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ハンデ56キロ以上馬は今年も危険!?/ラジオNIKKEI賞

  • 2013年06月26日(水) 18時00分
■ラジオNIKKEI賞(G3・福島芝1800m)フルゲート16頭/登録20頭

【特注必見データ!】 〜レースデータから〜

・3番人気以内馬 斤量別成績(福島過去6回)
 [52〜53キロ] 1-0-1-1 複勝率66.7% 複勝回収率133%
 [54〜55キロ] 2-3-1-3 複勝率66.7% 複勝回収率144%
 [56キロ以上] 0-0-0-6 複勝率 0% 複勝回収率 0%

 人気馬があまりアテにならないレースなのだが、なかでも最もアテにならないのが「ハンデ56キロ以上」を背負う3番人気以内馬。ハンデ戦となった06年以降、1頭も3着以内に来ていないという悲惨な成績となっている。今年この条件に該当しそうな登録馬は、ガイヤーズヴェルトとフラムドグロワールの2頭。もし当日3番人気以内に推されるようであれば、バッサリ切り捨てるのもアリだ。

 それとは対照的に絶好調なのが「ハンデ55キロ以下」の3番人気以内馬。こちらはトータル[3-3-2-4]で連対率50.0%、複勝率66.7%、複勝回収率141%という超・高期待値で、最優先で買うべき対象だと言える。こちらはインプロヴァイズミエノワンダーあたりが該当しそうな雰囲気。最終判断は当日のオッズ待ちとなるが、絶対に覚えておくべきデータであるのは間違いない。

【コース基本情報】福島芝1800m Aコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単勝69%・複勝77% 複穴の出現率が高いコース

・馬連万馬券出現率
 [高め] 16.5%(平均値△4.5% 馬連平均配当6799円)

・枠番別連対率(16頭立て)
 [1枠〜2枠] 勝率7.8% 連対率18.3% 複勝率22.8% 複回率89%
 [3枠〜6枠] 勝率5.3% 連対率10.0% 複勝率17.8% 複回率82%
 [7枠〜8枠] 勝率6.7% 連対率11.7% 複勝率16.7% 複回率54%
 →複勝率、回収率ともに内枠がトップ。外よりは内のほうがベター

・脚質別信頼度
 先行>逃げ≧差し>追込 好位勢が抜けて強いコース

・推定ラップ&タイム
 [均等] 35.5-37.2-35.4=1.48.1 1000m通過が60秒前後。前後半均等の流れに。

 コースの単勝回収率が69%と低いのだが、複勝回収率は77%と高めの数値。つまり、1番人気馬の勝率が高いにもかかわらず他の人気馬の信頼度が低く、中穴〜大穴が2着や3着に激走するケースが多いということになる。特に目立つのが7番人気〜9番人気のゾーンで、平均人気を平均着順が上回るという好調ぶり。平均配当も馬連6799円、3連複2万4651円と高めの水準にあり、かなり荒れるコースといって差し支えない。

 枠番については、基本的に内枠優勢。連対率ベースで比較するとわかりやすいのだが、16頭立てのレースで1枠〜2枠に入った馬の連対率が18.3%であるのに対して、3枠〜8枠のそれは10.6%と、大きな差が出ている。また、複勝回収率ベースで比較しても、内枠のほうが優秀。よって「枠は内であればあるほどいい」と考えていい。最も期待できるのは、内枠から先行できる馬。この条件に該当するならば、人気薄でも買いだ。

 例年通りならば、前半3Fが35.5前後で、1000m通過がおおむね60秒ジャスト。中盤でそれなりには緩むが、かといって瞬発力勝負にはならない──というのが、ラジオNIKKEI賞の流れ。前々のポジションからソコソコ斬れる脚を使えるようなタイプに向くラップであり、瞬発力勝負で好結果を出してきたような馬には向かない可能性もある。このあたりも考慮した上で、取捨選択を行いたい。

【レース基本情報】ラジオNIKKEI賞(G3) 福島過去6回
・レース平均配当
 単勝917円 馬連8430円 3連複3万4862円

・1番人気馬成績
  [0-1-1-4]  勝率0% 連対率16.7%・複勝率33.3%

・3番人気以内馬成績
 [3-3-2-10] 勝率16.7% 連対率33.3%・複勝率44.4%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-1-2-30] 勝率8.3% 連対率11.1%・複勝率16.7%

・10番人気以下馬成績
 [0-2-2-38] 連対率4.8% 複勝率9.5%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 66.7% [差し] 33.3% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 11.1% [先行] 44.4% [差し] 33.3% [追込] 11.1%

・性別成績
 [牡馬] 6-6-4-69 連対率14.1% 複勝率18.8%
 [牝馬] 0-0-2-9 連対率 0% 複勝率18.2%

・斤量別成績
 [51キロ以下] 0-0-1-5 複勝率16.7% 複勝回収率121%
 [52〜53キロ] 2-1-2-32 複勝率13.5% 複勝回収率126%
 [54〜55キロ] 3-4-2-29 複勝率23.7% 複勝回収率 81%
 [56キロ以上] 1-1-1-12 複勝率20.0% 複勝回収率 62%

・枠番別成績
 [1枠] 1-0-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3% 平均人気8.3
 [2枠] 1-1-2-8 連対率16.7% 複勝率33.3% 平均人気8.9
 [3枠] 1-0-2-9 連対率 8.3% 複勝率25.0% 平均人気9.3
 [4枠] 0-2-0-10 連対率16.7% 複勝率16.7% 平均人気7.9
 [5枠] 0-1-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3% 平均人気8.0
 [6枠] 0-1-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3% 平均人気9.1
 [7枠] 2-0-0-10 連対率16.7% 複勝率16.7% 平均人気7.8
 [8枠] 1-1-2-8 連対率16.7% 複勝率33.3% 平均人気8.0
 ───────────────────────
 [1枠〜2枠] 2-1-2-19 連対率12.5% 複勝率20.8%
 [3枠〜6枠] 1-4-2-41 連対率10.4% 複勝率14.6%
 [7枠〜8枠] 3-1-2-18 連対率16.7% 複勝率25.0%
 ───────────────────────
 [1枠〜4枠] 3-3-4-38 連対率12.5% 複勝率20.8%
 [5枠〜8枠] 3-3-2-40 連対率12.5% 複勝率16.7%

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-3-5-43 連対率14.3% 複勝率23.2%
 [栗東] 1-3-1-34 連対率10.3% 複勝率12.8%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 0-0-2-13 連対率 0% 複勝率13.3%
 [前走中央G2] 2-0-0-7 連対率22.2% 複勝率22.2%
 [前走中央G3] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走OP特別] 0-4-1-17 連対率18.2% 複勝率22.7%
 [前走条件戦] 4-2-3-35 連対率13.6% 複勝率20.5%

・前走距離別成績
 [前走芝1400↓] 0-0-1-2 連対率 0% 複勝率33.3%
 [前走芝1600m] 3-1-3-25 連対率12.5% 複勝率21.9%
 [前走芝1800m] 0-2-1-18 連対率 9.5% 複勝率14.3%
 [前走芝2000m] 1-3-1-9 連対率28.6% 複勝率35.7%
 [前走芝2200↑] 2-0-0-17 連対率10.5% 複勝率10.5%
 [前走ダート戦] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%

・注目出走パターン
 [買い] 前走芝2000m戦に出走して連対(連対率42.9%、複勝率57.1%)
 [買い] 前走東京の芝1600mか芝2000mで出走(複勝率29.4%、複勝回収率207%)
 [買い] 騎手が乗り替わらない関東馬(複勝率31.3%、複勝回収率262%)
 [全滅] 中8週よりも長い間隔での出走(0-0-0-6)
 [全滅] ハンデ52キロ〜55キロの牝馬(0-0-0-4)
 [不振] 前走10番人気以下かつ5着以下(連対率&複勝率4.5%)
 [不振] 前走で中央重賞に出走(連対率6.9%、複勝率13.8%)

 単勝平均こそ917円と3ケタに収まったが、馬連平均8430円、3連複平均3万4862円と、かなり荒れ模様。1番人気馬が[0-1-1-4]と信頼を大きく裏切っているのがその要因で、3番人気馬と4番人気馬も大不振。人気サイドで頑張っているのは、トータル[2-2-1-1]の2番人気馬だけである。

 1着馬は圧倒的に先行馬に多いのだが、逃げ馬は意外に残れないのがこのレース。「先行→差し」決着が最も想定しやすいパターンで、シェアの大きさを考えると、1着を好位につけられる先行馬に限定するのも悪くない手だ。斤量については冒頭の特注データの項でも触れたが、ハンデ56キロ以上馬は正直なところイマイチ。最も信頼できるのはハンデ54〜55キロ馬で、最も儲かるのはハンデ52〜53キロ馬だ。

 あとは、関東馬が関西馬を圧倒していることや、前走で芝1600m戦か芝2000m戦に出走している馬が強いこと、前走重賞組が[2-0-2-25]とアテにならないことなどが、分析する上で重要となるファクター。戦ってきたレースの格よりも「勢い」を重視すべきレースと言えそうだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 今年は開幕週の開催なので気にする必要ナシも、土曜日の傾向は要チェック

・天候予測
 週末まで延々と曇り空が続きそう。多少の降雨もあるが良馬場前提で。

・勝利数トップ種牡馬
 マンハッタンカフェ 勝率21.2% 連対率30.3% 複勝率33.3%

・著者の注目血統
 マンハッタンカフェ産駒、ダイワメジャー産駒(割引)

 開幕週なので、馬場についてはノータッチ。血統面では、マンハッタンカフェ産駒の強さが目立っている。トータル[7-3-1-22]で連対率30.3%と信頼度がバツグンな上に、複勝回収率も124%という高水準。登録馬で唯一のマンハッタンカフェ産駒であるカフェリュウジンは、血統派でなくとも要チェックの1頭だと言える。

 それ以外ではディープインパクト産駒、ジャングルポケット産駒あたりも悪くない内容。逆にイマイチなのがダイワメジャー産駒とステイゴールド産駒で、ガイヤーズヴェルト、フラムドグロワールなど人気を集めそうな馬が多いだけに、ちょっと気がかりだ。

★総論×各論

 直前のオッズを見てから判断したいデータも多いのだが、当データ分析が現時点で推すのは、人気サイドではミエノワンダーインプロヴァイズの2頭。そして人気薄では、バロンドゥフォールカフェリュウジンケイアイチョウサンの3頭という結論となった。

 最も信頼できそうなのがミエノワンダーで、騎手が乗り替わりとなりそうなこと以外は割り引く材料が見当たらない。前走プリンシパルSで2着からというローテは、今年の登録メンバーの中では最良といえるもの。また、前々でレースを進められるという点も、ラジオNIKKEI賞を勝ち負けする上では大きなプラスである。

 二番手評価が「騎手が乗り替わらない関東馬」で、冒頭の特注データにも該当する可能性があるインプロヴァイズ。その後はカフェリュウジンとバロンドゥフォールがほぼ同じ評価で並び、少し離れてケイアイチョウサン。以下は見事なまでにドングリの背比べといった印象であり、紛れる可能性も大いにある。

 やはり難しいのが、ガイヤーズヴェルトとフラムドグロワールの扱い。実績的に人気に推されて当然なのだが、いずれも「ハンデ56キロのダイワメジャー産駒」であることを考えると、押さえまでの評価が適当に思える。この2頭で決まって大恥をかく可能性も低くはないが、レースに向くプロフィルの持ち主と言えないのは事実。危なっかしいところのある人気馬として、警鐘を鳴らしておきたい。

■CBC賞(G3・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録23頭

 2010年は京都、2011年は阪神での開催。そして昨年から中京に戻ったものの、今度は開催時期が変更されてしまった。一応はアレコレ調べてはみたのだが、傾向と呼べるものを出すには、やはりデータ不足。「無理」の二文字で終えようかと2秒ほど真剣に悩んだくらい、書けることがない。

 ……と泣きを入れた上で、あまりアテにならないデータを。まずは血統面だが、新装以降の中京芝1200mについて調べたところ、猛烈な強さを見せていたのがキングカメハメハ産駒。トータル[4-1-5-14]で複勝率41.7%というハイアベレージで、サクラバクシンオー産駒やアドマイヤコジーン産駒よりも適性は高そうだ。

 対照的に、サンデー系は全体的にダメで、Mr. Prospector系もイマイチ。また、前走でも中京で出走していた馬や、前走阪神で出走していた馬の好走率が高いのも、このコースの特徴だと言えなくもない。となると、サドンストーム、ツルマルレオン、ハクサンムーン、マジンプロスパーのいずれも盤石とは言えず、穴馬の台頭も十分に期待できそうだ。

 穴馬に推すのは、長期休養明けをひと叩きされたキョウワマグナム。さすがに前走は息切れして最下位に終わったが、休養前にはスプリント路線の上位馬と悪くない勝負をしていた地力の持ち主だ。もちろん、キングカメハメハ産駒というのも推奨理由のひとつ。無理は承知で、ここから入る3連複で振り回してみたい。

※レースデータは2006年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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