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4月24日は何の日かご存知ですか?

  • 2013年04月20日(土) 12時00分
 4月24日は何の日か、ご存知ですか?

 正解は第1回東京優駿大競走(日本ダービー)が行われた日。すぐに答えられた方はなかなかの競馬通です。1932年(昭和7年)4月24日(日)、春季目黒競馬第5日の第10レースとして行われました。

 その後のダービーは、第3回(34年、昭和9年)までは4月の第4日曜日、第4回(35年、昭和10年)から第6回(37年、昭和12年)までは天長節(昭和天皇誕生日)の4月29日に開催されました。4月末にダービーというのは、ずいぶん早いような気がしますね。

 当時、今で言うJRAのレースに出ていた競走馬は、3歳(数え年4歳)の春にデビューしていました。春競馬が始まるのは3月末から4月にかけて。つまり、どの馬にとってもデビューからダービーまでは1か月ほどしかなかったわけです。

 そういうスケジュールだったので、ダービーへの王道も今とはずいぶん違うものになっていました。第1回の優勝馬ワカタカは、3月26日に中山でデビュー(5着)、4月16日に目黒で初勝利を挙げ、3戦目でダービー優勝というローテーション。第2回のカブトヤマ、第3回のフレーモア、第4回のガヴアナーも、すべて3月末にデビューし、4月上旬から中旬にかけて2戦目を走り、3戦目でダービーを制しています。

 その頃の競走馬にとっては、デビューからわずか1か月ほどで迎える最初にして最大のレースがダービーでした。

 なにしろ皐月賞も菊花賞も桜花賞もオークスもなかった時代。当然ながら朝日杯も阪神ジュベナイルフィリーズもありません。今でもダービーはそれらをしのぐ競馬界最大のレースとして位置づけられていますが、それが他のレースに先んじて創設されたわけで、開催時期が4月末でも何の問題もなかったのでしょう。

 そのダービーが5月末(または6月はじめ)に行われるようになったのは第7回(38年、昭和13年)から。これと相まって、38年秋に菊花賞とオークス、39年春に桜花賞と皐月賞にあたるレースがそれぞれ創設されました。秋のオークスというのは今にしてみればかなり違和感を感じますが、それを除けばほぼイギリスに近いレース体系ができあがったことになります。

 もしもダービーが創設当初と同じ4月末の開催で続いていたら。ひょっとすると、ダービーが最初に行われるアメリカみたいな3冠体系になっていたかもしれません。でも、皐月賞、ダービー、菊花賞と、だんだん距離を伸ばしていくほうがシックリ行くでしょう?日本の競馬カレンダーはよくできているなぁと思いませんか?

 今年は日本ダービー80回記念。そのわりには、4月24日はあまりクローズアップされていません。このコラムをお読みいただいたみなさん、みんなでお祝いしましょうね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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