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キタムラ・ミステリーで狙う2匹目のドジョウ(&サッポロ・プチ・ミステリー)

  • 2013年08月15日(木) 12時00分
 先週のレッツゴー・キタムラは想定どおりのレッツゴーぶりで想定以上の頑張りだった。(まさか1着になるとは思わなかった。前日のレースで逃げ・番手馬が大敗し続けていたので、2着いや3着で十分と思っていた)

 これで北村宏は4年連続で関屋記念で馬券になったことになる。しかも逃げ・差し・3番手先行・2番手先行。直線の長さを逆手に取った逃げ先行っぷり。来年も北村宏の騎乗馬には要注意だ。(ちなみに新潟記念でも北村宏は9人気のサンライズベガをレッツゴーさせて2着させたことあり。新潟最終週も要注意だ)

 というわけで今週も調子に乗ってみる。物心ついた時から調子に乗って、乗りすぎて、痛い目にあって、反省することを繰り返して来た自分にはわかる! まだ行ける! ここは調子の乗りどころだ!

 キタムラで2匹目のドジョウすくいだ!

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 北九州記念で北村友は2年連続で1着している。しかも8枠で、しかも8人気で、しかも差しで。

11年
1着 8枠15番 トウカイミステリー 牝5 52 北村友 8人気 13−13−9

12年
1着 8枠16番 スギノエンデバー 牡4 55 北村友 8人気 14−13−12

 関屋記念の北村宏は3年連続だった。それゆえにすくい上げでみた。で、4年連続を達成した。北村友は2年連続。まっとうならば1年少ないと判断するのかもしれない。しかし2年連続で、8枠で、差しで、8人気だなんて、示唆にもほどがある!

 ここだ。ここが調子の乗りどころだ! なんせここでもう1回成功したら来年もう1回スパークできる! ひゃっほー!

 レッツゴーキリシマで逃げ切ったからレッツゴー・キタムラ。

 トウカイミステリーで差し切ったのだからキタムラ・ミステリー。

 うむ、なんだかサスペンスっぽい香りが出てて、いい響きだ。付け加えるならば、北村友は3年前も実は11人気の馬を4着(クビ差)させている。しかも8枠17番で!

10年 
4着 8枠17番 ストリートスタイル 牝5 52 北村友 11人気 16−15

8枠、8枠、8枠!
4着、1着、1着!
11人気、8人気、8人気!
差し、差し、差し!

 十分だ! キタムラ・ミステリーを宣言していい! っていうかどうすべ! 今年も8枠に入ったらどうすべ! ひぃ〜ミステリー!

 その北村友の騎乗予定馬はキョウワマグナム。

父キングカメハメハ 母父サドラーズウェルズ 角田厩舎
牡6
小倉(芝)5−0−0−2
全5勝すべてを小倉であげてる小倉大好物ホース。

2歳時、夏の小倉の1800で6着、16着。
3歳時、夏の小倉の1200で3連勝。
4歳時、夏の小倉の1200で2連勝。
5歳時、夏の小倉出走なし。

 1年1か月の休養を経て、4月に福島で1200に出走し、16着(1.3秒差)、6月にCBC賞に出走し7着(0.8秒差)、そして北九州記念に登録。得意の小倉に標準を絞って馬を作ってきているようにも思える。

 思えばキョウワマグナムはもともと鶴留厩舎にいた馬で、鶴留師の定年にともない角田厩舎に移籍した馬。思えば角田調教師は騎手時代の6年前にキョウワロアリングで北九州記念を11人気で1着させた経験あり。そのときも8枠15番で差しだった。おっとー。

 ちなみにキョウワマグナムは現在予想12人気。もうちょっとー。もう1つおまけに7年前にも角田騎手はコスモフォーチュンで勝っている。人気は11人気。おっととっとー!

 人気にはさしたる意味はないないけれど、自身が騎手時代に勝ったレースを同じキョウワの馬で勝つことは、馬主と調教師の関係から見ても、それなりに意味のあることだと思う。おまけに角田師はまだ調教師としては重賞未勝利だ。そう思うと、ますます得意の小倉に向けて馬を作ってきているような気がしてならない。

 キョウワマグナム自身の小倉との相性

 角田師の勝ちたい動機

 キタムラ・ミステリーを後押しする材料もそれなりに揃っている。

 材料はまだある。キョウワマグナムは父キンカメ。2年前に勝ったトウカイミステリーがキンカメだった。先週日曜の最終の芝1200を1着した馬が父アルカセット(キングマンボ)で、3着した馬が父キンカメ(キングマンボ)だった。

 今週は最後のAコース開催。キングマンボ馬場になっている可能性は大いにある。

 問題は今年も差しが決まるレースになるかどうかだ。

 っていうか、キョウワマグナムは基本的には差し馬ではない。連対したときの脚質は先行が一番多い。

 しかし北村友はこのレースではすべて差しで好成績をおさめている。それだけじゃなく基本的に北村友は差しの男だ。

 キョウワマグナムの連対脚質 逃1先 5差 2追 0
 北村友の今年の連対脚質   逃9先10差32追10

 キョウワマグナムにとっては先行して勝てるレースが望ましい。

 北村友にとっては差しが生きるレースが望ましい。

 ちょっとした矛盾発生。相撲でたとえれば、ちょっとした喧嘩四つ発生! う〜ん…ミステリーの要素が立ってきたぞ〜。

 北九州記念の過去を見ると、差し馬が活き活きとしているように思えるけれど、そうでもない。

 逃げた馬が活躍しにくいのははっきりしているけれど(今年もAコース8日目でその可能性は強い)、4角4番手以内につけた馬も3勝している(1200になった06年以後の7回中3回)。

 先行有利、差し有利を決める材料は何だろう? ペース、馬場等が大事なんだろうけど、自分には1番人気馬の脚質が影響を与えているようにも思えてならない。

 1番人気は過去7回で1-0-2-4。

 1番人気は、みなほぼ先行しており、1番人気が馬券圏内に残ったときは差しのインパクトも弱まり、4角4番手以内の馬が健闘している。逆に差しが強烈なときはもちろん1番人気は馬券圏外に敗れている。決めつけるならば1番人気が前で頑張れるならば差しは頑張れず、1番人気が前でへこたれるならば差しが決まるということだ。

 今年の1番人気候補は水曜日現在で、サドンストーム。

 サドンストームは差し系の馬。過去7回で真ん中より後方で競馬をした1番人気の馬はいない。もしサドンストームが今までどおりの戦法で走ってくるとなると、今年は先行、もしくは真ん中くらいまでにいる馬にお誂え向きの展開になる可能性もある。

 先週日曜の小倉最終の芝1200は1人気のキタサンエピソードが逃げて4着に負けた。勝った馬は4角4番手、2着した馬は4角2番手、3着した馬は4角9番手だった。

 逃げ馬にはつらい馬場だったかもしれないけれど、だからといって差し追い込み天国だったわけでもない。

 今年のメンバーはビュンビュン行きそうな馬がメモリアルイヤーしかおらず、たとえそれなりに速くなったとしても、その他の先行馬にとって、その速さがプレッシャーやストレスになるとも思えない。

 さらにサドンストームは川田から国分優に乗り替る。デビュー時に騎乗して2着したことがあるけれど、実質2年ぶりの騎乗で1番人気は心配指数の方が大きいし、調教師も国分優に「いつもより前での騎乗」を指示するとも思えない。

 つまり今年は1番人気馬が後方に位置取り、真ん中より前の馬に流れが向く年になる可能性があるわけだ。だとすると、それはキョウワマグナムにとって望ましい展開ともいえる。

ハ・タ・シ・テ、
キ・タ・ム・ラ・は、
ド・ン・ナ・レース・を、
シ・テ・ク・ル・カ・ナ?

 おっと、キョウワマグナムが完全に復調している前提で書いてしまった。一番大事なところはそこだ。でも今は週の真ん中で、そこまではチェックしきれない。だがそれでいい。そういうのも含めてミステリーだと思うからだ。

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 先週の関屋記念で2頭出走した4歳は2着、3着。またしても少数精鋭で馬券になってしまった。

 15頭出走して、3-3-3-6。9頭/15頭が馬券圏内、3着以内率は.666、連対率は.444、1〜3人気だと3-2-2-2(複勝率.777)、3人気以下だと0-1-1-4(複勝率.333)。

 北九州記念には4歳が6頭登録して、5頭が現状出走圏内にいる。多い! 多いよ! でも人気で分類すると少しスッキリする。

予想人気
1人気サドンストーム
2人気バーバラ
6人気アイラブリリ
7人気ニンジャ
10人気シゲルスダチ
19人気テイエムタイホー

 この予想通りならば、リスペクトすべき馬は1人気サドンストーム、2人気バーバラの2頭となる。サドンストームは差し系で、バーバラは先行系。うむ、バランスがいい。

 ちなみに札幌記念にも4歳は5頭が出走予定。

予想人気
2人気トウケイヘイロー
5人気アイムユアーズ
8人気エアソミュール
10人気アンコイルド
14人気ラブイズブーシェ

 この予想通りならば、リスペクトホースは2人気トウケイヘイロー。今週から函館はCコースだから、なんだかんだで逃げ、もしくは番手馬が残るかもしれない。ここはあまりひねったり、つねったりしないで、すくい上げる必要はありあそう。

 ところで札幌記念にもちょっとしたミステリー要素はある。まずはチーム乗り替りとチーム乗り替わらないに分けてみる。

おそらく乗り替りチーム
1人気 ロゴタイプ Cデムーロ→村田
3人気 ルルーシュ ウィリアムス→内田博
4人気 トーセンジョーダン スミヨン→戸崎
5人気 アイムユアーズ 戸崎→池添
6人気 タッチミーノット 横山典→四位
8人気 エアソミュール 和田→松田
12人気 オールザットジャズ 内田博→川須
15人気 ネコパンチ 江田照→藤田

おそらく乗り替らないチーム
2人気 トウケイヘイロー 武豊
7人気 レインボーダリア 善さん
9人気 ホエールキャプチャ 蛯名
10人気 アンコイルド 吉田隼
11人気 アスカクリチャン 岩田
13人気 マルセリーナ 川田
14人気 ラブイズブーシェ 古川

 想定上位人気で乗り替りなしは想定2人気のトウケイヘイロー・武豊のみ。次点が想定7人気のレインボーダリア・柴田善。

 札幌記念は夏の重賞では唯一の定量戦でもある。つまり、強い馬が出走しやすいレースで、秋のG1で勝ち負けを狙おうかという馬が出走してくるレースでもある。しかし今回の乗り替りが秋の布石と思えるものは、正直ない。ゆえにちょっとしたミステリーを感じるわけだ。

 ロゴタイプはきっとMデムーロだろうし、内田博はJC&有馬はゴールドシップだろうし、トーセンジョーダンはピンナだろうし(要は外国人騎手)。ロゴタイプはともかく、ルルーシュはオールザットジャズから内田博騎手を奪った形だし、トーセンジョーダンもアイムユアーズから戸崎を奪った形だ(事情はどうあれ)。

 つまり、秋ではなくここ勝負とも思えてくる。勝負の内田博、勝負の戸崎。っていうか、純粋にチャンスのある馬を内田博、戸崎ともに選んだと思いたい。思わせていただきたい。でも同時にホント信用しきちゃっていいんだろうか? とも思ったりもしている。

 ルルーシュはハンデG2で1着、2着しているけれど、定量G2でも勝ち負けできる実力を兼ね備えているのだろうか?

 っていうか、藤沢和厩舎のほんまもんならば3着のはず!(札幌記念のフジサワ・プチ・ミステリーといえば3着!)

 トーセンジョーダンは9か月ぶりではたして力を発揮できるのだろうか?(過去に9か月ぶり2着があるけれど、あれは3歳時で、オープン特別でのもの)

 そう考えると,人気4歳のトウケイヘイローや去年のフミノイマージンみたいなレインボーダリアや岩田が強奪されなかったアスカクリチャンや、アグネスアークは前走1600万条件3着でも12人気で2着したぞ!ラブイズブーシェ! といった乗り替らないチームでも勝負になるように思えてくる。

 まあ一番のミステリーは池添アイムユアーズ、川須オールザットジャズが勝ち負けしたときだろうけど、それはないと思いたい。

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 キタムラ・ミステリー成就のカギは、つきつめればキョウワマグナムの状態が休養前の状態に戻っているかどうか。前走のCBC賞は道中8番手(ほぼ真ん中)を追走しての7着だった。直線で垂れての7着ではなく、1頭抜いての7着だった。そこにわずかながら希望があると思っている。得意の小倉に替わって、もうひと伸びできる状態に戻っていれば……今週もドジョウは掬えるはず!

そこを満たした上で、
8枠に入ったら、ワオ!
8人気だったら、ワオワオ!
11人気でも、ワオワオだ!

(たとえ状態が戻ってなくても、8枠に入ったらワオワオさせていただきますけどね)

・北九州記念注目馬
キタムラ・ミステリー…キョウワマグナム
人気4歳系…サドンストーム・バーバラ

サドンストームが差し競馬をするという前提で狙いたい真ん中あたりで競馬をしそうな馬
52キロのザッハトルテ
54キロのマイネルエテルネル

基本後方競馬だけれども小牧騎手騎乗で久しぶりにいつもより出していきそうな
55キロのツルマルレオン

・札幌記念注目馬
4歳で1番人気のない馬…おそらくラブイズブーシェ(サンプル・アグネスアーク)
レインボーダリア(イメージ・フミノイマージン)
外しにくい馬…人気の4歳トウケイヘイロー(今年の流れ)



フジサワ・プチ・ミステリー…ルルーシュの3着(サンプル・コイントス&マチカネキララ)

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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