■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート16頭/登録19頭
【コース基本情報】阪神芝1200m内 Aコース使用
・コース回収率
[標準] 単勝69%・複勝80% 1番人気馬が強いも複穴多し!
・馬連万馬券出現率
[標準] 11.4%(平均値▼0.6% 馬連平均配当4254円)
・枠番別連対率(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
[1枠〜2枠] 勝率6.5% 連対率13.0% 複勝率21.0% 複回率101% 枠番値+0.3
[3枠〜6枠] 勝率6.5% 連対率11.8% 複勝率16.8% 複回率 60% 枠番値+0.2
[7枠〜8枠] 勝率5.7% 連対率13.6% 複勝率20.7% 複回率136% 枠番値-0.6
→枠番による有利・不利が感じられないコース。外枠でも問題なし。
・脚質別信頼度
先行≧差し>逃げ>>>追込 短距離戦ながら逃げ馬は意外なほど劣勢
・推定ラップ&タイム
[均等] 33.8-34.0=1.07.8 前後半の3Fがおおむね均等〜やや前傾となる流れ
集計期間内に行われた79レースのうち、じつに31レースまでが1番人気馬の勝利。勝率39.2%、連対率59.5%、複勝率72.2%という数字を見てもわかるように、1番人気馬の信頼度の高さは飛び抜けている。これは、枠番による有利・不利が小さく、実力馬が能力をキッチリ発揮できるのが要因だと思われる。
1番人気馬の信頼度が高いので、コースの単勝回収率は69%と低め。しかし、複勝回収率は80%と意外なほど高く、穴馬の好走も十分に期待できる。積極的に狙いたいのが、「1番人気馬が勝ってヒモに穴馬が来る」という決着パターン。1番人気馬が飛んで高配当が出るケースを狙うよりも、このコースではこっちのほうが格段に効率がいい。
スプリント戦ながら、セントウルSは意外に序盤が速くならない傾向にある。エピセアロームが制した昨年は[33秒2-34秒1]というスプリント戦らしい流れになったが、前後半がほぼ均等になるような年も多いのだ。先行力だけで押し切るのは難しく、どれだけの末脚が使えるかも重要。逃げ切るのはイメージ以上に難しいコースである。
【レース基本情報】セントウルS(G2) 阪神過去9回
・レース平均配当
単勝1100円 馬連4992円 3連複2万7352円
・1番人気馬成績
[1-3-3-2] 勝率11.1% 連対率44.4% 複勝率77.8%
・3番人気以内馬成績
[4-6-4-13] 勝率14.8% 連対率37.0% 複勝率51.9%
・4番人気〜9番人気馬成績
[4-2-3-45] 勝率 7.4% 連対率11.1% 複勝率16.7%
・10番人気以下馬成績
[1-1-2-44] 勝率 2.1% 連対率 4.2% 複勝率 8.3%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 11.1% [先行] 66.7% [差し] 22.2% [追込] 0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 11.1% [先行] 55.6% [差し] 22.2% [追込] 11.1%
・性別成績
[牡馬] 3-6-6-71 連対率10.5% 複勝率17.4%
[牝馬] 6-3-3-31 連対率20.9% 複勝率27.9%
・年齢別成績
[3歳馬] 2-2-1-13 連対率22.2% 複勝率27.8%
[4歳馬] 3-2-4-19 連対率17.9% 複勝率32.1%
[5歳馬] 4-3-3-29 連対率17.9% 複勝率25.6%
[6歳馬] 0-1-1-25 連対率 3.7% 複勝率 7.4%
[7歳↑] 0-1-0-16 連対率 5.9% 複勝率 5.9%
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[5歳以下馬] 9-7-8-61 連対率18.8% 複勝率28.2%
[6歳以上馬] 0-2-1-41 連対率 4.5% 複勝率 6.8%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠] 0-1-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3% 枠番値+0.1
[2枠] 3-1-1-10 連対率26.7% 複勝率33.3% 枠番値+0.2
[3枠] 0-1-1-13 連対率 6.7% 複勝率13.3% 枠番値-2.3
[4枠] 1-2-0-13 連対率18.8% 複勝率18.8% 枠番値+0.4
[5枠] 2-1-1-13 連対率17.6% 複勝率23.5% 枠番値+0.3
[6枠] 1-1-2-14 連対率11.1% 複勝率22.2% 枠番値+1.3
[7枠] 0-1-1-16 連対率 5.6% 複勝率11.1% 枠番値-0.9
[8枠] 2-1-3-12 連対率16.7% 複勝率33.3% 枠番値+0.8
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[1枠〜2枠] 3-2-1-21 連対率18.5% 複勝率22.2% 枠番値+0.2
[3枠〜6枠] 4-5-4-53 連対率13.6% 複勝率19.7% 枠番値-0.1
[7枠〜8枠] 2-2-4-28 連対率11.1% 複勝率22.2% 枠番値±0
・厩舎所属別成績
[美浦] 1-1-2-13 連対率11.8% 複勝率23.5%
[栗東] 8-6-7-87 連対率13.0% 複勝率19.4%
・前走距離別成績
[芝1000m] 2-1-0-3 連対率50.0% 複勝率50.0%
[芝1200m] 7-7-5-75 連対率14.9% 複勝率20.2%
[芝1400m] 0-0-2-12 連対率 0% 複勝率14.3%
[芝1600m] 0-1-1-11 連対率 7.7% 複勝率15.4%
[芝1800〜] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
・前走クラス別成績
[前走中央G1] 0-1-1-12 連対率 7.1% 複勝率14.3%
[前走中央G2] 0-0-1-4 連対率 0% 複勝率20.0%
[前走中央G3] 6-4-4-52 連対率15.2% 複勝率21.2%
[前走OP特別] 3-2-3-25 連対率15.2% 複勝率24.2%
[前走条件戦] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%
・出走間隔別成績
[連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
[中1週] 2-2-1-22 連対率14.8% 複勝率18.5%
[中2週] 1-0-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
[中3週] 3-1-2-30 連対率11.1% 複勝率16.7%
[中4週〜8週] 3-0-1-9 連対率23.1% 複勝率30.8%
[中9週以上] 0-6-5-30 連対率14.6% 複勝率26.8%
・注目出走パターン
[買い] 5歳以下の牝馬(連対率26.5%、複勝率32.4%)
[不振] 6歳以上馬(連対率4.5%、複勝率6.8%)
[不振] 前走上がり3F順位が1位〜2位(連対率3.6%、複勝率14.3%)
[不振] 前走で1600m以上戦に出走(連対率4.2%)
単勝1100円、馬連4992円という低めの平均配当を見てもわかるように、わりと堅く決着する傾向にあるセントウルS。1番人気馬が[1-3-3-2]と取りこぼすケースが目立つとはいえ、その複勝率は77.8%もあるのだから、さすがに人気馬が総崩れになるとは考えづらい。人気薄を狙うなら、中穴あたりがオススメだ。
このレースで目立っているのが「先行馬の好成績」「牝馬の強さ」「6歳以上馬の不振」「前走小倉組の好調」など。まずは脚質面だが、開幕週の絶好馬場で開催されるとあって、ペースが速くなっても前はそうそう止まってはくれない。1着馬の8割近くが逃げ・先行脚質であることを考えると、差し・追込脚質から狙う馬券は避けたほうが無難である。
また「牝馬>牡馬」「5歳以下馬>6歳以上馬」であるのは、データからも明らか。この両条件を満たす「5歳以下の牝馬」はトータル、[6-3-2-23]で連対率26.5%、複勝率32.4%、複勝回収率162%と、非常に高い期待値を誇っている。また、近3年の勝ち馬がいずれも小倉からのローテだったように、前走小倉組が非常に強いのも特徴だと言える。
あとは、出走間隔も重要なファクターとしてあげておきたいところ。今年はロードカナロアが圧倒的人気となること確実なのだが、セントウルSに中8週よりも長い間隔で出走した馬は[0-6-5-30]と、まったくアタマで来られていないのだ。昨年のカレンチャンも、このパターンに該当して4着敗退。ロードカナロアの単勝や1着固定で勝負するのは、データ的には意外にリスキーなのである。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
開幕週。絶好の馬場コンディションであるのは言うまでもなく時計も速い。
・天候予測
大気が不安定で読みづらいが土曜日の降水確率は高め。稍重〜重の可能性も。
・勝利数トップ種牡馬
サクラバクシンオー 勝率9.7% 連対率23.3% 複勝率31.1%
・著者の注目血統
サクラバクシンオー産駒、母父ダンスインザダーク、母父トニービン
大気の状態が全国的に不安定。阪神競馬場の近辺も週末の降水確率が高く、ゲリラ豪雨的な降りにでもなれば、いきなりから渋った馬場となる可能性もありそうだ。芝コンディションが良好なのは間違いないが、どういったバイアスの馬場になるか、予測が非常に難しい週となりそうである。
血統面ではスプリント戦らしく、サクラバクシンオー産駒が好成績。それ以外ではVice Regent系種牡馬の産駒や母父トニービン、母父ダンスインザダークの配合馬なども強いのだが、今年の登録馬でこれらの条件に該当するのは、ウインドジャズ(父サクラバクシンオー&母父ダンスインザダーク)とサワノパンサー(母父トニービン)という爆穴2頭のみ。実績的には扱いの難しいところだが、大駆けには警戒しておきたいところだ。
★総論×各論
昨年のスプリンターズSから5連勝中で、しかも前走では距離を克服して安田記念までも制しているロードカナロア。現在のスプリント界では断然の存在であるのは言うまでもなく、単勝1.5倍を切る支持を集めても何の不思議もない。相手も、実績的にドリームバレンチノ、ハクサンムーンあたり。いたって順当に決着する──というのが、大方の見方であろう。
しかし、データ「だけ」で見れば、休養明けでの出走となる今回のロードカナロアはけっこう危なっかしい。2着、3着に敗れるケースも大いにありうるというのが、当データ分析の結論だ。安田記念やNHKマイルCなど、東京芝1600mのレースからのローテは、過去に好走実績がほとんどないパターン。また、中8週よりも長い間隔で出走した馬が近年勝っていないのも、前述した通りである。
中8週よりも長い間隔で出走した1番人気馬は、昨年のロードカナロア以外も、11年ダッシャーゴーゴー、09年スリープレスナイト、08年スズカフェニックス、さらにキンシャサノキセキ、ビリーヴなど、錚々たる顔ぶれ。これで1回も1着に来ていないのだから「ロードカナロアだから大丈夫」とは言い難い。やはりセントウルSは、夏競馬を使われてきた組に分があるレースなのだ。
以上の理由から、ロードカナロアは「2着付け」か「3着付け」を推奨。データ的にもプラス材料はそれほどなく、いっそのこと「消し」で勝負するのもアリかもしれない。データ分析からの上位評価馬は、マイネルエテルネル、ドリームバレンチノ、サドンストーム、シュプリームギフトの4頭。あとは押さえで、ハクサンムーン、ローガンサファイア、サワノパンサーという序列となった。
また、今年の登録馬に逃げ・先行脚質が非常に少ないというのも、気になるところ。徹底先行型と言える馬がほとんど見当たらないことから、かなり前有利の展開となる可能性もありそうだ。となれば当然、警戒すべきは人気薄の前残り。このあたりにも注意して、最終的な買い目を構築したい。
■京成杯オータムH(G3・中山芝1600m)フルゲート16頭/登録19頭
今年も難解なメンバー構成となりそうな京成杯オータムH。昨年レコードでこのレースを制したレオアクティブに、安田記念3着のダノンシャーク、NHKマイルCで2着に好走した3歳馬インパルスヒーローなど、アテになりそうでならないメンツがズラリと顔を揃えている。これなら、波乱決着の可能性も十分ありそうだ。
とはいえ、このレースが中山芝1600mの開幕週に行われる以上、何よりも重視すべきなのが「枠番」と「脚質」であるのは間違いナシ。昨年はハイペースでの後方待機組ワンツーだったが、4角を10番手以下で回った馬がやすやすと突っ込んでこられるようなコースではない。注目はやはり「徹底先行型の実力馬」であろう。人気の中心がすべて差し・追い込み脚質とあれば、なおさらである。
というわけで、ここは徹底的に穴狙い。このレースと好相性の「前走新潟組」か「前走芝1600m〜1800m戦出走馬」で、なおかつそれなりの先行力を備えているのが、ドリームバスケット、マルカボルト、ミッキードリーム、ワイズリーの4頭。特に両条件をクリアしているミッキードリーム、ワイズリーの2頭は、好走が期待できそうだ。
あとは何といっても枠番次第だが、こちらはもう徹底的に内枠を優先して、外枠に入った馬は人気でもキック。難解なレースだからこそシンプルに、枠番と脚質だけを徹底的に重視した姿勢で勝負してみたい。
※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。