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ここは穴党の出番か!?/中山記念

  • 2013年02月20日(水) 18時00分
■中山記念(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録20頭
【コース基本情報】中山芝1800m
・コース回収率
 [堅め] 単勝63%・複勝71% フルゲートでの1番人気馬は驚異的な勝率を誇る

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 15.5%(平均値△3.5% 馬連平均配当5468円)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [外枠劣勢] 内枠11.9%・中枠14.9%・外枠8.3%

・脚質別信頼度
 差し>先行≧逃げ>追込 上級条件では差し脚質の馬券絡みが最も多い

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 36.3-36.1-35.0=1.47.4 勝負所から一気に加速する瞬発力勝負の流れ

 非常に紛らわしいのが、16頭立てのレースにおける1番人気馬の成績。トータル[11-2-3-5]で勝率52.4%、複勝率76.2%という驚異的な成績は普通に考えたら「買い」だ。しかし、この11勝はすべて新馬&未勝利にて記録されており、500万下〜重賞では[0-1-3-4]と未勝利で、連対率も12.5%に過ぎないのである。実際には、複勝率は高いが勝率や連対率はさほど高くないと考えるべきだろう。

 内回りとはいえ中山でもあり、枠番については内枠有利&外枠不利と考えてよさそう。データでは中枠が最も高信頼度となっているが、実際には内枠〜中枠であればオーケーで、7枠〜8枠に入ると厳しいといった認識で問題ないはず。とくに、8枠はかなりの割引材料だと思っておいたほうがいい。

 序盤〜中盤が意外に緩み、対照的に上がりが速い展開となることの多いコース。要求されるのは持久力よりも瞬発力といった印象で、瞬発力勝負になる頻度はイメージよりもかなり高い。「差し→先行」や「差し→差し」での決着パターンが最も想定しやすいので、それを念頭に馬券を組み立てたい。

【レース基本情報】中山記念(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝969円 馬連3865円 3連複1万1989円

・1番人気馬成績
 [4-1-1-4] 勝率40.0% 連対率50.0%・複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-4-4-16] 勝率20.0% 連対率33.3%・複勝率46.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-0-41] 連対率4.7%・複勝率4.7%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 30.0% [先行] 30.0% [差し] 40.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 20.0% [先行] 36.7% [差し] 16.7% [追込&まくり] 26.6%

・性別成績(セン馬は牡馬に含む)
 [牡馬] 10-10-9-102 連対率15.3% 複勝率22.1%
 [牝馬] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%

・年齢別成績
 [4歳馬] 3-2-2-22 連対率17.2% 複勝率24.1%
 [5歳馬] 1-2-4-20 連対率11.1% 複勝率25.9%
 [6歳馬] 2-5-1-24 連対率21.9% 複勝率25.0%
 [7歳以上馬] 4-1-3-37 連対率11.1% 複勝率17.8%

・枠番別成績
 [1枠] 2-3-0-8 連対率38.5% 複勝率38.5%
 [2枠] 3-1-2-8 連対率28.6% 複勝率42.9%
 [3枠] 1-2-1-11 連対率20.0% 複勝率26.7%
 [4枠] 1-0-1-12 連対率 7.1% 複勝率14.3%
 [5枠] 1-2-2-13 連対率16.7% 複勝率27.8%
 [6枠] 0-0-2-17 連対率 0% 複勝率10.5%
 [7枠] 2-1-0-17 連対率15.0% 複勝率15.0%
 [8枠] 0-1-2-17 連対率 5.0% 複勝率15.0%
 ───────────────────────
 [1枠〜3枠] 6-6-3-27 連対率28.6% 複勝率35.7%
 [4枠〜5枠] 2-2-3-25 連対率12.5% 複勝率21.9%
 [6枠〜8枠] 2-2-4-51 連対率 6.8% 複勝率13.6%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 7-3-6-63 連対率12.7% 複勝率20.3%
 [栗東] 3-7-4-40 連対率18.5% 複勝率25.9%

・前走クラス別成績
 [前走G1] 4-3-2-12 連対率33.3% 複勝率42.9%
 [前走G2] 0-1-2-14 連対率 5.9% 複勝率17.6%
 [前走G3] 5-6-5-56 連対率15.3% 複勝率22.2%
 [前走OP特別] 1-0-1-18 連対率5.0% 複勝率10.0%
 [前走条件戦] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%

・注目出走パターン
 [買い] 前走重賞で4番人気以内かつ4着以内(複勝率39.4%)
 [買い] 前走中央G1に出走(連対率43.8%)
 [買い] 前走ひとケタ人気の距離延長組(複勝率41.7%)
 [買い] 前走芝マイル戦で5番人気以内(複勝率50.0%)
 [不振] 前走で東西金杯以外のハンデ戦に出走(連対率4.3%)
 [不振] 前走で2000m以上戦に出走の7歳以上馬(複勝率9.1%)
 [不振] 前走3着以内の斤量57キロ馬(連対率3.4%)
 [不振] 前走芝2000m戦で2着以下(複勝率7.1%)

 1番人気馬は[4-1-1-4]と高信頼度だが、3番人気以内馬の[6-4-4-16]という成績を見てもわかるように、そこまで人気サイドが強いレースではない。また、今年は斤量57.5キロ以上を背負うような実績馬が不在。意外に波乱含みなのではないかというのが、登録メンバーを見ての印象だ。

 コースデータと傾向が大きく異なるのが脚質面で、前有利&内枠有利の傾向が顕著。過去10年の勝ち馬はすべて4コーナーを6番手以内で通過しており、逃げ馬が3勝5連対と好成績なのも特徴的だ。枠番は「内であればあるほどベター」で、1枠〜3枠に入った馬は複勝率35.7%という高信頼度。内枠の先行馬は絶対に要チェックである。

 注目出走パターンは8項目をあげたが、有馬記念からのローテをのぞき「前走マイル以下組が強く、前走1800m以上組が弱い」というのが目立った傾向。単純に前走距離別で比較しても、前走マイル以下組が[5-5-7-31]で複勝率35.4%であるのに対して、前走1800m以上組は[5-5-3-72]で複勝率15.3%と、数値に2倍以上もの大差が出ている。どちらを高く評価すべきかは言うまでもないだろう。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 1回中山のダメージも回復して良好な馬場コンディションに。

・天候予測
 週末の降雨や降雪はなさそう。良馬場前提の予想で問題なし。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率21.4% 連対率40.5% 複勝率47.6%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ジャングルポケット産駒、母父サンデー

 瞬発力要求度の高いコースというのもあって、ディープインパクトを筆頭にハーツクライなど、サンデー系のキレが前面に出た種牡馬の産駒が絶好調。なかでもディープ産駒の成績は素晴らしく、連対率40.5%という驚異的な成績を残している。もう、これだけで重い印を打ちたくなってしまうほどだ。

 それ以外では、連対率23.1%、複勝率28.8%をマークしているジャングルポケット産駒や、複勝率32.6%、複勝回収率105%と期待値が高い「母父サンデー」の配合馬もプラス評価の対象。ステイゴールド産駒やマンハッタンカフェ産駒は、当コースではマズマズといったところか。血統面では、ダノンバラード、トーセンレーヴ、リアルインパクト、ダイワファルコン、シルポート、スマイルジャックの6頭をプラス評価の対象とした。

★総論×各論
 人気を集めそうなのは、中山実績で勝るナカヤマナイトとダイワファルコンに、重賞を制して勢いに乗るタッチミーノット、ダノンバラードの4頭。抜けた人気を集める馬は見当たらず、かなりオッズの割れた混戦となりそうな雰囲気。また、データ分析の結果も、波乱の可能性が大と出た。

 最も高い評価となったのはリアルインパクト。前走の東京新聞杯ではいいところなく11着に惨敗したが、昨年秋のマイルCSで僅差5着に食い込んでいるように、その能力に陰りはない。プラス評価となった項目の多さはナンバーワンで、前走の大敗で大きく人気を落としそうな今回こそが、絶好の狙い目だと言える。

 それに続くのも、ソコソコ人気薄となりそうなトーセンレーヴシルポート。その次にようやく、人気サイドのナカヤマナイトとなった。ここまでの4頭が、このレースにおけるデータ分析の上位評価馬である。あとは押さえでダイワファルコン、タッチミーノット、アンコイルド、サンディエゴシチーまで。マイナス材料が目立つダノンバラードについては、現時点では「消し」が妥当と考えている。

 あとは、内枠と外枠にどの馬が入るか次第。上位評価組の4頭がうまく内枠を引き当てた際には、思い切ってガツン!と勝負するのもアリだ。馬券的にもかなり面白いレースになりそうなので、今から当日が楽しみである。

■阪急杯(G3・阪神芝1400m)フルゲート16頭/登録45頭
 スプリント界の王者ロードカナロアがここから始動というのもあって、例年以上に注目が集まりそうな阪急杯。阪神Cを連覇して臨むサンカルロや紅一点のエピセアロームなど、出走馬のレベルもかなり高い一戦となった。

 まずは全体的な傾向だが、06年にブルーショットガンが11番人気で1着に来たのをのぞき、人気薄の好走例は皆無。06年以降の過去7回で、8番人気以下馬はトータル[1-0-0-61]と低調な結果に終わっている。阪神芝1400mはかなり波乱含みのコースなのだが、このレースに関しては素直に人気馬を狙うべきだと言える。

 年齢別では、5歳以下馬の信頼度が[6-5-5-37]で複勝率30.2%と圧倒的。6歳以上馬が[2-1-2-53]で複勝率8.6%であるのと比較すれば、その優秀さは明らかである。また、ハイレベルな一戦でもあり、前走で重賞以外に出走していた馬は大幅割引。阪神Cからの休養明け、もしくは中2週〜中3週のローテで順調に出走してくる馬を狙いたい。

 あとは「前走3番人気以下のサンデー系」が全滅していることや、開幕週でもあり1枠〜2枠が異様に強いことも重要な予想ファクター。割引材料がまったくないロードカナロアを筆頭に、サンカルロスギノエンデバーレオアクティブまでの4頭を上位評価組としたい。割引材料が多いエピセアロームは軽視する方向で。

■アーリントンC(G3・阪神芝1600m)フルゲート16頭/登録15頭
 現在の開催条件となってから今年で7年目だが、堅く決着したのは07年くらいのもの。1番人気馬は過去6年で[0-2-0-4]と大きく負け越しており、対照的に8番人気以下馬は[0-3-2-36]と5頭も馬券に絡む活躍を見せている。10番人気以下馬もガンガン突っ込んできているのだから、かなり波乱含みと言えよう。

 8番人気以下で激走した馬に共通する面白いデータとして紹介したいのが、前走1着馬でも前走10番人気以下馬でもダメ、ということ。つまり「前走ひとケタ人気で2着以下だった人気薄」が狙い目なのだ。この条件に該当する馬は複勝率20.8%、複勝回収率252%という、かなり高い期待値となっている。前走1400m以下戦出走組の穴馬がイマイチなのを考えると、今年はヤマノレオレッドジャイヴの2頭に激走を期待したい。

 重賞からのローテで出走する馬に関しては、前走での「上がり3F順位」をチェック。前走での上がり3位以内馬は[1-2-0-0]とパーフェクト連対を達成しており、その信頼度はきわめて高い。対照的に、上がり順位4位以下馬は[1-1-4-17]とイマイチ。こちらは、前走マイル以下戦で先行していた馬でないと厳しい。よって、今年の登録馬ではレッドアリオンカオスモスの2頭が「買い」という結論となる。

 あとは当然、前走500万下を好内容で圧勝したコパノリチャードも注目株。とくに割り引くようなポイントは見当たらず、好走期待度はかなり高そうだ。以上、人気サイド3頭、人気薄2頭がデータ分析からの注目馬。オッズ次第だが、人気薄の2頭が馬券に絡むかたちのフォーメーションをオススメしておきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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