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波乱傾向も今年は読みづらい!?/新潟記念

  • 2013年08月28日(水) 18時00分
■新潟記念(G3・新潟芝2000m外)フルゲート18頭/登録14頭

【コース基本情報】新潟芝2000m外 Aコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単勝59%・複勝71% 1着馬の9割以上が6番人気以内

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.2%(平均値△5.2% 馬連平均配当5828円)

・枠番別連対率(14頭立て以下) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率10.3% 連対率14.7% 複勝率22.1% 複回率40% 枠番値-0.9
 [3枠〜6枠] 勝率 5.4% 連対率16.8% 複勝率26.2% 複回率77% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率12.3% 連対率18.5% 複勝率26.2% 複回率81% 枠番値+0.1
 →内枠よりも中枠〜外枠のほうが高信頼度で回収率も高い傾向にある

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>>追込 外回りコースながら先行勢もけっこう残る

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 35.8-48.1-33.9=1.57.8 好位〜中団から長くいい脚を使える馬が向く

 登録段階で14頭と、今年は少頭数となりそうな新潟記念。となると、例年にも増してゆったりしたペースで流れそうだ。となると、人気馬がキッチリ能力を発揮して、堅く決着する可能性が大。単勝59%、複勝71%というコース回収率を見てもわかるように、もともと堅く決着する傾向の強いコースだというのも、その大きな理由だ。

 とはいえ、差し&追い込み勢が異様に強い芝1600m外と比較すると、芝2000m外は意外に前が残る傾向アリ。差し馬が強い瞬発力勝負の流れになるのは同様なのだが、先行勢が残る確率はこちらのほうが格段に高い。そのあたりもしっかり考慮に入れた上で、買い目を考えていきたいコースである。

 枠番別では、内枠の不振が目立っている。頭数を「14頭立て以下」に絞ったデータなので信憑性に欠ける部分はあるが、1枠〜2枠は連対率、複勝率ともに数値は低め。また、複勝回収率が40%しかないことや、枠番値が-0.9と飛び抜けて低いことからも、オススメはしづらい。こちらは、やや割り引いて考えたほうが良さそうだ。

 レースの流れは、前半3Fよりも上がり3Fのほうが2秒近く速い、完全な後傾ラップを想定。意外に前が残りやすいという点を考慮に入れると、好位〜中団から長くいい脚を使えるようなタイプが最も「買い」と言える。もっとも、1着率が高いのはやはり差し脚質。「差し→先行」決着が最もイメージしやすいか。

【レース基本情報】新潟記念(G3) 過去10回
・レース平均配当
 単勝1259円 馬連7322円 3連複6万6500円

・1番人気馬成績
 [0-1-0-9] 勝率0% 連対率10.0% 複勝率10.0%

・3番人気以内馬成績
 [4-2-1-23] 勝率13.3% 連対率20.0% 複勝率23.3%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [5-6-7-43] 勝率 8.2% 連対率18.0% 複勝率29.5%

・10番人気以下馬成績
 [1-2-2-63] 勝率 1.5% 連対率 4.4% 複勝率 7.4%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 40.0% [差し] 50.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 30.0% [差し] 46.7% [追込] 16.7%

・性別成績
 [牡馬] 8-9-9-103 連対率13.2% 複勝率20.2%
 [牝馬] 2-1-1-26 連対率10.0% 複勝率13.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 [4歳馬] 4-2-0-20 連対率23.1% 複勝率23.1%
 [5歳馬] 3-5-6-40 連対率14.8% 複勝率25.9%
 [6歳馬] 1-1-4-34 連対率 5.0% 複勝率15.0%
 [7歳↑] 2-2-0-31 連対率11.4% 複勝率11.4%
 ─────────────────────────
 [5歳以下馬] 7-7-6-64 連対率16.7% 複勝率23.8%
 [6歳以上馬] 3-3-4-65 連対率 8.0% 複勝率13.3%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 1-1-2-12 連対率12.5% 複勝率25.0% 枠番値+0.2
 [2枠] 0-0-0-17 連対率 0% 複勝率 0% 枠番値-2.6
 [3枠] 3-2-4-8 連対率29.4% 複勝率52.9% 枠番値+3.4
 [4枠] 1-4-1-12 連対率27.8% 複勝率33.3% 枠番値+0.5
 [5枠] 2-0-2-15 連対率10.5% 複勝率21.1% 枠番値+0.1
 [6枠] 2-0-0-17 連対率10.5% 複勝率10.5% 枠番値-1.7
 [7枠] 0-3-0-23 連対率11.5% 複勝率11.5% 枠番値+0.3
 [8枠] 1-0-1-25 連対率 3.7% 複勝率 7.4% 枠番値-0.1
 ─────────────────────────────
 [1枠〜2枠] 1-1-2-29 連対率 6.1% 複勝率12.1% 枠番値-1.2
 [3枠〜6枠] 8-6-7-52 連対率19.2% 複勝率28.8% 枠番値+0.5
 [7枠〜8枠] 1-3-1-48 連対率 7.5% 複勝率 9.4% 枠番値±0

・厩舎所属別成績
 [美浦] 5-6-4-67 連対率13.4% 複勝率18.3%
 [栗東] 5-4-6-62 連対率11.7% 複勝率19.5%

・前走距離別成績
 [〜芝1400] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1600m] 0-1-3-29 連対率 3.0% 複勝率12.1%
 [芝1800m] 3-1-1-13 連対率22.2% 複勝率27.8%
 [芝2000m] 6-6-6-72 連対率13.3% 複勝率20.0%
 [芝2200m] 1-2-0-5 連対率37.5% 複勝率37.5%
 [芝2400〜] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走中央G2] 0-0-1-5 連対率 0% 複勝率16.7%
 [前走中央G3] 9-7-9-83 連対率14.8% 複勝率23.1%
 [前走OP特別] 0-0-0-10 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走条件戦] 1-3-0-28 連対率12.5% 複勝率12.5%

・牡馬斤量別成績
 [51kg以下] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 7%
 [52〜53kg] 0-1-0-23 連対率 4.2% 複勝率 4.2%
 [54〜55kg] 2-5-4-31 連対率16.7% 複勝率26.2%
 [56〜57kg] 5-3-3-30 連対率19.5% 複勝率26.8%
 [57.5kg↑] 1-0-2-11 連対率 7.1% 複勝率21.4%
 ──────────────────────────
 [53kg以下] 0-1-0-31 連対率 3.1% 複勝率 3.1%
 [54kg以上] 8-8-9-72 連対率16.5% 複勝率25.8%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-0-0-17 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 0-0-2-23 連対率 0% 複勝率 8.0%
 [中3週] 3-4-4-33 連対率15.9% 複勝率25.0%
 [中4週〜8週] 6-5-3-33 連対率23.4% 複勝率29.8%
 [中9週以上] 1-1-1-21 連対率 8.3% 複勝率12.5%
 ──────────────────────────
 [〜中2週] 0-0-2-42 連対率 0% 複勝率 4.5%
 [中3週〜] 10-10-8-87 連対率17.4% 複勝率24.3%

・注目出走パターン
 [必須] 連闘〜中2週での出走をのぞく前走芝1800m〜2200m戦出走組
 [買い] 上記条件を満たす5歳以下馬(複勝率34.0%、複回率136%)
 [買い] 4番人気〜9番人気馬(複勝率29.5%、複回率118%)
 [不振] 連闘〜中2週での出走(連対率0%、複勝率4.5%)
 [不振] 1番人気馬(連対率10.0%、複勝率10.0%)
 [不振] ハンデ53キロ以下の牡馬(連対率3.1%、複勝率3.1%)
 [不振] 前走で芝1600m以下戦に出走(連対率2.9%、複勝率11.8%)

 昨年から新潟2歳Sと日程が入れ替わったが、開催時期が大きくズレたわけではないので、過去10年分のデータを集計対象に。新潟記念は、来る馬と来ない馬のパターンがハッキリしているレースなので、馬券の対象をかなり絞り込みやすいはずだ。

 まずは人気別だが、1番人気馬の[0-1-0-9]という成績を見てもわかるように、上位人気馬がアテにならない。トータル成績で比較すると、3番人気以内馬よりも、4番人気〜9番人気馬のほうが複勝率が高い(前者が23.3%、後者が29.5%)という異常事態が発生。このレースの人気馬がいかに信用できないかが、よくわかる話である。

 続いて年齢だが、こちらは5歳以下馬が6歳以上馬を圧倒。信頼度にして、おおむね2倍ほどの差があると考えてもらっていい。そして枠番データでは、3枠〜6枠の「中枠」が突出した信頼度の高さをマーク。内枠がイマイチなのはコースデータと同様で、優先度は「中枠>外枠>内枠」という序列となりそうだ。

 その他にも「前走芝マイル以下戦出走馬がダメで、芝1800m〜2200m出走組が強い」「ハンデ53キロ以下の牡馬は無用」「連闘〜中2週のローテで出走する馬は信頼度が低い」といった絞り込み条件がゴロゴロ。注目出走パターンの筆頭にあげた「連闘〜中2週での出走をのぞく前走芝1800m〜2200m出走組」であることは、このレースで勝ち負けする上での必要条件と言える。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開催最終日。外回りコースはある程度、外優勢と考えたほうが良さそう。

・天候予測
 金曜日〜土曜日の降水確率が高く日曜日も不安定な天候に。渋るケースもある。

・勝利数トップ種牡馬
 スペシャルウィーク 勝率14.3% 連対率31.0% 複勝率35.7%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒

 新潟芝の外回りコース=瞬発力コースであるため、高い適性を見せるのはやはりサンデー系。特にディープインパクト、ハーツクライといった中距離キレ型のサンデー系が強く、それ以外もキングカメハメハ、シンボリクリスエスといった、この条件の定番種牡馬が成績上位にランクインしている。

 BMSに目を移しても、サンデーやトニービンといった瞬発力に秀でる種牡馬が好成績。もう単純に、血統の字面で「末脚がキレそうな馬」を選べばいいという話になりそうだ。となると、ディープ産駒のダコール、ニューダイナスティ、ファタモルガーナや、ジャングルポケット×母父サンデーの配合であるカルドブレッサあたりの適性が高そうだ。

 ちょっと注意したいのが、ステイゴールド産駒とゼンノロブロイ産駒の扱い。ステイゴールド産駒はトータル[3-6-7-43]で連対率15.3%、複勝率27.1%と、複勝率は高いが勝ちきれていない面が感じられる。また、ゼンノロブロイ産駒はトータル[0-1-2-16]とハッキリ不振。やや割り引いて考えたほうが良さそうである。

★総論×各論

 上位人気馬がまったくアテにならないレースであるのは前述したとおり。とはいえ、今年は最高でも14頭立てであり、出走馬のレベルもやや低めの印象。さすがに、例年よりはナンボか上位人気馬が来るのではないか──というのが、現段階での判断だ。

 当データ分析での評価が最も高くなったのはダコール。1番人気になりそうな点が猛烈に気がかりではあるのだが、割り引くべきファクターは特に見当たらず、それでいて必要な条件はキッチリ満たしているという、信頼度の高いパターンである。小倉から新潟へのコース替わりは間違いなくプラスで、外差し馬場になればさらに期待度アップ。順当に高く評価すべき1頭だと言える。

 二番手評価は、ダコールとほぼ横並びでファタモルガーナ。三番手にやや人気薄となりそうなカルドブレッサが入り、四番手がニューダイナステイ。ここまでが上位評価組で、以下は大きく離れる結果となった。この4頭が上位をそのまま独占する可能性は、けっして低くないと思われる。

 人気の一角となりそうなトレイルブレイザー、エクスペディション、ブリッジクライムの3頭は、いずれもデータ的にちょっと気がかりな点を抱えており、素直に信頼しにくい馬。入る枠番次第ではあるが、これらを嫌えば意外に面白い配当が期待できそうだ。荒れると踏むなら、三番手評価のカルドブレッサから入るという手もありそう。直前のオッズと過去の傾向を照らし合わせつつ、最終的な買い目を構築したい。

■小倉2歳S(G3・小倉芝1200m)フルゲート18頭/登録16頭

 小倉芝1200mは、たとえ2歳戦であろうともガチンコのスピード対決。前走でも小倉芝1200m戦に出走しており、そこで逃げ&先行して高いパフォーマンスを見せていた馬を素直に買えば、それだけでわりと当たってしまう。あとは、上位人気馬が非常に強いことや、牡馬よりも牝馬のほうが高信頼度であること、前走での上がり3F順位が1位の馬が優秀な成績を残していることなどで、評価の上げ下げをすればいい。

 となると、前走同コースで逃げて最速上がり、しかもレコードで快勝しているホウライアキコは、間違いなく「買い」と言える1頭。同様に、新馬戦ではそのホウライアキコの前に屈したが、次の未勝利戦で優秀な内容を残したマイネヴァリエンテも、しっかり押さえておく必要がある。上位に評価すべきは、間違いなくこの2頭だ。

 あとは横並びだが、中京で新馬を勝ち上がったラブリープラネットについては、この条件で前走同様の走りができるかどうか微妙なところ。堅く決着するとは思うが、ここはぜひ「消し」で勝負したいところである。

■札幌2歳S(G3・函館芝1800m)フルゲート12頭/登録23頭

 来年のクラシック戦線を占う意味でも、非常に重要な2歳重賞といえる札幌2歳S。今年はフルゲート12頭で、しかも函館開催。例年とは違う傾向の結果となる可能性があると見て、過去の好走パターンなども加味した上で分析してみたい。

 例年だと、小回りの函館→大回りの札幌というコース替わりで、末脚の要求度が一気に高くなるレース。前走での上がり3F順位が重要なファクターとなるのだが、今年はコース替わりがないため、今回と同コースである「函館芝1800m」で高いパフォーマンスを発揮している馬が、そのまま来る可能性が高い。実際に今年は札幌記念でも、函館記念の上位馬がそのままワン・ツー・スリーを決めている。

 となると、コスモス賞の上位馬であるマイネルフロスト、マイネグレヴィルは素直に「買い」がオススメ。また、オールステイやバウンスシャッセなど、函館芝1800mの新馬を一発で勝ち上がった馬も、しっかり押さえておきたいところだ。

 逆に危なっかしいのが、瞬発力要求度の高い阪神芝の新馬を勝ち上がっている組。例年ならば積極的に買いたいパターンなのだが、今年に関してはレッドリヴェールやピオネロを嫌ったほうが良いのではないかと思われる。抽選結果と当日のオッズ次第ではあるが、このあたりを嫌えば期待値は一気に高くなるはず。あくまで「前走函館芝1800m」組を重視する姿勢で、中穴配当を狙ってみたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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