■桜花賞(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録28頭
【コース基本情報】阪神芝1600m外 Bコース使用
・コース回収率
[低め] 単勝55%・複勝73% 人気馬の信頼度高く順当決着傾向
・馬連万馬券出現率
[標準] 12.5%(平均値△0.5% 馬連平均配当6139円)
・枠番別複勝率(16頭立て以上)
[1枠〜2枠] 勝率3.4% 連対率 8.1% 複勝率11.9% 複回率35%
[3枠〜6枠] 勝率6.4% 連対率11.5% 複勝率17.2% 複回率73%
[7枠〜8枠] 勝率6.6% 連対率14.1% 複勝率21.5% 複回率106%
・脚質別信頼度
先行>逃げ>>差し>>>追込 先行馬の前残りが非常に多い
・推定ラップ&タイム
[瞬発]35.2-24.2-34.5=1.33.9 持久力要求度も高い瞬発ラップに
コースデータを見てまず気付くのが、人気馬の信頼度が非常に高いこと。とくに優秀なのが2番人気以内馬で、トータル連対率47.0%、複勝率57.9%というハイアベレージを記録している。となると当然イマイチなのが人気薄で、8番人気以下馬は[9-20-36-1110]で勝率はたったの0.8%。のべ1175走で9勝しかできていないのだから、ここに賭けるのがリスキーなのは言うまでもない。
しかし、馬連万馬券の出現率は12.5%と標準の数値をキープしており、馬連平均配当も6139円となかなかの高さ。これに寄与しているのが、4番人気〜7番人気といった「中穴ゾーン」なのだ。トータル複勝率も25.1%と高く、それでいてソコソコの配当を期待できる、妙味の非常に高い存在。高配当を狙うにしても、大穴ではなく中穴から入ったほうが格段に効率がいいコースなのである。
続いて枠番について。コース形態から考えると内枠優勢、外枠劣勢になりそうなものなのだが、データ的にはあきらかに内枠劣勢。とくに内枠から勝つのは非常に難しいようで、勝率は中枠〜外枠の半分ほどしかない。複勝回収率の低さも目立っており、内枠に入った馬はかなり割り引いて考えたほうがよさそうだ。
そして最後に脚質。直線の長い外回りコースながら、実際にはかなり前有利なのだ。スローペースになりやすいコースでもあり、先行勢がソコソコの脚を使えるため、意外に「間に合いそうで間に合わない」ケースが多いのだろう。1着が最も期待できるのは差し脚質なのだが、「差し→先行」や「差し→逃げ」など、先行勢が1頭以上は残る決着パターンを想定しての予想をオススメする。
【レース基本情報】桜花賞(G1) 過去6年
・レース平均配当
単勝1033円 馬連3万3575円 3連複13万3125円
・1番人気馬成績
[2-2-0-2] 勝率33.3% 連対率66.7%・複勝率66.7%
・3番人気以内馬成績
[5-4-1-8] 勝率27.8% 連対率50.0%・複勝率55.6%
・10番人気以下馬成績
[1-1-1-50] 連対率3.8%・複勝率5.7%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 33.3% [差し] 33.3% [追込] 33.3%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 5.6% [先行] 27.8% [差し] 38.9% [追込] 27.8%
・枠番別成績
[1枠] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%
[2枠] 0-0-1-11 連対率 0% 複勝率 8.3%
[3枠] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%
[4枠] 1-1-0-9 連対率18.2% 複勝率18.2%
[5枠] 3-0-0-9 連対率25.0% 複勝率25.0%
[6枠] 0-0-2-10 連対率 0% 複勝率16.7%
[7枠] 1-2-2-13 連対率16.7% 複勝率27.8%
[8枠] 1-3-1-13 連対率22.2% 複勝率27.8%
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[1枠〜3枠] 0-0-1-35 連対率 0% 複勝率 2.8%
[4枠〜6枠] 4-1-2-28 連対率14.3% 複勝率20.0%
[7枠〜8枠] 2-5-3-26 連対率19.4% 複勝率27.8%
・厩舎所属別成績
[美浦] 1-2-3-40 連対率 6.5% 複勝率13.0%
[栗東] 5-4-3-48 連対率15.0% 複勝率20.0%
・前走レース別成績
[チューリップ賞] 4-1-2-14 連対率23.8% 複勝率33.3%
[フィリーR] 1-0-1-31 連対率 3.0% 複勝率 6.1%
[クイーンC] 0-3-1-9 連対率23.1% 複勝率30.8%
[フラワーC] 0-1-1-8 連対率10.0% 複勝率20.0%
[アネモネS] 0-0-1-12 連対率 0% 複勝率 7.7%
[エルフィS] 1-1-0-1 連対率66.7% 複勝率66.7%
[上記以外R] 0-0-0-14 連対率 0% 複勝率 0%
・前走距離別成績
[芝1200m] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
[芝1400m] 1-0-1-32 連対率 2.9% 複勝率 5.9%
[芝1600m] 5-5-4-38 連対率19.2% 複勝率26.9%
[芝1800m] 0-1-1-8 連対率10.0% 複勝率20.0%
[上記以外] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
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[芝1600m以上] 5-6-5-47 連対率17.5% 複勝率25.4%
[上記以外出走] 1-0-1-42 連対率 2.3% 複勝率 4.5%
・注目出走パターン
[買い] 継続騎乗となる前走チューリップ賞3番人気以内馬(連対率45.5%)
[買い] 近2走がいずれも3着以内(複勝率30.4%)
[全滅] 前走1400m以下戦に5番人気以下で出走(0-0-0-28)
[不振] 1枠〜3枠に入った馬(複勝率2.8%)
[不振] 元・地方騎手以外への乗り替わり(複勝率3.8%)
[割引] 前走上がり順位が6位以下(複勝率7.9%)
レジネッタとエフティマイアで決まった08年のような大波乱もあるが、この例を除くと平均配当は単勝372円、馬連964円、3連複4080円というとんでもない安さ。3番人気以内馬が[5-4-1-8]で連対率50.0%と堅調な成績を残しているように、今の桜花賞は荒れないレースとなっている。
まずは脚質面だが「かなり後方からでも届く」というのが特徴。コースデータよりも格段に差せている結果となっており、馬券に絡んだ馬のじつに3分の2までが、差し・追込脚質。道中の位置取りについては、それほど気にする必要がないレースだと言える。
しかし、枠番についてはコースデータ以上に内枠劣勢。1枠〜3枠に入った馬はトータル[0-0-1-35]で複勝率2.8%という大不振で、枠番が外に行けば行くほど成績が良くなる傾向が出ている。ハナに行くような馬ならともかく、内枠に入った中団待機組の扱いには、くれぐれも注意すべきである。
今回は前走レース別に成績を出してみたが、チューリップ賞組の強さとフィリーズレビュー組の弱さはご存知のとおり。まったく来ないワケではないが、前走で1400m以下戦に出走していたような馬は、かなり軽く扱ったほうがいい。また、騎手の乗り替わりや「前走上がり順位6位以下」という条件に当てはまる馬も、大幅割引の対象だ。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
先週からのBコース替わりでおおむねフラット化した印象。
・天候予測
土曜日に降雨がありそう。時計のかかる馬場となる可能性も。
・勝利数トップ種牡馬
ディープインパクト 勝率16.5% 連対率25.2% 複勝率37.8%
・著者の注目血統
ディープインパクト産駒、母父トニービンの配合馬
ディープインパクト、ダイワメジャー、ハーツクライといったサンデー系の大御所が上位にズラリと並ぶ。清く正しい瞬発力系コースといった印象で、末脚のキレがうまく引き出せる血統&配合の馬に向くのは間違いない。
今年は3頭のクロフネ産駒が登録しているが、こちらは[2-5-2-33]で勝率4.8%、連対率16.7%と及第点程度の数値。そう強調はできないのだが、「母父トニービン」という大プラス材料を持つクロフネサプライズは話が別だ。母父トニービンの配合馬は、複勝率33.7%、複勝回収率172%と超のつく高期待値。コース実績もあるのだから、何も心配することはない。
★総論×各論
阪神ジュベナイルFでは超人気薄だったクロフネサプライズだが、チューリップ賞の快勝で一気に主役の座へと躍り出た。コレクターアイテム、サンブルエミューズといった当時の人気馬がその後イマイチなのも、それに拍車をかけた印象。小倉2歳Sで9着だった同馬が桜花賞で主役を張るのだから、なかなかドラマチックな話だ。
……という書き出しから推測できると思うが、データ分析での最高評価馬も、このクロフネサプライズ。2戦連続で結果を残したことや、チューリップ賞を3番人気以内で、しかも上がり順位2位で快勝したこと、鞍上の乗り替わりが(おそらく)ないことなど、買い材料には事欠かない。ハナに行ける脚質が逆に気がかりな部分もあるが、好位に控えて競馬もできるワケで、そう割り引く必要はないと考えている。
あとは、クラウンロゼ、トーセンソレイユ、エバーブロッサムの3頭が上位評価組。以下、メイショウマンボ、ローブティサージュ、ウインプリメーラ、レッドオーヴァル、ジーニマジックまでを「押さえ」評価とした。プラス材料の少ないアユサンやコレクターアイテムは、現時点ではちょっと買いづらい。
あとは、大幅マイナスとなる内枠に、どの馬が入るか次第。大きく荒れる可能性は低そうなので、基本的にはクロフネサプライズから「中穴の先行馬&差し馬」へと流すイメージの馬券で勝負したい。
■ニュージーランドT(G2・中山芝1600m)フルゲート16頭/登録18頭
昨年のようにガッチガチで決着する年もあれば、11番人気と16番人気で決まった07年のようにドカ荒れもある、ニュージーランドT。しかも舞台は「内枠有利」の代名詞的存在と言える中山の芝1600mである。アレコレ考えさせられる要素が多く、予想していて非常に面白いレースだと言える。
まずはその「枠番」だが、1枠〜4枠がトータル[8-5-4-51]と好成績なのに対して、5枠〜8枠は[1-4-5-62]という低空飛行。勝率はたったの1.4%で複勝回収率も52%と、明らかに見劣る結果となっている。当コースのセオリーどおり、内枠徹底重視の姿勢で予想すべきなのは間違いない。
また、人気薄で好走しているのが関西馬ばかりで「関東馬は人気馬しか来ない」というのも特徴。関東馬自体は[3-1-4-68]とソコソコ馬券には絡んでいるのだが、これが「7番人気以下の関東馬」となると、[0-0-1-49]とサッパリなのである。高配当を狙って人気薄を買うなら、関西馬のほうが断然おトクだと断言しよう。
あとは、露骨に「小柄な馬がダメ」なのもポイント。459キロ以下馬は[0-1-1-34]で連対率2.8%と大不振であり、馬体重が増えるにしたがって好走率も上がる傾向にある。上位評価するなら480キロ以上、できれば500キロ以上の馬格が欲しいところだ。
その他にも指針となり得るデータを加味して分析すると、エーシントップ、ゴットフリートの人気2頭は素直に信頼したほうが良さそう。人気薄では、カシノピカチュウ、グランプリナイト、レッドアリオンの3頭を推奨したい。
■阪神牝馬S(G2・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録18頭
過去にも解説しているかもしれないが、阪神芝1400mは中央でも屈指の波乱コース。マイル路線とスプリント路線がぶつかり合い、おおむねマイル路線組が人気を集めるのだが、実際には非常にスプリント指向が強いコースなのだ。結果、マイラーの人気馬がコケて、スプリンターの人気薄が好走→大波乱となりやすいワケである。
実際に阪神牝馬Sのレースデータを見ても、前走でマイル以上戦に出走していた馬は過去7年[0-6-4-48]と1頭も勝っておらず、勝ち馬はすべて前走1400m以下戦出走組。しかし今年の阪神牝馬Sは、マイル戦を強烈な上がりで2連勝中のハナズゴールが、圧倒的人気となるのが確実なのである。地力が地力だけにアッサリ押し切られる可能性もあるが、コースの特性やレースデータから考えて、ここは逆張りする絶好のチャンスだ。
また、アテになるはずの「前走重賞組」がイマイチなのも、このレースの大きな特徴。そういう意味でも、ハナズゴールやフミノイマージン、ホエールキャプチャ、マルセリーナといったマイル以上のビッグネームは買いづらい。条件戦やオープン特別からのローテを狙ったほうが好結果を呼び込めそうなレースなのだ。
というわけで、人気馬では最もスプリント適性が高いアイムユアーズを、人気薄ではアンシェルブルー、カラフルデイズ、シュプリームギフトの3頭を推奨馬に抜擢。前走1400m以下戦出走馬を1着に固定した馬単、3連単で、高配当ゲットといきたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象