重い馬は重い評価のときだけ考えればいい。
重い馬とはトップハンデ馬のこと。重い評価とは1番人気のこと。
厳密にはハンデ戦だけにかぎったことではない。別定戦の59キロの馬でも同じ事がいえるからだ。
もちろん100%じゃない。けれど、だいたいこれでなんとかなるし、なんとかなってきた。
ただしトップハンデといってもレースによっては、もしくは年によっては重たいトップハンデの年と軽いトップハンデの年がある。トップハンデ馬がいっぱいいる年もある。ハンデとは横の比較が大事だから、年によって重みや数に差が出るのは当然ともいえる。
ハンデキャッパーもヒューマンだ。年によっては「.5」では調整のつかない年もあるだろう。そんなヒューマニズムも考慮して、トップハンデ馬をナイガシロにするか決める(ナイガシロが大前提。これはマイ・ヒューマニズム)。これでだいたいなんとかなるし、なってきた。
たとえばCBC賞。
ハンデ戦の過去7年をみる(このレースは競馬場変更や改修とか無視していいと去年決めた)。
トップハンデで馬券に絡んだ馬は3頭。
12年 ダッシャーゴーゴー 59 1人気 3着
11年 ダッシャーゴーゴー 58.5 1人気 1着
06年 リミットレスビッド 58 5人気 3着
この7年でトップハンデ馬が58.5以上だった年は2回で該当馬は1頭。ダッシャーゴーゴー。どちらの年でも1人気という重たい評価をうけ、1着・3着している。
ここから仮定できることはCBC賞は58.5以上の馬が1番人気に評価されたら、ナイガシロにしにくい、いやナイガシロにしちゃダメってこと。
つまり58までは1人気でもナイガシロにしていい? とも言える。
06年に58のリミットレスビットが来ているけれど、この年は58の馬が3頭いた。
これがハンデ戦の面白ポイントで(あくまで自分だけが面白がってるにすぎないけれど)、トップハンデ馬が複数頭出走したときは意外や意外に、その中の1頭が馬券圏内に絡みやすくなる。そういう年はナイガシロしにくくなる。
2頭でも来やすいレースもあるけれど、基本は3頭以上。この場合はハンデの重たさや人気の重たさをある程度だけど無視して、拾いたくなる。
なぜ絡みやすくなるのか? その理由(仮説)もあるけれど、要は、
ハンデキャッパーもヒューマンだもの。ヒューマン・ネイチャーだもの。ハンデキャッパーのヒューマニズムがこぼれるときもあるでしょう。
そんな類いのこと。だから割愛。
つまり、おまけの58と上乗せの58と適正の58が並んでしまうこともあるでしょう。そんな認識。
そのような状況を自分はハンデギャップと呼んで、それが馬券ポイントになるかを検討することにしている。
てなことを思い描きながら、
今週のCBC賞とラジオNIKKEI賞(どちらも2006年からハンデ戦になったレース)を見つめてみる。
CBC賞。
【トップハンデ】
マジンプロスパー 58
【1番人気候補】
ハクサンムーン 57.5
マジンプロスパー 58
過去7年からは、58のマジンプロスパーは2連レベルでは削れる。
圏内に入るとしたら1番人気になったときの3着か。
逆にハクサンムーンは2番人気になった方が勝ち負けできそう。
今週は酒井騎手がロング・ホット・ウィークのはず!
日曜日 シルポート 宝塚記念 10着
水曜日 ニホンピロアワーズ 帝王賞 2着
日曜日 ハクサンムーン CBC賞
1年で1番長くてアツイ8日間を過ごしているはずの酒井騎手だけに、最後のCBC賞にはアツいエールを贈りたいところだけど、1番人気になるとしたら、なかなか買いにくい。1人気も苦戦しているレースだからだ。
つまり、こういうこと。
1番人気 ハクサンムーン
2番人気 マジンプロスパー(トップハンデ)
この構図ならば、どっちもナイガシロ!
1番人気 マジンプロスパー(トップハンデ)
2番人気 ハクサンムーン
この構図ならば、2頭ともに吟味の対象に! ノット・ナイガシロ!
でも、これでは個人的に困るので、酒井騎手には大変申し訳ないけれど、ハクサンムーンが1番人気になることを願っている。
去年の今週は、そのときリーディング3位にいた浜中騎手に注目した。
浜中騎手は夏をあしがかりにさらに飛躍するのではないか? そう思って注視したわけだけど、夏をステップにして、年間リーディングまで取ってしまった。
今年の浜中騎手は去年以上に頑張っていて、現在リーディング1位。ワオ!
もはや改めて注目してもなんのフックにもならない。
けれど、去年、夏場に大活躍するのでは? と仮定できたのは川田騎手がフランス遠征で1か月不在になることも大きかった。
今年、川田騎手が国外遠征するのか自分は知らないけれど、もし国内に専念するのなら、現在リーディング4位の川田騎手にも夏場はたっぷり馬が集まりそう。
ならば、去年のCBC賞で浜中騎手が夏の元気なご挨拶がわりにマジンプロスパーで1着したのだから、まずはここで元気なご挨拶があってもいい。
今年は川田騎手と浜中騎手が西の夏を盛り上げそう。あたりまえにそう思う。
毎年TOKIOの城島さんと山口さんがご挨拶してるから、夏の元気が成立してるのであって、ころころ替えられても困る。
できれば数年は西の元気なご挨拶は川田騎手と浜中騎手で担ってもらわないと。
だから注目は当然、こうなる。
サドンストーム56 川田
バーバラ53 浜中
サドンストームは予想3人気、バーバラは予想7人気。
悪くない。ほどほどだ。
取り立てて強調できる部分は自分には見えない。
けれど、サドンストームは新生・中京のファルコンSで3着があるし、バーバラは2走前に中京で1600万昇級初戦を2人気で1着している。
これまた悪くない。ほどほどだ。
ハンデ56も牡馬としてはそこそこ評価されているし、ハンデ53も牡馬換算で55なら、これまたそこそこの評価だ。
となると、あとは川田と浜中の元気力かご挨拶力に期待するしかない。
でもそれでいい。夏なんだから、そういうのでなんとかならないとダメだ!
ラジオNIKKEI賞はCBC賞以上にトップハンデや1番人気をナイガシロにできるレースだ。だからあれこれ考えずに消してしまえばいい。トップハンデと1番人気をきれいさっぱり消してしまえば、それだけで涼やかだ。
ただ今年はトップハンデ56キロが3頭いる。
ここはちょっとひっかかる。ハンデキャッパーのヒューマニズムがこぼれて、ハンデギャップの56だとしたらやっかいだ。
ガイヤースヴェルト 56 内田博
シャイニープリンス 56 和田
フラムドグロワール 56 田辺
過去にトップハンデ馬が馬券になったのは1回。
08年 ノットアローン57 2着 6人気
この年は57キロの馬が2頭いて、1頭が2着した(57のハンデギャップと仮決定)。
トップハンデ馬が複数頭いたのは08年と去年。去年は56キロ2頭で、どちらも惨敗した。
つまり、トップハンデ馬が3頭出走したことはまだないので、今年の56キロ馬3頭については、まだわからないとも言える。
いや、もっと踏み込むなら、
牝馬2キロ減で言えば、54キロのサンブルエミューズ(蛯名)もトップハンデ馬と認定できる。
となると今年は4頭のトップハンデ馬が出走することになる。
こうなるともうナイガシロにできない。さすがにハンデギャップも生まれていそうだ。
ガイヤースヴェルト 56 内田博
シャイニープリンス 56 和田
フラムドグロワール 56 田辺
サンブルエミューズ 54 蛯名(牝馬)
この4頭から1頭を抽出するか、別の馬を抽出し、この4頭に流すか。
どっちがいいだろう。
週の真ん中水曜日〜木曜日。
どっちが得かよ〜く考えるのは週末のお楽しみにとっておこう。
一応、開幕だからタナカツに注目してはいる。先週も函館で4-2-1-6の好成績。タナカツ的にはこれは大暴れでいいはず。でも宝塚記念の裏(東京)の裏(函館)だからあまり目立っていない。そこがいい。
で、重賞のラジオNIKKEIでタナカツが夏の元気する。そんな目論み。うむ、いい感じだ。
そのタナカツはミエノワンダーに騎乗。
主戦と思しき北村宏が巴賞のサトノギャラントに騎乗する。
ソデにされたようにも思えるけれど、藤沢和厩舎のフラムドグロワールの騎手は週初めには発表されていなかった。それを思えばミエノワンダー・タナカツは週初めには発表されていて、ぜんぜんマシ。っていうか、夫のサトノギャラントに北村宏が騎乗して、妻のミエノワンダーにタナカツが騎乗する。北村宏がそういう配慮をしたと思えば話は簡単だ。
というわけで、今年の夏の元気なご挨拶は
CBC賞 川田&浜中(場合によっては酒井)
ラジオNIKKEI賞 田中勝春(とトップハンデ4頭たち)
に期待してみた。
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