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罠と完封アプローチ

  • 2013年03月21日(木) 12時00分
新3大カンタンG1レースとは何ですか?
とマツコと有吉の怒り新党のADさんから問われれば、
自分は間違いなくダービー・エリザベス女王杯、そして高松宮記念と答えると思う。

理由はこの3レースは人気だけを見てもそこそこ的中できてしまうレースだからだ。
自分の狭い了見であれこれ思考しない方が結果的に的中率は上がるはず。

たとえば高松宮記念。

♯1 勝ち馬は1〜4番人気
これだけで10年連続で単勝的中。
1番人気 2勝
2番人気 2勝
3番人気 3勝
4番人気 3勝
合計10勝
しかもけっこう均等な割り振り。

馬券的妙味重視派ならば、3、4番人気の単勝だけで10年中6年で幸せになれたことになる。

っていうか高松宮は4番人気以内に入る事がメチャクチャ大事なレースでもある。
単だけでなく、2連レベルでも3連レベルでも何かと「4番人気まで」が絡んでくる。

予想では
1番人気 ロードカナロア
2番人気 ドリームバレンチノ
3番人気 サンカルロ
4番人気 サクラゴスペル
5番人気 ダッシャーゴーゴー

WIN5ならば高松宮は黙って1〜4番人気を塗りつぶし、余った時間を他の4レースの検討に当てられる。

♯2 2連系の軸選びも1〜4番人気
これだけで10年連続で2連馬券的中
1番人気 4連対
2番人気 4連対
3番人気 4連対
4番人気 4連対
均等もいいところ。10年だから連対馬は20頭いるけれど、その内16頭が1〜4番人気というわけだ。

ちなみに1〜4番人気でワンツーだったのは6回。
1〜4番人気のボックスならば10年で6回幸せになれた。
ちなみに3、4番人気から1〜4番人気に流すと10年で5回幸せになれた。
馬連ならばそれは5点買い。
3、4番人気の単勝2点で6年的中。3,4番人気から馬連5点で5年的中。
どっちが得かは馬券スタイル次第。強弱を上手につけられるならば、馬連5点だって十分おいしい。

♯3 3連系の2頭軸は1〜4番人気
これだけで10年連続「軸」的中
1番人気 7圏内
2番人気 5圏内
3番人気 6圏内
4番人気 4圏内
ここでようやく1番人気の存在感が増してきた。
圏内30頭中22頭が1〜4番人気。

1〜4番人気から2頭を選んで3連複を買えば、10年連続で軸選びは成功したことになる。
しかし1〜4番人気で馬券圏内を独占したことは10年に2回しかない。

選んだ2頭から5番人気以下に流した方が的中率は上がる。

つまり5番人気以下で自信のある馬がいたら、3連系は1〜4番人気に流すだけで当るということになる。3連複ならば6点。これで10年に8回。
5番人気以下で自信のある馬が見つかりさえすれば、実は一番楽チンなのが3連系馬券だったりするわけだ。

♯4 4歳時に5着以内に走った馬にはスペシャルな敬意を。
→翌年4番人気以内に評価されるとすべて馬券圏内入り。

♯5 4歳馬は4番人気以内に支持されないと掲示板に上がれない。

フェブラリーSや高松宮記念といった2月3月のG1で4歳馬が掲示板に入ることは実はけっこう至難でもある。逆に4歳時に掲示板入りした馬が翌年に出走してきたら、スペシャルな敬意が必要になる。
ただし人気は必須。目安は4番人気以内。
翌年(場合によっては翌々年)、再び4番人気以内に支持されるならば、馬券圏内で鉄板とも言える。
4歳馬が掲示板に上がるためには4番人気以内という評価も必要で、これは4歳の取捨の参考にもなる。

4歳掲示板→成功馬
サニングデール 4歳2人気2着→5歳2人気1着
シーイズトウショウ 4歳3人気5着→5歳未出走→6歳3人気3着
ローレルゲレイロ 4歳2人気4着→5歳3人気1着
サンカルロ 4歳4人気4着→5歳4人気2着→6歳3人気2着

4歳掲示板馬→不成功馬(失敗ではない)
ギャラントアロー 4歳4人気4着(5歳以後は人気を落とし、凡走)
ラインクラフト 4歳2人気2着(その後引退で翌年出走せず)

今年の該当馬
ロードカナロア 4歳時1人気3着→今年は間違いなく1番人気

もしかしたら今年も?
サンカルロ 4歳4人気4着→5歳4人気2着→6歳3人気2着→今年は予想3番人気。

7歳サンカルロはともかく5歳ロードカナロアはもはや鉄板の軸馬とも言える。

ちなみに今年4番人気以内に支持されそうな4歳馬はいない。エピセアロームやハクサンムーンにはハードルは高そう。

つまり、
1番人気ロードカナロアが鉄板ならば、3連複は1番人気と(2〜4番人気)を絡めて、5番人気以下に流すことがめちゃくちゃ有効とも言える。

サンカルロは7歳だけど今年も健在と評価できるなら、
ロードカナロア=サンカルロの2頭軸で流せばよい。うむ、カンタンだ。新3大カンタンG1レースにふさわしい。

これは自分が根多のだいたい暦で書いた高松宮の当たり前項目と、鴨川と神田川を地下で結ぶ秘密の寄合所の大住民の根多を掛け合わせて、さらにちょっとブラッシュアップさせたもの。

中京は去年から新コース形態になったけれど、コース形態をまたいでサンカルロは来たし、人気の鉄則も変わらなかった(サンカルロは一昨年の阪神開催でもまたいで、去年の新設コースでもまたいだ)。つまりコース形態の変更にもグラつかずに残ったものとも言える。
だから今年も何も足さず、何も引かずに高松宮に臨めればカンタンに的中できることになる。そう、何も足さなきゃ完封だ。高松宮記念完封勝利だ!

しかし。

何も足さない。何も引かない。
サントリーのウイスキー・山崎の有名なコピー。
だけどこれが一番難しいんだ(だからキャッチコピーにもなったのだろう)。

去年もこのコラムで1番人気〜4番人気の掛け合わせについて書いているけれど、結局いろいろ理由をつけて、ファンタジーに走っていった。足すとか引くとかじゃなくて、勝手に飛び出した感じ。

高松宮には前述したようにスーパーなコントロール項目がある。でもそこにもアソビは残されている。ギチギチのカチカチで建立されているわけではない。ときどきだけど、ファンタジーが顔を出す余地は残されている。

1〜4番人気でガッチリ土台を築きながらも、5番人気以下を招きいれる余裕がある。

10年連続で1〜4番人気の2頭が馬券圏内
10年中8年で5番人気以下が圏内
10年中5年で8番人気以下が圏内

踏み込みたいファンタジーはもちろん8番人気以下の馬。

03年 10人気3着 リキアイタイカン 13−12−12
04年  8人気3着 キーンランドスワン 12−11−11
07年 13人気2着 ペールギュント  11−11−11
09年 15人気3着 ソルジャーズソング 11−9−8
11年 11人気3着 アーバニティ   9−7

脚質は差し。ファンタジーは差しから生まれる。
しかし追い込みではない。
4角12番手
ここはけっこう譲れないポジショニングか。
直線が延びて、坂ができた去年でも馬券的最後方の位置取りは4角12番手だった(サンカルロ)。

去年も同じようなアプローチでトウカイミステリーとツルマルレオンに注目してみた。
けれど両馬ともに追い込む位置になってしまい上手くいかなかった。

トウカイミステリー 15−13 8着13人気
ツルマルレオン   13−13 13着11人気

ツルマルレオンは去年4歳で、11人気を考えると最初からいらない馬だったとも言える。

♯6 穴は5歳以上7歳以下で、差せる8人気以下の馬

自分的該当馬は
シルクフォーチュン
スギノエンデバー
ツルマルレオン
の3頭

シルクフォーチュンは未知なる芝が気になる。でもCデムーロは魅力的でもある。
スギノエンデバーは中京1−0−1−0が魅力的。
ツルマルレオンは、ツルマルレオンは、去年も応援したし、もはや意地。でもバルジューは意外に魅力的。

とはいえ、実はみんな心配。
理由は差しというよりも追い込みに思えるから。

シルクフォーチュン 前走16−16−16 5着
スギノエンデバー  前走13−13−13 6着
ツルマルレオン   前走14−14−15 3着

4角12番手より後方の馬ばかり。

本来ならば期待してはいけない脚質の馬。
しかし今年はちょっと期待してみたい材料もある。

たとえばスギノエンデバーの北村友は4年前に15人気のソルジャーズソングで3着している。
位置取りは11−9−8(差して間に合う合格の位置取り)
高松宮の前走のソルジャーズソングの位置は13−12−12だった(騎手・松岡)。
高松宮ではもう1つ前の位置で競馬をしたわけだ。

今回ももう1つ前の位置で競馬ができれば、まだわからない。
スギノは出遅れ癖があって、心配指数も高まるけれど、人気を考えれば、そんなもんはリスクではない。

シルクフォーチュンとツルマルレオンに期待したくなるのもまさにそこ。

いつもより前で競馬をさせたいと思うならば外国人騎手。
これが一番手っ取り早い。

Cデムーロとバルジューに厩舎からどんな指示が出るのかはわからない。
けれど、G1で外国人騎手を騎乗させて、後方から追走して、着狙いの指示を出す調教師などいるのだろうか? リスキーな騎乗を依頼するなら長期騎乗の日本人騎手より、短期騎乗の外国人騎手の方が断然頼みやすいはず。

3頭すべてが1つか2つ前の位置で勝負を仕掛けるとは思えないけれど、この3騎手ならば1人くらいは勝負の位置取りを仕掛けてくるとは思い込める(仕掛けたからといって、通用するとは限らないけれどね)。

今がピークとも思える流行りの表現を借りるならば、
いつ買うの? 今でしょ。

ではなく、

今買うの? 罠でしょ。

そう罠の匂いがプンプンだ。特にCデムーロのシルクフォーチュンなんて、逆カレンブラックヒルみたいで罠の匂いしかしてこない。
ツルマルレオンも罠臭を感じるけれど、それをバルジューがギリで抑えこんでいる気もする。戸崎の連続騎乗だったらどうであったろう。

予想人気
ツルマルレオン 8人気
スギノエンデバー 9人気
シルクフォーチュン 12人気

う〜ん…吸い込まれそう。

罠買うの? 今でしょ。(さてどうしよう)


高松宮記念
スーパーリスペクト・ロードカナロア

大リスペクト・2番人気〜4番人気
サクラゴスペルは横山典が一歩早い仕掛けで攻めてくるのではないか?
ドリームバレンチノもいつもより早めの仕掛けで攻めてくるのではないか?
ロードカナロアを差して勝とうと考えているとは思えない。


罠? 
スギノエンデバー 
シルクフォーチュン 
ツルマルレオン

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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