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橋口厩舎の無駄玉とじぇじぇじぇ馬券!

  • 2013年05月02日(木) 12時00分
NHKマイルといえば橋口厩舎。この10年で9頭の馬を出走させ、成績は(1-1-2-5)。これでも十分頑張っているように見えるけれど、もうちょっと細かく書くともっと頑張っていることがわかる。

1着-2着-3着-4着-5着-6着以下で分けると、1-1-2-3-0-2で9頭中7頭が4着以内に。

なかなかの成績だ。6着以下の2頭も2人気で8着に負けたアイアンルックと1人気で11着に負けたゴールデンキャストで、どちらも1人気2人気に支持されており、存在感は十分あった。

つまり橋口厩舎のNHKマイル出走は、それだけで警戒が必要ということになる。

今年はレッドアリオンを出走させる。レッドアリオンは去年15人気で3着したクラレントの異父弟であり、NHKマイル出走は叶わなかったけれど、出走してれば人気になったであろうリディルの全弟。クラレントは父ダンスインザダーク、リディルはアグネスタキオン。サンデー系ではあるけれど、違う父でどちらもマイルが得意なのだから同じアグネスタキオンのレッドアリオンもマイルがベストと想定するのは容易い。

実際、それを見越したかのような使われ方をレッドアリオンはしている。

全成績(2-3-2-2)
1400(0-1-0-0)
1600(2-2-2-1)
1800(0-0-0-1)

うむ、この馬は最初からマイルの頂点を目指そうと意識して使われている気がする。あまり目立ってないけれど、橋口厩舎も松田国厩舎と同じようにNHKマイル→ダービーが好きな厩舎で、この10年でも9頭中5頭がNHKマイル→ダービーだった。結果がまったくともなってないので(15・14・17・5・15着)、ほとんど触られてないけど、自分にはNHK&ダービーが大好きな厩舎に思える。

だけどこの馬は東スポ杯やラジオNIKKEIやスプリングSを使われてない。ダービーへの未練はなく、NHK一本で勝負してきてるようにも思える。

以下はレッドアリオンの臨戦と過去10年の橋口厩舎馬の臨戦&成績。けっこうダービーへの未練、いや思惑が随所に散りばめられていたこともわかる。

レッドアリオン
新馬2着(小牧)
未勝利2着(小牧)
未勝利4着(小牧)
未勝利3着(福永)
未勝利1着(福永)
シンザン記念4人気5着(福永)
アーリントンC4人気3着(福永)
フローラルウォーク賞500万1人気1着(川須)
NZT3人気2着(川須)

12年
クラレント
新馬1着(小牧)
デイリー杯4人気1着(小牧)
東スポ杯2人気13着(小牧)
朝日FS6人気7着(小牧)
弥生賞11人気12着(小牧)
NHK15人気3着(小牧)
(ダービー14人気15着(小牧)

オリービン
新馬2着(小牧)
未勝利1着(小牧)
京王2歳4人気3着(小牧)
千両賞2人気2着(ルメール)
500万1人気1着(小牧)
シンザン3人気7着(小牧)
アーリントン6人気2着(Cデムーロ)
NZT3人気4着(Cデムーロ)
NHK10人気4着(川田)

11年
コティリオン
新馬1着(武豊)
ベゴニア1人気2着(武豊)
ラジオNIKKEI杯5人気3着(ルメール)
500万1人気3着(武豊)
きさらぎ4人気6着(安藤勝)
毎日杯4人気2着(小牧)
NHK2人気2着(小牧)
(ダービー6人気14着(小牧))

09年
アイアンルック
新馬1着(小牧)
アーリントン3人気4着(武豊)
毎日杯1人気1着(小牧)
NHK2人気8着(小牧)
(ダービー10人気17着(小牧))

08年
ダノンゴーゴー
新馬1着(安藤勝)
千両賞1人気3着(安藤勝)
さざんかS1人気2着(Mデムーロ)
500万1人気3着(安藤勝)
500万1人気1着(安藤勝)
ファルコン1人気1着(武豊)
NZT3人気7着(武豊)
NHK14人気3着(藤岡佑)

06年
ロジック
新馬1着(武豊)
萩S3人気3着(安藤勝)
500万2人気1着(武豊)
さざんかS2人気2着(武豊)
シンザン記念2人気3着(武豊)
アーリントン5人気2着(武豊)
NZT2人気3着(内田博)
NHK3人気1着(武豊)
(ダービー11人気5着(幸))

05年
ペールギュント
新馬3着(安藤勝)
未勝利1着(安藤勝)
デイリー杯9人気1着(小牧)
東スポ杯2人気2着(小牧)
朝日FS1人気3着(小牧)
シンザン記念1人気1着(武豊)
スプリングS1人気6着(善さん)
皐月賞9人気6着(池添)
NHK1人気4着(武豊)
(ダービー12人気15着(小牧))

03年
ユートピア
新馬5着(武豊)
新馬1着(安藤勝)
シクラメンS1人気1着(小牧)
毎日杯5人気2着(武豊)
NHK4人気4着(安藤勝)

ゴールデンキャスト
新馬2着(芹沢)
フェニックス2人気3着(高橋亮)
未勝利1着(高橋亮)
ききょうS1人気1着(武豊)
アーリントン1人気7着(武豊)
NZT1人気5着(武豊)
NHK1人気11着(武豊)

意外に無駄玉が多いように思える。上手いこと賞金加算できずに500万の平場や特別を使って、それが上手くいかなかったケースも多々みられる。でもそれが無駄になってないこともNHKマイル(1-1-2-3-0-2)の成績からはわかる。

いいボランチは一見無駄と思われるパスをいっぱい出すらしい。けれどそこにはすべて意味があるそうだ(参考文献・なぜボランチは無駄なパスを出すのか?)。もしかしたら、橋口師はいいボランチなのかもしれない。(おっと、勢いで書いてしまいました。厳密にはちょっと違う気もする。スルーしてください)

なぜ、そこを気にするのか?それはレッドアリオンがNHKマイルで10戦目になるからだ。この10年の橋口厩舎馬の中では一番多い。最高で9戦目だった(オリービン4着・ロジック1着・ペールギュント4着)。たった1戦の上乗せ。だけど、四球を決める無駄玉だった可能性だってある。

レッドアリオンの場合は勝ち上がりまでに5戦を要した。そこが無駄玉に思える部分。さらにシンザン記念5着、アーリントンC3着で賞金加算に失敗した。で、500万のフローラルウォーク賞に出走した(1着)。1つ余計に使わざるを得なかったようにも感じる。ただ前述したように橋口厩舎は無駄玉をキャリアに変える力がある(はず)。4着以内に走った7頭もシンザン記念・アーリントン・NZTを(だいたい)使われつつも、勝っていないことの方が多かった。

直近のNHKマイルでも10戦目の馬は健闘している。ディープスカイは10戦目で1着した。ダイワバーバリアンは10戦目で2着した。(ちなみにジョーカプチーノは9戦目で1着した。)ここは心強い。

ならば騎手はどうか?川須騎手はG1・3回目の騎乗。バリバリの若手だ。

最近の橋口厩舎は小牧騎手スタートが多い。小牧騎手スタートで、そのまま小牧騎手着地もあるけれど、間に何人かの名手系を挟んで小牧騎手戻りや、名手を挟んで別騎手着地もある。1つ言えることは騎手が1度も替らなかったのは去年のクラレントしかいないということ。ダノンゴーゴーは最終的には藤岡佑騎手で3着した。

NHKマイルは武幸騎手や藤岡康騎手といった当時の若手騎手が1着したり、小林淳騎手が18人気で3着したりと、ときどき若手が活躍する舞台でもある。

今年は1番人気が微妙な年でもある。

1番人気は毎日杯1着馬だと鉄板。それ以外は微妙。朝日杯1着馬だと50:50っぽい。
NZTを1番人気で1着した馬の1番人気は去年初めて登場し、勝った。けれどまだ1回のみでわからないところもある。つまりNZTを2番人気で1着したエーシントップの1番人気には全幅の信頼は置きにくいわけだ。

「1番人気はよくて50:50」。「若手がときどき活躍する」。「藤岡佑騎手もテン乗りで橋口厩舎の馬で3着した」。それらを総合すると川須騎手でもやれる気がしてくる。

うむ、なかなかいい感じで進んで来た。あとは人気だ。

橋口厩舎で4着以内に走った馬たち
クラレント15人気3着(小牧)
オリービン10人気4着(川田)
コティリオン2人気2着(小牧)
ダノンゴーゴー14人気3着(藤岡佑)
ロジック3人気1着(武豊)
ペールギュント1人気4着(武豊)
ユートピア4人気4着(安藤勝)

橋口厩舎で5着以下に負けた馬たち
アイアンルック2人気8着(小牧)
ゴールデンキャスト1人気11着(武豊)

コティリオンは2人気で2着したけれど、人気は薄いほうがざわざわできることがわかる。一方、完全に負けた馬はわかりやすい。1人気か2人気。武豊騎手、小牧騎手で1着2着もあれば、1人気・2人気を大きく裏切っているときもあった。けっこう人気に敏感だとも言える。もしかしたら騎手よりも大事な敏感ポイントかもしれない。

総括すると人気の境界線は最大に譲歩して、2番人気と3番人気の間か?つまり3人気がグッドラインで、ベターラインはもっと下。

前記した頑張った若手たちも、9人気(武幸)、18人気(小林淳)、10人気(藤岡康)だった。

レッドアリオンは過去の橋口厩舎の馬たちと同じようにシンザン記念、アーリントンで賞金加算できずに、500万特別1着とNZT2着でようやく賞金を加算させた馬。騎手もG1では経験の浅い川須騎手だ。

おそらく人気は手頃のはず。ならば行ける!今年も橋口厩舎の馬の警戒警報は解除できない!最高で1着、最低で4着!むしろ積極的に狙うべき!

と最大の敬意を表しつつも、念のため人気を拝見。もちろん材料はnetkeiba.comだ!(水曜日昼過ぎ)

1番人気エーシントップ
2番人気レッドアリオン!!!!

ウソだーー!!!!

今年はM&Cのデムーロ兄弟がいて、天下のウィリアムズがいて、絶好調の戸崎騎手もいて、最高運気のコパさんの馬もいるというのに、その上に川須騎手がいるなんて、

なぜだーー!!!!

外国人騎手は怖いぜ!1人気が前方にいたら、そこにピタっと狙いを定めて、ガッツリ、ビッチリ、叩きあうぜ!Cデムのカシノピカチュウはともかく、Mデムとウィリアムズの馬は先行できる脚があるぜ。

Mデムは実際、朝日杯でロゴタイプを先行させて、エーシントップを撃破してるぜ。ストーミングスターは前走エーシントップと0.1秒差。Mデムならばなんとかしてしまう気がしてくるぜ。

戸崎のゴットフリートだって朝日杯3着、共同通信杯2着馬だぜ。NZTは出遅れて負けたけれど、斉藤誠厩舎はゴスホークケン・サンツェッペリン・プレイ等でわかるように重賞では先行させて結果を出して来る厩舎だぜ。ウィリアムズのガイヤースヴェルト&戸崎のゴットフリートの2頭出しで上手いこと先行させて来たらやっぱり怖いぜ。戸崎騎手とガッチリの堀厩舎のサトノネプチューンがいるけれど、戸崎騎手をキッチリ確保し、さらにウィリアムズも確保だなんて、斉藤誠厩舎はまとめて怖いぜ。

Cデムのピカチュウだって、NZTではエーシントップの0.3秒差の5着だぜ。Cデムが完璧に追ってきたら、もうちょっと詰められるかもだぜ。子供の日でピカチュウって新聞で読んだけど、子供の日はカシワ餅だぜ。カシ(ワモチ)ノピカチュウ。子供の日以外でいつ頑張るんだ。Cデムもまだ20歳。一番子供の騎手だぜ。

コパノリチャードだって皐月賞では13着に惨敗したけど、まだわからないぜ。皐月賞は初めての角4・1周競馬で、初めての2000競馬で、しかも初めての前半34.1秒での逃げ。1600で逃げ先行して勝ち負けしてきた馬だけど、前半34.1は皐月賞が初めてだった(勝った3勝はすべて前半35秒以上だった)。これが経験となれば、1600のここは侮れないぜ。馬主デビュー以来最高の運気が訪れているドクターコパさんとラブ系運気なら最高潮のはずの福永騎手。二人の運気のマリアージュが成功すれば、ダイワメジャー産だし、まだわからないぜ。

インパルスヒーローだって新潟・東京・中京とぜんぶ左回りばっかりで2着・1着・1着・1着だぜ。初戦の16を負けて、2戦目から14だけで3連勝してるのは少し気になるけれど、これは距離不向きではなく、父クロフネの新馬初戦はかったりーっつーの気質が出ただけかもしれない。蛯名騎手にいっぱい馬を回してる国枝厩舎だけど、それはダービー路線での話。この馬はずっとタナカツ。おそらく最初からマイル路線に標準を絞っていたはずで、そこは怖いぜ。

おっと。

レッドアリオンの人気を少しでも下げようと自分なりに他馬を持ち上げていたら、本当に他馬が怖くなってきた。うは。

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NHKマイルカップ・注目馬
3番人気以下でレッドアリオン。もちろん4着覚悟で!!
エーシントップとゴットフリートは1番人気以外で購入してみたい!!
斉藤厩舎のもう1頭ガイヤースヴェルトはもちろん注目!!
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NHKといえば今は断然「あまちゃん」のはず。おそらくそこから派生する関連馬名が騒がれるかもしれないけれど、自分はごろ合わせではなく、流行り言葉っぽいサプライズを意味する方言「じぇじぇじぇ!」な結末を期待している。

ゴールした瞬間に思わず「じぇじぇじぇ!!」と仰天するような結末。そういうのがいい。だから何が来たらじぇじぇじぇだろう?今はそればかり考えている。

穴でじぇじぇじぇはわかりやすいけれど、人気馬がレコードで走ったら、それはそれでじぇじぇじぇだし、人気馬が何馬身も千切って勝ってもそれはそれでじぇじぇじぇだ。何も穴馬だけがじぇじぇじぇではないはず。とはいえ、できれば穴でじぇじぇしたい。

前記した馬・ストーミングスター・インパルスヒーロー・カシノピカチュウ・コパノリチャードらで人気のないのを選ぶ方法もある。紅一点になるかもしれないロ−ガンサファイアを選ぶ方法だってある。

ローガンサファイアはここ2戦外に出して伸びている。今回の鞍上は浜中。初騎乗でもない。なんらかの展開になって、なんらかの理由で前方系にいた馬が全馬脱落することになって。後方にいた浜中が外から差してくる。十分考えられる。牝馬が勝ったら、ピンクカメオ以来でもあり、当然じぇじぇじぇ!だ。


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5月2日に競馬王のPOG本が発売されました。
今年の目玉は特別付録の「種牡馬別・馬体メジャー」。このシートを馬体写真にあてると、POG期間内で活躍してくれそうな理想の馬体が判定できるそうです。種牡馬はディープやキンカメといった主要種牡馬6頭分。戦力となりそうな種牡馬はだいたい賄えそうです。今年もディープはやや控えめという噂もあり、そういう意味でもこの馬体メジャーは幅広く活躍しそうです。
先の皐月賞でもロゴタイプ・エピファネイア・コディーノを順番どおりに推奨した実績もあり、最後の決断に一役買ってくれそうです。

競馬王のPOG本2013-2014

競馬王のPOG本2013-2014

『競馬王のPOG本2013-2014』5月2日発売!!
 ブエナビスタ・ローズキングダム・レーヴディソールと3年連続で2歳チャンピオンの座を射止めた『競馬王の表紙の“毛”』。今年も熟考を重ねて決定しました。あの“大器”の妹です。ノーザンF・中尾事務局長が「なんじゃ、こりゃ」と、その成長ぶりに舌を巻く同馬の正体は!? また、「馬体の見方が分からない」という声に応え、綴じ込み付録「馬体メジャー」を導入。シートを馬体写真に重ねるだけで、その種牡馬の“走る形”“POGで稼ぐ形”かが一目瞭然となるスグレモノです。

 大好評の「栗山ノート」では、栗山求氏が新種牡馬2頭を含む、15種牡馬125頭の“最強配合”を大公開。恒例の馬主インタビューでは、ウイニングチケット、エイジアンウインズ、ローマンレジェンドの太田美實オーナーに、グリーンチャンネルパドックキャスター・矢作麗さんがお話を聞きました。グラサン師匠の鉄板競馬POG特別編は、昨年に引き続き追分ファームリリーバレー。第二のリグヴェーダ師匠を見つけるべく、現地に赴き、圧巻の施設と充実の2歳馬について直撃取材を敢行しました。

 山野浩一の新種牡馬診断・横手礼一の「産地馬体検査メモ」、昨年ロゴタイプの推奨に成功した美野真一による「穴馬一本釣り」、吉田竜作、井内利彰らによる調教師インタビュー、棟広良隆の矢作師&マイケルオーナーインタビューなどなど今年も盛りだくさんの内容で、どのPOG本よりも多い圧巻の288ページでお送りします。競馬王POG2013-2014の応募ハガキも付いています!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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