スマートフォン版へ

ここは本命党が本領発揮の場に!/ローズS

  • 2013年09月11日(水) 18時00分
■ローズS(G2・阪神芝1800m外)フルゲート18頭/登録22頭

【コース基本情報】阪神芝1800m外 Aコース使用
・コース回収率
 [標準] 単勝68%・複勝75% 7番人気以下馬の勝率1%以下と堅め

・馬連万馬券出現率
 [低め] 9.3%(平均値▼2.7% 馬連平均配当5028円)

・枠番別連対率(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率3.5% 連対率 9.0% 複勝率15.7% 複回率71% 枠番値+0.2
 [3枠〜6枠] 勝率5.5% 連対率11.8% 複勝率17.5% 複回率73% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率8.1% 連対率13.6% 複勝率19.0% 複回率99% 枠番値-0.1
 →信頼度、回収率ともに外枠優勢。とくに内枠は1着率の低さが目立つ。

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>追込 末脚が生きるコースで差し脚質が優勢

・推定ラップ&タイム
 [やや後傾] 34.8-35.5-34.5=1.44.8 中盤が緩んで上がりが速い瞬発戦

 低めのコース回収率を見てもわかるように、基本的には堅め決着傾向のコース。1番人気馬の率37.7%、連対率58.0%と高めの水準であり、対照的に7番人気以下馬馬のトータル勝率は、1%以下。超人気薄の激走が期待できないわけではないが、当コースでは根っからの穴党でも、中波乱を狙う程度にしたほうがベターだろう。

 目立っているのが外枠の強さ。勝率、連対率、複勝率のいずれも外枠が最も高く、複勝回収率ベースでの比較においても、内枠〜中枠よりも20%以上高いという、飛び抜けた期待値の高さとなっている。枠番値では大きな差が出ていないが、内枠劣勢、外枠優勢の傾向にあるコースと考えていいはずだ。

 また、脚質別で差し馬の信頼度が最も高いというのも、当コースの特徴。推定ラップを見てもわかるように、中盤でかなりラップが緩む傾向にあり、そのぶん上がりで瞬発力を要求してくるコース。当然、アタマで来るのは差し馬が圧倒的に多くなる。追い込みもソコソコ決まるが、こちらを狙うのは効率がイマイチ。「差し→差し」や「差し→先行」での決着を狙ったほうが、効率は格段にいい。

【レース基本情報】ローズS(G2) 阪神過去6回
・レース平均配当
 単勝1148円 馬連6155円 3連複1万2783円

・1番人気馬成績
 [3-1-1-1] 勝率50.0% 連対率66.7% 複勝率83.3%

・3番人気以内馬成績
 [3-3-3-9] 勝率16.7% 連対率33.3% 複勝率50.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-2-2-29] 勝率8.3% 連対率13.9% 複勝率19.4%

・10番人気以下馬成績
 [0-1-1-30] 勝率 0% 連対率 3.1% 複勝率 6.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 16.7% [先行] 33.3% [差し] 50.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 5.6% [先行] 22.2% [差し] 66.7% [追込] 5.6%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-1-0-7 連対率12.5% 複勝率12.5% 枠番値-2.3
 [2枠] 1-0-1-6 連対率12.5% 複勝率25.0% 枠番値+0.6
 [3枠] 0-0-0-10 連対率 0% 複勝率 0% 枠番値-0.4
 [4枠] 1-0-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値-1.3
 [5枠] 2-1-1-7 連対率27.3% 複勝率36.4% 枠番値+1.5
 [6枠] 1-2-1-8 連対率25.0% 複勝率33.3% 枠番値-1.6
 [7枠] 0-2-2-10 連対率14.3% 複勝率28.6% 枠番値+1.5
 [8枠] 1-0-1-11 連対率 7.7% 複勝率15.4% 枠番値+1.0
 ─────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 1-1-1-23 連対率 7.7% 複勝率11.5% 枠番値-0.7
 [4枠〜6枠] 4-3-2-24 連対率21.2% 複勝率27.3% 枠番値-0.5
 [7枠〜8枠] 1-2-3-21 連対率11.1% 複勝率22.2% 枠番値+1.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-1-2-11 連対率18.8% 複勝率31.3%
 [栗東] 4-5-4-53 連対率13.6% 複勝率19.7%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1400m] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
 [芝1500m] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1600m] 1-0-0-6 連対率14.3% 複勝率14.3%
 [芝1800m] 0-2-4-19 連対率 8.0% 複勝率24.0%
 [芝2000m] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2400m] 5-4-1-17 連対率33.3% 複勝率37.0%
 [ダート戦] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 6-4-1-19 連対率33.3% 複勝率36.7%
 [前走中央G2] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走中央G3] 0-1-1-2 連対率25.0% 複勝率50.0%
 [前走OP特別] 0-1-0-3 連対率25.0% 複勝率25.0%
 [前走条件戦] 0-0-4-36 連対率 0% 複勝率10.0%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 0-0-1-13 連対率 0% 複勝率 7.1%
 [中3週] 0-0-1-3 連対率 0% 複勝率25.0%
 [中4週〜8週] 0-1-3-15 連対率 5.3% 複勝率21.1%
 [中9週以上] 6-5-1-29 連対率26.8% 複勝率29.3%

・注目出走パターン
 [特注] 前走オークスでひとケタ着順(連対率42.9%、複勝率42.9%、複回率139%)
 [買い] 前走でクイーンSに出走(連対率25.0%、複勝率50.0%)
 [不振] 前走での上がり3F順位が6位以下(連対率0%、複勝率3.8%)
 [不振] 前走G1以外に出走して2着以下(連対率3.8%、複勝率15.4%)
 [全滅] 前走小倉競馬場で出走(0-0-0-15)

 単勝1148円、馬連6155円という平均配当は、このコースにしてはソコソコ荒れている印象。1番人気馬は[3-1-1-1]とかなり信頼度が高いのだが、それ以外の上位人気馬がそれほどアテにならず、中穴がけっこう突っ込んできている。1番人気は素直に信頼すべきだが、それ以外は疑ってかかる──というのが、ローズSの基本スタンスと言えそうである。

 何よりも目立っているのが「前走G1出走組」の期待値の高さである。阪神のコース改修以降に行われた6回、勝ったのはすべて前走G1組。また、過去6回のうち4回までが、前走G1出走馬のワンツー決着である。夏競馬を使われてきた組は明らかに分が悪く、こちらは「馬券に絡むとしても1頭」と決め打つくらいでよさそう。「前走オークスでひとケタ着順」という条件を満たす馬であれば、さらに期待できるはずだ。

 前走G1組以外で狙えるとすれば、トータル[0-0-3-5]と3着率の高い前走新潟組と、[0-1-1-2]と複勝率が50.0%もある前走クイーン出走組くらいのもの。しかし、今年は後者は「札幌→阪神」ではなく「函館→阪神」であるため、後者のデータについては信頼度に欠けるところがありそう。例年以上に、前走G1組が強いという結果になる可能性アリか。

 掲載していないレースデータ関係の小ネタとしては、前走馬体重439キロ以下の馬も成績はイマイチ。しかし、これについてはディープインパクト産駒のデビュー以降、ちょっと傾向が変わってきている感もある。とはいえ、過去6年の勝ち馬はすべて、前走馬体重440キロ以上。馬格のあるタイプのほうが買いやすいレースである事実である。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 先週は開幕週ながらけっこう差しが決まっていた印象。差し優勢の馬場か。

・天候予測
 週末は秋雨前線北上の影響で降水確率やや高め。多少の降雨がある可能性も。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率20.3% 連対率33.7% 複勝率41.3%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、ダイワメジャー産駒

 昨年の当原稿で「アホほど強い」と述べたディープインパクト産駒。その後も適性の高さを見せ続けており、連対率33.7%、複勝率41.3%と信頼度の高さは絶大である。ちなみに「1番人気のディープ産駒」に限定すると、トータル[26-8-2-14]で勝率52.0%、連対率68.0%、複勝率72.0%という驚異的な数値をマーク。レッドオーヴァルかデニムアンドルビーが1番人気になるようなら、これはちょっとケンカは売れない。

 それ以外では、キングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、ダイワメジャー産駒など、種牡馬リーディング上位級の種牡馬がそのまま好成績。血統ファクターについては特にひねらず、ベタ良血をそのまま高評価するスタンスで問題なさそうだ。

★総論×各論

 阪神芝1800m外が、勝ち負けに末脚のキレを要求する瞬発力コースであるのは、既に述べたとおり。これは桜花賞(阪神芝1600m外)、オークス(東京芝2400m)とも共通している傾向で、距離こそ違えど要求される適性にほとんど差はない。「オークス組が強く別路線組が弱い」という結果が出ているのは、この影響が大なのである。

 そのオークスの上位3頭が登録してきている以上、ここは今年も順当というのが、当データ分析からの見立て。評価順はエバーブロッサムデニムアンドルビーメイショウマンボという序列であり、この3頭のうち2頭以上が馬券に絡む確率が非常に高いと思われる。オークスを最速上がりで制したメイショウマンボの三番手評価を疑問に思うかもしれないが、これは血統ファクターで差がついた結果。当コースにおけるディープインパクト産駒の強さを考えると、オークスでの順位が入れ替わる可能性は、けっこう高いはずだ。

 以下も、前走オークス組であるローブティサージュ、レッドオーヴァル、トーセンソレイユ。あとは別路線組から、リメインサイレントとウリウリまでが押さえ評価の対象となった。もう、徹頭徹尾「順当」という分析結果であり、馬券的な面白味にはハッキリ言って欠けるレース。そのまま勝っても儲からないので、買い目を絞ってガツン!と勝負するか、枠番決定後に内枠を割り引く方向性で攻めてみたい。

■セントライト記念(G2・中山芝2200m)フルゲート18頭/登録17頭

 ただでさえ先行有利な中山芝コースで、しかもまだ芝にダメージがない4日目の開催。こういった背景もあり、セントライト記念を後方から一気の差しで勝ち負けするのは非常に厳しい。実際にデータを見ても、このレースで4コーナーを10番手以下で通過していた馬は、過去10年[1-1-0-59]で複勝率3.3%という超・低信頼度。ある程度は前のポジションに付けられる馬でないと厳しい。

 また、前走北海道シリーズ組がトータル[0-2-2-29]で連対率6.1%と非常に弱いことや、前走で中央重賞以外に出走していた馬がトータル[3-6-5-97]で連対率8.1%と苦戦していることも、セントライト記念の大きな特徴。また、人気薄の1着率が意外に高いというのも、ぜひ覚えておきたい攻略ポイントだ。

 今年の登録馬は前走で条件戦に出走していた馬が非常に多いため、前走重賞組の強さが例年以上となる可能性が大。前走重賞組であるアドマイヤスピカ、アポロソニック、ケイアイチョウサン、ヒラボクディープの4頭は、これだけで「買い」と判断してもいいくらいだ。前走重賞以外組でも、好走の可能性があるのは前走1000万下好走馬くらいのもの。こちらはダービーフィズ、ヒロノプリンスあたりが狙い目となる。

 序列をつけるなら、アポロソニックケイアイチョウサンヒラボクディープの3頭が上位評価組で、ダービーフィズ、ヒロノプリンス、アドマイヤスピカが押さえ。ローズSと同様に、こちらもかなり堅い決着となる可能性が高そうだ。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング