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デットーリで5馬身、函館洋芝で5馬身?

  • 2013年06月13日(木) 12時00分
今週から函館開催になる。今年は札幌競馬場が改修で休止だから北海道競馬は函館だけで4開催24日となる。

発売中の競馬王7月号に「前年比2倍の長期開催!Cコース解禁!馬場を味方に付ければ勝ち続けられる!!」とある。

なるほど!長い開催だから馬場読みさえ間違えなければむしろガッポリ儲かるということか?

自分もこれでもそれなりにこの業界の端っこにぶら下がっているから、キャッチだけ読めばだいたいわかる。

直線の短い競馬場だから先行有利だと思いきや、今年は12週連続開催! 差し馬場に替わる瞬間を逃さず馬券を的中させちゃお!的中させまくっちゃお! そんなことが書いてあるのだろう。もらった!今年の夏競馬は函館でガッチョリだ!

と、やや決めつけつつ、答え合わせのつもりでコース分析のスペシャリスト・コースの鬼!の城崎哲さんの今年の函館の馬場読みレポートを読んでみた。

「野芝の芝コースよりも洋芝の芝コースのほうが軟らかい、したがって、傷みやすい、というのは一般論としてはそれほど間違ってない」
→洋芝100%のコースは札幌と函館の2場のみ。つまり開催が長くなればなるほど外差し馬場になると言いたいはず!

「が、」→おっと!けっこう大事そうな「が」が登場!この流れだと、この先に待ち受ける展開は……

「中央4場の芝コースが主に野芝の最盛期から外れた時期に使われて年間40日間の使用に耐えなければならないのに対して、今回の函館は洋芝の最盛期における24日間だという点はけっこう大きい。」
→ん? この展開は「と思いきや、実は…」的展開だぞ。

さらに続けて、

「実は2009年の夏、今回とは逆に函館の休止分を吸収する形で札幌が24日間開催になったことがあった」

そして、当時の札幌開催での1着〜3着馬の通ったコースを表で示してくれていた。

それを見ると……、

あ!!

ちょっと!

え!? そんなもん!?

(表組なので引用はできません。なので私のリアクションで汲み取ってください)

つまり今年も馬場造園課にいるホイミー系マジシャンが函館競馬場の持っている自己再生能力に、A・B・Cコースの調整と目砂と軽転圧等の技をブレンドさせて、長期開催に耐えうる馬場を作ってくる可能性大ということだ。

馬場がずっといいならば、JRAでは日本一短い芝コースでもあり、先行&内をひたすら買っておけばよろしいという結論にもなる。

けれど話はそう単純には進まない。

雨の降り方や距離でガラリと傾向が替わる軽さや危うさももっているようだからだ。
う〜〜ん…勉強になるなぁ〜。さすが鬼だ。

さらに亀谷クンの夏の景気回復作戦「カメノミクス」には「芝2600を制するものは夏を制す」とある。そこで紹介されている2600でオススメな種牡馬を見ると……。

え?

ちょっと!

あの砂馬も!?

なるほど。勉強になるなぁ〜。さすがミクスと名付けちゃうだけあるなぁ〜。

(お汲み取りください。ちなみに1回函館で芝2600は3つもあります。ここはキッチリ当てたいところでございます)

ただし今週は開幕。メインは函館スプリントS。

特にあれこれ考えずにすむような気がする。たとえ雨が降ってもそれほど気にしなくていいはず。

注意する点としたら、2年前まで第3週で行われていたスプリントSが去年は第2週になって、今年は開幕週になったことか。このあたりを頭に入れつつ、過去10年を洗ってみる。

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前走てんでダメだった馬でもやって来ることがあるのは洋芝マジックか
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前走てんでダメだった馬の巻き返し
03年
1着ビリーヴ 1人気 前走安田記念 12着(着差0.7)
04年
2着ゴールデンロドリゴ 8人気 前走ダービー卿 13着(着差1.2)
05年
3着ディープサマー 3人気 前走NHKマイル 13着(着差1.7)
06年
1着ビーナスライン 13人気 前走フリーS 11着(着差0.7)
3着ブルーショットガン 10人気 前走高松宮 11着(着差0.7)
08年
2着トウショウカレッジ 5人気 前走CBC賞 9着(着差0.5)
09年
2着タニノマティーニ 8人気 前走CBC賞 9着(着差0.6)
3着ブラックバースピン 12人気 前走欅S 15着(着差2.5)
10年
3着アポロフェニックス 5人気 前走CBC賞 7着(着差0.7)
12年
3着ビスカヤ 11人気 前走朱雀S 10着(着差0.7)

ビリーヴ、ディープサマーは前走てんでダメだったけれど、前走がG1だったことが評価されてか、1人気・3人気だった。それでも取り上げたのはビリーヴは前走着差0.7秒だったこととディープサマーは3歳だったから。

そう。こうやって鑑賞してみると、やけに前走0.7秒差でダメだった馬が多いように見受けられる(3週目開催でも2週目開催でもやって来てるんだから開幕でもこれはオッケー項目だろう)。

10頭中5頭が前走0.7差でてんでダメだった馬。
0.7といえばだいたい5馬身くらいか。

5馬身!

デットーリで5馬身違うと言われたことがあったけれど、函館洋芝でも5馬身違うってことか?

なんか意味合いとか使い方とか違う気がするけれど、「××で5馬身」ていう言い方についつい魅かれる自分もいる。

函館洋芝で5馬身。

なんかいい。野芝、もしくは野芝+イタリアンライグラスの馬場で5馬身負けてた馬が函館の洋芝で馬券圏内に飛び込んでくる。もちろん前走、野芝系で好走してた馬も来る。いっぱい来る。

けれど、人気の旨味は野芝系で5馬身負けて、着順もてんでダメだった馬の方が当然ある。

つまり人気の盲点になって、かつ洋芝で替われる馬を探せれば一番おいしいはず。

今回のメンバーで前走0.7秒差近辺で負けていた馬は、

アドマイヤセプター 前走ヴィクトリアマイル 17人気15着 着差0.7
ビスカヤ 前走淀屋橋S 15人気10着 着差0.6

ビスカヤは去年、前走0.7差で出走し、11人気で3着に入った「函館で5馬身」を見せつけた馬。

だから今年も期待したいけれど、フルゲート16頭で18番目の馬。今年は出走そのものが難しそう。もし出て来たら目をかけるとして、今はケン。

となると今年注目の「函館で5馬身」の可能性を秘めた馬はアドマイヤセプター1頭のみとなる。

アドマイヤセプターの直近3走の成績は、

オーシャンS 11着(1.1差)
高松宮記念 15着(0.9差)
Vマイル 15着(0.7差)

G3・G1・G1を考慮してもてんでダメな成績。
こういう馬が函館で5馬身替わるとしたら、それはそれで魅力的だ。

函館は初出走だけれども、同じ洋芝の札幌では(3-0-1-0)。めっぽう得意。
しかも4戦すべて1番人気で3勝。中身も濃い。

函館でも5馬身替わる可能性は十二分に秘めているように思える。

実際、前走のVマイルの走りは、直線に向いて、残り400Mのところまでは抜け出してくるかのようなレースぶりであった。最後に一気に飲み込まれて15着したけれど、小回り函館ならばと思わせる片鱗はあった。

うむ、大丈夫だ。「函館で5馬身ホース」だ!
と決めつけたところで、一応、いつものようにnetkeiba.comのオッズで人気の旨味を確認。

アドマイヤセプター 4番人気。ワオ!

ここ3戦てんでダメだからここは7番人気くらいかな?と思っていたけれど、甘かった。
大人気じゃないか!!(みんな知ってたのね。ハヂカチイ。うは)

というわけで、取りあえずテンションが下がったので、別口も用意してみる。

今度はちゃんと人気を見ながら、過去と照らし合わせておいしそうなところを探してみる。

3歳が適度にやって来ているな…。
適度な感じがいいな…。

今年の3歳はマイネルエテルネルとストークアンドレイ。どっちも人気がない。
ストークアンドレイは函館2勝ホースだけど、直近3走の負けっぷり、2.2、3.2、2.2はちょっとひどい。50キロ&5馬身違ったとしても足りなさそうだ。

マイネルエテルネルは前走NHKマイル17着。これも着順はひどいけれど着差は1.1秒。こっちはまだ望みがある気がする。

3歳で馬券になっている馬は過去10年で5頭。3頭がNHKマイルに出走し、2頭が休み明けだった。

NHKマイルの成績は

ディープサマー 11人気13着 着差1.7
グランプリエンゼル 13人気3着 着差0.6
テイエムオオタカ 12人気14着 着差1.5

おっと、それなりに負けているじゃないか。

マイネルエテルネルの1.1差がまともな気がしてきた。
これに52キロのメリットが加われば、まだわからない馬へと変身できるかもしれない。

函館は初出走だけれども、そもそもこの馬は洋芝の本場(?)・英国ダービーに登録をした馬。
距離適性は2400ではなかったかもしれないけれど(1200で2勝)、洋芝適性は間違っていない可能性はある。

3歳で馬券になった5頭はすべて先行馬だった。この馬も先行できる脚はある。

NHKマイル 1.1差の踏ん張り
52キロ(前走57キロ)
1200 2勝
英国ダービー登録
先行脚質

うむ、まだわからない。
マイネルエテルネルはまだわからない。

函館スプリントS 注目馬
函館で5馬身・アドマイヤセプター
まだわからない3歳・マイネルエテルネル

はずしにくい・フォーエバーマーク・テイエムオオタカ・ドリームバレンチノ
去年2週目に繰り上がったのに、例年馬券圏内に食い込んでいた4角3番手以内の馬が馬券圏外に敗れた。

今年は開幕週に移って、例年以上に前が止まらないイメージがアップする可能性あり。

前がガンガン行って、それでも持つのならば、フォーエバーマーク&テイエムオオタカは外せない。その一方で、59のドリームバレンチノは開幕週ゆえに間に合わない可能性もある。去年よりは確実に間に合わない可能性はある。

逆に去年同様に止まるのならば、59でもドリームバレンチノは悠々間に合うようにも思える。

ここのさじ加減は週末にレースを見てから決めればいい(見たってわかんないかもしれないけれど)。

ユニコーンS
抽選組エーシンレンジャー・ジェベルムーサ・ブロードソード・ベリートゥベリー…1頭くらいは通過できるはず。
はずしにくい・チャーリーブレイヴ
(意地)単・戸崎

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「勝ち切るための馬券心理学」

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「自分の予想にこだわりがあっても印やオッズが気になってしまう」…オッズ大好き大好物!イタタ!
「予想理論がよくわからなくても『ナントカ指数』を鵜呑みにする」…鵜呑みどころか、心配指数、ナイガシロ指数、POG幸福指数…趣味・指数のネーミング作りだ!イタタタ!
「嫌いな予想家が推奨する馬は恐いと思いつつも消してしまう」…イタタタ!
「無駄な勝負をしてしまう」…無駄遣い大好き。
「まさかの抜けが恐くて、総流しをかけてしまう」…総流しはほとんどしない。けれどその反動で、ときどき、総流していいレースがないか探しに行くことあり。こっちから行っちゃう。たは。
「きわどい馬券をモノにするとつい周囲の人におごってしまう」…たりめぇーよ!

自分の症状の一部を抜粋してみました。正直、ぜんぶ思い当たるフシあり!きゃっほー!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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