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ガツン!と1点勝負もアリか!?/函館スプリントS

  • 2013年06月12日(水) 18時00分
■函館スプリントS(G3・函館芝1200m)フルゲート16頭/登録18頭

【コース基本情報】函館芝1200m Aコース使用

・コース回収率
 [高め] 単勝86%・複勝85% 超人気薄の好走率が意外なほど高い

・馬連万馬券出現率
 [低め] 9.2%(平均値▼2.8% 馬連平均配当5453円)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率5.3% 連対率11.8% 複勝率18.8% 複回率150%
 [3枠〜6枠] 勝率7.0% 連対率13.4% 複勝率20.1% 複回率90%
 [7枠〜8枠] 勝率5.8% 連対率11.6% 複勝率16.3% 複回率52%
 →信頼度に差はないが回収率に大差。特に穴馬は内枠重視で。

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>>差し>>追込 平坦小回りの短距離戦だけに基本は前有利

・推定ラップ&タイム
 [前傾] 33.1-35.1=1.08.2 スプリント戦らしい完全な前傾の流れ

 開幕週で絶好の馬場コンディションで開催される函館スプリントS。推定ラップ&タイムの項目を見ていただけばわかるように、スプリント戦らしい完全な前傾の流れとなることが多いレースだ。こういった厳しい流れになると、先行勢以外も追走でスタミナを消費するため、そう簡単には差せない。結果として前が残るケースが多くなるというのは、スプリント戦の常識である。

 堅く決着することが多いコースという認識だったのだが、コース回収率は単複ともに85%以上と、意外なほど高め。馬連平均配当も5453円と、けっして低くはない水準にある。とはいえ、馬連万馬券の発生率は9.2%とやはり低め。「適度に荒れた」といったケースを狙うのが、当コースで最も効率のいい馬券の買い方と言えそうだ。

 面白いのが枠番別成績。内枠でも外枠でも信頼度に大きな差はないのだが、回収率には驚くほどの差が出ている。実際に16頭立てで行われたレース結果を見ても、大穴をあけた馬の多くが1枠〜3枠に集中しているのだ。人気馬についてはあまり枠番を気にしなくていいが、こと穴馬については、内枠重視の姿勢で臨むのが望ましいコースである。

【レース基本情報】函館スプリントS(G3) 函館過去9回
・レース平均配当
 単勝1199円 馬連2588円 3連複1万1688円

・1番人気馬成績
 [3-3-0-3] 勝率33.3% 連対率66.7%・複勝率66.7%

・3番人気以内馬成績
 [8-5-2-12] 勝率29.6% 連対率48.1%・複勝率55.6%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [0-4-4-46] 勝率0% 連対率7.4%・複勝率14.8%

・10番人気以下馬成績
 [1-0-3-40] 連対率2.3% 複勝率9.1%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 66.7% [差し] 22.2% [追込] 11.1%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 14.8% [先行] 40.7% [差し] 33.3% [追込] 11.1%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-2-2-13 連対率11.8% 複勝率23.5%
 [4歳馬] 3-2-2-11 連対率27.8% 複勝率38.9%
 [5歳馬] 5-0-1-19 連対率20.0% 複勝率24.0%
 [6歳馬] 1-4-3-26 連対率14.7% 複勝率23.5%
 [7歳以上馬] 0-1-1-29 連対率3.2% 複勝率6.5%
 ────────────────────────
 [5歳以下馬] 8-4-5-43 連対率20.0% 複勝率28.3%
 [6歳以上馬] 1-5-4-55 連対率 9.2% 複勝率15.4%

・性別成績
 [牡馬] 2-8-7-81 連対率10.2% 複勝率17.3%
 [牝馬] 7-1-2-17 連対率29.6% 複勝率37.0%

・枠番別成績
 [1枠] 3-2-1-7 連対率38.5% 複勝率46.2% 平均人気5.1
 [2枠] 2-1-2-8 連対率23.1% 複勝率38.5% 平均人気6.2
 [3枠] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0% 平均人気8.2
 [4枠] 0-1-1-13 連対率 6.7% 複勝率13.3% 平均人気8.1
 [5枠] 0-1-1-14 連対率 6.3% 複勝率12.5% 平均人気7.8
 [6枠] 1-1-0-15 連対率11.8% 複勝率11.8% 平均人気6.6
 [7枠] 2-2-1-13 連対率22.2% 複勝率27.8% 平均人気8.2
 [8枠] 0-0-2-16 連対率 0% 複勝率11.1% 平均人気9.5
 ───────────────────────
 [1枠〜3枠] 6-4-4-27 連対率24.4% 複勝率34.1%
 [4枠〜6枠] 1-3-2-42 連対率 8.3% 複勝率12.5%
 [7枠〜8枠] 2-2-3-29 連対率11.1% 複勝率19.4%
 ───────────────────────
 [1枠〜4枠] 6-5-5-40 連対率19.6% 複勝率28.6%
 [5枠〜8枠] 3-4-4-58 連対率10.1% 複勝率15.9%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-3-5-45 連対率 9.1% 複勝率18.2%
 [栗東] 7-6-4-52 連対率18.8% 複勝率24.6%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 3-3-3-15 連対率25.0% 複勝率37.5%
 [前走中央G2] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [前走中央G3] 2-3-2-22 連対率17.2% 複勝率24.1%
 [前走OP特別] 2-2-1-35 連対率10.0% 複勝率12.5%
 [前走条件戦] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0%

・注目出走パターン
 [特注] 関西のジョッキーが騎乗する3番人気以内の関西馬(連対率76.9%)
 [特注] 前走G1で5着以内(連対率66.7%、複勝率83.3%)
 [特注] 前走4角を5番手〜12番手で回っていた牝馬(複勝率75.0%)
 [不振] 前走1着馬をのぞく、前走上がり3F順位3位以内(複勝率6.7%)
 [不振] 斤量56キロ〜57キロの6歳以上牡馬(連対率5.6%)
 [不振] 前走が4番人気〜9番人気、かつ4着〜9着(連対率4.2%)

 単勝平均配当は1199円といっけんソコソコの水準に思えるが、これは06年の覇者ビーナスライン(13番人気1着で単勝7740円)の激走が含まれているため。この例を除くと単勝はすべて3ケタ配当で、平均配当も381円にまでダウンする。つまり基本的には、きわめて堅く決着する傾向にあるレースなのである。

 ビーナスライン以外の勝ち馬はすべて3番人気以内で、連対馬も18頭中16頭までが6番人気以内。昨年のように3着に人気薄が来て荒れるケースはあるが、2着までについてはかなり堅く決まると考えたほうがいい。06年の再現を狙って、1着に人気薄を狙うような馬券はあまりにリスキーだ。

 目立っているのが牝馬の強さで、トータル[7-1-2-17]で連対率29.6%、複勝率37.0%と破格の信頼度。ビーナスラインの一発が効いているとはいえ、回収率も単勝368%、複勝153%と非常に高い。現在7頭の牝馬が登録しているが、この期待値の高さを考えると、今年も「1頭は馬券に絡む」といった前提で考えたほうがよさそうだ。

 馬券に絡む馬の傾向は、かなりハッキリしている印象。その最たるものが、注目出走パターンの筆頭にあげた「関西のジョッキーが騎乗する3番人気以内の関西馬」である。この条件に該当したケースでは、トータル[7-3-1-2]で勝率53.8%、連対率76.9%、複勝率84.6%という驚異的な数値をマークしている。今年コレに該当する可能性があるのは、シュプリームギフト、スギノエンデバー、ドリームバレンチノあたりか。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週なので絶好の馬場状態であるのは確定。土曜日に傾向を確認したい。

・天候予測
 金曜日の降水確率がやや高めだが、降っても少量。良馬場前提でよさそう。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率11.8% 連対率20.6% 複勝率30.1%

・著者の注目血統
 クロフネ産駒、母父ダンスインザダーク、母父Mr. Prospector系の配合馬

 昨年7月以来の開催となる函館コース。まさに「パンパンの良馬場」といった芝コンディションであり、しばらくは前有利、内枠有利の状況が続くと予測される。週末の金曜日〜土曜日に降雨がある可能性もあるが、降雨量はおそらく少ないだろうし、降っても日曜日には良馬場へと回復してくれそうだ。

 スプリント戦が行われるコースらしく、サクラバクシンオーやクロフネなどの産駒が優勢。クロフネ産駒は当コースでトータル[10-6-3-24]で連対率37.2%、複勝率44.2%をマークしており、コース適性の高さがきわだっている。意外なところでは、母父にダンスインザダークを持つ配合馬や、母父がMr. Prospector系という馬も好調。少し硬さがあるくらいのほうが向くコースなのかもしれない。

 登録馬では、ディープインパクト×母父Mr. Prospector系のシュプリームギフトや、クロフネ産駒のストークアンドレイ、母父ダンスインザダークのフォーエバーマークなどが血統の字面から見た注目株。あとは、サクラバクシンオー産駒も高評価してしかるべきだろう。

★総論×各論

 前走の高松宮記念でも「世界のロードカナロア」に肉薄したドリームバレンチノ。スプリンターズSで3着、高松宮記念で2着と、その能力が今のスプリント界で三本の指に入るものであるのは間違いない。また、昨年このレースでロードカナロアに勝っているのも、忘れてはいけない事実。展開に助けられた部分があったとはいえ、なかなか勝てる相手ではない。つまり能力、適性ともに証明済みであるというワケだ。

 そんな馬が、好走例が非常に多い「前走G1で5着以内」や「関西のジョッキーが騎乗する3番人気以内の関西馬」といった条件をクリアした上で出走してくるのだから、勝ち負けにならないほうがおかしい。59キロの斤量が課題ではあるが、それが理由で人気を落としてくれるならば、逆に美味しいくらいである。

 もう1頭の注目馬が、牝馬のシュプリームギフト。前走の鞍馬Sではスギノエンデバーに先着されたが、後方に置かれる懸念があるスギノエンデバーよりも、函館芝1200mでの信頼度は格段に上。「前走で差していた牝馬」が異様に強いことや、母父にMr. Prospector系Souvenir Copyを持つという血統構成、関西馬&関西騎手の組み合わせで出走しそうなことなど、プラス材料も非常に多い。さすがにドリームバレンチノを逆転するとなると厳しいかもしれないが、馬券絡みする確率はかなり高いと言える。

 以下はフォーエバーマーク、スギノエンデバー、テイエムオオタカ、アドマイヤセプター、サクラアドニスといった評価順だが、こちらは僅差の大混戦。3着に人気薄が来るケースが多いレースでもあるので、ここはひねって穴を狙ってみたほうがいいかも。あとは、1枠〜3枠の内枠にどの馬が入るかも重要なファクター。現段階での結論としては、ドリームバレンチノとシュプリームギフトの1点勝負をオススメしたい。

■ユニコーンS(G3・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録26頭

 次世代のダート王を目指す若駒にとって、超重要なレースといえるユニコーンS。ハイレベルなメンバーが顔を揃えることもあってか「ここまで荒れないレースは珍しい」とボヤきたくなるほどの堅さ。過去10年の連対馬20頭のうち、じつに19頭までが5番人気以内なのだから、穴党には手も足も出ない。

 しかも、確実に出走できる登録馬は7頭だけで、残り9頭が抽選待ちという状況。とりあえず人気馬を買っときゃ当たる……なんてテキトーかつ投げやりなことを言いたくなってしまうが、まずはここで勝ち負けするための必要条件から解説しよう。真っ先にチェックしたいのが「前走連対」という条件を満たすか否か、である。

 前走連対馬がトータル[9-8-7-51]と、馬券に絡んでいる馬のほとんどがこの条件をクリア。逆に、条件を満たせなかった馬は連対率3.6%、複勝率7.1%、複勝回収率19%という超・低期待値となっている。また、前走10着以下や10番人気以下からの巻き返しも、はてしなく期待薄。あとは牝馬も[1-0-0-13]と、人気馬以外は通用しないと考えたほうがいい。また、騎手の乗り替わりも大幅マイナスとなる材料で、継続騎乗の場合と比較すると連対率も複勝率も20%前後は落ちる。

 さらに、前走で500万下を勝ち上がったばかりの馬も、当日人気にならないようであればサクッと「消し」が適当。よってクラージュドール、ジュベルムーサ、シグナルプロシード、ハコダテナイト、フミノファルコン、ベリートゥベリーの6頭は、乗り替わりか当日人気が5番人気以下であれば「消し」の方向で扱いたい。

 となると、残るのはサウンドリアーナ、チャーリーブレイヴ、ベストウォーリアという「オープン実績のある人気馬」のみ。つまり、今年もはてしなく堅い決着になりそうというのが、データ分析からの面白味に欠ける結論となる。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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