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過去の傾向から春の天皇賞を分析します

  • 2013年04月27日(土) 12時00分
 今週は春の天皇賞。ゴールドシップが断然の1番人気になりそうです。

 同馬は、3歳秋のシーズンに菊花賞と有馬記念を制しました。そういう馬が4歳春に天皇賞に出走した例は過去に4回しかありません。もっと多いと思っていましたが、意外に少ないんですね。

 その4回を一覧にしてみました。カッコ内は、該当馬が天皇賞の前に走ったレースとその着順です。

85年シンボリルドルフ=1着(日経賞1着)
96年マヤノトップガン=5着(阪神大賞典2着)
02年マンハッタンカフェ=1着(日経賞6着)
12年オルフェーヴル=11着(阪神大賞典2着)

 4頭中2頭が3冠馬。いずれ劣らぬ名馬ばかりですね。でも、4歳春の天皇賞には勝てなかった馬が2頭います。どちらも阪神大賞典を走っていたところがミソ。今年のゴールドシップも阪神大賞典に出走しました。死角なしと言われている同馬ですが、大丈夫でしょうか?

 96年のマヤノトップガンに勝ったのはサクラローレル。同馬はこの時、5歳のナリタブライアン(3冠馬となった94年に有馬記念も制覇)も2着に退けています。春天を勝つ前は、95年の中山金杯1着、(当時は2月に開催していた)目黒記念で2着になった後、骨折のため約1年の休養を余儀なくされ、96年の中山記念で復活して1着という成績。3歳秋から4歳初めの頃に大器の片鱗を見せ、故障さえなければと思わせる実力馬でした。

 去年、オルフェーヴル大敗のレースで優勝したビートブラックにとっては、春天が初の重賞タイトル。10年秋の菊花賞で3着になっていたとはいえ、前年の春天に初挑戦した時は9番人気で7着でしたから、奇跡の優勝と言ってもいいでしょう。

 今年、サクラローレルやビートブラックみたいな馬はいるでしょうか?

 それを考えるより、ゴールドシップが勝った時の2、3着馬を探したほうがいい、ですって?そうかもしれませんね。

 1983〜2012年の30年間で1番人気馬が勝った春天は11回。その中で、2番人気馬は2着と3着が4回ずつ。計8回は2番人気馬が3着以内に来ているわけです。3連複、3連単を買うなら、たぶん2番人気になりそうなフェノーメノはしっかり押さえておくべきでしょう。ちなみに11回のうち1、2、3番人気の順で決まったのが1回、1、3、2番人気の順で決着したのが3回もありました。

 1番人気馬は勝ったのに、2番人気馬と3番人気馬がともに2、3着に来られなかったのは2回だけ。頭堅ければヒモ堅からず、となるケースは少ないようです。今年の春天は大荒れになることはない、と見ましたが。桜花賞、皐月賞とそこそこのヒントになっていたこの分析、今回はどうなるでしょうか?!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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