■エプソムC(G3・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録22頭
【コース基本情報】東京芝1800m Cコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝72%・複勝68% ふたケタ人気馬の好走率低く大波乱は起こりづらい
・馬連万馬券出現率
[標準] 5.7%(平均値▼6.3% 馬連平均配当4322円)
・枠番別連対率(16頭立て以上)
[1枠〜2枠] 勝率7.6% 連対率12.9% 複勝率20.1% 複回率74%
[3枠〜6枠] 勝率5.6% 連対率11.7% 複勝率17.3% 複回率64%
[7枠〜8枠] 勝率5.1% 連対率11.3% 複勝率16.7% 複回率50%
→内枠がベターであるのは確実。期待値も外枠が最も低い
・脚質別信頼度
先行>>逃げ>差し>>追込 東京芝ながら先行勢の活躍が目立つコース
・推定ラップ&タイム
[瞬発] 35.2-36.5-34.9=1.46.6 中盤で緩んで上がりで加速する瞬発力コース
東京芝といえば「差し優勢」が基本なのだが、この芝1800mに関してはやや傾向が異なる様子。というのも、上級条件〜重賞における脚質別成績を見ると、逃げ馬や先行馬が非常に高い期待値を誇っているのだ。東京芝の春G1では「差し馬を狙うべし」と口を酸っぱくするほど繰り返してきたが、その印象に引きずられないよう気をつけたい。
また、コース回収率が意外なほど低く、堅めの決着が多いのも当コースの特徴。10番人気以下の超人気薄はトータル[6-7-12-843]で連対率1.5%、複勝率2.9%と、ほとんど馬券に絡めていない。穴馬を狙うなら10番人気以下馬よりも、7番人気〜9番人気あたりのゾーンのほうがベター。ホームラン狙いでブンブン振り回す馬券の買い方は、あまりオススメできない。
枠番に関しては信頼度、回収率ともに内枠優勢。信頼度についてはそれほど大きな差は出ていないのだが、複勝回収率ベースで比較すると、その差は歴然だ。よってコースデータ的には「内枠からスッと好位を取れる先行脚質の馬」を最も高く評価するスタンスを推奨。この条件を満たすソコソコ人気の馬が、最も連軸にふさわしいと言えそうだ。
【レース基本情報】エプソムC(G3) 過去10年
・レース平均配当
単勝726円 馬連2184円 3連複5万2052円
・1番人気馬成績
[4-2-3-1] 勝率40.0% 連対率60.0%・複勝率90.0%
・3番人気以内馬成績
[6-9-5-10] 勝率20.0% 連対率50.0%・複勝率66.7%
・4番人気〜9番人気馬成績
[4-1-2-53] 勝率6.7% 連対率8.3%・複勝率11.7%
・10番人気以下馬成績
[0-0-3-86] 連対率0% 複勝率3.4%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 70.0% [差し] 30.0% [追込] 0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 10.0% [先行] 46.7% [差し] 30.0% [追込] 10.0% [まくり] 3.3%
・年齢別成績
[3歳馬] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
[4歳馬] 6-4-3-26 連対率25.6% 複勝率33.3%
[5歳馬] 3-5-1-45 連対率14.8% 複勝率16.7%
[6歳馬] 1-1-2-38 連対率 4.8% 複勝率 9.5%
[7歳以上馬] 0-0-4-39 連対率0% 複勝率9.3%
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[5歳以下馬] 9-9-4-72 連対率19.1% 複勝率23.4%
[6歳以上馬] 1-1-6-77 連対率 2.4% 複勝率 9.4%
・性別成績
[牡馬] 10-10-10-138 連対率11.9% 複勝率17.9%
[牝馬] 0-0-0-11 連対率 0% 複勝率 0%
・枠番別成績
[1枠] 3-1-1-15 連対率20.0% 複勝率25.0%
[2枠] 1-0-2-17 連対率 5.0% 複勝率15.0%
[3枠] 1-0-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0%
[4枠] 2-3-0-15 連対率25.0% 複勝率25.0%
[5枠] 0-1-0-19 連対率 5.0% 複勝率 5.0%
[6枠] 1-1-2-16 連対率10.0% 複勝率20.0%
[7枠] 1-3-3-22 連対率13.8% 複勝率24.1%
[8枠] 1-1-1-27 連対率 6.7% 複勝率10.0%
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[1枠〜3枠] 5-1-4-50 連対率10.0% 複勝率16.7%
[4枠〜6枠] 3-5-2-50 連対率13.3% 複勝率16.7%
[7枠〜8枠] 2-4-4-49 連対率10.2% 複勝率16.9%
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[1枠〜4枠] 7-4-4-65 連対率13.8% 複勝率18.8%
[5枠〜8枠] 3-6-6-84 連対率 9.1% 複勝率15.2%
・厩舎所属別成績
[美浦] 6-3-7-76 連対率 9.8% 複勝率17.4%
[栗東] 4-7-3-73 連対率12.6% 複勝率16.1%
・主要ステップ別成績
[新潟大賞典] 4-2-4-30 連対率15.0% 複勝率25.0%
[マイラーズC] 2-2-0-2 連対率66.7% 複勝率66.7%
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[前走中央G1] 0-1-0-13 連対率 7.1% 複勝率 7.1%
[前走中央G2] 3-3-0-37 連対率14.0% 複勝率14.0%
[前走中央G3] 4-2-5-44 連対率10.9% 複勝率20.0%
[前走OP特別] 2-1-4-41 連対率 6.3% 複勝率14.6%
[前走条件戦] 1-3-1-14 連対率21.1% 複勝率26.3%
・注目出走パターン
[特注] 前走新潟大賞典で5番人気以内(連対率37.5%、複勝率50.0%)
[買い] 前走での上がり3F順位が3位以内の5歳以下馬(複勝率34.1%)
[不振] 前走6番人気以下の6歳以上馬(連対率0%、複勝率6.2%)
[不振] 前走4番人気以下かつ5着以下(連対率1.0%、複勝率5.0%)
[不振] 連闘〜中2週で出走の前走3着以下馬(複勝率3.1%)
[不振] 中8週よりも長い間隔で出走の前走3着以下馬(複勝率3.1%)
[不振] 前走勝ち馬から1秒以上の着差で敗北(複勝率3.6%)
[不振] 今回斤量減となる馬(複勝率16.7%、複勝回収率49%)
1番人気馬は過去10年[4-2-3-1]で複勝率90.0%と超高信頼度。人気サイドがおしなべて強く、馬連平均配当は2184円と、かなり低めの水準となっている。対照的に10番人気以下馬は[0-0-3-86]と連対例ナシと、このあたりはコースデータどおりの結果となった。コースと同じくレースも、堅め決着傾向が非常に強いようだ。
目立っているのが年齢別での成績差で、5歳以下馬がトータル[9-9-4-72]と、連対馬のほとんどを占めた。逆に6歳以上馬は連対率2.4%、複勝率9.4%というていたらくであり、人気馬でも過信は禁物である。あとは、勝ち馬の7割が先行脚質だったという点にも注目。きわめてコースデータに忠実な結果が出ているレースだと言えよう。
続いて臨戦過程だが、前走でG1やG2に出走していた馬がイマイチな成績に終わっているように、出走していたレースの「格」はまったく問われない一戦。また、前走での結果が今回にも直結する傾向にあり、前走大敗馬に巻き返しを期待するのは、かなり難しい。「前走5番人気以内&前走9着以内」が、ここで好走する上での必要条件である。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
先週はかなりフラットな馬場バイアスだった印象。そのまま継続か。
・天候予測
梅雨らしくない天候が続き土日も降らない可能性が高そう。良馬場前提で。
・勝利数トップ種牡馬
ディープインパクト 勝率18.6% 連対率32.4% 複勝率44.1%
・著者の注目血統
ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒、シンボリクリスエス産駒
ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒が、その存在感を発揮しまくっているコース。いずれも連対率は30%オーバーで、ディープ産駒に至っては複勝率44.1%をマークと、手がつけられないほどの強さを見せている。
あとはシンボリクリスエス産駒(複勝率33.3%)やフジキセキ産駒(連対率25.0%)が目立っている程度で、連対率13.8%のアグネスタキオン産駒や同12.8%のステイゴールド産駒はイマイチ。ひねらず素直に、ディープ産駒やハーツクライ産駒を上位評価するのが得策なようだ
★総論×各論
いかにもエプソムカップ!というメンバーが登録。見事なまでに一長一短だが、ここはコースデータからもレースデータからも、堅め決着の可能性が高いという結論が出ている一戦。つい穴方向で振り回したくなるメンツではあるが、バットを短めに持ったシュアなバッティングを心がけつつ、各論へと入っていきたい。
6歳以上馬というマイナス材料はあるが、それを補ってあまりあるプラス材料を備えているのが、アドマイヤタイシ。新潟大賞典を最速上がりで2着していることや、非常に安定感のある先行脚質、前走から斤量増になるなど、このレースに向くプロフィルを数多く備えている。勝ちきれない詰めの甘さは課題だが、内枠でも引けば文句なしに「買い」といえる内容。データ分析からは文句なしにトップ評価となった。
以下は猛烈に僅差なのだが、次点はハナ差でリルダヴァル。こちらもレースと相性が悪い6歳馬なのだが、アドマイヤタイシ同様に前走で好走しているため、大きな割引材料とはならなかった。好位〜中団から競馬できる上に、前走での上がり3F順位が2位と、末脚のキレもなかなかのもの。ここは好勝負が期待できそうだ。
あとはファイナルフォーム、サトノアポロ、サンレイレーザー、クラレントといった評価順。人気の一角となりそうなジャスタウェイは、血統面以外にプラス評価となる項目が見当たらず、今回に関しては意外に危なっかしい存在となりそう。それほど相性のいいコースではないし、思い切って「消し」で勝負するのもアリかと思われる。
そして最後に……もし出走が叶えばの話だが、サトノギャラントは激しくプッシュしたい1頭。除外対象で多摩川Sに回ると思われるため上位評価組に含めなかったのだが、データ分析による評価はアドマイヤタイシよりも上だったりする。可能性は低いが、念のため触れておきたい。
■マーメイドS(G3・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録15頭
ハンデ戦となってから7年目となるマーメイドS。ここまで軽ハンデ馬が強いレースも珍しく、ハンデ54キロ以上馬はトータル[1-2-1-32]で連対率8.3%、複勝率11.1%、複勝回収率30%という悲惨な成績に終わっている。54キロ以上馬のワンツー決着だった11年のような例もあるにはあるが「54キロ以上馬=疑ってかかる」がセオリーである。
というわけで、狙いはトータル[5-4-5-33]で連対率19.1%、複勝率29.8%、複勝回収率206%という超高期待値の53キロ以下馬。なかでも安定して好走が期待できるのがハンデ52キロ〜53キロ馬で、この条件に該当する馬では、ピュアブリーゼ、マイネオーチャードの2頭に注目しておきたい。
また、前走で先行していた馬や、前走でもハンデ戦に出走していた馬の好走率が高いこと、5歳馬〜6歳馬の激走が目立っていることから、エスピナアスール、ハワイアンウインドの2頭も要注目。さすがに今年のメンバー構成だと人気馬の1頭や2頭は馬券に絡んできそうなので、こちらはピクシープリンセスだけを上位評価組として、これらの組み合わせから流す3連複や3連単主体での勝負をオススメしたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データはダービーが2010年以降が集計対象