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過去1年の膨らみと4歳の膨らみ

  • 2013年07月18日(木) 12時00分
#1 過去1年で膨らましてみる。

中京記念は去年から7月(以前は3月)に移行し、芝1600に変更されたから(以前は芝2000)、参考にすべき過去は去年の1年しかない。だけど、なぜか中京記念にかぎっては「過去1年」でも見応えがある気がしてならない。

去年は、
5番人気フラガラッハが4角15番手からごぼう抜きして1着した。
6番人気ショウリュウムーンが4角4番手から抜け、ねばって2着した。
トップハンデの1頭トライアンフマーチ58が4角9番手から差して3着した。10番人気だった。

興味深いのは1着、2着馬の前走が同じことだ。
フラガラッハ 前走・米子S 11人気1着
ショウリュウムーン 前走・米子S 1人気15着

前走が同じレースなことはよくある。
だけど、片や人気薄で1着、片や1人気で惨敗、そんな2頭がワンツーするとなると話は別だ。理由は前走が同じレースの馬同士で決まるときはニアな(接近した)着順のときの方が多いからだ。

中京記念の過去10年を見てもそれはわかる(ヤッター!用無しと思われた過去10年が使えたー!)。

05年
1着メガスターダム 前走京都記念9着
2着サンライズペガサス 前走京都記念11着
ニアだ!

07年
1着ローゼンクロイツ 前走京都記念13着
2着シルクネクサス 前走京都記念10着
ニアだ!

09年
2着ヤマニンキングリー 前走小倉大賞典2着
3着レッツゴーキリシマ 前走小倉大賞典4着
ニアだ!

去年以外の過去10年で前走が同じレースだった馬が馬券圏内に入ったケースはこの3例だけ。
他はすべて前走別レースの馬たちの組み合わせだった。つまり馬券圏内に来たときは着順ニア同士のみ。

前走、適性の合わなかった馬同士が適性の見合った条件で巻き返しあう。
現代競馬の考え方でいえば至極納得だ。中京記念にかぎらず見受けられる事象だ。

それゆえに去年の1着2着馬の前走が興味深いわけだ。
阪神1600を11人気で1着した馬と1人気で15着の馬がなぜ中京1600でワンツーしたのか?
斤量はフラガラッハは前走より1キロ増えて57キロ、ショウリュウムーンは据え置きの54キロで、ハンデの恩恵という理屈も立ちにくい。
そもそも15着に負けるような牝馬が次走で巻き返す、いや巻き返せてしまうなんて! 中京の1600って何なんだ!!

もちろん自分のようなものに答えがわかるはずない。でもそれなりに仮説は立てられる。仮説といえばカッコイイけれど、要は戯言だ。

中京記念と米子Sを結ぶ過去1年の戯言。

去年の中京記念は4着5着6着も興味深かった。

1着フラガラッハ 前走・米子S 1着
2着ショリュウムーン 前走・米子S 15着
(3着省略)
4着ミッキードリーム 前走・米子S 3着
5着ゴールスキー 前走・米子S 5着
6着エアラフォン 前走・米子S 4着

こうしてみるとわかりやすい。米子Sで1、3、4、5着した馬が上位に来ていたからだ。
そこに15着だったショウリュウムーンが飛び込んできたからややこしくなっているだけで、少なくとも去年は、ほんとは米子Sにやさしい中京記念だったと思えてくる。ショウリュウムーンは何かの間違い(超ヘグリからの巻き返し的何か)ということで捌いてしまえばなんとかなる。
仮に米子S2着の馬が出走していたら、どうであったろう? 米子S組は、ほぼそこでの順位どおりで決まっていたことを思うと、ショウリュウムーンの前か後に来ていたとも言える。つまり2着か3着。

去年の米子S2着はサワノパンサーだった。
サワノパンサーは、去年は新潟の朱鷺Sに進んで、9人気で8着に敗れた。
もし、去年中京記念に出走できていたらどうであったろう。
などと思っていたら、今年の米子Sでもサワノパンサーは2着してしまった。
おっとー!

でもこれはこれでオッケーだ! 仮説が実証できるからだ!

しか〜〜〜し、今年もサワノパンサーは出走しにくいところにいる。
フルゲート16頭で現状20位かそこら。
これでは今年も出走は難しそうだ。
おっととっとー!夏にもほどがあるぜ。

今年登録している米子組は
2着サワノパンサー 除外濃厚
4着シャイニーホーク
6着ミッキードリーム
7着オセアニアボス
11着ウインドジャズ 1頭回避で出走
14着オースミスパーク

去年と同じように考えるならば4着したシャイニーホークがギリギリ馬券検討対象か。

去年の米子S
1着フラガラッハ →(中京記念)1着
2着サワノパンサー →出走せず
3着ミッキードリーム →4着
4着エアラフォン →6着

去年の米子S、2着馬と3着馬で、今年の米子S、2着、6着のサワノパンサーとミッキードリームに挟まれており、米子S組からふつうに狙うならば、やはりシャイニーしかいないように思える。

というわけで、中京記念“過去1年”からの結論はシャイニーホークの3着〜6着!

う〜〜〜〜〜む、弱い! 弱くて薄い!
でも今年の米子S組には1人気で惨敗した馬や1着3着馬が出走しないから根本的にレベルが弱い気もする。だから弱くて薄いのはしょうがない!(ってそういう問題でもない! 弱くて薄いならば取り上げるなって話だ! ごもっともです!)
実際シャイニーホークは米子Sを2人気で4着に負けた。人気と負けの落差も小さい。負けっぷりも微妙だ。だから最高で3着、いかにも4着5着、いや6着まで覚悟! としてみた。

だからとっておく、こういう場合は人気を見て決めるのが一番だ。とりあえずシャイニーホークを人気待ちで。もちろん待っている人気は7〜10人気。

#2 この夏の傾向から膨らましてみる。

先週の函館記念は4歳に注目してみた。理由は毎年レースを作るはずの5歳馬が脆弱だったからだ。結局5歳馬はネオブラックダイヤ1頭だけの出走で、11人気で13着に敗れた。
1着 4歳
2着 4歳
3着 6歳
4着 4歳
4頭出走した4歳3頭で1着2着4着。
自分は◎にした4歳が4着に敗れて、複穴で期待したアスカクリチャンが3着して、呻くような結末に。センスのなさを暴露した形になったが、途中までは頑張れた。

ではこの夏の4歳はどうなんだろう?
芝重賞でこの夏の4歳を見てみると、思った以上に出走が少なく、けれど思った以上に頑張れていることもわかる。

函館SS 4歳1頭出走
7着

CBC賞 4歳4頭出走
2着 3着 5着 10着

七夕賞 4歳0頭

函館記念 4歳4頭出走
1着 2着 4着 10着

9頭出走して、1−2−1−5
4/9が馬券圏内

3着以内率.444
連対率.333

1〜3人気だと1−1−1−2
3人気以下だと0−1−0−3

評価のある4歳馬は好走率が高いことがわかる。
4歳ならそれだけで弱50:50(40%)で馬券圏内突入し、
そこに人気が加わると強50:50(60%)で馬券圏内突入となる。
夏競馬の重賞は、今のところ4歳馬9頭の複勝を全部買っても儲かってしまう。

中京記念に登録のある4歳馬は1頭。
ファイナルフォーム57

予想(netkeiba.com参照)では2番人気。

人気もある。合格だ!

馬券圏内で合格だ!

しか〜〜〜〜し。
この馬もまた、出走の境界線にいる。
抽選らしいけれど、どうなんだろう。っていうか出走こそが50:50じゃないか!

自分は中京の1600は未出走だけど、相性はいいように思っている。
角2ならば1600、角4ならば1800が合ってる馬に思えるからだ。
マイルチャンピオンとマイラーズCは出遅れ、エプソムカップは東京の1800で、
持ち味を発揮できずに負けている。
以上の3つを除けば、すべて3着以内。なかなかまじめだ。
差しの生きる中京ならば、
今までにない強さを見せる可能性もないとはいえない。

とはいえ、出走できないのならばどうしようもない。
もし出走できたら、運を持っているということで、一気に買いに入ろうと思う。

中京記念
弱系注目馬 シャイニーホーク56
強系注目馬 ファイナルフォーム57

ファイナルフォームが出走できなかった場合は、4歳は0になるわけでもはや何でもいい。

その他注目馬 ワイズリー テイエムオオタカ ウインドジャズ……10人気くらいの馬と当日のレース傾向を見て、合致しそうな枠に入った穴馬から見繕えばいい。

函館2歳は
オールパーパスとプラチナティアラに注目している。
オールパーパスは逃げ馬が頑張れる展開になれば、その直後にいて力を発揮するのではないか?

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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