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今年は相手に恵まれた面もあるか!?/京都大賞典

  • 2013年10月02日(水) 18時00分
■京都大賞典(G2・京都芝2400m外)フルゲート18頭/登録14頭

【コース基本情報】京都芝2400m外 Aコース使用
・コース回収率
 [やや高め] 単勝91%・複勝74% 堅め決着傾向で8番人気以下は期待薄

・馬連万馬券出現率
 [低め] 6.7%(平均値▼5.3% 馬連平均配当3756円)

・枠番別連対率(10頭〜14頭立て) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率9.0% 連対率15.4% 複勝率25.6% 複回率52% 枠番値-0.1
 [3枠〜6枠] 勝率7.3% 連対率14.5% 複勝率23.1% 複回率56% 枠番値±0
 [7枠〜8枠] 勝率9.6% 連対率20.5% 複勝率27.6% 複回率88% 枠番値+0.2
 →外枠の期待値が最も高く、内枠〜中枠はおおむね横並び

・脚質別信頼度
 先行>差し≧逃げ>>追込 外回りらしく差し決まるも最優先は先行脚質

・推定ラップ&タイム
 [中緩み] 34.9-74.7-34.6=2.24.2 勝負所から一気に加速する瞬発戦に

 広々としたコースで、しかも直線の長い外回り。序盤から厳しい流れになることはなく、今年も淡々とした落ち着いた流れとなりそうだ。人気馬が能力をキッチリ発揮できるコースであるため、いわゆる「紛れ」はかなり少なめ。8番人気以下の好走率が非常に低いことや、通常よりもかなり低い馬連万馬券出現率からも、それは明らかだ。

 突出して信頼度が高い枠番などは見当たらないが、連対率だけは7枠〜8枠の「外枠」が5%ほど抜きんでている。また、複勝回収率は内枠や中枠よりも格段に高くなっているなど、スムーズに流れに乗れる外枠のメリットは意外に大きそうだ。内枠や中枠を割り引くほどではないが、外枠自体はプラス評価の対象としたい。

 脚質別では「最も回収率が高いのが差し」という、ちょっと意外な結果が出ている。信頼度は先行脚質のほうが上なのだが、人気薄での好走例に関しては、差し脚質のほうが豊富。人気データや枠番別データを加味すると「外枠に入った中穴人気の差し馬」を狙うというのが、高配当を狙う意味では効率がよさそうである。

 時計に関しては土曜日の結果を見ないと何とも言えないが、例年通りであれば2分23秒台後半〜2分24秒台前半あたりでの決着となりそう。もっともそれも、ゴールドシップがどのような位置取りから、どのようなレースをするか次第。直前の陣営コメントを注意深くチェックしておきたい。

【レース基本情報】京都大賞典(G2) 過去10年
・レース平均配当
 単勝674円 馬連3377円 3連複6086円

・1番人気馬成績
 [3-3-0-4] 勝率30.0% 連対率60.0% 複勝率60.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-4-3-16] 勝率23.3% 連対率36.7% 複勝率46.7%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [3-6-7-43] 勝率 5.1% 連対率15.3% 複勝率27.1%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-0-18] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 10.0% [差し] 50.0% [追込] 30.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 3.3% [先行] 43.3% [差し] 36.7% [追込] 16.7%

・性別成績
 [牡馬] 8-10-9-70 連対率18.6% 複勝率27.8%
 [牝馬] 2-0-1-7 連対率20.0% 複勝率30.0%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-1-0 連対率 0% 複勝率 100%
 [4歳馬] 2-4-1-15 連対率27.3% 複勝率31.8%
 [5歳馬] 7-1-4-25 連対率21.6% 複勝率31.8%
 [6歳馬] 1-1-3-21 連対率 7.7% 複勝率19.2%
 [7歳↑] 0-4-1-16 連対率19.0% 複勝率23.8%
 ────────────────────────
 [5歳以下] 9-5-6-40 連対率23.3% 複勝率33.3%
 [6歳以上] 1-5-4-37 連対率12.8% 複勝率21.3%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 0-0-1-9 連対率 0% 複勝率10.0% 枠番値-1.5
 [2枠] 2-0-0-7 連対率22.2% 複勝率22.2% 枠番値+0.4
 [3枠] 0-2-1-9 連対率16.7% 複勝率25.0% 枠番値+0.3
 [4枠] 0-1-2-9 連対率 8.3% 複勝率25.0% 枠番値-0.1
 [5枠] 2-0-3-8 連対率15.4% 複勝率38.5% 枠番値-0.2
 [6枠] 1-1-2-9 連対率15.4% 複勝率30.8% 枠番値+0.1
 [7枠] 3-2-1-13 連対率26.3% 複勝率31.6% 枠番値+0.5
 [8枠] 2-4-0-13 連対率31.6% 複勝率31.6% 枠番値±0

・厩舎所属別成績
 [美浦] 0-2-2-14 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [栗東] 10-8-8-61 連対率20.7% 複勝率29.9%

・前走距離別成績
 [芝1600m] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝1800m] 0-1-0-2 連対率33.3% 複勝率33.3%
 [芝2000m] 3-1-3-26 連対率12.1% 複勝率21.2%
 [芝2200m] 5-5-2-15 連対率37.0% 複勝率44.4%
 [芝2400m] 0-1-1-4 連対率16.7% 複勝率33.3%
 [芝2500↑] 2-2-4-21 連対率13.8% 複勝率27.6%
 [ダート戦] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 5-6-2-19 連対率34.4% 複勝率40.6%
 [前走中央G2] 2-3-3-18 連対率19.2% 複勝率30.8%
 [前走中央G3] 3-0-2-20 連対率12.0% 複勝率20.0%
 [前走OP特別] 0-0-2-10 連対率 0% 複勝率16.7%
 [前走条件戦] 0-1-1-7 連対率11.1% 複勝率22.2%
 [前走地方戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走海外戦] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 1-1-1-6 連対率22.2% 複勝率33.3%
 [中2週] 0-1-0-5 連対率16.7% 複勝率16.7%
 [中3週] 2-0-1-14 連対率11.8% 複勝率17.6%
 [中4週〜8週] 1-1-3-13 連対率11.1% 複勝率27.8%
 [中9週以上] 6-7-5-37 連対率23.6% 複勝率32.7%

・注目出走パターン
 [買い] 前走重賞に出走して9着以内の5歳以下馬(連対率35.3%、複勝率47.1%)
 [買い] 前走G1・G2で5着以内(連対率42.9%、複勝率57.1%)
 [買い] 前走での上がり3F順位が3位以内(連対率30.0%、複勝率42.5%)
 [不振] 前走10着以下馬(連対率3.8、複勝率7.7%)
 [不振] 前走G1・G2以外に出走の6歳以上馬(複勝率5.3%)

 前走で出走したレースの「格」が、そのまま結果に繋がっている印象。まずは前走クラス別成績を見てもらいたいのだが、前走G1出走馬の複勝率が40.6%で、そこから格がG2、G3と下がるにつれて、複勝率も約10%ずつ下降しているのだ。また、夏に使われてきた組よりも、休養明け緒戦で出走する組もほうが強いというのも、出走間隔別成績から明白。天皇賞(春)や宝塚記念から休養を挟んで出走する馬が、素直に強いレースなのである。

 また、脚質シェアデータからも面白い傾向が見てとれる。先行脚質が「1着馬」に占める割合はわずか10.0%で、こちらに関しては圧倒的に差し優勢。しかし、これが「3着以内馬」になると、先行脚質のシェアは一気に43.3%まで上昇する。つまり、アタマでは来ないが2着や3着にはよく来るのが、京都大賞典での先行馬。要するに「差し→先行→追込」や「差し→差し→先行」という決着パターンが非常に多いのだ。

 あとは、4番人気〜9番人気の「中穴ゾーン」にも注意したいところ。10番人気以下馬が壊滅しているのもあって、このレースの配当的妙味がここに集中。3番人気以内馬は相応に強いのだが、4番人気〜9番人気馬も信頼度は意外なほど高い。馬連3377円、3連複6086円という平均配当を見てもわかるように堅く決着する傾向の強いレースだが、中穴はソコソコ来るのだという点を忘れてはならない。

 あとは、5歳以下馬(特に5歳馬)が強いことや、「前走での上がり3F順位が3位以内」という条件を満たす馬が非常に強いことも、京都大賞典の特徴。ちなみに、前走G1出走馬がこの条件を満たしていた場合は、期間内トータル[4-3-0-2]で勝率44.4%、連対率77.8%という超・高信頼度。今年の登録馬でこれに該当するのは、宝塚記念を最速上がりで制しているゴールドシップだけである。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 開幕週でAコース。速い時計が出る馬場である可能性が大。

・天候予測
 台風の影響もあり土曜日の降水確率が高い。進路次第では馬場悪化も。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率26.8% 連対率46.3% 複勝率58.5%

・著者の注目血統
 ディープインパクト産駒、ハーツクライ産駒

 馬場については開幕週でもあり、土曜日の結果待ち。気になるのが台風23号の進路で、6日朝には東シナ海方面へと抜けるとの予報が出ているが、少し進路が東へ向けば、土日ともに風雨の影響を受ける可能性アリ。パンパンの良馬場ではなく、稍重での開催を前提に考えるくらいのほうがいいと思われる。

 また、血統面でも気になる要素が。ここはゴールドシップ、エクスペディションと2頭のステイゴールド産駒が登録しているが、その成績は[2-1-2-23]で勝率7.1%、連対率10.7%、複勝率17.9%という物足りないもの。3番人気以内で出走した馬もすべて負けているように、血統的に向くとは言いかねるのだ。

 対照的に絶好調なのが、現代日本競馬の「キレ型」代表格である、ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒。道中ゆるいペースで瞬発力勝負の流れになってしまうと、ステイゴールド産駒はキレ負けする危険性が出てくる。ゴールドシップがどのような位置からどんな競馬をするかにもよるが、血統的には取りこぼす可能性アリ。このファクターを重視するなら、ゴールドシップの2着付けや3着付けという手もありそうである。

★総論×各論

 京都大賞典がコースデータ的にもレースデータ的にも「堅い」のは、前述したとおり。また、1着には差し・追い込み脚質が来ることが多いことや、前走レースの格や上がり3F順位が結果に直結する傾向にあるのも、重視すべきファクターと言える。

 となると、やはり中心はゴールドシップ。春シーズンは天皇賞(春)こそ5着に敗れたが、宝塚記念では先行策から最速上がりで勝つという新味を見せた。今回の「阪神内回り→京都外回り」というコース替わりはプラスではないが、実績や臨戦過程、プロフィルなどからも大崩れするケースは考えにくく、ステイゴールド産駒であるという血統的な不安も、今回に関しては「問題なし」と見た。

 なぜなら、京都大賞典に登録しているディープインパクト産駒&ハーツクライ産駒が、いわゆる「タメてキレる」タイプではないから。ヴィルシーナは徹底先行型で、トーセンラーも好位〜中団で流れに乗る馬。ニューダイナステイもトーセンラーと同型であり、ゴールドシップを後ろから食うほどの末脚は使えないと思われる。

 唯一の例外が徹底差しタイプであるアドマイヤラクティだが、こちらは「目黒記念10着からのローテ」で。前走の上がり3F順位も4位以下。一応は天皇賞(春)でゴールドシップに先着しているが、マイナス材料が多く意外に買いづらい。つまり、ゴールドシップを後ろから差せるほどのキレを持つ馬はいない──というのが、分析結果なのだ。

 というわけで、二番手評価は配当妙味のありそうなアンコイルドに。三番手がトーセンラーで、以下はヴィルシーナ、エクスペディション、ニューダイナステイという評価順となった。もっとも、ゴールドシップがまた後方からの競馬をすると読むなら、前を捉まえきれないケースもあるはず。陣営が直前にどのようなコメントをするのかを、注意深く見守りたい。

■毎日王冠(G2・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録11頭

 昨年の秋の天皇賞馬エイシンフラッシュに、春の安田記念でロードカナロアにクビ差まで迫ったショウナンマイティ、ダービー以来となる3歳馬コディーノなど、こちらも京都大賞典に負けず劣らずの豪華メンバー。そして、京都大賞典と同じく「格」を問われるレースでもある。

 真っ先に割り引きたいのが、前走でG3やオープン特別に出走していた馬だ。2011年にダークシャドウが制してはいるが、これはトータル[1-0-5-47]で連対率1.9%という、かなり期待薄な出走パターン。今年はクラレント、レッドスパーダ、ジャスタウェイなど前走G3好走馬もソコソコ人気を集めそうだが、買いか消しかで言えば断然「消し」なのだ。

 となると、今年は少頭数でもあり、残るのはエイシンフラッシュ、コディーノ、ショウナンマイティ、ダークシャドウくらいのもの。もうこの時点で荒れようがないが、前走で見せたパフォーマンスの高さと差し優勢であるコース形態、さらに距離実績を重視して、ショウナンマイティを最上位に評価。以下はコディーノ、エイシンフラッシュ、ダークシャドウという序列で、キッチリ人気馬で決着するというのが現段階での見立てである。

■デイリー杯2歳S(G2・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録15頭

 昨年は1番人気のメイケイペガスターが11着に沈んだが、3番人気以内馬の[7-7-5-11]という成績を見てもわかるように、デイリー杯2歳Sは順当決着傾向の強いレース。7番人気以下馬は[1-0-3-58]で連対率1.6%とかなり分が悪く、高配当を狙ってブンブン振り回すのはハッキリと効率が悪い。

 ただし、今年に関しては人気馬につけいる隙がけっこうありそう。というのも、人気の中心となりやすい前走重賞出走組が、じつは[1-3-4-13]と意外にアテにならないからである。しかも、このレースは「前走1600m以下戦出走組」よりも「前走1800m以上戦出走組」のほうが好走率は高いのだが、今年人気を集めそうなホウライアキコ、ピークトラムの2頭はいずれも、前走1600m以下戦出走組。これなら、人気馬にケンカを売ってみる価値はある。

 注目は、前走で1800m以上戦に出走しており、しかも2番人気以内だったプライマリーコード、ライザンの2頭。新馬や未勝利を勝ち上がった直後だが、このレースでそれを気にする必要はまったくない。意外に人気薄となる可能性もアリと見て、この2頭から「6番人気以内馬」へと流す馬券を推奨しておこう。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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