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馬券の買いやすさは春G1でも屈指!?/優駿牝馬(オークス)

  • 2013年05月15日(水) 19時00分
■優駿牝馬(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録22頭

【コース基本情報】東京芝2400m Bコース使用

・コース回収率
 [やや低め] 単勝62%・複勝72% 順当決着傾向が強いコース

・馬連万馬券出現率
 [標準] 11.3%(平均値▼0.7% 馬連平均配当4371円)

・枠番別連対率(16頭立て以上)
 [1枠〜2枠] 勝率9.0% 連対率13.5% 複勝率20.5% 複回率82%
 [3枠〜6枠] 勝率4.8% 連対率10.6% 複勝率16.8% 複回率65%
 [7枠〜8枠] 勝率5.4% 連対率11.9% 複勝率16.5% 複回率53%
 ──────────────────────
 [1枠&8枠] 勝率9.9% 連対率15.5% 複勝率20.2% 複回率73%
 [2枠〜7枠] 勝率4.5% 連対率10.2% 複勝率16.6% 複回率63%
 →意外に内枠有利だが8枠も好成績で要注意。

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>追込 ここまで差し優勢なコースは珍しいほど

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 36.0-75.6-34.6=2.26.2 序盤〜中盤が緩く一気に加速する瞬発戦

 今週のオークス、そして来週のダービーの舞台となる東京芝2400m。頂上決戦が行われるコースらしく、回収率は単勝62%、複勝72%と低めの数値が出ており、基本的には順当決着傾向が強い。とくに不振が目立っているのが11番人気以下で、こちらはトータル[2-2-11-522]で連対率0.7%、複勝率2.8%と絶不調。大穴狙いに適したコースでないのは間違いないといえる。

 ちょっと面白いのが、枠番別成績。1枠〜2枠の「内枠」がどの数値も頭ひとつ高く優勢なのだが、最も外である「8枠」もかなり期待値が高いのである。試しに集計してみたところ、1枠と8枠の合算値と2枠〜7枠のそれとでは、前者のほうが勝率、連対率、複勝率のいずれも5%前後高いという結果に。内枠優勢だけでなく、8枠の信頼度の高さも覚えておいて損はなさそうだ。

 昨年は非常に速いタイムで決着しているオークスだが、これは超高速馬場の影響が大。さすがに2分24秒を切る時計での決着は考えづらいし、序盤〜中盤が緩く上がりで一気に速くなる瞬発力勝負となる可能性が圧倒的に高い。差し圧倒的優勢のコースでもあり、キレのある脚は勝ち負けの必要条件。1着軸にも連軸にも、ここは迷わず「キレる差し馬」をチョイスしたい。

【レース基本情報】優駿牝馬(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝970円 馬連1万1085円 3連複3万2894円

・1番人気馬成績
 [3-1-0-6] 勝率30.0% 連対率40.0%・複勝率40.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-4-2-18] 勝率20.0% 連対率33.3%・複勝率30.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-0-86] 連対率2.3% 複勝率2.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 9.1% [先行] 0% [差し] 72.7% [追込] 18.2%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 6.7% [差し] 73.3% [追込] 13.3%

・枠番別成績
 [1枠] 1-2-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%
 [2枠] 3-1-1-15 連対率20.0% 複勝率25.0%
 [3枠] 0-2-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0%
 [4枠] 1-1-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [5枠] 1-1-3-15 連対率10.0% 複勝率25.0%
 [6枠] 0-0-2-18 連対率 0% 複勝率10.0%
 [7枠] 3-0-2-25 連対率10.0% 複勝率16.7%
 [8枠] 2-2-0-24 連対率14.3% 複勝率14.3%
 ──────────────────────
 [1枠〜3枠] 4-5-3-48 連対率15.0% 複勝率20.0%
 [4枠〜6枠] 2-2-5-51 連対率 6.7% 複勝率15.0%
 [7枠〜8枠] 5-2-2-49 連対率12.1% 複勝率15.5%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-3-4-70 連対率 6.3% 複勝率11.4%
 [栗東] 9-6-6-78 連対率15.2% 複勝率21.2%

・主要ステップ別成績
 [桜花賞] 8-7-5-57 連対率19.5% 複勝率26.0%
 [フローラS] 1-2-4-30 連対率 8.1% 複勝率18.9%
 [上記以外R] 2-0-1-61 連対率 3.1% 複勝率 4.7%

・注目出走パターン
 [特注] 前走桜花賞で2番人気以内かつ2着以内(連対率60.0%、複勝率70.0%)
 [特注] 前走桜花賞で2番人気以内(連対率47.8%、複勝率56.5%)
 [買い] 前走フローラSで1着(複勝率40.0%)
 [買い] 1枠〜3枠に入った桜花賞組(連対率27.6%、複勝率31.0%)
 [全滅] 前走で条件戦に出走(0-0-0-17)
 [不振] 前走3番人気以下(勝率1.7%、連対率5.8%)
 [不振] 前走桜花賞で6番人気以下かつ5着以下(連対率3.2%、複勝率6.5%)
 [不振] 前走フローラSで2着以下(連対率3.7%、複勝率11.1%)
 [不振] 前走5番人気以下かつ4角5番手以内(連対率0%、複勝率6.5%)
 [不振] キャリア8戦以上かつ前走3着以下(連対率0%、複勝率9.1%)
 [不振] 騎手が乗り替わる前走4着以下(連対率&複勝率6.7%)

 1番人気馬こそ[3-1-0-6]、3番人気以内馬[6-4-2-18]と、人気馬の信頼度はけっこう低め。だからといって10番人気以下馬がバンバン来ているというワケではなく、ふたケタ人気馬の複勝率は2.3%と低めの数値。となると、いわゆる「中穴」の好走に期待するのが最も効率がよさそうだ。

 一気の距離延長となる馬が多いレースだが、そのあたりは正直なところあまり気にする必要ナシ。というのも、阪神ジュベナイルFや桜花賞が阪神の外回りで開催されるようになってからというもの、これが見事なまでにオークスへと直結するようになったから。つまり、桜花賞好走=オークスでも好走可能と、シンプルに考えていいのである。

 それよりも注意したいのが、このレースにおける逃げ・先行勢の異常なまでの弱さだ。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、4角を5番手以内で回っていた馬はわずか8頭。要するに、前々でレースを進めて粘り込むのが非常に難しいのだ。差し優勢のコースであるのは前述したが、レースはそれ以上。「圧倒的差し優勢」くらいに捉えておいたほうがいい。想定すべきが、差し→差し決着や差し→追い込み決着なのは間違いない。

 桜花賞組が圧倒的に強いレースで、別路線組で買う価値があるのは、フローラSの1着馬くらいのもの。人気薄での激走を期待するなら「乗り替わりなどの割引材料がない桜花賞組の差し・追い込み馬」だろう。消しパターンが数多く存在するレースなので、注目出走パターンに該当するかどうかもしっかりチェックしていただきたい。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 それほど有利・不利のないフラットな状況という印象。

・天候予測
 お天気は週末に向けてやや下り坂。日曜日に降雨がある可能性も。

・勝利数トップ種牡馬(対象は牝馬のみ)
 ゼンノロブロイ  勝率22.4% 連対率26.5% 複勝率38.8%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒

 強烈な成績を残しているのがゼンノロブロイ産駒とハーツクライ産駒(複勝率52.8%)なのだが、残念ながら該当するのは、抽選待ちのタガノミューチャンのみ。となると、素直にディープインパクト産駒に「巻かれる」方向で行くのがベターだろう。こちらも連対率23.2%、複勝率33.9%と信頼度はかなりのもの。末脚のキレが要求されるコースで、その持ち味をフルに生かしてくれそうだ。

 それに続くのがキングカメハメハ産駒、クロフネ産駒あたりだが、プラス評価するほどでもないな……というのが正直なところ。いずれも2400mバチコイ!という血統ではないし、クラシックディスタンスでの信頼度はやや低くなって当然の話。血統だけでいえば、今年のオークスはディープ産駒が上位を独占する可能性が非常に高そうだといえる。

★総論×各論

 評価が高くなる馬はどこまでも高くなり、そうでない馬はいつまでたっても低いまま──というのが、今年のオークス登録馬たち。もっとも、牝馬クラシック路線は「阪神ジュベナイルF→チューリップ賞→桜花賞→オークス→ローズS」と、延々と似たような適性を要求されるレースが続くワケであり、こうなって当然といえば当然。面白味には欠けるが、馬券は非常に買いやすいレースとなりそうだ。

 トップ評価は、桜花賞の2着馬であるレッドオーヴァル。桜花賞でも最速の上がりで2着に突っ込んできたように、その末脚のキレはきわめてハイレベル。桜花賞2番人気以内、かつ2着以内という厳しい条件をクリアする唯一の馬でもあり、ここはノータイムで「買い」だといえる。

 次点で桜花賞馬アユサン。以下、デニムアンドルビー、クロフネサプライズ、ローブティサージュ。あとはトーセンソレイユ、プリンセスジャックも買えるパターンではあるのだが、このあたりまで手を伸ばすと今度は儲けるのが難しい。よって、ここはレッドオーヴァルから点数をかなり絞って買う馬単、3連単をオススメしたい。

 ガッチガチに人気サイドの結論になってしまって恐縮ではあるのだが、来ないパターンの馬を「来る」と煽るワケにもいかないので、どうかそのあたりはご容赦を。

■平安S(G3・京都ダ1900m)フルゲート16頭/登録37頭

 以前は1月の京都開催で行われていた平安Sだが、今年から開催時期が変更となり、またコースも1800mから1900mへと改められた。つまり今年の平安Sは、過去のレースデータがいっさい通用しない新規重賞みたいなモノ。何をどう分析するかが難しいが、今回は京都ダ1800mと1900mの「差」みたいなものに焦点を当てて考えてみたい。

 たかが100mの違いなのだが、意外に違うのがこの2コース。最初のコーナーまでの距離が長くなったことにより、序盤のペースが緩くなり、そのぶん上がりで瞬発力が要求されるようになった印象だ。それにより人気馬がキッチリ能力を発揮しやすくなったのか、1800mよりも1900mのほうが圧倒的に「堅い」傾向にあり、コース回収率も1900mのほうが格段に低いのである。

 過去にはドカ荒れもあった平安Sだが、この条件変更により堅く決着する傾向が強くなるのは間違いナシ。「先行力のある強い人気馬」にケンカを売りやすい、紛れのあるコースでないのは保証しよう。

 となるとここは「強い先行馬」である上に京都ダ適性までピカイチのニホンピロアワーズが、順当に勝ち負けする可能性大。ソリタリーキングやハートビートソングがそう簡単に差せるコースだとも思えないので、相手にも好位につけられそうなバーディバーディやハタノヴァンクール、ナムラタイタンなど、先行力がある組を狙ったほうがベター。素直にひねらず、人気スジでの勝負をオススメしておこう。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データはオークスが2008年以降、平安Sが2010年以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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