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気の早い話ですが来年のばんえい記念を検討しちゃいます

  • 2013年03月30日(土) 12時00分
 24日に行われたばんえい記念。重さ1トンのソリを曳いて争うばんえい競馬の最高峰レースは、見応えのある熱戦になりました。

 勝ったのは大本命のカネサブラック。2011年以来2年ぶり2度目の優勝を果たし、引退の花道を飾りました。

 ここ20年ほどの間、このレースには「一度勝ったら二度以上勝つ」という傾向が見られます。参考のために、1993年以降の優勝馬を一覧にしてみました(カッコ内は優勝年。93年は12月、それ以降は1〜3月に開催。したがって94年は開催なし)。

マルゼンバージ(93、96年)
フクイチ(95、97、98年)
シマヅショウリキ(99、2000年)
サカノタイソン(01、02年)
スーパーペガサス(03〜06年)
トモエパワー(07〜09年)
ニシキダイジン(10、12年)
カネサブラック(11、13年)

 見事に2回以上優勝していますね。ところが、今回のレースでカネサブラックが引退したため、優勝経験のある現役馬は1頭もいなくなってしまいました。ということは、来年のレースでどの馬が優勝するかは大問題。もしその馬が再来年以降にも出走してきたら、素直に本命にすればいいわけですから。

 それじゃぁ、来年の優勝候補は? 現時点で言えるのは、今年のレースで2着に来たギンガリュウセイか、3着となったキタノタイショウが最有力ということです。

 両馬はともに今回がばんえい記念初挑戦。1トンのソリを曳いてどこまで戦えるかは“未知数”でした。しかし、カネサブラック相手に堂々の勝負を挑み、もうちょっとのところで「いきなり初優勝か」と思わせるレースを見せたのです。

 実は、ばんえい記念には「初挑戦の馬か、初挑戦の時に4着以内に来た馬しか勝てない」という傾向もあります。両馬は優勝につなげるための条件をクリアしました。

 もう1頭、現役ではホッカイヒカルも去年のばんえい記念に初挑戦して4着に入りました。でもこちらは、今年もまた4着。2度出走して1、2着争いに絡めなかった馬が、3度目以降の挑戦で優勝したというケースもないので、同馬にとってこれは厳しい結果と言わざるを得ません。

 来年のレースでギンガリュウセイとキタノタイショウをまとめて負かすとすれば、来月以降の古馬重賞戦線で何度か上位に食い込み、勢いをつけて初挑戦してきた馬、ということになるでしょう。でも、そういう馬が現れる可能性は極めて低いと思います。

 ちなみにキタノタイショウには、ばんえい競馬が帯広単独開催になった07年以降にデビューした馬、そして、2歳王者決定戦のイレネー記念で優勝した馬による、ばんえい記念初制覇の記録がかかります。気の早い話ですが、来年のレースが楽しみです!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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