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枠を見ずして馬券は買えず!/高松宮記念

  • 2013年03月21日(木) 18時00分
■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録19頭

【特注必見データ!】 〜コースデータから〜
・中京芝1200m 枠番別成績(16頭立て以上)
 [全体平均] 勝率5.6% 連対率11.3% 複勝率16.9% 複勝回収率64%
 ────────────────────────────────
 [1枠〜2枠] 勝率2.1% 連対率 4.2% 複勝率10.4% 複勝回収率 30%
 [3枠〜4枠] 勝率5.2% 連対率 8.3% 複勝率10.4% 複勝回収率 46%
 [5枠〜6枠] 勝率4.2% 連対率 8.3% 複勝率16.7% 複勝回収率 39%
 [7枠〜8枠] 勝率9.4% 連対率20.3% 複勝率26.1% 複勝回収率116%
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 [逃げ複勝率] 1枠〜2枠・ 0% 3枠〜6枠・16.7% 7枠〜8枠・71.4%
 [先行複勝率] 1枠〜2枠・18.8% 3枠〜6枠・22.2% 7枠〜8枠・25.8%
 [差し複勝率] 1枠〜2枠・14.0% 3枠〜6枠・14.5% 7枠〜8枠・29.2%
 [追込複勝率] 1枠〜2枠・ 3.1% 3枠〜6枠・ 5.1% 7枠〜8枠・11.4%

・中京芝1200m 10番人気以下馬枠番別成績(16頭立て以上)
 [1枠〜2枠] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0% 複勝回収率 0%
 [3枠〜4枠] 勝率4.2% 連対率 8.3% 複勝率 8.3% 複勝回収率 56%
 [5枠〜6枠] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0% 複勝回収率 0%
 [7枠〜8枠] 勝率8.3% 連対率13.3% 複勝率13.3% 複勝回収率135%

 これは先週のファルコンS分析原稿でも書いた(そして結果として大ハズレだった)のだが、リニューアル後の中京芝短距離は異様なまでに「外枠」が強い。距離ロスが大きく響く短距離戦で、なぜこのような結果が出るか? それについてはまだまだ調査が必要だが、芝1200mと芝1400mに共通する傾向でもあり、単なるデータの偏りではないはずだ。

 その「異様なまでに」の中身を示したのが、上記の枠番別データ。1枠〜2枠の信頼度が最も低く、3枠〜6枠はおおむね横並び。そして7枠〜8枠になって急激に数値が跳ね上がっているのが、よくわかってもらえることだろう。複勝率はコース平均値の2倍近い数値であり、複勝回収率も同様。もう、誰がどう見ても外枠有利なのである。

 1枠〜6枠に関しては先行できる馬のほうが買いやすいが、外枠の場合は、よほど後方に置かれでもしないかぎり脚質はおかまいなし。具体的にどの馬を狙うかは枠番発表を待つ必要があるが、徹底的に外枠をマークすべきコースであるのは間違いない。最強スプリンター・ロードカナロアがどの枠番を引くか、今から興味津々だ。

【コース基本情報】中京芝1200m Aコース使用
・コース回収率
 [高い] 単勝94%・複勝68% 10番人気以下が既に7勝と波乱傾向

・馬連万馬券出現率
 [高い] 24.2%(平均値△12.2% 馬連平均配当8434円)

・枠番別複勝率(16頭立て以上)
 [外枠圧倒的] 内枠4.2%・中枠8.3%・外枠20.3%

・脚質別信頼度
 差し>逃げ>先行>追込 直線勝負に賭けても十分に間に合うコース

・推定ラップ&タイム
 [平均]34.3-34.4=1.08.7 スプリント戦にしては前傾とならず総合力勝負に

 中京競馬場のリニューアルから1年しか経過していないため、正直なところデータ不足。とはいえ、1番人気馬が[5-3-4-17]で連対率27.6%ときわめてアテにならず、また3番人気以内馬のトータル成績も連対率33.3%、複勝率48.3%とけっして高くないのは、脳ミソに叩き込んでおくべきデータだと言える。

 当然ながら馬連万馬券の出現率も24.2%と非常に高く、10番人気以下馬も[7-5-0-210]で連対率5.4%と絶好調。堅いか荒れるかで言えば、これは阪神芝1400mあたりと同格の「とびっきり荒れるコース」の部類に入る。その要因となっているのが、冒頭で紹介した「外枠圧倒的有利」という事実。順当ムードが漂う今年の高松宮記念だが、大波乱があってもけっして驚けないのだ。

 あとは、スプリント戦らしからぬ流れになりやすいのも当コースの特徴。テンからガンガン飛ばすアメリカンなスピード馬よりも、道中で脚をタメて直線で一気に爆発させられるようなキレを持つ馬のほうが適性は高いはず。逃げ・先行馬の[8-9-18-106]という成績が示すように、逃げ切るのはかなり難しいと思っておこう。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 時計はかかるがコンディション自体は良好。やや内有利の印象も受ける。

・天候予測
 週末は雲の多い天気となるも降雨はなさそう。良馬場前提でオーケー。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率10.9% 連対率19.6% 複勝率30.4%

・複勝率トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率10.5% 連対率15.8% 複勝率42.1%

・著者の注目血統
 キングカメハメハ産駒、アドマイヤコジーン産駒、母父ブライアンズタイム

 過去1回きりのレースデータを掘り下げても意味がないので、今回は血統コーナーを少しだけ拡充。こちらも過去1年分しかデータ母数はないが、まだナンボか意味はあるはず……と信じたい。

 マクロな視点から感じるのが「サンデー系には向かないコースなのだろう」ということ。父系別に成績を比較すると、連対率や複勝率で上位に来るのは、Princely Gift系やKingmambo系、Vice Regent系など。サンデー系はトータル連対率13.9%、複勝率18.4%といった程度で、短距離指向の強い種牡馬の仔であっても好成績を残せていない。

 また、当コースで産駒が10回以上出走している種牡馬だけを対象に複勝率順でソートをかけると、アグネスタキオン、デュランダル、ダイワメジャーといったサンデー系が下位にズラリと並ぶのも事実。積極的に買うべき理由は見当たらず、ある程度は割り引いて考えたほうがいい、というのが私見である。

 コース適性が高そうなのは、キングカメハメハ産駒、アドマイヤコジーン産駒、母父ブライアンズタイムの配合馬など。サクラバクシンオー産駒は「可もなく不可もなし」といったところか。

★総論×各論

 カレンチャンの引退により、スプリント界の「一強」となったロードカナロア。抜群の安定感と近走の充実ぶりから、ここは単勝オッズ1倍台の支持も十分ありうる。それだけの人気を集めて、当然といえば当然の実績なのである。

 しかし前述したように、中京芝1200mは非常に波乱度が高く、枠番が結果に及ぼす影響が大のコース。たとえロードカナロアであっても、入る枠番次第では取りこぼす目もあるはずだ。さすがに消すとなると自殺行為だが、同馬の2着固定や3着固定で勝負するのは、意外に悪くないプランに思える。

 もっとも、それもすべて枠番次第。ロードカナロアが内枠にでも入ってくれたら一気に欲目が出てくるが、「7枠〜8枠に入ったならば絶対にケンカを売るな」というのが、データ分析からの結論。その場合は素直に白旗をあげて、長いものに巻かれまくる方針で行くべきだろう。

 人気サイドでは、サクラゴスペルを嫌いたい。中山のスプリント戦で連続して勝ち星をあげた同馬だが、レースの流れが大きく異なるここで、その能力をフルに発揮できるとは思えないのだ。また、前残りが難しいというコースの特徴も、先行力に秀でたこの馬には厳しい条件。勢いは買うが、ここは消し頃だ。

 サンカルロは脚質的にも「外枠なら買い、内枠なら消し」という扱いでオーケー。ドリームバレンチノ、マジンプロスパーの2頭では、より差せるドリームバレンチノのほうを上に評価したい。人気薄での注目は「外枠に入ったら」という注釈を付けた上で、エピセアロームスギノエンデバーツルマルレオン。ぜひ外枠を引き当て、波乱の立役者となってもらいたいものである。

■日経賞(G2・中山芝2500m)フルゲート16頭/登録18頭

 昨年は伏兵ネコパンチが逃げ切って、場内が大いにどよめいた日経賞。ビッグネームが始動することも多い舞台だが、そのわりに人気馬がアテにならないという、なかなか悩ましいレースとなっている。

 まずはローテ面から分析していくが、大きな境界線があるのが「前走中央G1〜G2出走馬」と、それ以外との間だ。前者がトータル[5-8-5-43]で連対率21.3%なのに対して、後者は[4-1-4-50]で連対率8.5%と、その信頼度は前者の半分以下に過ぎない。また、後者で馬券に絡んだ馬のすべてが「ダイヤモンドS、白富士S、御堂筋S」からのローテであるのも特徴的。この傾向が今年も続くなら、この組で買えるのはアドマイヤフライトネコパンチの2頭だけになる。

 前走中央G1〜G2出走馬については「AJCC、有馬記念、京都記念」からのローテが、期待度の高いパターン。さらにそこで5着以内の結果を残していた馬は、[4-6-2-8]で連対率50.0%と、信頼に足る結果を残している。登録馬でこの条件を満たすのが、オーシャンブルートランスワープの2頭。いずれも、好走が期待できそうだ。

 問題は、フェノーメノをどう扱うか。実績、地力ともに上位なのは言うまでもないが、ジャパンCからのローテは、過去20年まで遡って調べても前例がない、いわば異例の出走パターンなのである。ただし、中9週以上での出走はかなり信頼度が低く、フェノーメノ自身も「中山よりは東京」というタイプ。今回に関しては正直なところ、不安が先に立つ。

■マーチS(G3・中山ダ1800m)フルゲート16頭/登録31頭

 1番人気馬が[1-1-1-6]と飛びまくり、さらに2番人気〜3番人気も[1-0-3-14]と飛びまくることでおなじみ、マーチS。昨年に至っては16頭立て16番人気のメイショウタメトモが2着に激走。バースデー馬券やサインで買うのが正解ではなかろうか……と真剣に検討したくなるほどの難解さを誇っている。

 そんなレースだが、間違いなく言えるのが「ハンデ57.5キロ以上馬=買い」ということ。中山で開催された過去9回で、トータル[5-1-3-8]で連対率35.3%、複勝率52.9%という好結果を残しているように、信頼してしかるべき存在である。今年は4頭もの該当馬がいるが、仁川Sからのローテや「斤量増での57.5キロ以上馬」であるのを評価して、バーディバーディを筆頭格としたい。

 逆に軽視すべきはハンデ54キロ以下馬で、それ以外ではハンデ57キロ馬も大不振。今年も荒れるという前提に立って「ハンデ55キロ〜56キロ馬の人気薄」を徹底的にマークするのがオススメだ。具体的に名前をあげるなら、グラッツィアタカオノボルトーセンアレスメイショウタメトモあたりか。

■毎日杯(G3・阪神芝1800m外)フルゲート16頭/登録16頭

 春クラシック参戦への最終切符といえる毎日杯。現在の条件となった07年以降の過去6年は、7番人気以下馬が[0-1-2-45]と大苦戦。基本的には、かなり堅め決着の傾向が強いレースだと言える。

 ちなみに、7番人気以下で馬券に絡んだ3頭に共通するのが、前走では2番人気以内だったという点。また、そのうち2頭は前走でダート戦に出走していた。つまり、前走で3番人気以下だったり、芝のレースに出走していた7番人気以下馬は、かなり期待薄。さすがにノーチャンスとまでは言わないが、大幅に割り引いて考える必要がありそうだ。

 今年の登録馬で「前走2番人気以内」という条件を満たすのは、ガイヤーズヴェルト、コメットシーカー、マウイノカオイ、メイショウブシンの4頭だけ。ここでは、人気薄となりそうな上にダート→芝替わりでもあるガイヤーズヴェルトを注目馬としたい。

 人気サイドは「前走重賞で4番人気以内」だった馬が[4-1-0-6]で連対率45.5%と高信頼度。また、前走での上がり3F順位が2位以内であれば、さらに期待できるはずだ。この両条件をクリアする唯一の登録馬がキズナ。人気馬はとくにひねらず、ここを信頼するのが得策である。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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