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G1での好走実績を素直に信頼!/東京優駿(日本ダービー)

  • 2013年05月22日(水) 18時00分
■東京優駿(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録22頭

【コース基本情報】東京芝2400m Cコース使用

※今回は「3歳限定戦」のみをデータ集計対象としています

・コース回収率
 [低め] 単勝51%・複勝70% 1番人気馬の1着率が猛烈に高いレース条件

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.0%(平均値△5.0% 馬連平均配当5745円)

・枠番別連対率(16頭立て以上)
 [1枠〜2枠] 勝率9.8% 連対率14.3% 複勝率19.6% 複回率82%
 [3枠〜6枠] 勝率4.9% 連対率11.7% 複勝率17.9% 複回率73%
 [7枠〜8枠] 勝率4.7% 連対率 9.4% 複勝率14.8% 複回率50%
 →完全に内枠優勢。とくに1枠は期待値が高いので人気薄でも要注意

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>追込 やはり差しが圧倒的優勢で逃げ切りは至難

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 35.8-74.4-35.6=2.25.8 オークスより厳しい流れも瞬発力は必須

 コース全体を対象とした分析は、先週のオークスでやったばかり。2週連続でほぼ同じデータを出しても意味がないので、今回は「3歳限定戦」だけを対象に集計&分析を行ってみた。

 ……のだが面白いことに、その傾向は全体成績を対象とした場合と、まったくといっていいほど変わらない。1番人気馬が[18-4-5-18]で勝率40.0%と、より際立った強さを見せてはいるが、それも傾向が加速しただけの話。基本的な部分は完全に同じであり、東京芝2400mで勝ち負けするために必要とされる適性は、それだけ揺るぎないものなのだろう。

 コースの単勝回収率が低いのに馬連万馬券の出現率が高いというのは違和感があるかもしれないが、大波乱というのは一本かぶりの人気馬がいるレースのほうが出やすいもの。それに、この条件で鬼のように強いのは「1番人気馬」だけであり、2番人気〜3番人気の信頼度が意外なほど低いのも、馬連万馬券出現率の高さに寄与していると考えられる。

 きわめて差し優勢のコースだというのは、先週も口が酸っぱくなるほどお伝えしたとおり。オークスも「差し→差し」決着であり、スタートで立ち後れた1番人気のデニムアンドルビーすら、最後方からのレースで3着に届いている。超がつく高速馬場化やどしゃ降りでの馬場悪化でもないかぎり、前々から押し切るのはかなり難しいはずだ。

 あとは、完全に内枠優勢という結果が出ているのも注目したいポイント。オークスで激走したメイショウマンボも「内枠の差し馬」だったわけで、前に行く馬も後方から差す馬も、内枠のほうがベターなのは確実である。

【レース基本情報】東京優駿(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝753円 馬連1万219円 3連複3万8976円

・1番人気馬成績
 [6-0-1-3] 勝率60.0% 連対率60.0%・複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [9-2-2-17] 勝率30.0% 連対率36.7%・複勝率43.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-3-0-86] 連対率3.4% 複勝率3.4%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 40.0% [差し] 50.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 36.7% [差し] 43.3% [追込] 13.3%

・枠番別成績
 [1枠] 4-1-0-15 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [2枠] 1-1-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0%
 [3枠] 2-2-0-16 連対率20.0% 複勝率20.0%
 [4枠] 0-3-2-15 連対率15.0% 複勝率25.0%
 [5枠] 1-0-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
 [6枠] 1-2-0-17 連対率15.0% 複勝率15.0%
 [7枠] 1-0-4-25 連対率 3.3% 複勝率16.7%
 [8枠] 0-1-2-26 連対率 3.4% 複勝率10.3%
 ───────────────────────
 [1枠〜3枠] 7-4-1-48 連対率18.3% 複勝率20.0%
 [4枠〜6枠] 2-5-3-50 連対率11.7% 複勝率16.7%
 [7枠〜8枠] 1-1-6-51 連対率 3.4% 複勝率13.6%
 ───────────────────────
 [1枠〜4枠] 7-7-3-63 連対率17.5% 複勝率21.3%
 [5枠〜8枠] 3-3-7-86 連対率 6.1% 複勝率13.1%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 1-3-1-47 連対率 7.7% 複勝率 9.6%
 [栗東] 9-7-9-101 連対率12.7% 複勝率19.8%

・主要ステップ別成績
 [皐月賞] 7-3-6-61 連対率13.0% 複勝率20.8%
 [マイルC] 2-1-1-23 連対率11.1% 複勝率14.8%
 [青葉賞] 0-4-1-23 連対率14.3% 複勝率17.9%
 [上記以外R] 1-2-2-42 連対率 6.4% 複勝率10.6%

・注目出走パターン
 [買い] 前走G1で1着(勝率46.2%)
 [買い] 1枠〜4枠に入った前走1番人気(複勝率40.0%)
 [買い] 青葉賞1着馬(複勝率44.4%)
 [買い] 馬体重480キロ以上(複勝率23.9%、複回率101%)
 [全滅] 前走6番人気以下かつ5着以下(0-0-0-31)
 [不振] 前走G1以外に出走して2着以下(複勝率2.6%)
 [不振] 騎手が乗り替わる前走4番人気以下(複勝率3.3%)
 [不振] 5枠〜8枠に入った前走4番人気以下(複勝率7.5%)
 [不振] 前走2番人気以下の関東馬(連対率2.4%、複勝率4.8%)

 1番人気馬が[6-0-1-3]と非常に高い勝率を誇っているのは、コースデータにおける傾向とまったく同じ。また、2番人気〜3番人気馬がトータル[3-2-1-14]とアテにならないのも同様である。「来るときはアタマで来る」のがダービーでの人気馬であり、2着率や3着率はかなり低め。1番人気馬を買うなら、連軸ではなく「1着軸」がオススメだ。

 単勝ふたケタ人気の超人気薄は[0-3-0-86]で複勝率3.4%と、かなり期待薄。ここを狙うくらいなら、2着〜3着に来る確率が格段に高い「中穴」のゾーンを狙うほうが、はるかに効率はいい。また、内枠優勢がコースデータよりも顕著であり、過去10年の勝ち馬のうち7頭までが1枠〜3枠であるのも重要なポイント。同程度の評価であれば、少しでも内に入った馬を狙うのがセオリーだと言える。

 好走&凡走パターンはいくつもあるが、目安として有効に機能してくれそうなのが「前走人気」によるフィルタリング。前走4番人気以内馬がトータル[8-9-6-82]で複勝率21.9%なのに対して、前走5番人気以下馬は[2-1-4-67]で複勝率9.5%と、極端なまでに差が出ている。前走4番人気以内という条件をクリアしない馬の場合、よほどの強調材料がないと買いづらいと考えるべきである。

 あとは、馬体重480キロ以上と馬格のある馬のほうが信頼度が高いことや、騎手の乗り替わりが大幅割引の対象となるのも、考慮しておきたいポイント。また、コースデータほどではないとはいえ、レースもやはり「差し優勢」の傾向にあるのもお忘れなく。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 Cコース替わり。先週は前が止まらない馬場で内から3頭目あたりが伸びた印象。

・天候予測
 週末までおそらく降雨はなし。パンパンの良馬場で開催となりそう。

・勝利数トップ種牡馬(コース全体)
 ゼンノロブロイ  勝率22.4% 連対率26.5% 複勝率38.8%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ネオユニヴァース産駒、母父Storm Catの配合馬

 ゼンノロブロイ産駒とハーツクライ産駒が異様に強いコースだが、オークスに続きダービーも登録馬なし。それ以外で成績が目立っているのは、複勝率35.0%のディープインパクト産駒、同32.5%のネオユニヴァース産駒あたりか。キングカメハメハ産駒やアグネスタキオン産駒もけっして悪い成績ではないのだが、上位馬と比較するとやや見劣る印象は否めない。

 注目したいのが、キズナとヒラボクディープが該当する、母父にStorm Catを持つ配合馬。ディープインパクトとの好相性はよく知られるところだが、当コースでは父を問わず、連対率33.3%、複勝率44.4%という驚異的な数値をマークしている。血統のイメージからすると意外だが、じつはコースとの相性が非常にいい血統なのである。

 馬場についてはCコース替わりのタイミングでもあり何とも言えないが、先週はかなり前有利の馬場バイアスだった印象。この傾向が今週も持続、もしくは加速するとなると、前残り決着に相応の注意を払う必要がありそうだ。

★総論×各論

 最も高い評価となったのは、皐月賞馬ロゴタイプ。関東馬であること、ならびに鞍上の乗り替わりというマイナス材料は存在するが、それを補ってあまりある実績。臨戦過程も文句なしで、ここは素直に信頼したい。距離適性についての不安も、ローエングリン×サンデーサイレンスという血統構成や、折り合いに何の不安もないことを考えると、杞憂となる可能性が大。当日1番人気になれば、より自信を持って勝負できそうだ。

 それ以外で高評価となったのは、皐月賞2着のエピファネイア、NHKマイルCの覇者マイネルホウオウ、青葉賞を勝ったヒラボクディープの3頭。以下、押さえでキズナ、コディーノという評価順であり、大荒れは考えにくいというのがデータ分析からの見立てとなる。

 皐月賞馬を差し置いてキズナが1番人気となる可能性もありそうだが、京都新聞杯1着からのローテというのは、やはり割引材料。重賞2連勝中とはいえ、楽な相手関係で出した結果であるのも事実だ。血統、脚質など魅力的な部分も多いのだが、過剰に評価されている印象も受ける。そういった理由もあり、ここは「押さえ」程度が適当と判断した。

 逆に積極的に買いたいのが、三番手評価としたマイネルホウオウ。NHKマイルCからのローテが好相性なのは今さら言うまでもなく、距離については差し脚質でもあり、ロゴタイプ以上に気にする必要はないはず。関東馬であること、前走が10番人気での激走であったことなどマイナス評価したポイントもあるが、人気薄となってくれるならば、リスクを取りに行く価値は十分にある。あとは、枠順次第だ。

■目黒記念(G2・東京芝2500m)フルゲート18頭/登録25頭

 今年もなかなか悩ましいメンツがそろった目黒記念。多頭数のハンデ戦と波乱含みの一戦だが、レースの回収率は単勝52%、複勝84%であり、1着馬に関してはけっこう堅めの傾向にあるレースだと言える。3番人気以内馬のトータル成績も、[6-5-1-18]で連対率36.7%とまずまずの水準。ヘンな馬が突っ込んでくるなら「3着」であり、1着馬と2着馬に関しては人気スジから狙ったほうが効率はいいはずだ。

 問題は、その「よく3着に突っ込んでくるヘンな馬」をいかに補足するか。これまでの傾向を見ると「前走でもハンデ戦に出走していた組」で、なおかつ「斤量減」となる馬を狙うのが面白い。過去10年の3着馬のうち、じつに7頭までが前走でもハンデ戦に出走しており、また8頭が今回斤量減。この両条件に該当している馬であれば、意外に高い確率で好走も期待できそうだ。出走できそうなところでこれらを満たすのは、コスモロビンネコパンチの2頭。ここの3着固定という変則的な攻め方も、目黒記念であればアリだ。

 そして1着馬〜2着馬については「前走ひとケタ着順のソコソコ背負う馬」から狙いたいところ。ここはアドマイヤラクティなどハンデの重い馬も人気を集めそうだが、ハンデ57.5キロ以上馬はトータル[1-2-0-15]と信頼度は意外なほど低め。ハンデ56キロ〜57キロ馬のほうが期待値は高いことから、カフナ、デスペラード、ルルーシュの3頭を候補として推奨しておきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データはダービーが2008年以降、目黒記念が2010年以降を集計対象とした

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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