■函館記念(G3・函館芝2000m)フルゲート16頭/登録19頭
【コース基本情報】函館芝2000m Aコース使用
・コース回収率
[やや高め] 単勝71%・複勝83% 中穴の好走率高くヒモ穴が狙い目
・馬連万馬券出現率
[低め] 9.6%(平均値▼2.4% 馬連平均配当5365円)
・枠番別連対率(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
[1枠〜2枠] 勝率8.3% 連対率16.7% 複勝率21.7% 複回率78% 枠番値+0.8
[3枠〜6枠] 勝率5.0% 連対率12.5% 複勝率20.8% 複回率75% 枠番値+0.4
[7枠〜8枠] 勝率6.7% 連対率 8.3% 複勝率11.7% 複回率33% 枠番値-1.6
→露骨なまでに外枠が不振で、枠番値からも内枠優勢と見て良さそう
・脚質別信頼度
先行≧差し>逃げ>>>追込 4角10番手以下ではまず間に合わない
・推定ラップ&タイム
[前傾] 35.0-49.2-36.1=2.00.3 中距離戦ながら前傾ラップとなるケースが多い
函館競馬場は夏場しか開催がないため、集計対象となるレースが少なめ。データ母数不足で精度が低いデータになってしまうが、傾向はおおむね把握できそうだ。まずは、コース回収率から。もっと低い数値が出てくると思っていたのだが、複勝回収率は83%とかなり高めの水準。馬連平均配当も5365円と、ほぼ平均値といえる数値だ。
それでいて馬連万馬券の発生率が平均値よりも低いのだから、これは7000円〜8000円あたりの「万馬券には届かない高配当」がよく出ているということ。また、中穴の好走率が高いコースだというのも、押さえておくべきポイントだろう。
脚質別では、追い込み馬がほぼ全滅という極端な結果に。直線が短い小回りコースでもあり、後方から行く馬であっても、3コーナー過ぎから仕掛けて4コーナーでは前を射程圏内に捉えられるようでないと厳しい。また、函館記念はけっこう序盤〜中盤が厳しい流れとなるためか、ハナに行く馬もなかなか粘れない。軸は、好位〜中団から競馬できる馬からチョイスしたい。
そして最後に枠番。露骨なまでに成績が悪いのが7枠〜8枠の「外枠」で、連対率8.3%、複勝率11.7%と、最も成績がいい1枠〜2枠と比較すると、その数値は約2分の1という低さ。コース全体を対象にしたデータでも、1枠〜4枠が連対率19.1%、複勝率30.1%、複勝回収率102%で、5枠〜8枠が連対率12.5%、複勝率17.6%、複勝回収率68%と、外よりも内のほうがいいのは明白。内枠優勢・外枠劣勢のコースという前提で予想を進めよう。
【レース基本情報】函館記念(G3) 函館開催過去9回
・レース平均配当
単勝897円 馬連6808円 3連複2万550円
・1番人気馬成績
[2-3-0-4] 勝率22.2% 連対率55.6% 複勝率55.6%
・3番人気以内馬成績
[4-5-3-15] 勝率14.8% 連対率33.3%・複勝率44.4%
・4番人気〜9番人気馬成績
[5-2-6-41] 勝率9.3% 連対率13.0%・複勝率24.1%
・10番人気以下馬成績
[0-2-0-45] 連対率4.3% 複勝率4.3%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 33.3% [差し] 55.6% [追込] 11.1%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 7.4% [先行] 40.7% [差し] 40.7% [追込] 11.1%
・年齢別成績
[3歳馬] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
[4歳馬] 2-2-2-10 連対率25.0% 複勝率37.5%
[5歳馬] 3-5-4-27 連対率20.5% 複勝率30.8%
[6歳馬] 1-0-2-28 連対率 3.2% 複勝率 9.7%
[7歳以上馬] 3-2-1-35 連対率12.2% 複勝率14.6%
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[5歳以下馬] 5-7-6-38 連対率21.4% 複勝率32.1%
[6歳以上馬] 4-2-3-63 連対率 8.3% 複勝率12.5%
・性別成績
[牡馬] 9-7-9-96 連対率13.2% 複勝率20.7%
[牝馬] 0-2-0-5 連対率28.6% 複勝率28.6%
・牡馬斤量別成績
[51キロ以下] 0-0-0-5 複勝率 0% 複勝回収率 0%
[52〜53キロ] 0-2-1-14 複勝率17.6% 複勝回収率105%
[54〜55キロ] 4-2-4-39 複勝率20.4% 複勝回収率 65%
[斤量56キロ] 3-1-1-21 複勝率19.2% 複勝回収率 36%
[57キロ以上] 2-2-3-15 複勝率31.8% 複勝回収率108%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠] 0-0-0-13 連対率 0% 複勝率 0% 枠番値-1.4
[2枠] 3-2-3-6 連対率35.7% 複勝率57.1% 枠番値+1.5
[3枠] 3-0-0-12 連対率20.0% 複勝率20.0% 枠番値-0.3
[4枠] 2-2-2-11 連対率23.5% 複勝率35.3% 枠番値+1.4
[5枠] 1-2-1-13 連対率17.6% 複勝率23.5% 枠番値+0.4
[6枠] 0-1-1-15 連対率 5.9% 複勝率11.8% 枠番値+0.9
[7枠] 0-2-1-14 連対率11.8% 複勝率17.6% 枠番値-1.6
[8枠] 0-0-1-17 連対率 0% 複勝率 5.6% 枠番値-1.0
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[1枠〜2枠] 3-2-3-19 連対率18.5% 複勝率29.6% 枠番値+0.1
[3枠〜6枠] 6-5-4-51 連対率16.7% 複勝率22.7% 枠番値+0.6
[7枠〜8枠] 0-2-2-31 連対率 5.7% 複勝率11.4% 枠番値-1.2
─────────────────────────────
[1枠〜4枠] 8-4-5-42 連対率20.3% 複勝率28.8% 枠番値+0.3
[5枠〜8枠] 1-5-4-59 連対率 8.7% 複勝率14.5% 枠番値-0.3
・厩舎所属別成績
[美浦] 2-3-2-47 連対率 9.3% 複勝率13.0%
[栗東] 7-6-7-54 連対率17.6% 複勝率27.0%
・前走クラス別成績
[前走中央G1] 0-2-2-8 連対率16.7% 複勝率33.3%
[前走中央G2] 2-0-2-10 連対率14.3% 複勝率28.6%
[前走中央G3] 2-0-1-19 連対率 9.1% 複勝率13.6%
[前走OP特別] 5-7-2-52 連対率18.2% 複勝率21.2%
[前走条件戦] 0-0-2-11 連対率 0% 複勝率15.4%
・前走距離別成績
[前走芝1600m] 0-1-1-1 連対率33.3% 複勝率66.7%
[前走芝1800m] 5-7-5-59 連対率15.8% 複勝率22.4%
[前走芝2000m] 3-0-1-24 連対率10.7% 複勝率14.3%
[芝2200〜2400] 0-0-1-6 連対率 0% 複勝率14.3%
[前走芝2500↑] 1-1-1-9 連対率16.7% 複勝率25.0%
[前走ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
・注目出走パターン
[好調] 前走で重賞に出走の5歳以下馬(連対率25.0%、複勝率40.0%)
[好調] 前走巴賞3番人気以内馬(連対率27.8%、複勝率38.9%)
[好調] 前走巴賞出走の関西馬(連対率25.0%、複勝率32.1%)
[好調] 前走も函館で出走のハンデ52〜53キロ牡馬(複勝率23.1%)
[不振] 前走2番人気以下の関東馬(連対率4.3%、複勝率8.5%)
[不振] ハンデ57.5キロ以上馬(連対率11.1%、複勝率11.1%)
[不振] 前走4番人気以下のハンデ56キロ牡馬(複勝率9.1%)
単勝平均こそ897円と3ケタに収まっているが、馬連平均6808円、3連複平均2万550円と配当はなかなかの高さ。ここ2年は連続で高配当決着となっており、レース自体はけっこう波乱傾向だと言える。特に目立っているのが4番人気〜9番人気という「中穴ゾーン」の活躍で、トータル[5-2-6-41]で複勝率24.1%、複勝回収率105%と期待値バツグン。取捨選択の際に最も意識すべきなのは、このゾーンである。
脚質については、コースデータにおける傾向とまったく同じ。逃げ馬と追い込み馬の期待値が低く、対照的に先行馬と差し馬が高期待値という図式で、決着パターンも「差し→先行」が最もイメージしやすい。逃げ馬はともかく、後方に置かれそうな馬に関しては、いっさい買わないという手もアリだろう。
昨年のように6歳以上馬が上位を独占するケースもあるが、年齢別で見ると信頼度は5歳以下馬のほうが圧倒的に上。ハンデについては、トップハンデが毎年のように苦戦しているように、重すぎるとダメ。かといって軽すぎてもダメで、牡馬に関してはハンデ52キロ〜55キロあたりを狙うのが最も効率がいい。
あとは、コースデータ同様に1枠〜4枠の成績が圧倒的にいいことや、完全に西高東低で関東馬の信頼度が非常に低いこと、巴賞からのローテが目立って好成績であることなども、函館記念の傾向である。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
先週の結果を見るかぎりまだまだ前優勢。馬場コンディションも良さそう。
・天候予測
週末にかけて天気が崩れるも日曜日は晴れ予報。良馬場前提の予想で。
・勝利数トップ種牡馬
キングカメハメハ 勝率15.2% 連対率27.3% 複勝率33.3%
・著者の注目血統
シンボリクリスエス産駒、母父サンデー・母父トニービンの配合馬
下級条件でのレースが多いとはいえ、かなり前が残っている印象の函館芝コース。この傾向が劇的に変化するとも思えず、時計のかかる洋芝であることや、この中間にそれなりの降雨量があることなどから考えても、ある程度は前々の位置で競馬ができるタイプのほうが安心感がある。
種牡馬別では、パワータイプであるシンボリクリスエス産駒の活躍が目立っているほか、母父トニービンや母父サンデーの配合馬も優秀。ディープインパクト産駒が[0-1-3-11]とやや苦にしていることから推測するに、やはりキレよりもパワーの馬場なのだろう。血統の字面から適性の高そうな馬を選ぶなら、「シンボリクリスエス×母父サンデー」のサトノギャラント。あとはエアソミュール、コスモラピュタあたりも適性は高そうだ。
★総論×各論
函館記念らしい難解なメンバー構成となったが、大波乱まではないのではないか──というのが、当データ分析の判断。ヒモ荒れとなる可能性は大いにあるが、穴馬によるワンツー決着というのは、今年の場合はちょっと考えづらい。というのも、人気上位が予想される馬が、データ分析でも順当に高評価となっているからだ。
最も高い評価となったのが、前走巴賞1着のエアソミュール。函館記念が巴賞組と非常に相性がいいレースなのは前述したとおりで、そこを危なげない内容で完勝してきたのだから、臨戦過程はパーフェクト。また、57.5キロのトップハンデとなったのがトウケイヘイローで、同馬は2番目に重い56.5キロであるのも大きなプラス材料。関西馬で4歳馬、母父サンデーという血統面など、好材料が目白押しである。出遅れがちょっと怖いが、それでもここは信頼したい。
二番手評価に、その巴賞でエアソミュールの2着に来ているサトノギャラント。そして三番手も巴賞組で、さらに「前走も函館で出走のハンデ52〜53キロ牡馬」であるモズ。ここまで巴賞組ばかり高評価になると逆に不安になってくるが、函館記念で「巴賞組を買うべし」というのはセオリーのようなもの。あまり勘ぐらない方針で行きたい。
以下は、トウケイヘイロー、トウカイパラダイス、サンディエゴシチー、アンコイルドという評価順。あとはオッズ次第になるが、メイショウウズシオとコスモラピュタも押さえて損はないプロフィルの持ち主である。人気の一角となる可能性もあるレインボーダリアは、脚質面が大幅マイナス。函館実績があるとはいえ、ここはちょっと手を出しづらい。人気になればなるほど積極的に嫌っていきたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。