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いよいよ人気があるだけで心配だ!

  • 2013年03月14日(木) 12時00分
先週のFレビューは1番人気のサンブルエミューズが11着に大敗した。
先週のコラムで「今年の3歳重賞は人気があるだけで心配だ!」と書いて、ノービジョンで「サウンドリアーナとサンブルエミューズは心配だ!」と叫んでみたけど、そのとおりになってしまった。

--------先週引用----------
今年になって、3歳重賞で1番人気が勝ちにくくなってきてるように感じる。
1番人気が期待に応えたのはシンザン記念のエーシントップとアーリントンCのコパノリチャードのみ。どちらもマイル路線レースだ。
牡馬中距離路線や牝馬戦線では1番人気はすべて負けている。もっといえば2番人気も負けている。もっといえば2番人気は2着が最高で、1番人気は馬券圏内にもいない。
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Fレビューは
1着 3人気
2着 4人気
3着 11人気

1人気 11着
2人気 7着

今年の流れどおり馬券圏内にも入れてない。

ちなみに先週行われた桜花賞トライアルの特別レース・アネモネSは
1着 2人気
2着 3人気
3着 1人気

非重賞のトライアルでも1人気は優先出走権を逃した。

いよいよか。

いよいよこのノリのままに本番へ突入して行くのか?

今週は皐月賞、桜花賞へのトライアルとしては大詰めの週(来週に毎日杯はあるけれど)、いよいよなニギニギ感でいっぱいだ。ひ〜!

というわけで、今週もノービジョンで叫んでみる。

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1番人気ゴールドシップが心配だ!
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おっと間違えた。こっちは阪神大賞典だった。このおっちょこちょいがー!ワハハー!イエー!

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スプリングSはロゴタイプが心配だ!
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フラワーCはカラフルブラッサムが心配だ!
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ついでに若葉Sはメイケイペガスターが心配だ!
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おそらく1番人気になるであろう馬を見繕って心配してみた。
フラワーCのカラフルブラッサムは1番人気になるのかちょっと心配だけど、
ロゴタイプとメイケイペガスターはおそらく1番人気で間違いないか。

ロゴタイプは朝日FSを勝った馬だから強いのは間違いないだろうけど、MデムーロからCデムーロに替っても同じように動く馬なんだろうか?

Cデムーロが20歳にしてイタリアリーディングを独走している逸材であることは知っているけれど、日本での競馬においてはMデムーロとは騎乗スタイルが違うようにも思えるからだ。

それは成績を見れば一目瞭然だ。
Mデムーロ 320−262−208−1320
Cデムーロ 21−26−27−115

M・勝率.152 複勝率.374
C・勝率.111 複勝率.392

1着>2着>3着<着外で基本勝率がいいののがMで、
1着=2着=3着<着外で基本複勝率がいいのがCにも思えるからだ。

Mデムーロの全体成績は過去14年でのもの。一方Cデムーロは去年と今年でのもの。だから一応念のため直近の成績も見比べてみる。
Mデムーロ 去年30−20−17−91
Cデムーロ 今年5−4−8−20 
      去年16−22−19−93

去年のM 勝率.190 複勝率.424
Cは本格参戦してまだ2年目だけど、今年も複勝率.459と前年のキャラどおりの活躍をしている。

日本においては馬券的観点では騎乗スタイルは違うと判断できる(経験値の差とも言えるけど、それが現状だ)。

ロゴタイプはMデムーロが騎乗する前はこんな成績だった。
新馬 芝12 村田 1人気1着
函館2歳 芝12 村田 14人気4着
クローバー賞 芝15 村田 2人気3着
札幌2歳 芝18 村田 8人気4着

村田騎手で1着・4着・3着・4着。
Mデムーロに替って、2連勝。

村田騎手でも掲示板を外したことはなく、堅実な馬である印象はあった。
しかし暮れに朝日Fを勝つような馬なら、もうちょっと勝ち負けしていてもよかった気はする。
誰が騎乗しようともだ。

ゆえに妄察してしまう。
Mデムーロがロゴタイプのポテンシャルを最大に引き出していたということはないか?
Mデムーロの真骨頂は勝率だ。その技術を駆使して2勝したとは言えないか。

一方Cデムーロは現状の日本の競馬では複勝タイプだ。
ポテンシャルの引き出し方が違う可能性もある。

だとすると、3歳中距離路線のトライアル重賞の流れそのままに1番人気敗れる!
そんな心配はできる。

1番人気はすべて圏外に敗れている。
だからロゴタイプも圏外! と言い切りたいけれど、Mデムーロが先行させて開花させたG1ホースでもある。ポテンシャルの引き出し方をCデムーロや関係者に示したとも言える。

弥生賞で4着に敗れたエピファネイアやFレビューで7着に敗れたサウンドリアーナも乗り替った馬だったけれど、この2頭には掛かる心配が公式的に囁かれていた。
ロゴタイプからはそういう話はあまり聞こえてこない。

そのあたりの事情とCデムーロの複勝ポテンシャルに敬意を払うならば3着! 

うむ!我ながら上手い落としどころな気がする!

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フラワーCは暫定でカラフルブラッサムにしてみたけれど、どの馬が1番人気になっても心配だ!

理由は登録全メンバーで1番人気で勝ったことがある馬が前走ダートの未勝利を勝ったリラコサージュ1頭しかいないからだ。
ふつうは新馬・未勝利時の1番人気勝利は参考外にしてしまう。重賞ともなれば、新馬・未勝利での1番人気勝利経験などはあって当たり前だからだ。

しかしカラフルブラッサムもエバーブロッサムも、サクラプレジールもダイワポライトもレッドマニッシュもみんな1番人気勝利経験なし。

っていうか、そもそも1番人気に支持されたことがある馬が少ない。
18頭登録中1番人気になったことのある馬は4頭しかいない。新馬未勝利を含めてだ。しかも4回のみ。つまりみんな1回ずつ。
勝ったのは前述のリラコサージュの未勝利勝ちのみ。

一応念のため記載しておくと、
カラフルブラッサム ビオラ賞1人気2着
エバーブロッサム  新馬1人気6着
ファンアットコート 未勝利1人気4着
リラコサージュ   未勝利1人気1着(砂14)

1番人気の格的には中京とはいえビオラ賞という特別レース、それも牡牝混合戦で1番人気になったことがあるカラフルブラッサムが最上位だろう。新潟2歳S5着、阪神JF5着の成績からも今回1番人気に支持されるのもわかる。

しかし、カラフルブラッサムの成績を振り返れば、やっぱり1番人気になると危なっかしい馬にも思える。
新馬 2人気1着 ↑
新潟2歳G3 2人気5着 ↓
黄菊賞500万 5人気3着 ↑
阪神JF・G1 7人気5着 ↑
ビオラ賞500万 1人気2着 ↓

カラフルブラッサムは個人的にはずっと注目してきた馬だ。
なにしろ使われ方がいい。牡牝混合戦ばかりに使われている。牝馬限定に出走したのは阪神JFのみ。黄菊賞でキズナの3着したときには輝いてみえた。
だから心情的には応援したい。
けれど1番人気となると心配だ。

牝馬限定とはいえ重賞の1番人気で1着するタイプにはまだ思えない。
牝馬限定のG3で、かつ今回のメンバーを考慮すると2,3番人気がちょーどよく見える。
経験値的に1番重厚と思える馬でこの調子だ。
つまり、牝馬ちゃんに対してこういう言い方は甚だ失礼かもしれないが、今年のフラワーCはモテない系の大集合かもしれない。

先週のFレビューもすべての馬が心配だった。それでも上位人気3頭とそれ以外の馬との差は感じられた(結果はともかく)。でも今週のフラワーCはいよいよ、いよいよだ。

若葉Sのメイケイペガスターの1番人気は今さら説明するまでもない!? 
前走の横山典の操縦は鮮やかすぎて、誰にでもわかりやすくハマった感がいっぱいだからだ。むしろ週末にかけて、みんなの心配がもっと高まり、2番人気になるかもしれない。もしそうなったら、もちろん再検討だ。

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スプリングS&若葉S注目騎手・蛯名!チカチカ!
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蛯名騎手はスプリングSでマンボネフュー、若葉Sでアルヴェロンに騎乗する。もちろんどちらも皐月賞出走の権利を目指しての出走のはず。しかしこの2頭の結果を待たずに皐月賞をカミノタサハラに騎乗すると発表した。

このパターンは弥生賞直前に皐月賞ではコパノリチャードに騎乗すると発表して、カミノタサハラで弥生賞を勝った内田博騎手と同じ先告知パターンの可能性あり。チカチカ!
ふつうはどう考えても後告知。心の中では先に結論は出ていても、報告は後のはず。ペカ!
でもこういう流れは大事にしてみたい。

先告知馬カミノタサハラはノーザンF生産で金子オーナーの馬。
マンボネフューは同じ金子オーナーの馬で白老F生産。
アルヴェロンは社台RHの馬で社台F生産。

ノーザン・白老・社台…ワオ! 

マンボネフューもアルヴェロンも蛯名騎手がデビュー以来騎乗し続けている馬で、それなりの臨戦を踏んでトライアルに出走してき馬。そうそうむげにはできないだろう。
それでも先告知した。
だとするならば、ここは両馬とも権利を確保して、オーナーにお返ししたいはず。これぞ騎手のカッコのつけどころのはず! イヨッ!

というわけで、スプリングS&若葉S、両方で蛯名騎手の先告知のアフターケアに注目している。

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フラワーCは横山典と梶!
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横山典 サクラプレジール 前走2−2−2 1着(新馬) 2人気(前走三浦騎乗)
梶   アルファアリア  前走2−2−2−2 1着(未勝利)10人気

フラワーCは土曜日の芝18、スプリングSは日曜日の芝18。
根多的には「逃げ馬が頑張るのがフラワーC。番手馬が頑張るのがスプリングS」。

フラワーCは逃げ馬が頑張るというよりも(それもあるけれど)、フラワーCで逃げ馬が頑張れた年は翌日のスプリングSでは番手馬が頑張りやすい傾向があるという意味。
ここ3年逃げ馬は頑張れてないけれど、今年のメンツを見ると、横山典が逃げそうな気がしてしょうがない。

横山典は先週、アネモネSで1人気サクラディソールに騎乗し、桜花賞出走権を目指した。結果は3着で惜しくも権利獲得を逃した。松岡騎手からの乗り替りだった。

そして今週は再びサクラの馬に騎乗して、賞金の上乗せを目指す。

2週連続、3歳牝馬で、尾関厩舎の馬で、サクラコマースの馬に騎乗!

いやもっと正確には、
3月2日 サクラゴスペル オーシャンS1着! 横山典・尾関厩舎
3月9日 サクラディソール アネモネS3着 横山典・尾関厩舎
3月16日 サクラプレジール フラワーC 横山典・尾関厩舎
3月24日 サクラゴスペル 高松宮記念 横山典・尾関厩舎
3月末週 なんかいないか!?

サクラ! サクラ! サクラ! サクラ!
開いて、散って、今週再び開花するか!?

前走騎乗した三浦騎手は若葉Sでクラウンレガーロに騎乗する。ここの乗り替り事情はわからないけれど、尾関厩舎が横山典で今月サクラ特集、サクラフェスを開いているのは間違いない!

メンツ的に先手を打てそうなメンバー構成でもある。
横山典が先手を取ったら、そのまま隊列は固まる可能性あり。

その後ろにピッタリと梶騎手のド人気薄アルファアリアが付けられたら、
いやいっそのこと逃げて、番手に横山典についてもらって、固めてもらう方法もある。どっちでもいい。

アルファアリアは
中山 新馬15人気2着!! ド人気薄! 
東京 未勝利 5人気5着
中山 未勝利10人気1着!! 人気薄!
すべて梶騎手騎乗。

中山ではまだ底を見せていない(はず)!
今回もド人気薄必至!(予想11人気!もっと下がれ!)
逃げでも番手でもどっちでもいい。どっちでもいいから、逃げ先行するであろう横山典の側でずっと息を潜めて潜伏して欲しい。

というわけでフラワーCは尾関厩舎&横山典の企画ものサクラフェスの第3弾と梶騎手の潜伏に注目している。

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ゴールドシップの1番人気を心配するのはナンセンスか?
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今週一番心配しなくていい1番人気は阪神大賞典のゴールドシップか。
しかし、念には念を押してみるのも悪くないはず。なんせ去年はオルフェーヴルが大変ことになった。

たとえば、ゴールドシップの父はステイゴールドだ。
これだけで本来はハラハラのはず。
オルフェーヴルだって、絶対的と思われていたのに阪神大賞典で大逸走した。

阪神大賞典であのような逸走をしたにも関わらず、その後立ち直り、凱旋門賞では負けたけれど歴史的快走を見せた。強さは健在で、さすがだった。けれど、3歳時の連勝期には戻れていない。阪神大賞典で1年続いた連勝の魔法は解けた形だ。

オルフェーヴルは阪神大賞典で番手につける競馬をした。
スタートが良すぎたからかもしれないが、それまでと違う競馬を試みたとは言える。ゴールドシップは直近2走で後方を追走し、3角から一気にマクる競馬をした。
はたして、この競馬で今年も乗り切るのか?
次はおそらく天皇賞春だろうけど、同じような後方→一気のマクリをするのだろうか?

たしかゴールドシップのウリは「どんな競馬でもできる馬」だったはず。
だとするならば、ここでどんな競馬をしようが心配する要素など微塵もない。
しかし父ステイゴールドだ。
現役時代、「2着期」→「3着期」→「1着か馬券圏外期(国際期)」とステージ・チェンジを繰り返しながら地位を築いた馬だった。

オルフェーヴル同様に阪神大賞典をきっかけにステージ・チェンジをしてくるかもしれない。

あの頃はどんな競馬でもできたかもしれないけれど、今はこだわりとかスタイルとかを気にし始めている可能性だってある。そう考えると途端にワクワクする。

ステイゴールド産の強い馬は1番人気でも心配しながら応援するのが正しいマナーのはず。
心配しながら馬券を買って、心配しながら観戦し、勝ったらホっとする。
圧勝してもホっとする。
通常の1番人気とは別の戯れ方。うむ、いい感じだ。

阪神大賞典での1番人気を心配するのは結果的にナンセンスになる可能性はある(要は圧勝する)。しかし、ステイゴールド産がステージチェンジせずにずっと連勝街道を驀進するとも到底思えない。

だから心配してみる。ここで圧勝したら、次はもっと人気が高まるはず。
そしたら再び心配してみる。
もちろん自分は別の馬から馬券を買うスタイルで心配を試みる。
スタイル……。うむ、かっこいい!

マイネルメダリストは誰が騎乗するのだろう?
逃げたら面白そうだけど誰が騎乗するのだろう?

整理
スプリングS…マンボネフュー・サーストンニュース・トウショウプライド
フラワーC…サクラプレジール・アルファアリア(1番人気でないときのカラフルブラッサム)
若葉S…アルヴェロン
阪神大賞典…マイネルメダリスト

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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