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連覇へ向けて順風満帆!/スプリンターズS

  • 2013年09月25日(水) 18時00分
■スプリンターズS(G1・中山芝1200m)フルゲート16頭/登録18頭

【コース基本情報】中山芝1200m Cコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単勝83%・複勝76% 7番人気〜9番人気あたりの好走率高で要注意

・馬連万馬券出現率
 [やや低め] 10.4%(平均値▼1.6% 馬連平均配当7959円)

・枠番別連対率(16頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率7.1% 連対率15.8% 複勝率23.5% 複回率109% 枠番値+0.2
 [3枠〜6枠] 勝率6.0% 連対率11.9% 複勝率18.1% 複回率 70% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率5.9% 連対率10.5% 複勝率15.5% 複回率 70% 枠番値-0.6
 →もう明らかに内枠有利・外枠不利の図式。狙うべきは間違いなく内枠。

・脚質別信頼度
 逃げ>先行>差し>>追込 逃げの複回率が超高。人気薄の逃げ粘りに要注意。

・推定ラップ&タイム
 [前傾] 33.0-33.8=1.06.8 今年も昨年と同等のタイムが出そう

 中山芝1200mが明らかに内枠有利であるのは、数値を見てのとおり。内枠である1枠〜2枠と外枠である7枠〜8枠を比較すると、連対率ベースで5.3%、複勝率ベースでは8.0%という大差が出ている。枠番値も外枠が抜けて低く、有利なのが「内枠>中枠>外枠」の順であるのは間違いなし。1枠〜2枠に入った馬は、人気数でも絶対に要チェックである。

 また脚質面も「前に行ける馬が有利」という、じつにスプリント戦らしいコース。スタート地点から下り坂でテンの行き脚がつきやすいコース形態で、しかもコーナーは小回り。マクリを打つのも難しく、かといって直線一気が決まるほど最後の直線が長いわけでもないため、直線に急坂があるとはいえそうそう差せないのだ。

 となれば当然、最もアツいのが「内枠に入った先行馬」で、この条件を満たす馬はそれだけで買いといっても過言ではないほど。また、差し脚質の馬に関しては、道中スムーズに流れに乗れる外枠のほうがベターだろう。枠番と脚質で、おおまかなイメージをつかんでから予想に入りたいコースである。

 人気薄の好走率が高いコースではあるのだが、フルゲートのレースで10番人気以下となった馬が[1-3-7-261]で連対率1.5%、複勝率4.0%と苦戦しているのも、ぜひ覚えておきたいポイント。7番人気〜9番人気といった「ひとケタの下位人気」こそが、このコースで積極的に狙っていくべき穴馬ゾーンなのである。

【レース基本情報】スプリンターズS(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝946円 馬連4081円 3連複7万6476円

・1番人気馬成績
 [3-3-0-4] 勝率30.0% 連対率60.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-8-2-14] 勝率20.0% 連対率46.7% 複勝率53.3%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-1-7-49] 勝率 5.0% 連対率 6.7% 複勝率18.3%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-1-65] 勝率 1.5% 連対率 2.9% 複勝率 4.4%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 40.0% [先行] 30.0% [差し] 20.0% [追込] 10.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 13.3% [先行] 36.7% [差し] 26.7% [追込] 23.3%

・性別成績
 [牡馬] 7-7-8-95 連対率12.0% 複勝率18.8%
 [牝馬] 3-3-2-33 連対率14.6% 複勝率19.5%

・年齢別成績
 [3歳馬] 1-0-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
 [4歳馬] 4-1-4-15 連対率20.8% 複勝率37.5%
 [5歳馬] 1-7-3-38 連対率16.3% 複勝率22.4%
 [6歳馬] 2-1-2-33 連対率 7.9% 複勝率13.2%
 [7歳↑] 2-1-0-32 連対率 8.6% 複勝率 8.6%
 ────────────────────────
 [5歳以下] 6-8-8-63 連対率16.5% 複勝率25.9%
 [6歳以上] 4-2-2-65 連対率 8.2% 複勝率11.0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-1-2-16 連対率 5.3% 複勝率15.8% 枠番値+0.6
 [2枠] 0-3-2-15 連対率15.0% 複勝率25.0% 枠番値+0.3
 [3枠] 1-1-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値-1.1
 [4枠] 2-0-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値-1.0
 [5枠] 2-1-0-17 連対率15.0% 複勝率15.0% 枠番値+0.8
 [6枠] 0-1-3-16 連対率 5.0% 複勝率20.0% 枠番値±0
 [7枠] 4-2-3-10 連対率31.6% 複勝率47.4% 枠番値-0.1
 [8枠] 1-1-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値+0.6
 ─────────────────────────────
 [1枠〜2枠] 0-4-4-31 連対率10.3% 複勝率20.5% 枠番値+0.4
 [3枠〜4枠] 3-1-0-36 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値-1.0
 [5枠〜6枠] 2-2-3-33 連対率10.0% 複勝率17.5% 枠番値+0.4
 [7枠〜8枠] 5-3-3-28 連対率20.5% 複勝率28.2% 枠番値+0.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-2-2-44 連対率 4.2% 複勝率 8.3%
 [栗東] 7-8-7-70 連対率16.3% 複勝率23.9%

・前走距離別成績
 [芝1000m] 1-0-0-10 連対率 9.1% 複勝率 9.1%
 [芝1200m] 8-9-8-97 連対率13.9% 複勝率20.5%
 [芝1400m] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1600m] 1-1-2-11 連対率13.3% 複勝率26.7%
 [ダート戦] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 1-1-1-11 連対率14.3% 複勝率21.4%
 [前走中央G2] 3-4-3-35 連対率15.6% 複勝率22.2%
 [前走中央G3] 5-4-5-55 連対率13.0% 複勝率20.3%
 [前走OP特別] 0-0-0-12 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走条件戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走地方戦] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走海外戦] 1-1-1-12 連対率13.3% 複勝率20.0%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 4-5-5-49 連対率14.3% 複勝率22.2%
 [中3週] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [中4週〜8週] 4-3-3-41 連対率13.7% 複勝率19.6%
 [中9週以上] 2-2-2-35 連対率 9.8% 複勝率14.6%

・注目出走パターン
 [買い] 前走タイム差なしで2着以下(勝率22.2%、連対率55.6%)
 [買い] 前走着差0.2秒以内で2着以下(連対率27.3%、複勝率33.3%)
 [不振] 前走6番人気以下かつ2着以下(複勝率2.3%)
 [不振] G1馬をのぞく前走セントウルSで4着以下の日本馬(複勝率7.7%)
 [不振] 前走1着馬をのぞく6歳以上の日本馬(複勝率5.3%)

 枠番別成績を見ると、最も好成績なのが「外枠」である7枠〜8枠。いっけんコースデータとは真逆の結果が出ていると思われるかもしれないが、これは人気馬が異様なまでに外枠へと集中した結果だ。3番人気以内馬が過去10年で12頭も入っているのだから、いくら不利な外枠といえども成績が良くて当然。単なる、データの偏りなのである。

 まず目立っているのが、年齢別における成績差。6歳以上馬も[4-2-2-65]と活躍してはいるのだが、上位に食い込んでいるのは海外勢ばかり。日本馬に限れば[1-2-1-57]で連対率4.9%、複勝率6.6%と、その信頼度は驚くほど低い。海外勢の出走がない今年は断然、5歳以下のフレッシュな馬を狙うべきだと言える。

 また、意外に差し・追い込みが決まるというのも、コースデータとは異なっている部分。道中がG1らしく超のつくハイペースとなるため、コースデータよりは格段に「差せる」展開になっているのだろう。とはいえ、当コースが基本的に前有利であるのは前述したとおり。あくまで「意外に差せる」だけで、差し優勢ではないので注意が必要だ。

 そして、注目すべき対象として取りあげたいのが、昨年も推した「前走僅差負け」組である。スプリンターズSは前走で僅差の負けを喫していた馬が非常によく巻き返してくるレースであり、昨年の覇者ロードカナロアも「前走タイム差なしで2着以下」という条件を満たしての出走だった。今年の登録馬でこの条件に該当するのは、サクラゴスペルとロードカナロアの2頭だけ。このデータだけでも、連覇が濃厚と言えそうだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 先週からCコース替わりも相変わらず差しが決まりやすい馬場という印象。

・天候予測
 水曜日〜木曜日に降雨があるも、金曜日以降は降水確率低め。良馬場前提で。

・勝利数トップ種牡馬
 サクラバクシンオー 勝率11.4% 連対率18.1% 複勝率25.5%

・著者の注目血統
 該当なし

 前もソコソコ残るが「いつもの中山よりはかなり差せるな」というのが、現在の馬場イメージ。先週からガラッと傾向が変わってくるとは考えづらく、センターからアウトにかけてが伸びる、差しやすい馬場での開催となりそうだ。また、現在の気圧配置などから考えると、当日は良馬場となる可能性が大。「差せるスピード馬場」での開催となりそうだ。

 血統面は「特に言うべき事項なし」というのが素直なところ。スプリント戦でサクラバクシンオー産駒が強いのは誰でも知っていることで、しかも重賞〜G1レベルとなると、その信頼度は正直なところ落ちる。とはいえ、登録馬に「中山芝1200mバチコイ」といった血統構成の馬は見当たらず、あえて穴っぽいところをあげるとしても、キングヘイロー産駒のマヤノリュウジンくらいのものだ。

 あとはアドマイヤコジーン産駒、キングカメハメハ産駒、ダイワメジャー産駒あたりも悪くはないが、血統を気にする時間を他のファクター分析に回したほうが、今年はよっぽど建設的。ブッチャケ、あまり気にしなくていいと思われる。

★総論×各論

 今年は海外勢の出走がなく、ほとんどの馬が「過去に何度も対戦している相手との再戦」となるスプリンターズS。グランプリボスの参戦という不確定要素はあるが、それを含めて考えても、アッと驚くような結果になる可能性は非常に低いと思われる。

 まずは、圧倒的1番人気に推されるであろうロードカナロアについて。前哨戦のセントウルSで久々の負けを味わったが、本番となるここは巻き返し必至。昨年の覇者が前哨戦を消化して順調にレースに臨んでくるのだから、当然といえば当然の話だ。5歳馬であることやその他のプロフィル、そして昨年とまったく同じ「セントウルSでタイム差なしの2着」からのローテで出走することなど、データ面でもプラス評価となる項目ばかり。前走での上がり3ハロン順位が3位以内であるというのも、こと人気馬に関しては大きなプラスとなるファクターである。連覇へ向けて視界良し!のひと言に尽きる。

 そしてグランプリボスの扱いだが、こちらはけっこうビミョー。実績が実績だけに軽くは扱いづらいが、芝マイルからの距離短縮ローテは近年ほとんど好走例がなく、また中14週での出走も大幅割引の対象となる要素。サクラバクシンオー産駒としては異端児といえる存在だけに、血統からも強くは推せない。アッサリ勝ち負けされても文句はいえないが、それでも今回は「消し」を推奨したい。

 二番手評価はハクサンムーンで、三番手にドリームバレンチノ。あとは押さえで、サクラゴスペル、マジンプロスパー。面白味に欠ける分析結果となってしまったが、海外勢が不参加で別路線組も買いづらい以上、ここはそうそう荒れない──というのが結論となる。ロードカナロアの1着固定で、かなり点数を絞っての勝負となりそうだ。

■シリウスS(G3・阪神ダ2000m)フルゲート16頭/登録30頭

 現在の開催条件になって今年で7回目となるシリウスS。過去に馬券に絡んだ18頭のうち、じつに16頭までが6番人気以内と、堅く決着する傾向の強いレースとなっている。とはいえ、3番人気以内馬の信頼度はトータル[4-2-2-10]で連対率33.3%、複勝率44.4%と、意外に低め。つまり、4番人気〜6番人気あたりの「人気の盲点」となる馬がよく突っ込んできているのである。

 ここで人気を集めそうなのは、平安Sで2着に好走して以来となるナイスミーチューと、レパードSで好成績を残したサトノプリンシパル、ケイアイレオーネなど。まずはナイスミーチューだが、こちらは57.5キロというハンデが気になる。というのも過去6年、このレースで57.5キロ以上のハンデを背負った馬は[0-0-2-5]と連対例ナシなのだ。となると、トップハンデ58.5キロを背負うグランドシチーも、けっこう危なっかしい。

 また、この夏を休養にあてていた組も、素直には狙いづらいところ。中8週以内での出走馬がトータル[6-2-5-48]であるのに対して、中8週よりも長い間隔での出走馬からは[0-4-1-19]と勝ち馬が出ていない。信頼度に大きな差はないが、それでもどちらが買いかといえば、やはり前者であろう。

 というわけで、ここはハンデ面での懸念がなく、しかも夏に使われてきている馬を重視する姿勢で、グラッツィアとケイアイレオーネ、サトノプリンシパルの3頭を注目馬に推したい。筆頭推奨は「4番人気〜6番人気」という条件に該当しそうなグラッツィアだ。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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