必要はなさそうだが、この週末の東京は冷え込みが非常に厳しく、凍結防止剤の散布がありそう。この影響で時計のかかる馬場となる可能性もあるので、土曜日〜日曜午前中のレース結果は必ずチェックしておきたいところだ。
種牡馬別では順当にキングカメハメハ産駒やシンボリクリスエス産駒を上位に評価。あとはネオユニヴァース産駒、マンハッタンカフェ産駒も堅調である。それ以外では、出走数は少ないが期待値が非常に高いBold Ruler系種牡馬の産駒と、連対率・複勝率がともに高い母父サンデーの配合馬をプラスに評価。前者の該当馬はテスタマッタ、後者に該当するのはヤマニンキングリーである。
★総論×各論
まずは、最も悩ましいであろうカレンブラックヒルの扱いから。これだけの実績馬だけにむげには扱えないが、ダート替わり、しかも初ダートでの出走となると、データ面での買い要素は皆無。「適性がわからない以上は判断しようがない」というのが素直なところで、アッサリ勝たれても不思議ではないが、ここは潔く無印評価とした。
データ分析からの上位評価馬は、ワンダーアキュート、ガンジス、シルクフォーチュン、ホッコータルマエ、グレープブランデー、マルカフリートという順番。上位人気が予想されるイジゲンとテスタマッタは、マイナス材料が目立っており無印評価にとどまった。現時点では、ワンダーアキュートとガンジスの2頭が軸候補。そして単穴(▲)にシルクフォーチュンといったところか。
あとは枠番次第、人気次第だが、どの馬が8枠に入るかは予想する上で非常に重要となるファクター。また、昨年のような「追い込み馬のワンツー決着」はそうそう出るものではなく、前々で決着する可能性のほうが圧倒的に高いことも、しっかり頭に入れておきたい。
■小倉大賞典(G3・小倉芝1800m)フルゲート16頭/登録31頭
ローカルのハンデ重賞らしく、平均配当は単勝2077円、馬連7201円、3連複1万3250円と波乱傾向。小倉で行われた過去9回のうち、3番人気以内馬が2勝しかしていないのだから、それも当然といえば当然か。
まずはハンデについてだが、斤量53キロ以下馬は[1-0-0-32]とほぼ壊滅状態。04年に4歳牝馬のメイショウバトラーが51キロで逃げ切ったのを最後に、1頭も3着にすら入れていない。対照的に重いハンデを背負った馬は全体的に好調。つまり、ハンデ戦ではあるが「背負っていれば背負っているほど強い」傾向にあるレースなのである。
また、高齢馬が不思議なほど強く、よく穴をあけるのも特徴。4歳〜5歳馬と6歳以上馬で比較すると、連対率や複勝率はほとんど変わらないのだが、回収率は大違い。ここは「人気薄の6歳以上馬」を1着に固定した馬券が面白そうだ。
具体的には「前走重賞に5番人気〜9番人気で出走して6着以下だった6歳以上」の人気薄がオススメ。さらに、騎手が乗り替わるパターンのほうが圧倒的に期待できること、前走ハンデ戦「以外」の組に人気薄での激走例が目立つことなども加味して考えると、ここはマルカボルト、シルクアーネストの2頭が注目株。あとはヒットザターゲット、ゲシュタルトあたりも侮れない。
■ダイヤモンドS(G3・東京芝3400m)フルゲート16頭/登録26頭
小倉大賞典と同じくハンデ戦だが、こちらは軽ハンデ馬がガンガン突っ込んでくるという、じつに「らしい」レース。前走重賞組が[2-1-4-49]で複勝率12.5%と大苦戦しているのを尻目に、前走OP特別&条件戦組が[7-8-5-56]で複勝率26.3%と走りに走っているのも、このレースの大きな特徴と言える。
このレースで最も注目したいのが「関東馬」である。馬券に絡んだ馬は関西馬のほうが多いのだが、こと人気薄での激走馬については、関東馬のほうが圧倒的優勢。「前走重賞以外に出走していた関東馬」に限定すると、トータル[3-5-3-23]で複勝率32.4%、単勝回収率683%、複勝回収率270%という、とんでもない数値が出現。4歳〜6歳であれば、その期待度はさらに高まる。
あとは小倉大賞典と同様に、騎手が乗り替わると激走率がグンと高まるのも顕著な傾向。これらの条件をキッチリ満たすのがコスモヘレノス、サクセスパシュート、ノーステアの3頭で、あとはラッキーバニラ、マイネルマークも面白い存在。人気の中心となりそうなジャガーメイルを果敢に蹴飛ばして、ここは穴馬を徹底的に狙い撃ちたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象