スマートフォン版へ

小倉記念の押しどころ・引きどころ・突っ張りどころ

  • 2013年08月01日(木) 12時00分
 にしても4歳は頑張っている。

 にしても4歳の出走頭数は少ない。

 この夏の芝重賞は4歳を中心に考えればだいたい当ると7月18日付けで書いてみたけれど、先週も少数精鋭で頑張ってしまった。

・アイビスSD 4歳2頭
1着ハクサンムーン 1人気
3着リトルゲルダ  6人気

・クイーンS 4歳2頭
1着アイムユアーズ 1人気
5着キャトルフィーユ 4人気

 4頭出走して2-0-1-1。

 ちなみに以下が先々週までのこの夏の芝重賞の4歳の成績。

・函館SS 4歳1頭出走
7着

・CBC賞 4歳4頭出走
2着、3着、5着、10着

・七夕賞 4歳0頭

・函館記念 4歳4頭出走
1着、2着、4着、10着

・中京記念 4歳0頭

9頭出走して、1-2-1-5
4頭/9頭が馬券圏内

3着以内率.444
連対率.333

1〜3人気だと1-1-1-2
3人気以下だと0-1-0-3

 人気があったほうが成績はいい。ここに先週の成績を足すとこうなる。

13頭出走して、3-2-2-6
7頭/13頭が馬券圏内

3着以内率は.538
連対率は.384
率はさらに跳ね上がった。

1〜3人気だと3-1-1-2
3人気以下だと0-1-1-4

 やっぱり人気はあったほうがいい。つまり先週のクイーンSの1人気アイムユアーズも、アイビスSDの1人気ハクサンムーンも軸としては相当信頼が高かったというわけだ。

 にしても4歳の出走が少ない。例年こんなもんだったっけ? と思うくらい少ない。どこ行った〜!4歳〜〜!と呼び出したくなるくらい少ない。

 その証拠に今週の小倉記念も4歳馬の登録は1頭のみ。

レッドクラウディア 牝馬 54キロ

芝[0-0-1-1]
砂[4-2-2-2]

 賞金的には出走できるけれど、ここは登録だけで、回避のはず。(8月13日に佐賀競馬場で行われるサマーチャンピオンか来週の阿蘇Sに出走らしい)

 つまり、小倉記念の4歳の出走はかぎりなく0頭に近い。少数精鋭路線は、それはそれでいいけれど、もうちょっと4歳で押したり、引いたり、引っ張ったり、突っ張ったりしてみたくもある。まあしょうがない。こればっかりは致し方ない。帳尻合わせでどこかで大量出走されても困る。

 では今年の小倉記念の押しどころ、引きどころ、引っ張りどころ、突っ張りどころはどこだろう。

前走5月馬の突っ張り

 小倉記念で穴を取る一番カンタンな方法は前走が5月だった馬を買うこと。

03年 ロサード 4人気1着 前走5月(新潟大賞典)
06年 ヴィータローザ 7人気2着 前走5月(新潟大賞典)
09年 ダンスアジョイ 16人気1着 前走5月(目黒記念)
10年 ニホンピロレガーロ 9人気1着 前走5月(新潟大賞典)
11年 キタサンアミーゴ 15人気2着 前走5月(新潟大賞典)
12年 ナリタクリスタル 9人気3着 前走5月(新潟大賞典)

 現在4年連続で馬券に絡んでいる。しかもおいしそうな人気で。っていうか、これはもはや定石か。

 去年は2頭該当して、1頭はトップハンデのナリタクリスタルで、1頭は55キロのタムロスカイだった。

 結果はご承知のとおり、ナリタクリスタルが9人気で3着した。そう去年も5月の馬が3着で穴をあけたのだった。もちろん自分もそこに注目していた。去年の当欄でも根多にした。しかし馬券はずっこけた。ナリタクリスタルをトップハンデだからという理由でナイガシロにして、タムロスカイだけを大事にしてしまったからだ。

 今思えば2頭ともに人気薄だったのだから無理に1頭に絞るまでもなく、2頭ともに引っ張ればよかった(正確にはナリタ9人気、タムロ6人気でタムロの方が人気になっていた!うへ!)。夏競馬なんだからある程度引っ張ったところで、あとはよろしくでぶっ放しておけばよかった。その反省のもと、今年の前走5月馬はよっぽどの理由がないかぎり全馬突っ張ってやろうと思っている。思っているけれど、今年の前走5月馬は1頭しかいない。

3歳牡馬 ラブリーデイ 前走5月26日ダービー 7着

 もはや考えるまでもない。1頭しかいないのだからラブリーデイに無条件降伏だ。とはいえ、3歳というのは少し気になる。今年は無条件にひれ伏すとはいえ、一応確認はしておきたい。3歳は太刀打ちできるのか、いや過去太刀打ちできていたのかは知っておきたい。

■サマーシリーズ2000が始まったのは2006年。それ以後で3歳馬が馬券になったのは0頭。

■それどころかハンデ戦になった2000年以後、過去13年で3歳馬が出走したのはわずか3頭。

01年 ブラックタイガー50キロ 6人気6着
03年 クレンデスターン52キロ 7人気6着
08年 ウイントリガー 49キロ 13人気10着

 なかなかにノリにくい成績だ。突っ張りどころじゃない。ただこの3頭はダービーには出走してなかった。前走5月馬でもなかった。ラブリーデイはダービー0.4差7着が認められたのか、過去の3歳の中では最重量の53キロでもある。見方によっては、小倉記念では一番評価されてる3歳馬ともいえる。

 鞍上・川田も魅力だ。ラブリーデイは全成績[2-1-0-5]だけれど、川田騎乗では[2-1-0-1]だ。着外1回もダービー7着だ。

 3歳の苦戦は承知したけれど、「53キロ」という評価と手が合いそうな「川田騎乗」をプラス要素と捉えれば、穴のローテ「前走5月」馬のラブリーデイで突っ張れる余地はある。

 ラブリーデイは予想7番人気。正直、ちょっと人気かな?とは思う。本番ではもうちょっと下がってくれるとありがたいけれど、どうだろう。

メイショウ×メイショウの引っ張り

メイショウサミット 騎手未定
メイショウナルト  武豊

 メイショウサミットは逃げ馬。直近の成績からは他に逃げそうな馬は見当たらない(ミキノバンジョーが逃げるかもしれないけれど、逃げへのこだわりはサミットほどではなさそう)。

 小倉記念は逃げ馬にやさしくないレースだけれども、過去10年で5回は6日目に開催されていて、そこも微妙に影響していたともいえなくもない。過去10年で逃げた馬が馬券になったのは04年の1回だけ。その1回は2日目開催だった。今年は4日目。微妙は微妙だ。だけれども6日目開催よりはマシなはず。

 先週の初日、2日目の角4の芝競馬(1800、2000)で逃げた馬(4角先頭含む)は0-0-3-2だった(着外2回は4着と11着)。開幕で逃げ切りがないのは、逃げた馬にやさしくない表れかもしれないが、それでも3着3回は悪い話ではない。

 なぜ逃げにこだわるのかというと、逃げた馬が馬券に絡んだ1回が武幸騎手騎乗のメイショウバトラーだったから。このときの1着は武豊騎手騎乗のメイショウカイドウで、2着が逃げたメイショウバトラー。メイショウのワンツー、武兄弟のワンツーだった。

 騎手未定のメイショウサミットに武幸騎手がもし騎乗してきたら……おっと〜。サミットは逃げ馬だから躊躇なく逃げるはずで、4、5番手追走系の武豊のメイショウナルトがちょちょっと差して、04年以来のメイショウ=メイショウでワンツーしたりなんかして……おっととっと〜!

 メショウナルトは予想4番人気で穴ではない。けれど、メイショウサミット(予想14人気)とのコンボならば穴の魅力十分だ。サミットもナルトもハンデ53。サミットもナルトも小倉の芝で勝ち鞍あり(サミット1-0-1-6、ナルト2-1-0-3)。

 ナルトはともかくサミットは成績的にも戦法的にもちょっと分は悪い。けれど逃げだけは過去に例がないからといって、一概に見限るものでもない。

 サミットは中央全3勝のすべての位置取りが1-1-1-1の完全逃げ切りスタイルで、全3勝は7月・8月・9月にあげており、すべて晴れだった。炎天下で逃げるのが好きな可能性がある。

 七夕賞で3番手追走から4角先頭に立って押し切ったマイネルラクリマが、58キロで少々重い動きになれば、サミットは4角先頭を死守できるかもしれない。

 週の真ん中水曜日。メイショウサミットの鞍上は、マイ調査では未定で武幸騎手とは決めつけられない。だからこれくらいにしておこう。もしメイショウサミットの鞍上が武幸騎手以外だったら、もちろんトーンダウンだ。

 小倉記念は1人気が連対しないと、2、3人気もいっしょに飛ぶ傾向(馬券圏外)があって、今年は間違いなくマイネルラクリマをエクスペディションとダコールがマークする形で進行しそう。

 エクスペディションは得意の小倉で、乗り馴れた浜中騎手で、きっちりマイネルラクリマを視界に捉えてレースをしそうだし、ダコールは丸田騎手だけに大外にこだわらず、中からでも内からでもマクって、4角を回るときにはマイネルラクリマを視界に入れてきそう。

 七夕賞を57以上を背負って1番人気で勝つような馬はそれなりに強い(過去20年でも09年のミヤビランベリ1頭。ミヤビはその2戦後にアルゼンチン共和国杯を1着した。どちらもハンデ戦でというのはミソか?)。だからここのマイネルラクリマの牙城はそれなりに高そうに思う。だから1人気マイネルラクリマからの押し出しは否定できない。

 2、3人気候補のダコール・エクスペディションから引き出すにしても、マイネルラクリマへの馬券は切りにくい。しかし58キロで4角からの仕掛けに少しでも鈍さが出れば、まだわからない。七夕賞では4角先頭競馬をしてけれど、4角先頭タイプの馬でもない。

 メイショウサミット53が逃げて、メイショウナルト53がマイネルラクリマ58よりも前で競馬ができれば、まだわからない。逃げるサミットを先行ナルトがちょこんと差して、ラクリマは差して届かず3着。
うむ、突っ張る要素はある。

小倉記念・突っ張りどころ

53キロ系注目馬
 前走5月系→53キロの3歳ラブリーデイ
久しぶりに武&武、久しぶりに逃げ&先行系→53キロのメイショウナルト、53キロのメイショウサミット

54キロ系注目馬
 マックスドリーム…マイネルラクリマに同斤量56で0.6秒差つけられ(福島民報杯)、マイネルラクリマよりマイナス3キロもらっても再び0.6秒差つけられ(七夕賞)、今度はマイナス4キロもらっての対戦。今度も0.6秒差なのか? それともさすがに4キロあったら差は詰まるのか? 興味津々だ。

『[でる単]式 着順固定作法』

『[でる単]式 着順固定作法』

加納裕一の新刊、『[でる単]式着順固定作法』7月19日発売!!

「厩舎の意図は着順に表れる!」を予想の根幹として、40年以上、厩舎の意図・思惑を読み続け、単複にこだわり続け勝利を手にしてきた、加納式単複馬券術=[でる単]の新刊が5年ぶりに発売となりました!

今作は、「その時期にはその時期特有の勝ち方がある」ということから、季節を意識して月ごとに重視すべき馬券作法を夏→秋→冬→春の順に格言にして並べました。また、最終章には「どの時期にも共通していえること」として、[でる単]ならではの格言が収録されています。格言にはすべて過去1年以内の実践例付きで、活用方法も理解いただける作りとなっています。さらに、「厩舎」「騎手」「買い方」などのアイコンで、どの部分に注目したものかというわかりやすさをサポートしています。

3連単やWIN5を少点数で仕留めるためにも、「“このレースではどの馬が買いか”ではなく、“この馬はどのレースで買えるか”」という[でる単]流を知り、皆さんの予想&馬券に役立てていただければと思います。
[でる単]の集大成ともいえる四十八手の馬券作法、ぜひお楽しみください。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング