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やっぱり今年も波乱傾向!?/小倉記念

  • 2013年08月01日(木) 19時00分
■小倉記念(G3・小倉芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭

【コース基本情報】小倉芝2000m Aコース使用
・コース回収率
 [低め] 単勝60%・複勝67% ふたケタ人気馬の激走率が低く堅め決着傾向

・馬連万馬券出現率
 [低め] 10.6%(平均値▼1.4% 馬連平均配当4581円)

・枠番別連対率(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率9.4% 連対率13.7% 複勝率21.1% 複回率74% 枠番値+0.2
 [3枠〜6枠] 勝率5.0% 連対率11.9% 複勝率17.6% 複回率69% 枠番値+0.1
 [7枠〜8枠] 勝率4.3% 連対率 9.9% 複勝率14.8% 複回率59% 枠番値-0.1
 →明白に内枠有利&外枠不利。特に内枠の勝率の高さは尋常ではない!

・脚質別信頼度
 先行>差し>>逃げ>>>追込 逃げは残らないが好位勢が圧倒的に優勢

・推定ラップ&タイム
 [前傾] 34.5-48.0-34.9=1.57.4 平均的に速いラップを最後まで刻む緩急のない流れ

 ホームストレッチ側の引き込み線からスタートする、小倉芝2000m。最初のコーナーまで距離があれば、枠番による影響はそれほどは出ない──というのが通常のコースなのだが、当コースの場合はもう明らかに内枠有利との結果が出ている。衝撃的なのが1枠〜2枠とそれ以外との比較で、勝率における差は約2倍。当然ながら連対率、複勝率も内枠が断然のトップであり「枠番は内であればあるほど良い」というのが結論となる。

 また、全体的に人気馬が強いコースであり、イメージよりも格段に荒れないのも特徴。16頭立て以上のレースに限定すると、11番人気以下はトータル[3-5-8-521]で勝率0.6%、連対率1.5%、複勝率3.0%とかなりの低空飛行。買えるとしてもヒモが精一杯で、アタマや連軸ではとてもではないが狙えないと言えそうだ。コース回収率と平均配当が共に低いのもあり、ここは堅めの馬券で勝負したほうがベターか。

 あとは「上のクラスでは逃げ切りは少ないが好位勢は異様に強い」というのも、ぜひ押さえておきたい攻略ポイント。下級条件では逃げ粘れるのだが、クラスが上がるにつれてその成績が下降。だからといって簡単には差せないのが当コースで、結果として「好位」につけられる先行勢が、圧倒的と言えるほど高い期待値となっている。

 つまり、コースデータからは「内枠からスッと好位に付けられる人気馬」が最も信頼できるし、儲かるという結論に。内枠に入った馬については、枠番決定後にじっくり時間をかけて取捨を検討していただきたい。

【レース基本情報】小倉記念(G3) 過去10回
・レース平均配当
 単勝1327円 馬連8103円 3連複5万7498円

・1番人気馬成績
 [2-4-1-3] 勝率20.0% 連対率60.0% 複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [4-6-2-18] 勝率13.3% 連対率33.3%・複勝率40.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [5-3-6-46] 勝率8.3% 連対率13.3%・複勝率23.3%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-2-49] 連対率3.8% 複勝率7.5%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 30.0% [差し] 50.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 3.3% [先行] 33.3% [差し] 40.0% [追込] 16.7% [マクリ] 6.7%

・性別成績
 [牡馬] 8-9-9-97 連対率13.8% 複勝率21.1%
 [牝馬] 2-1-1-16 連対率15.0% 複勝率20.0%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [4歳馬] 1-3-0-14 連対率22.2% 複勝率22.2%
 [5歳馬] 5-3-7-32 連対率17.0% 複勝率31.9%
 [6歳馬] 1-3-2-31 連対率10.8% 複勝率16.2%
 [7歳以上馬] 3-1-1-34 連対率10.3% 複勝率12.8%
 ─────────────────────────
 [5歳以下馬] 6-6-7-48 連対率17.9% 複勝率28.4%
 [6歳以上馬] 4-4-3-65 連対率10.5% 複勝率14.5%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-1-2-11 連対率 7.1% 複勝率21.4% 枠番値-0.5
 [2枠] 2-0-0-13 連対率13.3% 複勝率13.3% 枠番値-0.2
 [3枠] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0% 枠番値+0.6
 [4枠] 0-2-1-13 連対率12.5% 複勝率18.8% 枠番値+0.3
 [5枠] 1-3-1-12 連対率23.5% 複勝率29.4% 枠番値+0.4
 [6枠] 0-3-0-17 連対率15.0% 複勝率15.0% 枠番値-1.3
 [7枠] 2-0-3-18 連対率 8.7% 複勝率21.7% 枠番値+0.4
 [8枠] 4-0-2-17 連対率17.4% 複勝率26.1% 枠番値+0.3
 ─────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 3-2-3-36 連対率11.4% 複勝率18.2% 枠番値±0
 [4枠〜6枠] 1-8-2-42 連対率17.0% 複勝率20.8% 枠番値-0.3
 [7枠〜8枠] 6-0-5-35 連対率13.0% 複勝率23.9% 枠番値+0.4
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 3-4-4-49 連対率11.7% 複勝率18.3% 枠番値+0.1
 [5枠〜8枠] 7-6-6-64 連対率15.7% 複勝率22.9% 枠番値±0

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-0-0-5 連対率 0% 複勝率 0%
 [栗東] 10-10-10-108 連対率14.5% 複勝率21.7%

・前走距離別成績
 [〜芝1400] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1600m] 1-0-3-7 連対率 9.1% 複勝率36.4%
 [芝1800m] 2-2-4-37 連対率 8.9% 複勝率17.8%
 [芝2000m] 5-8-1-56 連対率18.6% 複勝率20.0%
 [芝2200m] 0-0-1-2 連対率 0% 複勝率33.3%
 [芝2400〜] 2-0-0-3 連対率40.0% 複勝率40.0%
 [ダート戦] 0-0-1-6 連対率 0% 複勝率14.3%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 1-0-1-2 連対率25.0% 複勝率50.0%
 [前走中央G2] 2-0-0-6 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [前走中央G3] 7-7-3-60 連対率18.2% 複勝率22.1%
 [前走OP特別] 0-0-3-17 連対率 0% 複勝率15.0%
 [前走条件戦] 0-3-3-26 連対率 9.4% 複勝率18.8%

・牡馬斤量別成績
 [51kg以下] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [52〜53kg] 0-0-3-23 連対率 0% 複勝率11.5%
 [54〜55kg] 3-4-3-37 連対率14.9% 複勝率21.3%
 [56〜57kg] 4-4-2-25 連対率22.9% 複勝率28.6%
 [57.5kg↑] 1-1-1-6 連対率22.2% 複勝率33.3%
 ──────────────────────────
 [55kg以下] 3-4-6-66 連対率 8.9% 複勝率16.5%
 [56kg以上] 5-5-3-31 連対率22.7% 複勝率29.5%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-1-3-12 連対率 6.3% 複勝率25.0%
 [中2週] 1-3-1-32 連対率10.8% 複勝率13.5%
 [中3週] 3-3-4-22 連対率18.8% 複勝率31.3%
 [中4週〜8週] 3-1-1-32 連対率10.8% 複勝率13.5%
 [中9週以上] 3-2-1-13 連対率26.3% 複勝率31.6%

・注目出走パターン
 [買い] 斤量増減なし〜3キロ増となる馬(複勝率23.6%、複回率116%)
 [買い] 前走ひとケタ人気の5歳以下馬(複勝率30.9%、複回率149%)
 [買い] 中8週よりも長い間隔で出走(連対率26.3%、複勝率31.6%)
 [不振] 前走重賞以外で2着以下(連対ナシ、複勝率11.1%)
 [不振] ハンデ53キロ以下の牡馬(連対ナシ、複勝率9.4%)

 馬連平均配当8103円というのはかなり高い数値であり、3連複は7年連続で万馬券。「1頭ないしは2頭の穴馬が馬券に絡む」といった決着パターンが非常に多く、小倉記念はかなり荒れる部類の重賞と言えそうだ。その要因となっているのが3番人気以内馬の不振で、トータル[4-6-2-18]で勝率13.3%、連対率33.3%、複勝率40.0%と勝率はかなり低め。これなら思い切って、4番人気以下馬を1着に固定して勝負するのも悪くない。

 脚質面については、コースデータとおおむね同様の結果。逃げ脚質、追い込み脚質の信頼度が低く、先行脚質と差し脚質の信頼度が高い傾向にある。ただ、道中で息の入るポイントがない影響が出ているのか、コースデータの場合よりもやや差し優勢にシフト。好位勢は高く評価しつつも、最もアタマが取れる可能性が高いのは「中団から差す馬」だという認識で予想を進めたい。

 ハンデについては、明らかに「背負っている組」のほうが優勢。牡馬だけを対象に比較しても、ハンデ55kg以下馬とハンデ56キロ以上馬では、信頼度に雲泥の差がある。また牝馬も、54キロ以上を背負うような実績馬のほうが期待できそう。つまり、荒れやすい傾向にはあるが「軽ハンデ馬がガンガン突っ込んでくる」系の重賞ではないのである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 先週の結果を見ても前優勢の馬場であるのは明白で、まだまだ継続しそう。

・天候予測
 金曜日まで降水確率が高いが土日は天候回復。日曜日は良馬場前提で。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率17.5% 連対率30.0% 複勝率33.8%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒

 勝利数トップがディープ産駒で、連対率・複勝率トップがハーツクライ産駒。つまり、サンデー系らしい「キレ」が前面に出ている馬が高い適性を持つコースだということだ。それ以外に好成績を残しているメンツを見ても、キングカメハメハ産駒やマンハッタンカフェ産駒、ステイゴールド産駒など、芝・中距離路線における王道血統ばかり。ベタな良血であればあるほど期待できるという、ある意味わかりやすいコースである。

 とはいえ、舞台が小倉で道中のペースも緩まないとなると、後方待機組はやはり狙いづらいところ。瞬発力あふれる血統でありながら、それなりの位置につけられるタイプを高く評価したい。となると血統&脚質的には、ダコールよりもエクスペディション、メイショウナルト、サトノパンサーあたりのほうがオススメと言えそうだ。

★総論×各論

 データ分析の結果、最も高評価となったのはマイネルラクリマだ。前走で七夕賞を制しているのもあって、ここも1番人気〜2番人気となりそうなこと。また、小倉記念でほとんど好走例のない関東馬であることなど不安なファクターも見受けられるのだが、大きく割り引く材料はまったく見当たらない。確実に中団〜好位で流れに乗れる数少ない馬であり、ハンデ58キロもこの相手関係から考えると順当なところ。アタマで来るとまでは言いづらいが、3着以内に来る確率は最も高いと断言しよう。

 最も妙味がありそうなのは、二番手評価となったタガノエルシコ。「中団から差すソコソコ人気薄の馬」という条件にキッチリ当てはまる上に、ハンデも軽すぎず重すぎずの55キロと、かなりそそられる存在である。脚質が大きな割引ファクターとなったダコールが三番手評価で、ここまでが上位評価組である。

 以下は大混戦ながら、エクスペディション、タムロスカイ、マックスドリーム、メイショウナルト、サトノパンサーといった序列。個人的には、マイネルラクリマから入りつつも「7番人気〜11番人気馬が必ず1頭は絡む」ような馬券をオススメしたい。あとは、コースデータの項目で紹介した「内枠の強さ」も絶対に忘れてはいけないポイント。レースデータでは内枠がイマイチなのだが、データ母数の多さから、ここはコースデータのほうを信頼したい。

■レパードS(G3・新潟ダ1800m)フルゲート15頭/登録18頭

 09年に創設されてから4年が経過したレパードS。まだまだ歴史が浅い上に、昨年には開催時期が前倒しもされたのだが、ここで好走する馬のパターンはすっかり確立されてしまっている。要するに「ジャパンダートダービー組と古馬1000万好走組しか来ない」レースで、しかもそれなりに順当決着。今後もこの傾向はキッチリ続いていきそうだ。

 関東オークス組の扱いを「保留」すると、馬券の対象となりうる登録馬はインカンテーション、クリノヒマラヤオー、ケイアイレオーネ、サトノプリンシパル、ジェベルムーサ、シグナルプロシードの6頭だけ。また、前走で逃げている馬が低信頼度であることや、古馬1000万下からのローテの場合は「前走2着以内」であるのが望ましいことを加味して考えると、インカンテーションケイアイレオーネジェベルムーサの3頭がひとまず「買い」パターンと言えそうである。

 で、先ほど保留した関東オークス組の扱い。過去にミラクルレジェンドが牝馬ながらこのレースを制しているが、同馬はあくまでジャパンダートダービーからのローテ。牝馬限定である関東オークスとは、戦っている相手のレベルが違う。前走が大楽勝だったアムールポエジーであろうとも過信は禁物であり、これまでの好走パターンから考えるに、どちらかと言えばアテにできない−−というのが正直なところ。そのアムールポエジーに関東オークスで1秒もぶっちぎられたオメガインベガスとなると、なおさら信用できない。

 ……といったシンプルな理由から、ここは先に「買い」と評価した牡馬3頭がオススメ。アムールポエジーが人気を集めてくれると、意外に美味しい配当になるかもしれない。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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