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G1級の好メンバーで結果はいかに!?/大阪杯

  • 2013年03月27日(水) 18時00分
■大阪杯(G2・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録14頭

【コース基本情報】阪神芝2000m内 Bコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単勝64%・複勝77% 人気サイドの勝率高く順当決着多し

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 10.8%(平均値▼1.2% 馬連平均配当4938円)

・枠番別複勝率(14頭立て以上)
 [拮抗] 内枠18.5%・中枠19.5%・外枠20.2%

・脚質別信頼度
 逃げ>先行>差し>>追い込み 内回りでもあり前のほうが有利

・推定ラップ&タイム
 [瞬発]36.0-48.3-34.8=1.59.1 4コーナーからの瞬発力勝負が濃厚

 正面スタンド前から発走してコーナーを4回まわる芝2000m戦。スタート直後から急坂で最初のコーナーまでの距離もソコソコあるため、序盤のペースが落ち着きやすいのが特徴だ。また、枠の内外による有利・不利がそれほどないというのも、序盤のポジション争いが激化しない理由と言えるだろう。

 ただし、1枠だけは少し割り引いて考えたいところ。集計期間内における14頭立て以上のレースで、トータル[3-4-2-69]で複勝率11.5%と、平均値(19.4%)よりもかなり低い数値が出ているのだ。ちなみに、1枠〜2枠から馬券に絡んだ馬のほとんどが、そのレースで最速〜3番目の上がりを使っている。つまり、キレる末脚のない馬が入ったら、その時点でほぼアウトなのである。

 人気馬がしっかり結果を出しているコースでもあり、紛れる可能性は低め。また、直線の短い内回りコースというのもあって、先行勢のほうが信頼できる。4角10番手以下から突き抜けるのは、かなり難しいと考えるべき。もし波乱があるとすれば、やはり「人気薄の逃げ粘り」だろう。

【レース基本情報】大阪杯(G2) 過去6年
・レース平均配当
 単勝750円 馬連6225円 3連複5045円

・1番人気馬成績
 [3-2-1-0] 勝率50.0% 連対率83.3%・複勝率100%

・3番人気以内馬成績
 [4-3-3-8] 勝率22.2% 連対率38.9%・複勝率55.6%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-19] 連対率0%・複勝率0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 16.7% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 16.7%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 16.7% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 16.7%

・年齢別成績
 [4歳馬] 4-2-2-9 連対率35.3% 複勝率47.1%
 [5歳馬] 1-2-1-17 連対率14.3% 複勝率19.0%
 [6歳馬] 1-2-3-13 連対率15.8% 複勝率31.6%
 [7歳以上馬] 0-0-0-16 連対率0% 複勝率0%

・枠番別成績
 [1枠] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [2枠] 0-0-2-5 連対率 0% 複勝率28.6%
 [3枠] 1-0-0-6 連対率14.3% 複勝率14.3%
 [4枠] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%
 [5枠] 1-2-0-7 連対率30.0% 複勝率30.0%
 [6枠] 1-0-3-8 連対率 8.3% 複勝率33.3%
 [7枠] 1-2-0-9 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [8枠] 2-2-1-7 連対率33.3% 複勝率41.7%
 ───────────────────────
 [1枠〜4枠] 1-0-2-24 連対率 3.7% 複勝率11.1%
 [4枠〜8枠] 5-6-4-31 連対率23.9% 複勝率32.6%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-4-0-10 連対率28.6% 複勝率28.6%
 [栗東] 6-2-6-44 連対率13.8% 複勝率24.1%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 2-1-3-9 連対率20.0% 複勝率40.0%
 [中央G2] 3-3-3-10 連対率31.6% 複勝率47.4%
 [中央G3] 0-1-0-18 連対率 5.3% 複勝率 5.3%
 [OP特別] 1-0-0-14 連対率 6.7% 複勝率 6.7%
 [条件戦] 0-1-0-4 連対率20.0% 複勝率20.0%
 ─────────────────────────
 [前走G1&G2] 5-4-6-19 連対率26.5% 複勝率44.1%
 [前走それ以外] 1-2-0-36 連対率7.7% 複勝率7.7%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走でG1かG2に出走して5着以内(連対率50.0%、複勝率72.2%)
 [買い] 前走で最速上がりをマーク(連対率41.7%、複勝率50.0%)
 [買い] 4歳馬(連対率35.3%、複勝率47.1%)
 [全滅] 7歳以上馬(0-0-0-16)
 [不振] 連闘〜中3週での出走(連対率&複勝率3.8%)
 [割引] 前走6番人気以下かつ3着以下(連対率4.0%、複勝率8.0%)

 過去10年ではなく、コース新装となって以降の過去6年を集計対象に分析。荒れたのはテイエムアンコールが制した10年くらいのもので、1番人気馬は[3-2-1-0]とすべて馬券圏内に来ている。少頭数での開催となる年が多いとはいえ、3連複の平均配当は5045円という低さ。ふたケタ人気馬の激走に期待するのは、かなり厳しいレースだと言える。

 面白いのが脚質面で、1着馬と3着以内馬の脚質シェアがまったく同じ。コースデータの項でも触れたが、紛れが少なく、各馬が能力をキッチリ発揮できるコース形態なのだろう。つまり、勝ち負けに必要なのは適性よりも「能力」。過去の実績や地力を素直に信頼すべきコース&レースなのだとわかる。

 年齢別では、4歳馬が飛び抜けて好成績。対照的に7歳以上馬は全滅であり、若くて勢いのある馬のほうが全体的に優勢だ。また、ローテも明暗ハッキリ。前走G1&G2出走馬が連対率連対率26.5%、複勝率44.1%と高信頼度なのに対して、それ以外の馬は複勝率わずか7.7%。昨年1着のショウナンマイティは、いわば例外的存在なのである。

 それ以外では、注目に値するのが「前走上がり順位」という指標。前走での上がり3F順位が5位以内だった馬がトータル[5-4-4-23]で連対率25.0%、複勝率36.1%であるのに対して、6位以下だった馬は[1-2-2-31]で連対率8.3%、複勝率13.9%と格段に見劣る結果。前者に該当する人気薄となりそうな馬は、スマートギア、タガノエルシコ、テイエムアンコール、ヒットザターゲットの4頭だ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 コンディションは内側のほうが多少いい印象もニュートラルと考えてよさそう。

・天候予測
 水曜〜木曜に降雨あるも週末は持ち直しそう。あって稍重程度か。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率19.1% 連対率30.3% 複勝率47.2%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、Kingmambo系(割引)

 現在の阪神芝はとくにクセのあるコンディションではないので、馬場についてはそれほど深く考える必要ナシ。週末まで雨が残るとしても馬場がそこまで悪化するとは考えにくく、良馬場前提の予想で問題なさそうだ。

 血統面では、ディープインパクト産駒が連対率30.3%、複勝率47.2%という驚異的な成績をマーク。サンデー系が全体的に強いコースだが、そのなかでも飛び抜けた適性の高さを見せつけている。これはもう、文句なしに「買い」と言える内容だ。

 逆にちょっと気がかりなのが、キングカメハメハに代表されるKingmambo系種牡馬の産駒。[6-2-6-78]で連対率8.7%、複勝率15.2%という数値は平均値よりも7%前後も低く、コース適性に一抹の不安を感じるのである。一昨年3着の実績があるエイシンフラッシュだが、人気の一角となりそうなここは、やや割り引いて考えたい。

★総論×各論

 最強馬オルフェーヴルに、昨年の天皇賞(秋)を制したエイシンフラッシュなど、登録馬は超豪華メンバー。出走馬の「格」だけで言えばG1でもおかしくないほどで、今年の古馬中距離戦線を占う意味でも、目が離せない一戦となった。

 上位人気を形成するのはおそらく、オルフェーヴル、エイシンフラッシュ、ショウナンマイティ、ダークシャドウなど。いずれも人気にふさわしい実績の持ち主だが、ここで気付くのが、人気サイドに強力な先行勢が不在ということだ。道中のペースはかなり落ち着き、勝負所から一気に加速する瞬発力勝負となる可能性が非常に高い。

 こういった展開面や登録馬の脚質なども考慮した結果、本データ分析で最上位評価となったのが紅一点のヴィルシーナ。ジェンティルドンナをモノサシにして考えると、この相手関係でも十分やれるはずだ。直線の短い内回りコースのメリットをフルに生かせば、好走どころかアタマ獲りまでありうる1頭。このレースにおける唯一無二の「穴」として、激しくプッシュしておきたい。

 以下は、オルフェーヴルショウナンマイティダークシャドウエイシンフラッシュという評価順。ここまでの5頭でキッチリ決まると見るし、大きな波乱は考えられない。爆穴候補を無理やりあげるなら、G3からのローテながら前走で最速上がりをマークしたヒットザターゲットだが、これはさすがに万人にはオススメしかねる。

■ダービー卿CT(G3・中山芝1600m)フルゲート16頭/登録37頭

 順調決着傾向の強い大阪杯とは打って変わって、2番人気以内馬が[1-0-2-15]とコケにコケまくっている、ダービー卿CT。100万馬券がポンポン飛び出すレースだけに狙いを絞り込むのも一苦労だが、取捨の指針となるデータがないワケではない。

 このレースが荒れる要因となっているのが、前走G1&G2出走馬の大不振。結果を残してしかるべき格上の馬が、トータル[1-0-2-22]とサッパリなのだから、荒れて当然である。また、ハンデ57.5キロ以上馬も[2-0-0-7]と絶不調。平均人気6.2に対して平均着順が9.2と、人気を裏切りまくっている。このあたりは「飛んで当然」くらいの開き直ったスタンスで臨んだほうが、好結果を呼び込めそうだ。

 集計期間内に9番人気以下で3着以内に好走した10頭のうち7頭にまで共通するのが「前走でも芝マイル戦に出走していた」ということ。さらに言えば、そのうち6頭は前走で、中山芝マイルで行われる東風Sに出走している馬だった。ちなみに前走東風S組の成績は、[5-3-4-24]で連対率22.2%、複勝率33.3%という素晴らしいもの。人気馬も人気薄も、前走東風S組というだけで買う価値がある。

 その他にもハンデ、年齢など絞り込めるファクターはあるが、そういったものを加味した上で評価した「開き直った狙い馬」が、ネオヴァンドームマックスドリームムクドクキョウエイストームセイウンジャガーズの5頭。完全なホームラン狙いではあるが、データ的な裏付けのある穴馬としてオススメしておきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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