スマートフォン版へ

前走での上がり3F順位を最重視!/新潟2歳S

  • 2013年08月21日(水) 18時00分
■新潟2歳S(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録19頭

【コース基本情報】新潟芝1600m外 Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝68%・複勝72% 人気馬から人気薄までまんべんなく走るコース

・馬連万馬券出現率
 [やや高め] 13.4%(平均値△1.4% 馬連平均配当5696円)

・枠番別連対率(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率4.5% 連対率10.1% 複勝率15.5% 複回率60% 枠番値-0.1
 [3枠〜6枠] 勝率6.2% 連対率13.4% 複勝率20.1% 複回率71% 枠番値-0.1
 [7枠〜8枠] 勝率7.6% 連対率12.8% 複勝率19.1% 複回率84% 枠番値+0.1
 →枠番の影響が小さいコース。信頼度は外枠>中枠>内枠の順で高い

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ≧追込 中団待機組の信頼度が最も高いという特異なコース

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 35.4-25.2-33.5=1.34.1 序盤よりも上がりが2秒近く速い瞬発戦の流れに

 最初のコーナーまでが約550mと非常に長いため、序盤のポジション争いが激化することは少ないコース。しかも2歳戦となれば、速い流れになることなどまず考えられず、前半3Fが36秒台となるケースも考えられる。対照的に上がりは非常に速く、ペースは勝負所から一気に加速。最後は完全な瞬発力勝負となる──というのは、2歳戦でも同じだ。

 枠番については「内枠が最も数値が低く外枠が最も高い」という、通常とは逆の結果が出ている。それほど大きな差が出ているわけではないのだが、信頼度・回収率ともに「外枠>内枠」であるのは事実。最初のコーナーまでが長いコース形態であるため、外枠に入る不利が小さいと考えられる。

 また、こういったコース形態であるため、レースに「紛れ」はあまり起こらない。コース回収率はやや低めの水準で、馬連平均配当も5696円と、ほぼ平均値。どちらかといえば、波乱が起きづらい傾向にあるコースと言えるだろう。

 関屋記念のときにも述べたが、当コースで最も特徴的なのは、やはり「脚質」だ。逃げ〜先行勢よりも中団待機組のほうが高信頼度というのは、きわめて珍しい傾向。「末脚のキレだけで勝てる」といっても過言ではないほどで、スローになるのが明白であっても、このコースにおいては差し脚質を重視する姿勢を貫くべきである。

【レース基本情報】新潟2歳S(G3) 過去10回
・レース平均配当
 単勝723円 馬連1万1632円 3連複5万1027円

・1番人気馬成績
 [5-1-1-3] 勝率50.0% 連対率60.0% 複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-4-3-16] 勝率23.3% 連対率36.7%・複勝率46.7%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-0-6-51] 勝率5.0% 連対率5.0%・複勝率15.0%

・10番人気以下馬成績
 [0-6-1-73] 勝率0% 連対率7.5% 複勝率8.8%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 20.0% [差し] 40.0% [追込] 40.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 3.3% [先行] 26.7% [差し] 43.3% [追込] 26.7%

・性別成績
 [牡馬] 7-5-6-74 連対率13.0% 複勝率19.6%
 [牝馬] 3-5-4-66 連対率10.3% 複勝率15.4%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-3-2-13 連対率16.7% 複勝率27.8% 枠番値-0.4
 [2枠] 0-0-0-19 連対率 0% 複勝率 0% 枠番値-0.9
 [3枠] 1-2-1-15 連対率15.8% 複勝率21.1% 枠番値-1.3
 [4枠] 2-2-2-13 連対率21.1% 複勝率31.6% 枠番値+0.3
 [5枠] 3-1-1-14 連対率21.1% 複勝率26.3% 枠番値+0.1
 [6枠] 0-1-3-16 連対率 5.0% 複勝率20.0% 枠番値+0.4
 [7枠] 2-1-1-24 連対率10.7% 複勝率14.3% 枠番値+0.3
 [8枠] 2-0-0-26 連対率 7.1% 複勝率 7.1% 枠番値+0.8
 ─────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 1-5-3-47 連対率10.7% 複勝率16.1% 枠番値-0.9
 [4枠〜6枠] 5-4-6-43 連対率15.5% 複勝率25.9% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 4-1-1-50 連対率 8.9% 複勝率10.7% 枠番値+0.5
 ─────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 3-7-5-60 連対率13.3% 複勝率20.0% 枠番値-0.6
 [5枠〜8枠] 7-3-5-80 連対率10.5% 複勝率15.8% 枠番値+0.4

・厩舎所属別成績
 [美浦] 8-8-6-92 連対率14.0% 複勝率19.3%
 [栗東] 2-2-4-47 連対率 7.3% 複勝率14.5%

・前走距離別成績
 [芝1000m] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1200m] 0-2-1-30 連対率 6.1% 複勝率 9.1%
 [芝1400m] 7-3-4-53 連対率14.9% 複勝率20.9%
 [芝1600m] 3-4-3-20 連対率23.3% 複勝率33.3%
 [芝1800〜] 0-0-2-25 連対率 0% 複勝率 7.4%
 [ダート戦] 0-1-0-7 連対率12.5% 複勝率12.5%

・前走クラス別成績
 [前走新馬戦] 4-5-6-71 連対率10.5% 複勝率17.4%
 [前走未勝利] 2-3-1-32 連対率13.2% 複勝率15.8%
 [前走OP特別] 4-2-3-36 連対率13.3% 複勝率20.0%

・出走間隔別成績
 [中1週] 0-1-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3%
 [中2週] 2-2-2-35 連対率 9.8% 複勝率14.6%
 [中3週] 2-2-2-32 連対率10.5% 複勝率15.8%
 [中4週〜8週] 6-5-5-55 連対率15.5% 複勝率22.5%
 [中9週以上] 0-0-1-7 連対率 0% 複勝率12.5%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走1400m〜1600m戦で最速上がり(複勝率42.5%、複回率126%)
 [全滅] 前走が4番人気以下かつ2着以下(0-0-0-18)
 [不振] 前走で1200m以下戦に出走(連対率6.7%、複勝率8.9%)
 [不振] 前走で4角を先頭で回っている(連対率4.8%、複勝率9.5%)
 [不振] 前走での上がり3F順位が3位以下(連対率5.7%、複勝率5.7%)

 新潟2歳Sでとにかく多いのが「ヒモ紛れ」での高配当決着。1番人気馬の信頼度が[5-1-1-3]で勝率50.0%と非常に高いにもかかわらず、平均配当は馬連1万1632円、3連複5万1027円と、かなりの荒れ模様。10番人気以下馬が[0-6-1-73]と6頭も連対しているという、2歳戦らしい波乱傾向を見せている。

 差し・追い込み脚質が強いという傾向は、コースデータの場合よりもさらに加速。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、逃げ・先行馬が占める割合は30.0%に過ぎない。勝ち馬に至っては全体の80.0%が差し&追い込み脚質であり、逃げ&先行勢が勝つという前提で予想を進めると、手痛いしっぺ返しを食らう可能性が非常に高い。

 枠番別では、目立っているのが1枠〜3枠の不振だ。トータル[1-5-3-47]で連対率10.7%と信頼度が低く、枠番値も-0.9と飛び抜けた低さ。まだ気性的に幼い2歳馬で、内枠からロスなく乗って直線でスッと外に出す──といった騎乗を期待するのは、相当難しいようである。ここを割り引いて、「4枠〜8枠」に入った末脚のキレる馬を狙うというのが、枠番データ的にはベター。内枠を1着固定で狙う馬券はオススメできない。

 その他にも注目すべきファクターはアレコレあるが、このレースで勝ち負けする上での必要条件と言えるのが「前走上がり3F順位が2位以内である」ということ。この条件を満たす馬がトータル[9-8-10-90]と3着以内馬のほとんどを占めており、逆に満たさない馬だとトータル[1-2-0-50]と、その複勝率はわずか5.7%。3位以下馬が「消し」なのはもちろんのこと、積極的に買うなら前走上がり3F順位が1位であるのが望ましい。

 最もアツいのは、注目出走パターンの冒頭にあげた「前走1400m〜1600m戦で最速上がり」という条件を満たす馬。ちなみに、今年の登録馬でこの条件を満たすのは、ダウトレス、ハープスター、マーブルカテドラル、マイネグラティアの4頭だけだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開催10日目。時計の速さは相変わらずも、さすがに外のほうが伸びる印象。

・天候予測
 金曜日の降水確率が高いが、土日は降らずに耐えそう。良馬場前提でオーケー。

・勝利数トップ種牡馬
 キングカメハメハ 勝率13.2% 連対率26.5% 複勝率30.9%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ダイワメジャー産駒、母父サンデーの配合馬

 これまでの項目でもさんざん繰り返し述べてきたように、当コースは瞬発力の要求度がとんでもなく高いコース。速い上がりを繰り出せることが何よりも重要であり、極端な話、それだけで勝ち負けできる単純明快なコースだとも言える。

 これは種牡馬データからも明らかで、好成績を残しているのはキングカメハメハ、ディープインパクト、ハーツクライなど、芝の中長距離適性が高い瞬発力型の種牡馬ばかり。あとはダイワメジャー産駒も、期間内1勝ながら連対率や複勝率は非常に高く、適性はかなりのもの。あとは当然「母父サンデー」も好調で、こちらも注目に値する。

 今年の登録馬では、ディープインパクト産駒のハープスター、ダイワメジャー産駒のマーブルカテドラル、母父サンデーであるアラマサクロフネとクリノジュロウジンあたりが、血統の字面から推せるパターン。コースと好相性と思われる馬が意外に少ないので、血統ファクターもそれなりに重視したほうが、ここは好結果を呼び込めそうだ。

★総論×各論

 噂に違わぬ強さで中京での新馬戦を快勝した良血ハープスターや、ダリア賞の上位馬であるマキャヴィティとマイネグラティア、東京芝マイルでの新馬を勝ってここに備えていたイスラボニータなどが人気を集めそうな、今年の新潟2歳S。ヒモ紛れがやたらと起こるレースであるのは前述したとおりで、人気薄の取捨には細心の注意が必要である。

 データ分析からのトップ推奨は、中穴人気となりそうなダウトレス。前走が「新潟芝1600mで最速上がり」をマークしての1着であることは非常に大きく、中京や東京での最速上がり組よりも、こちらのほうを上に取りたい。そして二番手に、良血ハープスター。こちらは前走が中京だったことで少し評価を落としたが、ディープインパクト産駒であるという強調材料もあり、ダウトレスとは甲乙つけがたいところ。ほぼ横並びの二番手評価と考えていただきたい。

 三番手は、ダリア賞2着のマイネグラティア。内回りの1400m戦ではマキャヴィティに先着されたが、このコース替わりは同馬にとって大きなプラス。前走の2着で人気を落としてくれるようなら、余計に美味しい。四番手が、東京芝1400mの新馬を最速上がりで制したマーブルカテドラル。ダイワメジャー産駒でもあり先行力もソコソコありそうなのだが、それが吉と出るか凶と出るかが微妙なので、少し評価を落としている。

 あとは押さえ評価で、イスラボニータ、ウインフェニックス、ピークトラム。人気の一角となりそうなマキャヴィティは、前走上がり3F順位が4位以下であり、しかもダリア賞で「前傾の流れを前々から押し切る」という、スプリント的な流れで好走している馬。コース替わりがマイナスに働く可能性が高いため、ここは「消し」評価とした。

 当日の人気が読めないので何とも言えない部分はあるが、現時点ではダウトレス、ハープスターからヒモ穴に流す馬券を推奨しておきたい。

■キーンランドC(G3・函館芝1200m)フルゲート14頭/登録17頭

 札幌記念に引き続き「今年は札幌ではなく函館なのでデータ的に言えることがない」レースとなった、今年のキーンランドC。ただ、札幌開催時の傾向だった北海道シリーズ参戦組の強さ──特に函館スプリントS組が強いという傾向については、より加速する可能性がある。同コースでの開催なのだから当たり前の話で、函館スプリントSの上位馬は基本的に「買い」だと言える。

 そうなると問題なのが、UHB杯組の扱い。レースが創立されてから今年で8年目となるが、UHB杯は過去7年[1-1-1-25]で連対率7.1%、複勝率10.7%と、かなり不振なのだ。これが、同コースでの開催となる今年、どのように変化するのかが猛烈に不安。例年であればバッサリ消せるのだが、今年に関しては扱いが非常に難しい。

 ……と悩んでいても仕方がないので、ここは「函館スプリントS好走馬=◎」「前走アイビスSD組=○」「前走UHB杯組=×」と決め打ち。信頼度が「牝馬>牡馬」であることも加味して、フォーエバーマーク、アドマイヤセプターの2頭を推したい。次点で、函館スプリントSの勝ち馬であるパドトロワ。前走UHB杯組のシュプリームギフト、ストレイトガール、ファインチョイスの3頭は、人気ほどにはアテにならないと見て軽視したい。

■エルムS(G3・函館ダ1700m)フルゲート13頭/登録16頭

 前述のキーンランドC以上に「データから何も判断できないレース」なのが、今年のエルムS。開催場が函館であるのはもちろんのこと、昨年から開催時期まで変更されているのだから、本気でどうしようもない。

 あえて言うなら、開催時期が変更されても相変わらず強かった「地方交流重賞→エルムS」のローテだろうか。昨年はエスポワールシチー、グランドシチーの2頭がこのローテで出走して、2着と3着に好走。1着も前走が中京のジュライSだったローマンレジェンドで、「北海道シリーズのダート1700m戦」から出走した馬は1頭も馬券に絡めなかった。

 となれば今年も、前走交流重賞組からグランドシチーを推したいところなのだが、同馬が本当に出走してくるかどうかは微妙なところ。もし本当に出走してくるなら筆頭評価だが、出走しない場合は、同じく地方交流重賞からのローテで出走するエーシンモアオバーやアクティビューティを狙ってみたい。

 それ以外では、エルムSで以前から不振な「前走オープン特別2着以下馬」を割り引きたいところ。開催時期こそ違えど、札幌での過去9回のトータル[0-1-6-35]で連対率2.4%と、信頼度の低さが目立ちに目立っている。マリーンSで1着だったブライトラインは買えるが、それ以外はすべて「消し」でもいいくらいだ。

 というわけで、薄っぺら〜いデータからの判断にはなるが、このレースでの推奨馬はグランドシチー、エーシンモアオバー、アクティビューティ、ブライトラインの4頭。そう大きく紛れるとは考えづらいので、コンパクトな買い目で勝負したい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング