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人魚を喰らう深海のダイオウイカを調査してみる。

  • 2013年06月06日(木) 12時00分
去年はウィリアムズ騎乗の1番人気グルヴェイグが危なげなく勝利した。
しかし過去的にはマーメイドSは1番人気やトップハンデが苦戦を強いられるレースのはず。

むしろ阪神2000内回りに棲む怪物が1番人気やトップハンデ馬を喰らうレースと見立てたほうが面白いだけでなく、身になるはず。

1番人気の人魚を信用するか?
トップハンデの人魚を信用するか?

信用できれば人魚から馬券を買う。
信用できなければ、その人魚を喰らう怪物クラーケンを探す。

1番人気成績(ハンデ戦になった過去7年) 1-0-0-6
トップハンデ馬成績 0-1-1-8

うむ。相変わらずナイガシロ指数は高そうだ。

去年はグルヴェイグの調子(1000万ながら2走連続で1人気1着していた。前走1番人気1着で臨んできた馬は初で、それが2走連続だったわけで、なおさら強力だった。ちなみに今年は前走1人気1着馬はいない)、ハンデ53キロ、騎手ウィリアムズ(去年は絶好調だった)、脚質・先行を総合的に判断すると、過去の1番人気以上に走りそうで、切れなかった。

では今年はどうなのか?
予想1番人気はアロマティコ。

アロマティコ
前走・Vマイル 9人気10着
→前走Vマイル馬はマーメイドでは1人気じゃない方が走っている。1人気だったコスモマーベラス、ベッラレイア、ニシノブルームーンらはみな馬券圏外。

調子・悪くなさそう。
→前走G1で0.5差・上がり1位、2走前G3で不利を受けながら0.1差4着・上がり1位、3走前1600万1番人気1着。特に3走前はここでも十分走るに足りる成績。

ハンデ54キロ・ふつう
→この7年でハンデ54の馬は1頭しか馬券圏内入りしていない。心配っちゃー心配だけど、2着したサンレイジャスパーはVマイルからの参戦でもあり、そんなに心配することもないと判定。

騎手・浜中(乗り替り) やや心配
→騎手が心配なのではなく、この馬の脚質との相乗でやや心配。

脚質・差し 心配
→ここ5走ずっと差しなのが心配。この馬の競馬を崩したくないがために差しに徹すれば、間に合わずもある。1番人気だからいつもより前で競馬をして、この馬のよさが消えてしまう可能性もある。差しというだけでここでは心配指数は高まる。

1番人気というだけでナイガシロ指数の上がるレースで、それを覆すほどの圧倒的安心材料は見つからなかった。

ただし、アロマティコは1番人気成績(3-0-1-0)、2番人気成績(1-1-0-1)で、人気になったときしか連対したことのない馬で、そこは気になる。去年のグルヴェイグも1番人気成績(4-2-0-1)で1番人気を得意にしていた。こういうのはなんとなく引っかかる。

というわけで総合的に判断して、アロマティコが馬券圏内入りするのは50:50(フィフティ:フィフティ)と判定。

1番人気が50:50ならば、もちろん進むべき方向は人魚を喰らう怪物クラーケン探し。

っていうか今時のいい方をするならば、クラーケンではなくダイオウイカ探し(クラーケンは海に棲息する北欧の伝説の怪物。巨大なイカのようなタコのような生き物で、その正体はダイオウイカの可能性大。人魚=ジュゴンより簡単に受け入れられる)。

NHKスペシャル「深海の超巨大イカ」によるとダイオウイカはトワイライトゾーンと呼ばれる深海に棲んでいるという。

深海をオッズに見立てれば話は早い。もちろん人気薄=深海だ。
深海を位置取りと見立てても話は早い。もちろん後方=深海だ。

実際、マーメイドSは過去7回しか行われてないが、深海人気のウマがわんさか走っている。しかもみんな軽い。53キロ以下。

穴の脚質もほぼ逃げか差しだ。浅瀬でバシャバシャしている軽いウマか深海で息を潜んでいる軽いウマを狙えばいいことがわかる。

06年
9人気1着 ソリッドプラチナム49 12-12-11-12
11人気3着 オリエントチャーム51 4-4-4-4

08年
12人気1着 トーホウシャイン48 10-10-10-7
10人気2着 ピースオブラヴ52 1-1-1-1

09年
9人気1着 コスモプラチナ53 1-1-1-1

10年
14人気2着 セラフィックロンプ53 1-1-1-1

11年
13人気3着 アースシンボル52 13-12-12-13

12年
7人気2着 クリスマスキャロル50 14-14-14-14
10人気3着 メルヴェイユドール50 12-13-12-9

うむ、去年は1番人気が勝ったけれど、2着3着は人気薄の差しウマだった。
人気者の人魚を深海の超巨大イカが喰らう構図に置き換えてなんら問題はない!

では具体的にトワイライトゾーンとはどの辺なのか?
上記穴をあけたウマの単オッズを倍率順に並べ替えて見てみる。

年代順ではなく、単オッズ順に並べてみる。
7人気2着 クリスマスキャロル 14.9
9人気1着 ソリッドプラチナム 19.5
9人気1着 コスモプラチナ 22.1
10人気3着 メルヴェイユドール 28.5
11人気3着 オリエントチャーム 35.8
14人気2着 セラフィックロンプ 37.9
10人気2着 ピースオブラヴ 40.1
13人気3着 アースシンボル 72.2
12人気1着 トーホウシャイン 116.3

うむ、なんか見えてきた気がする。

7人気2着 クリスマスキャロル 14.9
------------------------------------------
9人気1着 ソリッドプラチナム 19.5
9人気1着 コスモプラチナ 22.1
10人気3着 メルヴェイユドール 28.5
11人気3着 オリエントチャーム 35.8
14人気2着 セラフィックロンプ 37.9
10人気2着 ピースオブラヴ 40.1
------------------------------------------
13人気3着 アースシンボル 72.2
12人気1着 トーホウシャイン 116.3

トワイライトゾーンは単20〜40倍くらいではないか?
そもそも海のトワイライトゾーンとはいわゆる中深層のことで、水深200M〜1000Mを差し、その先には漸深層、深海層、超深海層がある。
つまり20〜40倍はちょーどいいはずだ。
言うなればアースシンボルは漸深層、トーホウシャインは深海層からやって来たと捉えればいい。

では今年のダイオウイカ候補はどのウマか?
過去の傾向を見ると、1番人気より軽いウマが馬券圏内に走りやすい。
アロマティコは54キロだから53キロ以下で、逃げか差しのウマ。
そこにトワイライトゾーンをまぶして、浮かび上がる馬は……。

予想オッズ参照(netkeiba.com)
マイネオーチャード53 10.9
ピュアブリーゼ53 12.5
ハワイアンウインド51 14.6
------------------
トワイライトゾーン
------------------
マイファーストラヴ49 58.9
エイシンラトゥナ49 70.9
エスピナアスール51 94.0

おっと!
おっととっと!

トワイライトゾーンと仮定したところに「該当する」ウマがいない!!

あくまでも予想オッズだからしょうがない。
人気の順番は大いに参考になるけれど、金額の大小が反映するオッズには狂いが生じても不思議ではない。

だから一旦予想オッズを無視して、本番当日にトワイライトゾーンに入ってきたらいいなぁ〜と仮定してイカ候補を記してみる。

浅瀬でバシャバシャ候補(逃げ系)
エイシンラトゥナ 3歳49 未定
ピュアブリーゼ 5歳53 古川吉

深海で潜伏して欲しい候補(差し・追い込み系)
マイネオーチャード 5歳53 柴田大
ハワイアンウインド 4歳51 菱田
マイファーストラヴ 7歳49 武幸(回避予定だとか)

浅瀬のエイシンラトゥナは49キロが魅力。この時期の3歳は逃げか追い込みが買いやすい。
ただこのウマは逃げないとまだ味がない。アグネスワルツに逃げられたらアウトか?

ピュアブリーゼは2、3番手でも粘れるのが魅力的。フルキチジョッキー得意の内ラチ競馬もできそうで、2着か3着で期待したいけれど、予想6人気は想定より1つ上。理想は7、8番人気。

深海系で期待したいマイネオーチャードの予想5番人気も想定より2つ上。これまた7番人気だと最高だった。ただこの馬はダイオウイカでなくても狙ってみたかったウマで、単で10倍以上つくなら食指が動く。

ハワイアンウインドは前走・菱田で先行して、2番人気で4着だった。この馬は差しでしか連対したことがなく、菱田2回目の騎乗で差しに回ってくれれば、51キロでダイオウイカに化ける可能性もあり。

回避予定ながら、今回の出走メンバーで自分が一番トワイライトゾーンを感じているのは

「マイファーストラヴ・武幸・49」だ。

この馬は武幸騎乗で(1-5-0-7)。
こう書くと、まあまあだけど、1着-2着-3着-4着-5着以下で成績を記すともっと面白く感じられる。

(1-5-0-5-2)。

武幸騎手は直近5走ですべて手綱を取り、
4着・4着・4着・4着・5着。

ちなみに上がり順位は
1着・3着・1着・2着・3着。
重量は
52・52・55・55・55。

今回は49キロ。前走からマイナス6キロ。
ふつうに想像するならば、いつも以上に破壊力のある末脚を発揮できるはず。

問題は鞍上・武幸騎手の49キロか。
なんせ武幸騎手は49キロ以下に騎乗したことはこれまで一度もない。
もし出走してきたらデビュー以来初の49キロ騎乗となる。

それが難しいから回避なのかもしれないが、仮に出走してくるようなら、騎手も相当お腹が減ってるはずで、超腹ペコのダイオウイカとして、俄然注目度は増す。
(仮に武幸以外の騎手だったとしても狙う価値ありとみている)

マーメイドS ダイオウイカ候補

出走してくればマイファーストラヴ
準イカ候補 ハワイアンウインド
----------その他のイカ候補
ピュアブリーゼ・マイネオーチャード

エプソムカップ注目馬
サクラアルディート・横山典
ファイナルフォーム・戸崎

横山典はぶっ放しモードに突入している気がする。
サクラアルディートの人気、臨戦、血統、そして横山典の騎乗タイミング…ぶっ放しが成功する条件は揃っている気がしてならない。

戸崎の単は戸崎が重賞を勝つまで買い続ける。もはやあとには引けない。

ちなみにエプソムCは1番人気をないがしろにしにくいレース。

予想1番人気はただいま5戦連続重賞2着のアドマイヤタイシ。

しかも5戦すべてハンデ戦だった。ここは興味深い。

ハンデ戦ゆえに2着できていたのか? ハンデ戦だったから勝てずにいたのか?

別定戦で57キロを背負って(5戦での最高ハンデは56。しかも1番人気は一度もなし)、1着してしまうのか?

とはいえアドマイヤタイシは1番人気でない方が買いやすい。

逆にサトノアポロが1番人気になったら、ギブ。馬券圏内では外せないと思っている。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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