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見事にどんぐりの背比べ/マイルCS

  • 2013年11月13日(水) 18時00分
■マイルCS(G1・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録20頭

【コース基本情報】京都芝1600m外 Cコース使用
・コース回収率
 [やや低め] 単73%・複勝69% 2番人気以内馬の強さが目立つコース

・馬連万馬券出現率
 [高め] 17.0%(平均値△5.0% 馬連平均配当6031円)

・枠番別成績(16頭立て以上) ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜2枠] 勝率6.1% 連対率12.8% 複勝率18.2% 複回率57% 枠番値+0.6
 [3枠〜6枠] 勝率6.1% 連対率12.9% 複勝率18.3% 複回率62% 枠番値-0.2
 [7枠〜8枠] 勝率5.5% 連対率 9.3% 複勝率16.5% 複回率66% 枠番値-0.1
 →外枠だけがやや不利も数値差は小さく影響は軽微か

・脚質別信頼度
 逃げ>先行>差し>追込 道中のポジションがそのまま信頼度に反映される

・推定ラップ&タイム
 [底力] 34.4-23.5-34.6=1.32.5 序盤から終盤まで一貫して速い底力勝負

 枠番別成績で内・中・外での成績差があまり出ていないように、京都芝1600mの外回りはクセのないコース。バックストレッチの引き込み線からスタート→最初のコーナーまでが非常に長いというコース形態で、外枠からでもポジションを取りに行きやすいのだ。自分の持つ能力を発揮しやすい、公平感のあるコースと言えるだろう。

 そういう理由もあって人気サイドの信頼度が高いのだが、馬連万馬券の出現率は17.0%と、平均値よりもかなり高め。馬連平均配当も6000円オーバーと意外なほどに高く、人気馬が飛んだ場合のリターンはかなりのものだ。順当決着にはならないと見るなら、思い切って振り回してみるのもいいだろう。

 また、脚質別成績から「道中でポジションが前であればあるほど好結果」という傾向にあるのも、クセのないコースである証明。さすがにG1ともなると道中はかなり厳しい流れとなり差し馬が浮上するが、それでも基本は前有利。当然、穴を開ける可能性が高いのも、先行勢である。

【レース基本情報】マイルCS(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝1143円 馬連4763円 3連複1万9076円

・1番人気馬成績
 [4-3-0-3] 勝率40.0% 連対率70.0% 複勝率70.0%

・3番人気以内馬成績
 [5-5-2-18] 勝率16.7% 連対率33.3% 複勝率40.0%

・4番人気〜9番人気馬成績
 [4-3-6-47] 勝率 6.7% 連対率11.7% 複勝率21.7%

・10番人気以下馬成績
 [1-2-2-82] 勝率 1.1% 連対率 3.4% 複勝率 5.7%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 30.0% [差し] 50.0% [追込] 20.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.7% [先行] 16.7% [差し] 53.3% [追込] 23.3%

・性別成績
 [牡馬] 9-7-6-123 連対率11.0% 複勝率15.2%
 [牝馬] 1-3-4-24 連対率12.5% 複勝率25.0%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-1-3-32 連対率 2.8% 複勝率11.1%
 [4歳馬] 4-6-3-27 連対率25.0% 複勝率32.5%
 [5歳馬] 4-3-3-40 連対率14.0% 複勝率20.0%
 [6歳馬] 1-0-1-29 連対率 3.2% 複勝率 6.5%
 [7歳↑] 1-0-0-19 連対率 5.0% 複勝率 5.0%
 ────────────────────────
 [4歳〜5歳] 8-9-6-67 連対率18.9% 複勝率25.6%
 [上記以外] 2-1-4-80 連対率 3.4% 複勝率 8.0%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠] 1-1-2-16 連対率10.0% 複勝率20.0% 枠番値+1.7
 [2枠] 1-0-1-18 連対率 5.0% 複勝率10.0% 枠番値-1.1
 [3枠] 2-0-0-18 連対率10.0% 複勝率10.0% 枠番値-0.5
 [4枠] 3-4-1-12 連対率35.0% 複勝率40.0% 枠番値+0.5
 [5枠] 1-0-0-19 連対率 5.0% 複勝率 5.0% 枠番値-0.4
 [6枠] 1-1-1-17 連対率10.0% 複勝率15.0% 枠番値+0.2
 [7枠] 1-1-3-24 連対率 6.9% 複勝率17.2% 枠番値-0.2
 [8枠] 0-3-2-23 連対率10.7% 複勝率17.9% 枠番値-0.6
 ──────────────────────────────
 [1枠〜4枠] 7-5-4-64 連対率15.0% 複勝率20.0% 枠番値+0.2
 [5枠〜8枠] 3-5-6-83 連対率 8.2% 複勝率14.4% 枠番値-0.1
 ──────────────────────────────
 [1枠〜3枠] 4-1-3-52 連対率 8.3% 複勝率13.3% 枠番値±0
 [4枠〜6枠] 5-5-2-48 連対率16.7% 複勝率20.0% 枠番値+0.4
 [7枠〜8枠] 1-4-5-47 連対率 8.8% 複勝率17.5% 枠番値-0.4

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-5-2-55 連対率10.9% 複勝率14.1%
 [栗東] 8-5-6-83 連対率12.7% 複勝率18.6%

・前走距離別成績
 [芝1200m] 2-1-1-5 連対率33.3% 複勝率44.4%
 [芝1400m] 1-2-3-35 連対率 7.3% 複勝率14.6%
 [芝1600m] 1-2-3-54 連対率 5.0% 複勝率10.0%
 [芝1800m] 1-3-1-17 連対率18.2% 複勝率22.7%
 [芝2000m] 5-2-2-30 連対率17.9% 複勝率23.1%
 [芝2100〜] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%

・前走クラス別成績
 [前走中央G1] 7-3-3-37 連対率20.0% 複勝率26.0%
 [前走中央G2] 1-5-4-41 連対率11.8% 複勝率19.6%
 [前走中央G3] 2-2-0-51 連対率 7.3% 複勝率 7.3%
 [前走OP特別] 0-0-0-7 連対率 0% 複勝率 0%
 [前走条件戦] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%

・前走主要レース別成績
 [天皇賞秋] 5-2-1-20 連対率25.0% 複勝率28.6%
 [スプリンタ-S] 2-1-1-5 連対率33.3% 複勝率44.4%
 [スワン S] 1-2-3-34 連対率 7.5% 複勝率15.0%
 [冨 士 S] 1-2-0-44 連対率 6.4% 複勝率 6.4%
 [毎日王冠] 0-3-0-5 連対率37.5% 複勝率37.5%

・出走間隔別成績
 [連 闘] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [中1週] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [中2週] 6-4-4-57 連対率14.1% 複勝率19.7%
 [中3週] 1-2-0-48 連対率 5.9% 複勝率 5.9%
 [中4週〜8週] 3-4-6-25 連対率18.4% 複勝率34.2%
 [中9週以上] 0-0-0-9 連対率 0% 複勝率 0%

・注目出走パターン
 [不振] 前走中央G1以外で2番人気以下かつ2着以下(連対率1.2%、複勝率3.7%)
 [不振] 3歳馬(連対率2.8%、複勝率11.1%)
 [不振] 騎手が乗り替わる前走2番人気以下馬(連対率3.6%、複勝率5.5%)
 [全滅] 騎手が乗り替わる前走6番人気以下馬(0-0-0-27)

 目立っているのが、1番人気馬の強さと4番人気〜6番人気馬の好走率の高さ。特に素晴らしいのが後者で、トータル[4-3-5-18]で連対率23.3%、複勝率40.0%、複勝回収率119%と期待値バツグン。馬券に絡まない年のほうが珍しいほどで、この理由だけで「すべて買い」と言いたくなってしまうほどだ。対照的に7番人気〜9番人気馬は[0-0-1-29]とサッパリで、これなら思い切って10番人気以下馬を狙ったほうがベターか。

 コースデータと対照的な結果が出ているのが、脚質別成績である。マイルCSは道中の流れが非常に厳しいためか、展開は差し&追い込み馬に向く様子。3着以内馬に占める割合が、逃げ&先行脚質が23.4%、差し&追込脚質が76.6%なのだから、もうハッキリと「差し優勢」のレースである。中心に据えるべきは、やはり差し馬。想定すべき決着パターンは、「差し→差し」と「差し→追込」、「差し→先行」の三種類となる。

 年齢別では、4歳〜5歳がトータル[8-9-6-67]と圧倒的。連対20頭のうち17頭までがここに含まれているというのは尋常ではなく、大きなプラス評価をしてしかるべきだ。また、前走G1組が非常に強く、スワンSや富士Sといったトライアル組がイマイチというのも、ハッキリしている傾向。今年は前走G1組の登録が非常に少ないが、それでも警戒は怠れない。

 今年は「買い」条件に合致する馬の登録が少ないため、注目出走パターンは「消し」系のものを4つあげている。G1ということで注目したいのが、騎手の乗り替わり。継続騎乗がトータル[8-6-7-76]で複勝率21.6%であるのに対して、乗り替わりは[2-4-3-70]で複勝率11.4%と、その信頼度は継続騎乗の約半分。外国人ジョッキーへの乗り替わりも多そうだが、それでも基本的には割引材料と考えたい。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 Cコース替わり。軽いスピード馬場で内外のバイアスはそれほど感じない。

・天候予測
 金曜日に降雨がありそうだが週末には回復しそう。良馬場前提での予想を。

・勝利数トップ種牡馬
 アグネスタキオン 勝率14.3% 連対率25.7% 複勝率37.1%

・著者の注目血統
 アグネスタキオン産駒◎、ディープインパクト産駒○、ダンスインザダーク産駒△

 軽いスピード馬場でキレ系種牡馬の産駒が好成績を残しそうだが、ホワイトマズル産駒やダンスインザダーク産駒など、意外な面々が上位に食い込んできている。ディープインパクト産駒も複勝率32.8%と信頼度は高いのだが、連対率が20%を切っているようにベストの条件ではないはずだ。

 上位に食い込んだ種牡馬のラインナップから適性を判断すると「7割のキレと3割のパワー」といった印象。キレ特化型よりも少しだけパワーのある配合のほうが向くようで、そう考えると当コースにおけるアグネスタキオン産駒やダンスインザダーク産駒の強さに納得がいく。また、「母父サンデー」配合が連対率14.1%、複勝率23.7%とやや不振なのも、その裏付けと言えそうだ。

★総論×各論

 実績馬グランプリボスを筆頭に、昨年の覇者サダムパテック、富士Sを制したダノンシャーク、復活を期するカレンブラックヒル、マイル戦初出走となるトーセンラーなど、なかなか面白いメンバー構成。例年ならば最も強い「前走G1好走組」がまったく出走してこないというのも、今年の大きなトピックと言える。

 前走でG1以外に出走していた馬についてマイナス材料となる項目はいくつかあるが、その中でも最も重要なのが「前走1番人気馬、もしくは1着馬」であるか否かだ。登録馬全20頭のうち、前走G1組が2頭で、それ以外が18頭。で、後者である18頭のうち、前述の条件を満たせない馬が今年はなんと16頭もいる。クリアしたのは、スワンS1着のコパノリチャードと、富士S1着のダノンシャークのみだ。

 ……というわけで、ここは素直にダノンシャークを筆頭評価。富士Sからのローテは、例年であればかなり期待薄なのだが、前走G1組が非常に少ない今年であれば、その影響は軽微。騎手の乗り替わりについても、前走1番人気であればそれほど問題はない。父ディープ、母父Caerleonという配合はかなりの強調材料で、5歳馬であることや距離実績、コース実績もプラス評価。今年のメンツの中では、かなりアテになるほうであるのは間違いない。

 以下は見事にどんぐりの背比べだが、上位評価となったのがクラレントサクラゴスペルダイワマッジョーレコパノリチャードの4頭。以下は押さえ評価で、ガルボ、カレンブラックヒル、サダムパテック、リアルインパクトという序列となった。

 人気を集めそうなところでは、グランプリボスとトーセンラーが、プラス評価の項目が伸びず「消し」対象。上位評価組にしてもその差はわずかで、大混戦で波乱決着も十分にあるというのが、今年のマイルCSについての「総論」となる。

■東京スポーツ杯2歳S(G3・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録16頭

 1番人気馬が過去10年で[7-1-0-2]と素晴らしい成績を残している、東京スポーツ杯2歳S。しかし、ふたケタ人気馬が2頭も馬券に絡んだ一昨年のように、人気サイドですんなり決着するわけではないというのが、このレースの面白いところだ。

 見事に明暗が分かれるのが、新馬や未勝利を勝ち上がったばかりの馬。前走新馬勝ち上がり組は[6-1-2-27]で連対率19.4%と好調なのだが、対照的に前走未勝利勝ち上がり組は[1-2-4-24]で連対率9.7%と信頼度半減。前走2番人気以下で未勝利を勝ち上がった馬となると、好走例がほとんどない。買うなら断然、前走新馬組である。

 次に前走500万下〜オープン出走馬だが、こちらは「前走着順」がそのまま成績に直結。大敗から巻き返してくるケースはほとんど見当たらず、前走5着以下馬は[0-0-1-22]と大不振だ。最低でも前走で2着に、できれば1着に来ているのが望ましい。また、勝ち馬がすべて「前走1600m〜1800m戦出走馬」であるのも注目したいポイントだ。

 となると、今年の登録馬ではイスラボニータ、ウインマーレライ、クラリティシチー、ケンブリッジベスト、サトノアラジン、ラングレーあたりが有力で、特に信頼できそうなのが東京芝マイルのいちょうSを制しているイスラボニータ。実績上位で臨戦過程も良好な同馬から流す馬券を、現時点では推奨しておきたい。

■福島記念(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録18頭

 昨年は1番人気のダイワファルコンが制し、福島記念にしては順当な決着に。しかし、このレースが超のつく波乱傾向であるのは穴党にはおなじみの話で、3番人気以内馬の信頼度はトータル[3-3-4-17]で連対率22.2%、複勝率37.0%とかなりの低さ。ブンブン振り回すのにこれほど適したレースもない。というわけで、ここは4番人気以下馬券に絡んだ17頭について、その共通点を探っていきたい。

 まず言えるのが「ハンデ55キロ以下のほうが格段にアツい」ということ。ハンデ56キロ以上でも4頭が条件を満たしているが、比率でいえばかなり少なめ。狙いはハンデ55キロ以下馬に絞り込みたい。また、過半数となる10頭が距離延長での出走だったというのも、絶対に見逃せない要素。評価順としては「距離延長>変化なし>距離短縮」である。

 あと、絶対にチェックしてもらいたいのが「枠番」だ。条件を満たす17頭のうち、じつに10頭までが「馬番1番〜6番」に集中しているように、内枠のほうが激走期待度が高いのは確実。枠順確定待ちだが、穴馬を絞り込む際には必ず加味して考えてもらいたい。少しでも内の馬番に入ったほうがベターである。

 今年の登録馬でこういった「人気薄での好走条件」を満たすのは、カワキタフウジンキングズクエストスピリタス、ディサイファの4頭。ただしディサイファは人気となりそうなので、それ以外の3頭を激走候補としてあげておきたい。

※レースデータは2003年以降、コース&血統データは2010年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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