スマートフォン版へ

信頼すべきは断然あの馬!/弥生賞

  • 2013年02月27日(水) 18時00分
■弥生賞(G2・中山芝2000m)フルゲート16頭/登録15頭

【コース基本情報】中山芝2000m Aコース使用
・コース回収率
 [堅め] 単勝57%・複勝68% 10番人気以下馬は連対率1.7%と低空飛行

・馬連万馬券出現率
 [標準] 12.7%(平均値△0.7% 馬連平均配当5303円)

・枠番別連対率(15〜16頭立て)
 [中枠優勢] 内枠11.9%・中枠13.6%・外枠11.8%

・脚質別信頼度
 先行>差し>>逃げ>追込 上級戦では逃げ馬の信頼度が意外なほど低い

・推定ラップ&タイム
 [中緩み]36.0-51.4-35.4=2.02.8 中盤が緩く勝負所で一気に加速。瞬発力必須。

 枠番などによる影響が大きく、結果に自然と紛れも多くなる中山芝コース。しかし、中山芝2000mは回収率がきわめて低いコースであり、人気サイドによる堅い決着が非常に多い。15頭立て以上のレースに限定したデータにおける10番人気以下馬は、連対率1.0%、複勝率2.6%と超期待薄。馬連万馬券の出現率はけっして低くはないが、基本的には「来ても中穴まで」と考えたほうがいい。

 また、イメージよりも格段に「内枠有利&外枠不利ではない」というのも押さえておきたいポイント。スタートから最初のコーナー進入までそれなりに距離があるので、外枠からの先行でもさほど無理をせずに済むのだろう。最も期待できるのは4枠〜6枠あたりの「中枠」で、複勝率、回収率ともに高め。ここに入った馬は、ほんの少しプラスに評価しておきたい。

 最も信頼できるのは先行脚質で全体的に先行優勢ではあるのだが、上のクラスになると意外に逃げ粘れないという点に注意。ハナに行く馬ではなく、好位から競馬できる馬を上位評価したい。中盤が緩む傾向にあるコースでもあり「好位から早めに抜け出して1着」というのが、いちばん期待できるパターン。「先行→先行」や「先行→差し」での決着を想定した上で、予想を進めたい。

【レース基本情報】弥生賞(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝523円 馬連2268円 3連複7957円

・1番人気馬成績
 [6-1-0-3] 勝率60.0% 連対率70.0%・複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [9-5-2-14] 勝率30.0% 連対率46.7%・複勝率53.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-30] 連対率0%・複勝率0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 40.0% [差し] 20.0% [追込&まくり] 30.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 40.0% [差し] 33.3% [追込&まくり] 20.0%

・枠番別成績
 [1枠] 1-1-1-8 連対率18.2% 複勝率27.3%
 [2枠] 2-2-1-7 連対率33.3% 複勝率41.7%
 [3枠] 2-3-1-7 連対率38.5% 複勝率46.2%
 [4枠] 0-1-1-12 連対率 7.1% 複勝率14.3%
 [5枠] 1-1-2-10 連対率14.3% 複勝率28.6%
 [6枠] 2-0-0-14 連対率12.5% 複勝率12.5%
 [7枠] 0-1-3-16 連対率 5.0% 複勝率20.0%
 [8枠] 2-1-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
 ───────────────────────
 [1枠〜3枠] 5-6-3-22 連対率30.6% 複勝率38.9%
 [4枠〜8枠] 5-4-7-68 連対率10.7% 複勝率19.0%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 3-3-7-49 連対率 9.7% 複勝率21.0%
 [栗東] 6-7-3-39 連対率23.6% 複勝率29.1%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 2-2-3-5 連対率33.3% 複勝率58.3%
 [前走中央G3] 7-4-6-29 連対率23.9% 複勝率37.0%
 [前走OP特別] 1-0-0-8 連対率11.1% 複勝率11.1%
 [前走500万下] 0-2-1-34 連対率5.4% 複勝率8.1%
 [前走新馬未勝利] 0-2-0-8 連対率20.0% 複勝率20.0%
 ─────────────────────────
 [前走中央重賞] 9-6-9-34 連対率25.9% 複勝率41.4%
 [前走それ以外] 1-4-1-56 連対率 8.1% 複勝率 9.7%

・注目出走パターン
 [買い] 前走朝日杯FSで3番人気以内(複勝率66.7%)
 [買い] 前走中央重賞で1着(連対率44.4%、複勝率55.6%)
 [買い] 1枠〜3枠に入った前走中央重賞出走馬(連対率45.0%)
 [全滅] 前走ダート戦に出走(0-0-0-20)
 [不振] 前走、京都以外の競馬場で500万下に出走(複勝率3.4%)
 [不振] 前走2番人気以下かつ6着以下(連対率0%、複勝率15.0%)
 [不振] 騎手が乗り替わる前走G1以外出走馬(勝率2.0%)
 [不振] 前走重賞以外で上がり3F順位1位〜2位(複勝率11.1%)

 1番人気馬の好成績もさることながら、圧巻なのが[9-5-2-14]という3番人気以内馬の成績。対照的に10番人気以下馬は1頭も馬券に絡めておらず、平均配当は単勝523円、馬連2268円という非常に低いものとなった。波乱傾向はまったく見受けられず、あっても2着か3着に中穴が来る程度と考えるべきだ。

 先のコースデータと傾向が大きく食い違うのが枠番別成績。レースデータでは1枠〜3枠がトータル[5-6-3-22]で複勝率38.9%という突出した信頼度を誇っており、完全に内枠優勢となっている。母数が少ないデータ特有の「偏り」とも考えられるが、ここでは「内枠〜中枠が良くて外枠はイマイチ」と結論づけたい。

 結果に露骨なまでの差が出ているのが、前走クラス別成績。3歳のトップクラスが集うレースであるため、既に重賞で戦ってきた組が[9-6-9-34]と圧倒的に強いのだ。前走条件戦やオープン特別からのローテがまったくダメというわけではないが、この組は馬券に絡んだとしても1頭。どれほど大器と噂されている馬でも、アテにはできない。

 注目出走パターンは8つほどあげたが、弥生賞は基本的に、近走での好成績がものすごく素直に直結するレース。格の高いレースで勝ち負けしてきた実績を、素直に高評価すべきだと言える。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 芝の剥げている部位は見受けられるがおおむね良好。タイムも標準的

・天候予測
 週末にかけて降水確率がやや高めだが、あって稍重程度か。

・勝利数トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率13.6% 連対率25.2% 複勝率35.0%

・著者の注目血統
 キングカメハメハ産駒、ディープインパクト産駒、母父Storm Bird系

 冷え込みの厳しさが影響したのか、2回中山の芝コースは開催初日からところどころに剥げている部位が見受けられた。とはいえ、それなりに速いタイムが計時されているように、馬場コンディション自体は良好な様子。極端なバイアスも感じられず、馬場の影響はそれほど意識せずともよさそうな印象である。

 種牡馬別では、複勝率35.0%のキングカメハメハ産駒、同34.2%のディープインパクト産駒が目立っている。それに次ぐのがネオユニヴァース産駒(同25.0%)、シンボリクリスエス産駒(同25.0%)、ステイゴールド産駒(同22.2%)などだが、こちらは強調するほど良くもないというのが正直なところか。

 意外なところでは、母父Storm Bird系の配合馬が連対率23.8%、複勝率35.7%と好成績。血統の字面だけでいえば「ディープ×Storm Cat」の組み合わせであるキズナが最も推せる存在となる。次点は「キングカメハメハ×サンデー」のコディーノ。

★総論×各論

 ひたすら「堅い」と繰り返す結果となったが、弥生賞はそういった性質のレースなのだから、こればかりは致し方なし。今年も順当に決着する公算が高く、点数をかなり絞り込んだ馬券で勝負する必要がありそうだ。

 筆頭評価はコディーノ。朝日杯FSからのローテという時点で「買い」な上に、割引材料がほとんど見当たらない。あえて言うなら成績がイマイチな関東馬であることがマイナス材料だが、プラス材料の多さはそれを補ってあまりあるほど。血統面での後押しまであるのだから、ここは素直に長いものに巻かれる方向で行きたい。

 逆に、不安が先に立つのがカミノタサハラ。ここも相応に人気となりそうだが、前走500万下に出走、しかも最速上がりでの1着と、かなり危なっかしい部分を抱えている。また、鞍上が乗り替わりとなりそうなのも大きなマイナス材料。こちらについては「無印」での勝負が適当と思われる。また、戸崎ジョッキー騎乗で注目を集めそうなサトノネプチューンも、データ的にはあまり高く評価できない1頭である。

 二番手はキズナで、三番手エピファネイア。ここまでが、高確率で勝ち負けが期待できそうな上位評価組となる。以下、押さえでバッドボーイ、ヘミングウェイ。穴っぽいところを無理やり狙うなら、強調材料はないが大きな割引材料もないミヤジタイガか。いずれにせよ、バットを短く持ったシュアなバッティングを心がけたい。

■チューリップ賞(G3・阪神芝1600m外)フルゲート16頭/登録16頭

 阪神の外回りで開催されるようになって以降の6年、1番人気馬が[3-2-1-0]と馬券圏内を外していないチューリップ賞。弥生賞に負けず劣らずの堅いレースであり、その傾向もかなり似通っている。

 例えば、前走G1組の成績だ。弥生賞でもきわめて高い信頼度を誇っていたが、チューリップ賞でも[2-4-2-1]で連対率66.7%、複勝率88.9%という鉄板級の信頼度。今年は4頭がエントリーしているが、この組が上位を独占してもおかしくないほど。阪神JFの上位人気馬、ならびに好走馬はキッチリ押さえておく必要がありそうだ。

 それ以外の組はローテや前走条件を問わず来ている印象だが、前走6番人気以下馬は[0-0-2-26]と大不振。また、キャリア2戦以下で出走する馬も[0-1-1-15]とイマイチな結果に終わっている。逆に、この組で「買い」となるのが、前走での上がり3F順位1位馬。[3-0-1-11]と3頭の勝ち馬が出ており、強烈な末脚の持ち主であれば勝負になると言える。登録馬でこの条件に該当するのは、ウリウリ、レッドオーヴァルの2頭である。

 面白味に欠ける結論となって申し訳ないが、データ分析からの最上位評価はローブティサージュで、二番手にレッドオーヴァル。押さえもアユサン、ウリウリ、クロフネサプライズ、プリンセスジャックと、かなり順当だ。どのような買い目を構築するかが、勝ち負けを分けるレース。買い目を徹底的に絞り込んだ上で勝負したい。

■オーシャンS(G3・中山芝1200m)フルゲート16頭/登録37頭

 今週の重賞で波乱決着があるとすれば、間違いなくこのオーシャンS。一昨年こそ順当な結果に終わったが、昨年は3連単266万馬券。2番人気以内馬が[2-1-2-9]とまったくアテにならない、かなり波乱傾向の強いレースである。

 その要因となっているのが、前走シルクロードS組の大不振。出走馬が最も多いローテであるにもかかわらず、[0-5-1-45]で連対率9.8%、複勝率11.8%という低空飛行なのだ。この組で買えるのは、シルクロードSで3着〜9着だった「チョイ負け」組くらいのもの。よほどの実績馬でもないかぎり、前走好走馬や惨敗馬はばっさり切り捨ててしまったほうがよさそうだ。

 前走距離別に成績を比較すると、前走1200m組よりも前走1400m組のほうが格段に期待できることが判明。その中心となるのはもちろん、前走で阪神Cに出走していた馬である。また、前走1600m以上戦出走組は3着以内に来た前例ナシ。また、ダート→芝替わりでの好走例もあるというのも、一応は頭に入れておきたい情報だと言える。

 データ分析からの推奨馬は、人気サイドではアドマイヤセプター。そして人気薄では、エーシンヒットマンシュプリームギフトトウショウカズンニシノビークイックの4頭をあげておきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング