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日本ダービーの“傾向と対策”

  • 2013年05月25日(土) 12時00分
 さぁ、いよいよ日本ダービーです。今年ご好評をいただいている(と勝手に決めつけている)“傾向と対策”シリーズ。ダービーに直結するレースと言えば何と言っても皐月賞ですから、今回は過去72回の皐月賞の結果とダービーとの関連を見てみましょう。

 今年の皐月賞は1番人気のロゴタイプが勝ちました。皐月賞1番人気優勝馬はこれが23頭目。過去22頭のうち19頭がダービーに駒を進め、13頭が“2冠馬”となっています。不出走馬を除けば、勝率.684。かなりの高確率です。

 さらに、ダービーに出て勝てなかった6頭の中では、1949年のトサミドリが7着に敗れたものの、あとの5頭はしっかり3着以内を確保しています。つまり、1番人気で皐月賞に勝った馬がダービーに駒を進めると、94.7%の確率で3着以内に来ているわけです。ロゴタイプの軸は堅そうですね。

 同馬にはもっと心強いデータがあります。今年の皐月賞は1番人気の同馬が勝っただけでなく、2番人気のエピファネイアが2着、3番人気のコディーノが3着と、人気順通りの決着となりました。過去の皐月賞でそういう結果になったのは、以下の3例だけです。

(左から)1着、2着、3着
1941年=セントライト、ミナミモア、オオトモ
1951年=トキノミノル、イツセイ、ミツハタ
2003年=ネオユニヴァース、サクラプレジデント、エイシンチャンプ

 この3回の皐月賞馬はすべてダービーも優勝しています。過去の例からすると、ロゴタイプがダービーを制する確率は100%ということになるわけですが…。

 一方、去年までの皐月賞で2番人気に推されながら1番人気馬に敗れて2着となった馬は9頭いますが、その中でダービーに勝った馬はいません。馬券に絡んだのも先に挙げた1951年2着のイツセイだけ。エピファネイアは初めての例を作れるでしょうか?

 それじゃあ、もしもロゴタイプが負けるとすれば?皐月賞1番人気優勝馬を破ってダービーを制した馬は、6頭中3頭が皐月賞2着馬、1頭が同3着馬、2頭が皐月賞不出走馬でした。

 別路線組で勝ったのは、1949年のタチカゼ(7戦2勝、前走オープン戦5着)と73年のタケホープ(11戦3勝、前走4歳中距離特別1着)。タチカゼは23頭中19番人気。ダービー史上最低人気の優勝馬です。今後この記録は破られることはありません(なぜかわかりますよね?)。ハイセイコー(3着)を負かしたタケホープも9番人気。今回、別路線組で大穴を狙うなら、中途半端な穴馬じゃなくて、何度も走ってなかなか勝っていない超人気薄馬を頭で買え、ってことでしょうか。

 とはいうものの、やっぱりロゴタイプに逆らわないほうがいいのかも。80回の節目のダービー、楽しませてもらいましょう!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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