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穴馬がぶっちぎりの高評価に!/七夕賞

  • 2013年07月03日(水) 18時00分
■七夕賞(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録20頭

【コース基本情報】福島芝2000m Aコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単勝75%・複勝68% 多頭数でも頭は意外に堅い傾向

・馬連万馬券出現率
 [高め] 15.5%(平均値△3.5% 馬連平均配当5782円)

・枠番別連対率(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率6.3% 連対率13.1% 複勝率19.4% 複回率60% 枠番値+0.3
 [3枠〜6枠] 勝率7.1% 連対率13.4% 複勝率17.9% 複回率69% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率4.6% 連対率10.3% 複勝率20.6% 複回率76% 枠番値-0.1
 →最初のコーナーまでの距離が長く、枠番による差が小さいと推測される

・脚質別信頼度
 先行>逃げ>差し>追込 開催序盤は特に前有利の傾向アリ

・推定ラップ&タイム
 [均等] 35.6-49.2-35.5=2.00.3 前後半がキッチリ60秒ずつになる緩急のない流れ

 条件的にはいかにも荒れそうなのだが、16頭立てのレースにおけるコース回収率は単勝60%、複勝68%と平均値よりもかなり低め。行われたレースの半分で1番人気か2番人気が勝っているように「ヒモは紛れてもアタマは堅い」という結果になりやすい。逆に言えば、1番人気と2番人気を1着に固定して流せば、獲るだけならば簡単に獲れるコースなのだ。

 馬連万券出現率は15.5%と、平均値よりもかなり高い水準。とはいえ、馬連平均配当はおおむね標準値であるので、バカみたいに荒れるケースは比較的少ないと言える。ホームストレッチ側の引き込み線からスタートするコース形態から考えても、紛れがそれほど多くないのは当然の話。枠番による有利・不利が小さいのも納得の結果である。

 ただし、脚質に関してはハッキリと前有利。芝コンディションのいい開催序盤ではその傾向が顕著で、外から一気に追い込むといったケースは想定しづらい。軸には、ある程度は前のポジションを確保できる馬を狙ったほうがいいのは確実。差し馬も、馬場のいいインを突けるようなタイプを選んだほうがベターだろう。

 七夕賞の想定ラップは「前半3F35秒6−1000m通過60秒0−上がり3F35秒5」という、芝2000m戦の王道と言えるようなもの。極端に緩急のあるラップで流れるというのは考えにくいので、ソコソコ前に行ってソコソコの脚を使えるような馬のほうが信頼できるはず。上がり特化型の人気馬は信用しないほうがいいコースと言えそうだ。

【レース基本情報】七夕賞(G3) 福島開催過去9回
・レース平均配当
 単勝1541円 馬連7831円 3連複1万8781円

・1番人気馬成績
 [2-3-1-3] 勝率22.2% 連対率55.6% 複勝率66.7%

・3番人気以内馬成績
 [3-4-8-12] 勝率11.1% 連対率25.9%・複勝率55.6%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [4-4-2-44] 勝率7.4% 連対率14.8%・複勝率18.5%

・10番人気以下馬成績
 [2-1-0-44] 連対率6.4% 複勝率6.4%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 11.1% [先行] 44.4% [差し] 22.2% [追込] 22.2%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 10.7% [先行] 32.1% [差し] 28.6% [追込] 28.6%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-0-0 連対率 0% 複勝率 0%
 [4歳馬] 0-2-1-5 連対率25.0% 複勝率37.5%
 [5歳馬] 3-3-5-30 連対率14.6% 複勝率26.8%
 [6歳馬] 5-3-3-21 連対率25.0% 複勝率34.4%
 [7歳以上馬] 1-1-1-44 連対率4.3% 複勝率6.4%

・性別成績
 [牡馬] 9-7-10-94 連対率13.3% 複勝率21.7%
 [牝馬] 0-2-0-6 連対率25.0% 複勝率25.0%

・牡馬斤量別成績
 [51キロ以下] 0-0-0-9 複勝率 0% 複勝回収率 0%
 [52〜53キロ] 2-1-1-22 複勝率15.4% 複勝回収率80%
 [54〜55キロ] 1-1-4-34 複勝率15.0% 複勝回収率60%
 [斤量56キロ] 2-2-3-14 複勝率33.3% 複勝回収率94%
 [57キロ以上] 4-3-2-15 複勝率37.5% 複勝回収率81%
 ─────────────────────────
 [55キロ以下] 3-2-5-65 複勝率13.3% 複勝回収率60%
 [56キロ以上] 6-5-5-29 複勝率35.6% 複勝回収率87%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 1-1-0-12 連対率14.3% 複勝率14.3% 枠番値+1.5
 [2枠] 2-0-0-13 連対率13.3% 複勝率13.3% 枠番値-0.3
 [3枠] 1-3-0-11 連対率26.7% 複勝率26.7% 枠番値+0.5
 [4枠] 2-2-3-9 連対率25.0% 複勝率43.8% 枠番値-0.1
 [5枠] 1-0-0-3 連対率 6.3% 複勝率25.0% 枠番値-1.6
 [6枠] 0-2-0-14 連対率12.5% 複勝率12.5% 枠番値+0.2
 [7枠] 2-0-3-13 連対率11.1% 複勝率27.8% 枠番値-0.2
 [8枠] 0-1-1-16 連対率 5.6% 複勝率11.1% 枠番値+0.5
 ─────────────────────────────
 [1枠〜2枠] 3-1-0-25 連対率13.8% 複勝率13.8% 枠番値+0.6
 [3枠〜6枠] 4-7-6-46 連対率17.5% 複勝率27.0% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 2-1-4-29 連対率 8.3% 複勝率19.4% 枠番値+0.1
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 6-6-3-45 連対率20.0% 複勝率25.0% 枠番値+0.3
 [5枠〜8枠] 3-3-7-55 連対率 8.8% 複勝率19.1% 枠番値-0.3

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-5-6-69 連対率 8.5% 複勝率15.9%
 [栗東] 7-4-4-31 連対率23.9% 複勝率32.6%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 1-2-0-6 連対率33.3% 複勝率33.3%
 [前走中央G2] 1-2-1-20 連対率12.5% 複勝率16.7%
 [前走中央G3] 3-4-4-22 連対率21.2% 複勝率33.3%
 [前走OP特別] 2-1-3-29 連対率 8.6% 複勝率17.1%
 [前走条件戦] 1-0-2-22 連対率 4.0% 複勝率12.0%

・前走距離別成績
 [前走芝1400↓] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走芝1600m] 2-2-1-5 連対率40.0% 複勝率50.0%
 [前走芝1800m] 3-3-8-43 連対率10.5% 複勝率24.6%
 [前走芝2000m] 1-2-1-26 連対率10.0% 複勝率13.3%
 [芝2200〜2400] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走芝2500↑] 2-2-0-16 連対率20.0% 複勝率20.0%
 [前走ダート戦] 1-0-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%

・注目出走パターン
 [絶好] ハンデ56キロ以上の前走エプソムC組(複勝率63.6%)
 [全滅] 騎手が乗り替わりとなる7歳以上馬(0-0-0-30)
 [全滅] 前走6番人気以下で芝2000m戦に出走(0-0-0-15)
 [全滅] 継続騎乗の9番人気以下馬(0-0-0-15)
 [不振] 継続騎乗となるハンデ55キロ以下馬(連対率0%、複勝率7.7%)
 [不振] ハンデ54キロ〜55キロの牡馬(連対率5.0%、複勝率15.0%)

 2012年、2010年と連続で10番人気以下馬が1着に来ている七夕賞。馬連平均配当は7831円とかなり高く、馬連万馬券も4回発生。連対馬18頭のうち、5番人気以内が8頭と過半数を割っているのだから、コースデータの場合よりも波乱傾向が格段に強くなっているのは間違いない。このあたりは、ハンデ戦であるのが大きいのだろう。

 脚質についてもコースデータの場合よりも差せる印象だが、これは福島の芝馬場がどの程度荒れているかにもよるはず。4日目の開催となった今年は傾向が変わってくる可能性が大だ。項目別で見ていくと、目立っているのがハンデ55キロ以下牡馬の不振。56キロ以上馬と比較すると、複勝率にして22.3%もの大差が出ており、複勝回収率も60%と低め。ならば、ハンデを背負っている馬のほうを信頼したい。

 また、人気薄で激走する馬に、騎手の乗り替わりが多いのも七夕賞の特徴。「継続騎乗の9番人気以下馬」は1頭も馬券に絡んでおらず、「継続騎乗のハンデ55キロ以下馬」も連対例ゼロ。人気薄を狙うならば、騎手が乗り替わるパターンのほうが断然オススメだ。あとは、関西馬が非常に強いレースなのも特徴。勝率2.4%、連対率8.5%と大不振である関東馬は、データ的には大幅マイナスだと言える。

 さらには、前走距離別成績で、前走芝2000m〜2400m組がイマイチの成績であるのも、ぜひ押さえておきたいポイント。今年はエクスペディション、ダコール、マックスドリームなど上位人気となりそうな馬が該当しているので、その取捨はかなり慎重に。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 ソコソコ差せるも内ラチ沿いが特にいい印象。好位のインがベストポジション。

・天候予測
 土日には降り止みそうだが水曜〜金曜は雨予報。含水率はけっこう高そう。

・勝利数トップ種牡馬
 ステイゴールド 勝率10.7% 連対率16.1% 複勝率17.9%

・著者の注目血統
 フジキセキ産駒、母父トニービンの配合馬

 勝利数自体はステイゴールド産駒がトップなのだが、内容は断然、フジキセキ産駒のほうが優秀。出走数がそう多くないとはいえ、連対率33.3%、複勝率42.9%という数値を叩き出しているように、そのコース適性の高さは並大抵ではない。

 また、当コースで高い複勝率をマークしている種牡馬が、おしなべて「キレ型」ではないのも大きな特徴。軽さではなくパワーを要求してくる馬場であるのは、キレ型の代表格であるディープインパクト産駒が、トータル[1-4-4-29]で勝率2.6%と不振にあえいでいることからも明白。少し重いくらいの血統構成のほうが向くコースである。

★総論×各論

 コースデータとレースデータで傾向が大きく異なるため、どこに着地するかが非常に難しいレース。当日のオッズもかなり割れそうで、ある程度の波乱を前提に予想したほうがいい雰囲気ではある。

 データ分析の結果も当然のように大混戦。よくもまあ、ここまで難しいメンバーが登録してきたものだ──と嘆きたくなるほどだが、あらゆる項目でプラス評価を獲得した馬が1頭だけ存在する。それが、前走エプソムCでブービー着順だったタムロスカイ。おそらくかなりの人気薄となるが、この馬がぶっちぎりのトップ評価となった。

 さすがに当日の人気までは読めないが、七夕賞の穴馬が好走する上での必須条件となるのが、鞍上の乗り替わり。想定の段階ではあるが、タムロスカイはこれを見事にクリアしている。また、ハンデ56キロであること、前走が芝1800m戦であること、適性バツグンのフジキセキ産駒であること、関西馬であること、先行脚質であることなどなど、プラス評価項目のオンパレード。ここの単複1点にドカン!と勝負したくなるほどである。

 二番手評価が、これまた人気薄のサトノパンサー。以下は、ユニバーサルバンク、マイネルラクリマ、ダコール、エクスペディション、オートドラゴンという評価順。このまま決まったらとんでもないことになりそうだが、そういう可能性を秘めた登録メンバーなのだから仕方がない。個人的にはタムロスカイの単複、もしくはタムロスカイから手広く流す馬券で勝負したいと考えている。

■プロキオンS(G3・中京ダ1400m)フルゲート16頭/登録51頭

 相次ぐ開催条件の変更で、昨年から中京開催となったプロキオンS。レースデータ、コースデータともに過去1年分しかないのだから、ちゃんと分析することは不可能だと、先にお断りしておきます(自己弁護)。

 ただ、中京ダ1400mというコースが、数あるダートコースの中でもかなり前有利であるのは間違いなさそう。1000万下〜重賞で行われた9レースにしても、そのうち3レースが逃げ切り勝ち。しかも、10番人気、12番人気、7番人気と、いずれも「人気薄の逃げ馬」が制しているのだ。昨年のプロキオンSも、逃げたトシキャンディをアドマイヤロイヤルとファリダットが猛追するも、結局は逃げ切っての波乱決着。ハナを切れそうな馬なら、どんな人気薄であっても「とりあえず買い」が正解だろう。

 あとは、芝スタートの影響なのか、内でも外でもなく「中枠」が優勢だというのも、このコースの大きな特徴。3枠〜6枠の連対率、複勝率が抜けて高く、この枠から前に行ける馬を狙うのがオススメだ。今年もシルクフォーチュンを筆頭に、差し・追い込み勢が人気を集めそうな一戦。逆に徹底先行型の馬は非常に少なく、昨年の再現となる余地も十分にありそうだ。トシキャンディ、ラインブラッドなど、逃げる可能性のある馬を今年も積極的に買っていきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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