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波乱必至の大混戦!/フィリーズレビュー

  • 2013年03月06日(水) 18時00分
波乱必至の大混戦!/フィリーズレビュー

■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m内)フルゲート16頭/登録23頭

【コース基本情報】阪神芝1400m内 Aコース使用
・コース回収率
 [高い] 単勝94%・複勝84% 人気サイドの信頼度低くかなり波乱傾向

・馬連万馬券出現率
 [高い] 18.9%(平均値△6.9% 馬連平均配当7290円)

・枠番別複勝率(14頭立て以上)
 [中枠やや優勢] 内枠18.4%・中枠19.1%・外枠16.6%

・脚質別信頼度
 逃げ>>>先行>差し>>>追込 逃げた馬の強さは圧倒的!

・推定ラップ&タイム
 [前傾]34.3-11.9-36.3=1.22.5 前傾の完全なスプリント戦の流れ

 阪神芝1400mは、全コース中でも有数の波乱コース。馬連万馬券の出現率や馬連平均配当の高さもさることながら、22万2964円という3連単平均配当は圧巻である。つまり「波乱が起きて当然」くらいのスタンスのほうが好結果を呼び込めるコース。人気馬はかなり疑ってかかったほうが良さそうだ。

 枠番別では3枠〜6枠の「中枠」が最も好成績だが、内枠や外枠との差が大きいわけではなく、おおむねフラットと言える内容。枠番についてはそれほど気にする必要はないが、そのぶん「脚質」を気にかけたい。というのも、逃げた馬の勝率や連対率がハンパでなく高いからである。

 完全な前傾でスプリント戦に近いラップが刻まれることもあってか、前に行ける馬であればあるほど有利なコース。ハナに行ける可能性がある馬については、かなりの人気薄であってもマークは必須だ。取捨選択の際には、瞬発力よりも先行力、持久力優先の姿勢で。

【レース基本情報】フィリーズレビュー(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝1255円 馬連5583円 3連複2万4460円

・1番人気馬成績
 [4-2-0-4] 勝率40.0% 連対率60.0%・複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-4-2-17] 勝率23.3% 連対率36.7%・複勝率43.3%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-1-66] 連対率2.9%・複勝率4.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 60.0% [差し] 10.0% [追込] 30.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 43.3% [差し] 26.7% [追込] 30.0%

・枠番別成績
 [1枠] 0-3-0-16 連対率15.8% 複勝率15.8%
 [2枠] 1-1-4-14 連対率10.0% 複勝率30.0%
 [3枠] 1-2-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
 [4枠] 4-1-1-14 連対率25.0% 複勝率30.0%
 [5枠] 1-0-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
 [6枠] 2-0-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0%
 [7枠] 0-1-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
 [8枠] 1-2-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
 ───────────────────────
 [1枠〜4枠] 6-7-6-60 連対率16.5% 複勝率24.1%
 [5枠〜8枠] 4-3-4-69 連対率 8.8% 複勝率13.8%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 3-2-0-19 連対率20.8% 複勝率20.8%
 [栗東] 7-8-10-106 連対率11.5% 複勝率19.1%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 5-1-2-14 連対率27.3% 複勝率36.4%
 [前走中央G3] 2-1-1-30 連対率 8.8% 複勝率11.8%
 [前走OP特別] 2-5-4-27 連対率18.4% 複勝率28.9%
 [前走500万下] 1-3-3-40 連対率8.5% 複勝率14.9%
 [前走新馬未勝利] 0-0-0-12 連対率0% 複勝率0%
 ─────────────────────────
 [前走中央重賞] 7-2-3-44 連対率16.1% 複勝率21.4%
 [前走それ以外] 3-8-7-85 連対率10.7% 複勝率17.5%

・注目出走パターン
 [買い] 前走OP特別&重賞にて着差0秒5以内で2着以下(複勝率31.6%)
 [全滅] 前走で新馬&未勝利戦に出走(0-0-0-12)
 [全滅] 前走500万下のレースで2着以下(0-0-0-14)
 [不振] 前走6番人気以下かつ3着以下(複勝率5.0%)
 [不振] 阪神JFからのローテをのぞくキャリア4戦以下(連対率1.8%)

 コースデータと同様に、フィリーズレビューのレースデータもかなりの波乱傾向。3連複2万4460円、3連単18万7644という平均配当の高さで、馬連が1000円台の配当におさまったのも過去10年で3回しかない。1番人気馬はソコソコ信頼できるのだが、それ以外の人気サイドはかなりアテにならないと考えたほうがいい。

 また、逃げた馬が[0-0-0-10]と1頭も馬券に絡めていないのも特徴的。コースデータとは真逆の結果だが、これはこの時期の3歳牝馬には厳しい流れとなる影響が大きいのかもしれない。また、単なるデータの偏りとも考えられるので「コースデータよりはナンボか差せる」くらいに思っておけば良さそう。好位〜中団のポジションを取れる馬であれば、とくに問題はない。

 枠番別ではかなり内枠優勢で、1枠〜4枠と5枠〜8枠とでは、連対率で2倍近い大差が出ている。今の馬場コンディションから考えても、内枠を引いた馬のほうが有利となるのは間違いなさそうだ。そして最後に、注目出走パターンについて。今年の登録馬は「買い」データの該当馬が非常に少ないため「消し」データ中心となった。例年以上に波乱傾向が強いレースとなる可能性があるので、ホームラン狙いで振り回すのもアリか。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 内回りコースはラチ沿いを先行できる馬に有利な印象。今週も継続しそう。

・天候予測
 週末にかけては気温も高く降雨予報なし。良馬場での開催が濃厚。

・勝利数トップ種牡馬
 クロフネ 勝率16.7% 連対率25.0% 複勝率30.6%

・著者の注目血統
 不安材料としてディープインパクト産駒

 先週のレースや時計を見るかぎり、馬場コンディションは見た目よりも良さそう。とくに内回りコースで行われたレースについては、よく前が残っていた印象である。週末にかけて降雨予報も出ていないことから、今週末も引き続き「前有利&内有利」の馬場でレースが行われる可能性が高い。

 血統面ではクロフネ産駒やグラスワンダー産駒、フジキセキ産駒、母父ダンスインザダークなどの活躍が目立つが、今年の登録馬に該当馬は見当たらず、事実上のノーカウント。ただ、ディープインパクト産駒が[0-2-1-11]と結果を出せていないのは意識する必要がある。平均人気4.5で平均着順7.5というのは、かなり悪い数値。コース適性が高いとは思えず、人気馬でもコロッと負けてなんら不思議ではない。

★総論×各論

 人気となりそうなのは、阪神ジュベナイルFからのローテで出走するサウンドリアーナ、フェアリーSで3着のサンブルエミューズ、紅梅Sで2着に来た実績のあるメイショウマンボなど。とはいえ、どの馬も正直なところ一長一短といった印象で、きわめて難解なレースとなりそうである。

 データ分析からの筆頭評価馬はサンブルエミューズ。阪神ジュベナイルFで8着、フェアリーSで3着という結果はもの足りないが、ここに入ると実績上位であるのも事実。注目出走パターンにあげた「前走重賞&OP特別で僅差負け」という条件を満たしており、それでいて大きな割引材料を持たないというのは大きい。人気サイドで最も信頼に足るのは、この馬だ。

 以下、シーブリーズライフタンスチョキンハイマウンテンナンシーシャインサウンドリアーナといった評価順。ダートで3連勝中のサマリーズやキャリア4戦以下のメイショウマンボは、リターンよりもリスクのほうが大きいと見て、無印評価とした。あとはオッズ次第だが、波乱決着を前提で馬券をどう組み立てるかだけ。内枠を引いた前に行ける馬ならば、かなりの人気薄でも積極的に拾っていきたい。

■中山牝馬S(G3・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録21頭

 人気馬がとことんアテにならないことでおなじみ、中山牝馬S。1番人気[2-0-0-7]、3番人気以内馬[3-2-1-21]という結果を見てもわかるように、人気サイドですんなり決まるようなレースではまったくない。フィリーズレビュー同様に、波乱決着を前提に考えるべきレースだと言えよう。

 ハンデ戦ではあるが、基本的には「背負っている馬」のほうが強いレースで、ハンデ54キロ以上馬を狙ったほうがベター。また、波乱傾向の強いレースとはいえ、前走でも重賞に出走していた組が[8-6-4-69]と圧倒的に強いのも、忘れてはいけないポイントだ。勢いよりも、過去の実績を重視するスタンスで臨みたい。

 年齢別では、[1-5-0-48]と不審な4歳馬を割り引いて、5歳馬や6歳馬を高評価したいところ。あとは、前走でも牝馬限定戦に出走していた馬の扱いも注意すべきだ。前走、牝馬限定戦で5着以内だった馬は複勝率34.4%と悪くない成績なのだが、6着以下馬は[2-0-3-40]で連対率4.4%、複勝率11.1%と超低空飛行。こちらは、大きく割り引いて考えたい。

 となると、人気を集めそうな馬ではスマートシルエットオールザットジャズの2頭がデータ分析の高評価組となり、あとはアカンサス、トシザマキ、メイショウディム、レディアルバローザ、オメガハートランド、マイネイサベルといった評価順に。あとは直前気配などから、穴馬重視の姿勢でふるいにかけて、馬券の対象を絞り込んでいきたい。

■中日新聞杯(G3・中京芝2000m)フルゲート18頭/登録25頭

 中京競馬場のリニューアルにともない、開催時期が春へと移動した中日新聞杯。昨年のレースデータだけで分析など不可能なので、ここはコースデータにおける傾向も加味しながら考えていきたい。

 ホームストレッチの直線が長くなったことで、以前よりも格段に瞬発力要求度が増した中京芝コース。それはコースデータ上にもしっかり現れており、実際に昨年の中日新聞杯でも、前走での上がり3F順位が5位以内だった馬が3着以内を独占している。それ相応の決め脚を持っている馬でなければ、勝ち負けは厳しいと言えるだろう。

 また、ハナに行った馬がサッパリ残れないというのも、当コースの大きな特徴。逃げた馬は[2-0-0-39]とかなり信頼度が低く、先行脚質の連対率18.5%という数値も、他のコースと比較するとかなり低めである。つまり、最も信頼できるのは「中団から差せる近走上がり上位」の馬。また、前走でも2000m戦に出走していた馬や距離延長組よりも、距離短縮組の激走例が多いのもポイントである。

 アドマイヤタイシやトウカイパラダイス、ゲシュタルト、パッションダンスといった好位勢は、最後の直線でキレ負けする可能性アリ。逆に、末脚に秀でたタイプであるジャスタウェイは、トップハンデ57キロでも信頼できそう。距離短縮でもあり、データ的には同馬をトップ評価としたい。

 あとはショウリュウムーン、ジョワドヴィーヴルの牝馬2頭に、サトノアポロ、セイクリッドバレー、ロードオブザリングといった伏兵も侮れない一戦。フミノイマージンも適性は高そうだが、こちらは4ヶ月の休養明けでもあり、仕上がり次第か。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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