■NHKマイルC(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録27頭
【コース基本情報】東京芝1600m Aコース使用
・コース回収率
[やや高め] 単勝78%・複勝80% 多頭数だとけっこう荒れやすい傾向
・馬連万馬券出現率
[標準] 12.1%(平均値△0.1% 馬連平均配当7445円)
・枠番別連対率(16頭立て以上)
[1枠〜2枠] 勝率5.3% 連対率12.7% 複勝率21.3% 複回率90%
[3枠〜6枠] 勝率6.6% 連対率12.1% 複勝率18.1% 複回率92%
[7枠〜8枠] 勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率14.1% 複回率68%
→外枠の期待値が低くやや割引が必要
・脚質別信頼度
先行≧差し>逃げ>追込 勝率は差し馬、複勝率は先行馬が優勢
・推定ラップ&タイム
[底力] 34.2-24.0-34.6=1.32.8 ラップが緩むセクションのない厳しい流れ
NHKマイルC、ヴィクトリアマイル、安田記念と、春だけで3回ものG1が開催される東京芝1600m。いわばマイル戦線における王道であり、それにふさわしい「公平」なコースである。7枠〜8枠の期待値がやや低くなってはいるが、競馬は内が有利、外が不利で当たり前。外枠はやや割り引くべきだが、内が極端に有利なわけでもない。
覚えておきたいのが、多頭数&上級条件のほうが荒れやすいということ。コース全体での回収率は単勝78%、複勝80%だが、条件を「16頭立て以上の1000万下〜重賞」に限定すると、数値は単勝107%、複勝88%にまで上昇する。コース回収率が100%を超える条件というのは、意外に珍しいものなのだ。
また、馬連万馬券の出現率がほぼ標準値なのに平均配当が高いというのも、注目すべきポイント。集計期間内に3本もの馬連10万馬券が出現しているように、荒れるときはとことん荒れるのが、このコースだ。中穴の好走率もかなり高く、波乱寄りの予想をしたほうが好結果を呼び込めるはず。人気馬よりも、穴馬の取捨に時間をかけたい。
脚質は極端な話「なんでもアリ」といった印象だが、複勝率と回収率は先行勢が高く、勝率は差し馬が高い傾向。また、クラスが上がるにつれて差し脚質の勝率シェアが、より高くなる。ちなみに「16頭立て以上の1000万下〜重賞」では、勝ち馬全体の6割近くが差し脚質。開き直って、アタマは差し馬に決め打つというのも面白い。
3歳限定戦とはいえ、レースの流れはかなり厳しい。中盤が緩んで上がりの瞬発力勝負になるケースは少なく、一貫して速い流れのなかでの底力勝負を想定すべきだろう。後半よりも前半が速くなる前傾の流れになると、末脚のキレだけで好走してきたようなタイプは失速する可能性アリ。厳しい流れでの好走実績が問われるレースとなりそうだ。
【レース基本情報】NHKマイルC(G1) 過去10年
・レース平均配当
単勝1732円 馬連8151円 3連複17万8826円
・1番人気馬成績
[5-1-0-4] 勝率50.0% 連対率60.0%・複勝率60.0%
・3番人気以内馬成績
[7-4-2-17] 勝率23.3% 連対率36.7%・複勝率43.3%
・10番人気以下馬成績
[2-1-4-83] 連対率3.3% 複勝率7.8%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 10.0% [先行] 30.0% [差し] 40.0% [追込] 20.0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 3.3% [先行] 33.3% [差し] 46.7% [追込] 16.7%
・枠番別成績
[1枠] 0-3-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
[2枠] 1-1-2-16 連対率10.0% 複勝率20.0%
[3枠] 2-1-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
[4枠] 0-0-0-20 連対率 0% 複勝率 0%
[5枠] 1-1-2-16 連対率10.0% 複勝率20.0%
[6枠] 1-0-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
[7枠] 4-2-2-22 連対率20.0% 複勝率26.7%
[8枠] 1-2-1-26 連対率10.0% 複勝率13.3%
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[1枠〜3枠] 3-5-4-48 連対率13.3% 複勝率20.0%
[4枠〜6枠] 2-1-3-54 連対率 5.0% 複勝率10.0%
[7枠〜8枠] 5-4-3-48 連対率15.0% 複勝率20.0%
・厩舎所属別成績
[美浦] 1-2-5-64 連対率 4.2% 複勝率11.1%
[栗東] 9-8-5-86 連対率15.7% 複勝率20.4%
・性別成績
[牡馬] 8-9-9-141 連対率10.2% 複勝率15.6%
[牝馬] 2-1-1-9 連対率23.1% 複勝率30.8%
・主要ステップ別成績
[NZT] 4-3-3-57 連対率10.4% 複勝率14.9%
[毎日杯] 4-1-0-4 連対率55.6% 複勝率55.6%
[桜花賞] 2-1-0-4 連対率42.9% 複勝率42.9%
[皐月賞] 0-3-2-25 連対率10.0% 複勝率16.7%
[上記外] 0-2-5-60 連対率 3.0% 複勝率10.4%
・前走距離別成績
[芝1200m] 0-0-1-16 連対率 0% 複勝率 5.9%
[芝1400m] 0-0-2-23 連対率 0% 複勝率 8.0%
[芝1600m] 6-4-3-71 連対率11.9% 複勝率15.5%
[芝1800m] 2-3-1-9 連対率33.3% 複勝率40.0%
[芝2000m] 2-3-3-28 連対率13.9% 複勝率22.2%
[それ以外] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
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[芝1400m以下] 0-0-3-39 連対率 0% 複勝率 7.1%
[芝1600m以上] 10-10-7-108 連対率14.8% 複勝率20.0%
[芝1800m以上] 4-6-4-37 連対率19.6% 複勝率27.5%
・注目出走パターン
[買い] 毎日杯からのローテ(連対率55.6%)
[買い] 前走G1で1着もしくは着差0秒9以内(複勝率36.8%)
[買い] 前走ニュージーランドTで3番人気以内かつ3着以内(複勝率41.7%)
[買い] 前走ひとケタ人気で1800m以上戦に出走(連対率33.3%)
[不振] 前走で1400m以下戦に出走(連対率0%、複勝率7.1%)
[不振] 前走ニュージーランドTで4着以下(連対率0%、複勝率7.5%)
[不振] 連闘〜中1週での出走(連対率0%、複勝率4.3%)
[全滅] 中8週よりも長いローテでの出走(0-0-0-9)
1番人気馬は[5-1-0-4]と堅調な結果を残しているのだが、それがぶっ飛んだときにはドカ荒れするレース。過去には3連単200万馬券はおろか900万馬券まで飛び出すなど、いささか両極端な結果となっている。2番人気〜3番人気が[2-3-2-13]とアテにならないのも、それを助長しているようだ。
脚質についてはコースデータ分析の結果とほぼ同じも、やや前有利な方向にシフトしている印象。逃げて馬券に絡んだのは、過去10年で昨年のカレンブラックヒルただ1頭だが、好位勢は高い確率で馬券に絡んでいる。先行勢優勢となるか、それとも差し優勢となるか判断が難しいところだ。
枠番に関しては、4枠〜6枠の「中枠」がイマイチ。大きく割り引く必要はないが、ややマイナス程度には考えておきたい。また、厩舎については完全な西高東低であり、勝ったのは07年に17番人気で激走したピンクカメオだけ。関東旋風が吹き荒れている今年の春G1だが、レースの傾向としてはけっこう手を出しづらい。
注目出走パターンは8項目をあげたが、ざっくりいえば「前走距離が長めの馬」や「ニュージーランドT好走馬」が強く、「順調なローテで出走できない馬」や「短距離戦からのローテ」が弱いレース。前走4着以下から巻き返している馬の半数が「前走2000m戦組」であるのは、大きなヒントとなりそうである。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
先週はフラットだった印象も、この時期は一気の高速馬場化に要注意。
・天候予測
週末まで降雨はあっても微量。パンパンの良馬場前提でオーケー。
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率10.3% 連対率20.6% 複勝率32.4%
ディープインパクト 勝率13.7% 連対率25.5% 複勝率38.2%
・著者の注目血統
ダイワメジャー産駒、母父サンデー&母父トニービンの配合馬
勝利数はキンカメとディープの二強なのだが、ここは珍しいことに、出走が可能そうなディープ産駒もキンカメ産駒も見当たらない。また、現在の東京マイルにおける最強配合といえる「シンボリクリスエス×母父サンデー」も見当たらず、ダイワメジャー産駒が繰り上がってのトップ評価となりそうだ。あとは、キングヘイロー産駒も悪くない。
BMSは王道コースらしく、母父サンデー、母父トニービンが好調。となると、血統の字面だけで評価するなら、ダイワメジャー×トニービンのコパノリチャードが最も向きそうである。あとは、クロフネ×サンデーのインパルスヒーローなど。エーシントップは「Storm Cat系×Unbridled's Song×Danzig」というアメリカンな配合であり、東京芝マイルだと正直なところ、不安が先に立つ。
★総論×各論
一応は重賞3勝のエーシントップが中心となりそうだが、一本かぶりのド本命といった様相ではなく、人気はかなり割れそう。レッドアリオン、ゴットフリート、インパルスヒーローなど悩ましい面々がそろっており、とんでもない穴馬が突っ込んできてもおかしくないムードである。
まずはニュージーランドTで好走したエーシントップとレッドアリオンだが、いずれも強調材料は少々、割引材料ナシといったところ。つまり、買うべきではあるのだが中心視するほどでもなく、「△」あたりが適当な評価となりそうだ。また、この二択ならば、血統と脚質面からレッドアリオンを上に取りたい。
対照的に強調材料が多いのは、絶好調の毎日杯組であるガイヤースヴェルト。前走ひとケタ人気であり、好位で流れに乗れるというのもプラス材料。それに加えて鞍上にウィリアムズ(2年連続連対中)を配してきたのも大きい。ここは高く評価してしかるべきだといえる。
というわけで、データ分析からはガイヤースヴェルト、レッドアリオンと、前走での出遅れを度外視してのゴットフリートまでを上位に評価。以下、エーシントップ、マイネルホウオウ、カシノピカチュウ、サトノネプチューンまでを押さえ評価としたい。前走で1400m以下戦に出走していた馬はすべて「消し」評価。また、ハナに行きそうなコパノリチャードや、長期休養明けのフラムドグロワールも、疑ってかかるべきだろう。
■京都新聞杯(G2・京都芝2200m外)フルゲート18頭/登録21頭
さすがに未勝利からの臨戦では勝負にならないが、それ以外はかなり多様なパターンで馬券に絡んでくる京都新聞杯。ふるいにかけるのが難しいレースだが、まずは前走で出走していたレースの「距離」からチェックしていこう。
前走で1800m以下戦に出走していた馬は[2-1-2-49]で連対率5.6%、複勝率9.3%と信頼度が非常に低く、京都新聞杯で4番人気以下となった馬は、さらに期待薄となっている。つまり、この組で買えそうなのはキズナやリグヴェーダ、アクションスターまで。それ以外は「消し」が適切となる。
前走で500万下に出走していた馬については、前走人気をチェック。前走2番人気以内馬は[4-5-0-18]と好成績だが、前走3番人気以下馬は[0-1-3-33]と、3着に来るのが精一杯。こちらも、積極的に嫌っていったほうが好結果となる出走パターンだ。
猛烈にひねった小ネタとしては、1月〜2月に生まれた、いわゆる「早生まれ」の馬が弱いのも特徴。この組で来ているのは前走2番人気以内馬がほとんどで、それ以外の馬は複勝率5.3%、複勝回収率8%という驚異的な期待値の低さとなっている。これに該当するサトノキングリー、サンライズピーク、マズルファイヤーも疑わしい。
……となると、残るのはアクションスター、キズナ、ペプチドアマゾン、ライジングゴールド、リグヴェーダの5頭だけ。素直に人気のキズナから入るのもいいが、ここは前走で2000m以上に出走していたペプチドアマゾン、ライジングゴールドの2頭を、推奨馬にあげておこう。
■新潟大賞典(G3・新潟芝2000m外)フルゲート16頭/登録34頭
多頭数でのハンデ戦とあって大荒れもありそうな新潟大賞典だが、過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内馬。ヒモはけっこう荒れるが、1着馬に関しては無難な馬からチョイスするのをオススメしたい。
真っ先にチェックしたいのが、前走での上がり3F順位。直線が長く決め脚が求められる新潟芝らしく、この順位が1位〜2位だった馬はトータル[5-5-3-21]で連対率29.4%、複勝率38.2%という高いアベレージを記録している。最優先で買うべき対象といえるが、出走できそうな馬でこの条件に該当するのは、ゴールデングローブ、サトノアポロ、ダコールの3頭だけだったりする。
また、斤量53キロ以下馬は[0-0-2-21]と信頼度が低く、来ても3着が精一杯。先の条件に該当したゴールデングローブだが、こちらはハンデ52キロでの出走。ならば、当日「5番人気以内」に推されそうなサトノアポロ、ダコールのほうが格段に期待できるはずだ。
2着、3着にはかなりヘンな馬も突っ込んでくるので、1着にこの2頭を固定し、あとは思いっきり手広く流す「雑」な馬券を推奨。資金に余裕のあるブルジョアな方は、ぜひ「2頭→全→全」の3連単420点買いにトライしていただきたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010以降が集計対象