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新潟2歳・歓迎の儀〜〜7月14日に走って…〜〜

  • 2013年08月22日(木) 12時00分
 新潟2歳は、一見不利に思えることでもウェルカムしていくべきレースだ!(と、去年、いや一昨年くらいから決めた)

 去年は開催が1週前にずれたので歓迎材料に変化が出ると思ったけれど、概ね例年同様だった。だから今年も歓迎してゆくことにした。

新潟2歳S・歓迎の儀

#1 出遅れを歓迎せよ。
#2 1人気、最低人気を歓迎せよ。
#3 前走(新馬)人気薄で1着して、今走さらに人気薄の馬を歓迎せよ。
#4 関西馬を1頭は歓迎せよ。※そこにスポット参戦の名手系がいたら概ね歓迎せよ。

#1 出遅れを歓迎せよ。
 このレースはとにかく出遅れ・立ち遅れの馬が馬券にからむ。

 以下はこの10年で出遅れ・立ち遅れても馬券になった馬。注目すべき点はその人気。1、2人気〜15、16番人気まで幅広く馬券に絡んでいる。

03年 アウトディスタンス 10人気3着 16-16-15
05年 ショウナンタキオン 1人気1着 17-17-17
06年 ゴールドアグリ 2人気1着 10-11-10
07年 シャランジュ 16人気2着 18-18-18
08年 セイウンワンダー 1人気1着 15-14-14
09年 シンメイフジ 1人気1着 17-18-18
   フローライゼ 15人気2着 18-14-16
11年 クイーンアルタミラ 9人気3着 13-13-16
12年 ザラストロ 3人気1着 15-15-15

 だから今回出遅れそうな馬を狙えというわけではない。ただスタートがヘタだとしてもこのレースではそれほど気にする必要はないし、自分が期待する馬が出遅れたとしてもジタバタする必要もない。特に人気薄の馬なら、一見理想と思える中団より、後方待機の方が良かったりもする。

 出遅れてくれた方が、ときに希望が生まれる可能性もあると言いたいだけだ。

 出遅れた馬同士で決まる場合もあれば、出遅れと先行で決まる場合もある。もちろん好スタートから先行した馬同士で決まる場合もある。だから闇雲に出遅れを願えとは思わない。

 ただ出遅れそうだからといって、見限る必要もない。

 期待してる馬に出遅れ癖があったらふつうは買いにくいけれど、ここではそれを理由に嫌う必要もない。

 一応、2歳のこの時期の1600、しかも日本一直線の長い新潟だから許される儀と見立てているけど、さぁ今年はどうだろう。

 ちなみに今年登録している馬で前走・出遅れ・立ち遅れて、それでも勝ち負けした馬は3頭

イスラボニータ 新馬1着
ウインフェニックス 2連続出遅れて、新馬2着・未勝利1着
ユールドゥー(2走前)新馬1着

イスラボニータは蛯名騎乗。蛯名は今回4頭の馬に騎乗経験あり。
アポロスターズ 1着(新馬) 4着(ダリア賞)
イスラボニータ 1着(新馬)
ダウトレス 3着(新馬) 1着(未勝利)
ユールドゥー 1着(新馬)

 4頭すべてで1着経験があって、その上でイスラボニータ騎乗ならば、その選択をリスペクトしてみたくなる。

#2 1番人気、最低人気を歓迎せよ。
 これはかなり盛って書いている。特に最低人気のところを。1番人気はこの10年で7回馬券圏内に来ており、当たり前に歓迎する必要はある。

 と同時に9番人気以下もこの10年で8回(11頭)馬券に絡んでおり、しかも15番人気以下も3頭馬券に絡んでおり、それゆえにあえて、最低を歓迎と盛ってみた。人気薄を狙うなら、ケツ人気までウェルカムしようと自分に言い聞かせるためにだ。

 人気馬から検討していく派、人気薄から検討していく派、好きな馬、気になる馬から検討していく派、馬のアプローチはいろいろだろうけど、このレースに限っては、オッズを上と下から検討する儀を歓迎したい。

 1番人気から検討しつつ、最低人気からも検討する。上からもケツからも、後ろからも前からも.Oh!Yeah!

予想では
1人気ハープスター
2人気マイネグラティア
3人気マキャヴィティ
4人気イスラボニータ

19人気(フルゲートは18頭) タカミツスズラン
18人気コロナプリンセス
17人気セトアロー(回避?)
16人気クリノジュロウジン
15人気ユールドゥー

 人気馬はともかく、非人気馬で気になるのは三浦がわざわざ騎乗しにくるように見えなくもないタカミツスズランと出遅れ勝ちのある北村宏騎乗のユールドゥーの2頭。だけど少し穴の決め手に欠ける気もする。今年はもうちょっと上まで昇ってみる必要ありか……。

 ちなみにこのレースは1人気が強く、2、3、4人気は1人気に連れられてやってくる傾向あり。特に2人気は来るならば1人気とのセットでやって来る。逆に1人気が圏外に飛ぶならば、2人気もいっしょに飛ぶ。

#3 前走(新馬)人気薄で、今走さらに人気薄の馬を歓迎せよ。

「穴をあける馬は新馬でも穴をあけた馬が多い」

 そのことに注目し、一昨年はクイーンアルタミラを取り上げて上手くいった(クイーンアルタミラは新馬6人気1着→新潟2歳9人気3着)。

03年アウトディスタンス 10人気3着 新馬7人気1着
06年マイネルーチェ 11人気2着 新馬7人気1着
07年シャランジュ 16人気2着 新馬9人気1着
   ゴールドストレイン 9人気3着 新馬6人気1着
09年フローライゼ 15人気2着 新馬5人気1着
10年マイネイサベル 9人気1着 新馬6人気1着
11年クイーンアルタミラ 9人気3着 新馬6人気1着

 評判馬が評判どおりに勝つ確率が高いのが新馬戦だけに、5人気でも十分穴と言える。そういう馬が重賞の2歳Sでフロック視されてか、さらに人気をサゲる場合がある。で、穴をあける。ドカーン! 大歓迎だ。

今年新馬戦を5人気以下で勝った馬は以下の5頭+(1頭)
アポロムーン 新馬14人気1着
クリノジュロウジン 新馬11人気1着
マイネグラティア 新馬6人気1着
マイネルメリエンダ 新馬6人気1着
マーブルカテドラル 新馬5人気1着
(ピークトラム 未勝利7人気1着)

 新馬を5〜7人気で1着し、ここでさらに人気を落とす馬が美味しい傾向にある。だとすると、この2頭を特に歓迎する必要ありか。

マイネルメリエンダ 予想11人気
マーブルカテドラル 予想12人気

 マイネルメリエンダ、マーブルカテドラルともに週末はもっと人気が上がってきそうだけど、現時点では相当そそられる。

 追記・未勝利だけど7人気で1着したピークトラムも今回忍ばせてみた。

 “7人気”で勝ったことと予想人気が10人気であることは未勝利ではあるけれど、そそる。

 それになんといっても“小牧騎手”であることはドデカイ。なぜドデカイのか? その理由は説明できないけれどとにかくドデカイ。

#4 関西馬を1頭歓迎せよ。※スポット参戦の名手系がいたら大歓迎せよ。

 これはもはや説明の余地はなしだろう。ここ5年連続で関西馬がからんでいる(08年は2頭。他4年は1頭ずつ。10年でも7年からんでいる)。しかも関西系名手が騎乗している関西馬の好走率が高い。

今年該当する関西馬は
クリノジュロウジン(未定)
セトアロー(回避?)
ハープスター(川田)
ピークトラム(小牧)
モズハツコイ(松岡)

 関西馬&関西騎手とのコンビはハープスターとピークトラム。リーディング10位以内を名手系と捉えるならば、川田とのコンビのハープスターは大歓迎できる。関西騎手&関西馬は人気薄よりは人気があった方が頼もしい。そもそも1人気はナイガシロしにくく、そういう意味でも大歓迎と言える。

 小牧騎手のピークトラムは#3でも一応該当している馬で人気は低そうだけど、それはそれで歓迎できる。人気サイドでハープスター、穴でピークトラム。うむ、悪くない。

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ここまでで歓迎の対象となっている馬は以下の5頭

ハープスター・川田 関西&関西名手&1人気候補
イスラボニータ・蛯名 出遅れて1着経験&蛯名の選択
ピークトラム・小牧!!(未勝利戦人気薄1着)&関西
マイネルメリエンダ・内田博 新馬戦人気薄1着
マーブルカテドラル・田辺 新馬戦人気薄1着

 なんだかこの5頭で十分な気もする。けれど自分的にはスッキリしすぎていて、不安もよぎる。マーブルカテドラルやマイネルメリエンダなんて、もっともっと人気になりそうだし。

だから歓迎の儀「+」をまぶしてみる。「+」だからあくまでもスパイス的役割。
でもこれで去年はザラストロとサウンドリアーナに自信のダブル◎を打てた。捨てたもんじゃない。

歓迎の儀+
+1 マイネル・コスモ、もしくはマイネル・コスモっぽい騎手を歓迎せよ。
+2 前走7月14日は歓迎ローテか吟味せよ。

+1 マイネル・コスモ、もしくはマイネル・コスモっぽい騎手を歓迎せよ。

 出遅れ・立ち遅れの馬が頑張れちゃうレースであることは間違いないけれど、だからといってふつうにスタートした馬が結果を残していないわけではない。特にマイネル・コスモ・ウインの岡田繁幸氏系の馬は、概ね先行して好成績を残している。っていうか、マイネル系は出遅れ・立ち遅れでは結果を残していない。

12年
1着ザラストロ 15-15-15 松岡(っぽい系)
3着サウンドリアーナ 5-5-5 和田(っぽい系)

10年 
1着マイネイサベル 4-8-9 松岡
2着マイネルラクリマ 2-2-2 石橋脩

08年
3着バンガロール 2-3-3 石橋脩(っぽい系)

06年
2着マイネルーチェ 5-6-4 大野
3着マイネルレーニア 1-1-1 石橋脩

05年
3着コスモミール 5-3-2 木幡

04年
1着マイネルレコルト 6-6-5 後藤

 やっぱりマイネル系の馬が馬券になるときはほぼ先行だ。去年は、マイネル系は1頭しか出走がなく、しかも買える要素が皆無の馬だった(16着)。ゆえにマイネル系の馬への騎乗機会の多い松岡&和田に期待してみた。松岡は追い込んだけれど、和田は先行して食い込ませた。石橋脩のバンガロールもマイネル系じゃないけど、同じ理由で取り上げてみた。ちなみに石橋脩騎手は3回馬券になっているけど、ぜんぶ先行だ。

今年の該当馬(マイネル系)
ウインフェニックス 石橋脩 差し系 予想13人気
マイネグラティア 柴田大 差し系 予想2人気
マイネルメリエンダ 内田博 先行系 予想11人気

 今年は3頭も出走する。2頭が差し系なのは少々気になるけれど、ウインフェニックスは#1で、マイネルメリエンダは#3で顔を出し、マイネグラディアは人気がある。みな別の(買える)動機を持っていて、今年は「っぽい」に走る必要はないとみた!

+2 前走7月14日は歓迎ローテか吟味せよ。

去年1着2着3着した馬はすべて前走が7月14日だった。
1着ザラストロ 7.14 新潟 芝16
2着ノウレッジ 7.14 新潟 砂12
3着サウンドリアーナ 7.14 中京 芝14

 気のせいか? 単なる偶然か? ただ去年から新潟2歳は1週前倒しで開催された。7.14からのローテが新潟2歳にちょーどいいローテということはないか?

 そう思い最終週に行われていた向こうの9年間をみた。すると前走が同じ日(同じ週)の馬が、思った以上にいっしょに来ていることがわかった。

10年
1着 7.17 新潟(7月第3週)
3着 7.18 新潟

09年
1着 8.8 新潟(8月第2週)
2着 8.9 新潟

07年
1着 7.21 新潟(7月第3週)
3着 7.21 新潟

05年
2着 8.13 新潟(8月第2週)
3着 8.13 新潟

 向こうの9年で4回、前走・同日(同週)の馬が2頭ずつ馬券圏内に入っていた。去年も含めれば10年で5回、フィフティ:フィフティで来てることになる。

 注目どころは、向こうの9年間では7月第3週と8月第2週の馬が好走していた点。11年に勝ったモンストールも7月第3週だし、10年に2着したマイネルラクリマも8月第2週だった(10年は7月第3週で2頭、8月第2週で1頭で決まった)。

 だとすると、今後は7月第2週と8月第1週の馬が好走しやすいという見立てはできる。実際、去年は7月第2週の7月14日組が1・2・3着を独占した。

 前走が同じ日の馬3頭が圏内を独占したことはないから、やっぱり7月第2週、いやあえて“7月14日”の馬は一番好走率が高いとも言える!?

 ちなみに今年、前走7月14日に該当する馬は……

ハープスター 前走7.14 中京 芝14 1着 
ピークトラム 前走7.14 中京 芝16 1着

 おっとー! #項目で残った2頭が前走7月14日じゃないか!!今年も前走7月14日が好走してしまったら、ヤバイ!歓迎の儀の式典の中心は完全に「前走7月14日」ホースになってしまう!

 来年(2014年)の7月14日は月曜日。となると7月12、13日が開催日か………。なんて表現しよう。「7月14日近辺」か、ふつうに「7月第2週」か。7月第2週が一番間違いないのだろうけど、ちょっと味気ないな……ってそういう問題ではない!?

 ちなみに前走が8月第1週(3日・4日)だった馬は……
マキャヴィティ ダリア賞1着
マイネグラティア ダリア賞2着
デスティニーラブ ダリア賞3着
アポロスターズ ダリア賞4着
ユールドゥー ダリア賞5着
クリノジュロウジン ダリア賞11着

 要はダリア賞組。前走ダリア賞組は過去6着までの馬しか走ってないから、ここでは5着のユールドゥーまで拾えるっちゃー拾える。

 自分は「7月14日」にこだわりたいので、しかも日付的強さは7月14日の方が上であって欲しいと思っているので、ハープスター&ピークトラムに注目している。

 けれど考え方としては、7月14日組のボックス(馬連で1点)、8月3日組のボックス(5頭だから馬連で10点)、7月14日の2頭&8月3日の6頭の合体ボックス(馬連で15点)でもありだ。

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・歓迎の儀で残った馬
ハープスター・川田 
イスラボニータ・蛯名 
ピークトラム・小牧!! 
マイネルメリエンダ・内田博 
マーブルカテドラル・田辺

・歓迎の儀+で浮上した馬
マイネル系(ウインフェニックス・マイネグラティア・マイネルメリエンダ)
7月14日系(ハープスター・ピークトラム)
8月第1週系(ダリア賞5着まで)

 複数回登場した馬や人気のない馬を贔屓しつつ、これらを整理するとこうなる。

新潟2歳S
人気系(軸候補)
大歓迎ホース ハープスター
歓迎ホース イスラボニータ

穴系or罠系(当日のオッズを見ながら)
大歓迎ホース ピークトラム
歓迎ホース マイネルメリエンダ・マーブルカテドラル

ヒモで考え中 アラマサクロフネ・デスティニーラブ

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 キーンランドCは2番手を進む馬が近年では一番信頼できる。枠にもよるところが大きいから断定できないけれど、今回のメンバーならばフォーエバーマークに番手取りを期待している。

 先週、社台F生産の1番人気ロゴタイプで5着に敗れた村田騎手が今週も社台F生産のフォーエバーに騎乗する。村田騎手の巻き返し力がどんだけのもんか。そこも含めて興味津々だ。

参考文献・この夏の芝重賞4歳の成績
4-4-5-12
3着以内率は.520
連対率は.320
1〜3人気だと、4-2-3-3(複率.750)
4人気以下だと、0-2-2-9(複率.307)

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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